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「業務で車の運転が必要だが、外国人が持っている外国の免許証で運転できるの?」「外国人が持っている免許証が使えない場合どうしたら良いの?」という疑問をもつ企業の方もいるのではないでしょうか。
このコラムでは、外国人が日本で運転する場合に必要な免許証を紹介します。また、日本の運転免許証を取得する方法や外国免許の切替手続きについても解説。外国人を雇用する企業の方は、ぜひ参考にしてください。
目次
外国人が日本で自動車を運転をする場合、日本人と同様に運転免許証が必要です。ここでは、運転免許証の種類について解説します。
外国人が日本で自動車を運転をするには、日本の運転免許証か国際運転免許証、もしくは日本と同等の水準にあると認められる国の免許証が必要です。
日本で取得できる運転免許証です。日本人と同様に試験を受けて取得します。
ジュネーブ条約に基いて発行されている運転免許証で、運転できる期間は日本に入国した日から1年間です。ただし、国際運転免許証の有効期限のほうが短い場合は、国際運転免許証の有効期限に準じます。なお、国際運転免許証の有効期限は1年間です。
2021年8月現在では、エストニア共和国・スイス連邦・ドイツ連邦共和国・フランス共和国・ベルギー王国・モナコ公国・台湾の運転免許証を持っている人は、運転免許証とあわせて日本語翻訳文を所持していることを条件に日本での運転が可能です。なお、日本語翻訳文は政令で定められた人が作成したものでなければなりません。たとえば、その国の在日大使館や領事館、免許証の発給機関、JAFなどです。
日本の運転免許証が海外で使えないのと同じで、海外の運転免許証も基本的に日本では使えません。国によって交通ルールや道路標識が異なるためです。
ただし、前述したとおりエストニア共和国・スイス連邦・ドイツ連邦共和国・フランス共和国・ベルギー王国・モナコ公国・台湾の運転免許証を持っている人は、運転免許証とあわせて日本語翻訳文を所持しているのを条件に日本で運転することができます。
外国人が日本で運転するには日本の運転免許証を取得、もしくは海外の運転免許証の切り替え手続きを行う必要があります。切り替えのほうが処理が早く費用がかからないので、海外の運転免許証を持っている人は切替手続きを行うのが一般的です。海外の運転免許証を持っていない人は、日本人と同じように試験を受けて免許を取得する必要があります。
ここでは、外国人が日本の運転免許証を取得する方法や留意点について解説します。
日本の運転免許証を取得する一般的な方法を、順に沿って解説します。
まずは、公安委員会が公認した指定自動車教習所に通って運転技術や交通ルールを学びます。学科講習と技能講習のカリキュラムを終え、卒業検定(技能試験)に合格したら卒業です。自動車教習所の中には、英語や中国語等で教習を実施しているところもあります。なお、最初の講習を受けた日から9カ月以内に、すべてのカリキュラムを終わらせなければなりません。合宿タイプの自動車教習所では、短期間で免許を取得できるようにカリキュラムが設定されています。
卒業検定(技能試験)を受けて自動車教習所したら、運転免許試験場で運転免許試験を受けます。
この試験を受けるには、本籍(国籍)記載の住民票と本人確認書類、申請用写真、卒業証明書、手数料、運転免許申請書が必要です。卒業証明書の有効期限は1年間なので、卒業してから1年以内に運転免許試験を受ける必要があります。
運転免許試験に合格したら、運転免許証が交付されます。
自動車運転免許にはオートマチック限定とマニュアルがあり、運転できる自動車が異なります。
オートマチック限定とは、ギアチェンジが自動で行われるオートマチックトランスミッション(AT)のことです。一方、マニュアルはマニュアルトランスミッション(MT)のことで、ドライバー自身でギアの切り替えを行う必要があります。マニュアルの運転免許を取得していればマニュアル車とオートマチック車のどちらも運転できますが、オートマチック限定免許の場合はマニュアル車の運転ができません。
2020年の運転免許取得者は約117万人です。そのうち、約80万人が オートマチック限定の免許を取得しています。
参照元 警視庁 運転免許統計令和2年版
普通自動車運転免許を取得することで原動機付自転車や定員10人以下のワゴンを運転できます。また、車両総重量3.5t未満のトラックやカーゴの運転も可能です。
ここでは、外国で取得した運転免許証を日本で切り替える場合の条件や必要書類、手続きの流れについて解説します。
運転免許の切り替えができる条件は、以下のとおりです。
なお、免許を取得してから免許取得国に3カ月以上滞在していたことを確認するために、母国滞在期間をパスポートなどで確認されます。場合によっては、パスポート以外の書類を求められることもあるようです。
運転免許の切り替えでは、以下の書類が必要になります。
住民基本台帳法の適用を受ける人と受けない人で必要書類が異なります。
外国の運転免許証の切替手続き方法を順に沿って解説します。
各都道府県の運転免許センターに申請書類を提出します。書類が足りなかったり不備があったりすると、運転免許証の切替手続きはできません。
視力テストや色彩識別能力テストを行います。視力は両眼で0.7以上、片眼でそれぞれ0.3必要です。色彩識別能力テストでは、赤色や青色、黄色の信号の色が識別ができるかをチェックします。
基本的な交通規則に関する筆記試験です。選択式の試験で、日本語以外でも受けられます。
運転免許センターにあるコースを実際に走行します。ただし、実際に運転ができるかという確認だけではありません。検定基準に沿って、運転技能を確認されます。
筆記試験や運転技能に問題なければ、日本の運転免許への切り替えが行われます。
なお、アイスランド、アイルランド、アメリカ合衆国(バージニア州、ハワイ州、メリーランド州及びワシントン州に限る)、イギリス、イタリア、オーストラリア、オーストリア、オランダ、カナダ、韓国、ギリシャ、スイス、スウェ-デン、スペイン、スロベニア、チェコ、デンマーク、ドイツ、ニュージーランド、ノルウェ-、ハンガリー、フィンランド、フランス、ベルギー、ポーランド、ポルトガル、モナコ、ルクセンブルク、台湾の運転免許書を所持している方は、知識確認と技能確認が免除となるため必要ありません。
外国人が日本で自動車を運転するには「日本の運転免許証」「国際運転免許証」「日本と同等の水準にあると認められる国の免許証」のいずれかが必要です。いずれも所持していない場合は、日本の運転免許証を取得するか外国の運転免許証の切替手続きを行う必要があります。
自動車の運転を伴う業務がある企業の方は、雇用する外国人が日本の運転免許証を取得もしくは外国の運転免許証の切替手続きを行う際に、的確なサポートを行えるようにしておくと良いでしょう。