人手不足の業界とは?企業で起きやすい問題や原因と対策を解説

2022年05月19日
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濵川恭一 (監修)
外国人専門の人材ビジネス会社勤務を経て、外国人のビザ専門行政書士事務所を設立。専門分野は、就労ビザ申請、外国人採用コンサルティング。著書に、「これ1冊でまるわかり!必ず成功する外国人雇用」、「実務家のための100の実践事例でわかる入管手続き」等がある。 http://svisa.net

人手不足の業界の特徴を知りたい企業担当者もいるのではないでしょうか。また、人手不足に陥る原因を知り、早急に対策を講じたい企業もあるでしょう。社会全体の労働人口減少のほか、労働環境の悪化や働き方改革が進んでいないなどの要因によって、人手不足が深刻化する業界が増加していると考えられます。このコラムでは、企業がやるべき対策を4つ紹介するので、自社の人手不足解消の参考にしてください。

目次

  1. 人手不足の業界
  2. 人手不足の業界で起きやすい問題とは?
  3. 企業が人手不足に陥る要因
  4. 人手不足の業界がやるべき5つの対策
  5. まとめ

人手不足の業界

人手不足が顕著な業界は建設業界や医療・介護業界、飲食業界、運送業界などです。厚生労働省は毎月有効求人倍率を発表しており、その数値からどの業界が人手不足かを読み取れます。有効求人倍率とは、企業の求人数を求職者数で割って算出したものです。「倍率1.00倍以上=人手不足」と考えられます。

以下は、業界全体の有効求人・有効求職・有効求人倍率の推移表です。

引用:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和4年1月分)について

2022年1月時点で有効求人倍率の平均は1.20倍でした。過去の数値を見てみると、2011年以降1.00倍を下回っていません。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、求人数を減らした業界があるものの、多数の企業で人手不足は長期にわたり継続しているのです。

以下では、人手不足の業界の有効求人倍率を参考にしながら特徴を解説します。

建設業界

人手不足で代表的なのは建設業界です。2022年1月の有効求人倍率は、「建設躯体工事の職業」が8.56倍でした。「建築・土木・測量技術者」が5.72倍、「土木の職業」は5.70倍です。ほかにも、「採掘の職業」が4.98倍、「建設の職業」が3.95倍など、先述した全体平均1.20倍をはるかに上回る数値ということが分かります。

建設業界では、若者の応募者がなかなか増えない一方、退職者が多くいるのが問題といえるでしょう。建設業界で働くには体力はもちろん、専門的な知識や技術が必要です。また、「きつい・汚い・危険」とマイナスなイメージを持つ方も多いため、応募者がなかなか増えません。新規入社数が少ないうえ入社後すぐに退職してしまう若者、あるいは高齢になった従業員の退職などが後を絶たず、人手不足が続いています。

医療・介護業界

医療・介護業界も、慢性的な人手不足の業界の一つです。2022年1月時点の有効求人倍率は、「介護サービスの職業」が3.68倍でした。「医療技術者」は3.11倍、「保健医療サービス」が3.06倍です。

医療・介護業界で人手不足が続く原因には、日本社会の少子高齢化が大きく影響しているといえるでしょう。医療や介護を必要とする方が年々増加する一方で、専門知識と技術を持つ若者の人数が足りません。また、仕事にやりがいを感じつつも、「賃金が安い」「業務がハード」などの理由から、医療・介護業界を離れてしまう方も多くいるようです。

飲食業界

飲食業界でも人手不足が深刻です。2022年1月時点の有効求人倍率は、「飲食物調理の職業」が2.49倍、「接客・給仕の職業」が2.46倍でした。

飲食業界では、アルバイトやパートとして働く方が多くいます。非正規の従業員は、正規雇用の社員と比べると雇用のコストが掛かりません。その半面、家庭の事情や進学、就職などにより、一定期間以内で退職してしまうケースがほとんどです。また、「賃金が安い」「雇用が不安定」といった印象を持つ方も多く、慢性的な人手不足の状態に陥っています。

運送業界

運送業界の2022年1月時点の有効求人倍率は、「運輸・郵便事務の職業」が2.27倍、「自動車運転の職業」が2.20倍でした。

近年、インターネットショッピングやフリーマーケットアプリなどで運送会社を利用する人が増加したため、ますます人手が不足しています。賃金の低さや業務量の多さを理由に、早期退職する方も多いようです。需要が高まる一方、安定した人材確保ができず、運送業界では人手不足の状態が続いています。

IT関連業界

IT関連業界も人手不足の業界です。2022年1月時点の有効求人倍率は、「情報処理・通信技術者」が1.46倍でした。ほかの業界と比べると比較的低めの数値です。しかし、今後さらに業界規模が拡大されるなか、技術者の育成および人材確保が追いつかず、人手不足が深刻になることが考えられます。

人手不足の業界や職業については、「人手不足の職業ランキングを紹介!働き手が不足する要因と対策を徹底解説」でも紹介しているので、あわせてチェックしてみてください。

参照元
厚生労働省「一般職業紹介状況(令和4年1月分)について

人手不足の業界で起きやすい問題とは?

人手不足の業界では、従業員のモチベーション低下や一人当たりの業務量増加、または事業の縮小といった問題が起きやすいようです。以下で詳しく解説します。

従業員のモチベーション低下

人手不足の業界では、従業員のモチベーションが低下しやすいでしょう。人手不足の企業で働く従業員のなかには、「努力や業務量に見合った賃金を貰えていない」と感じる方も多くいるようです。人手不足の業界は、ほかの業界と比べると賃金が低い傾向にあります。賃金が低く次第にやりがいを見出せなくなった従業員は心身ともに疲弊し、業務のパフォーマンス低下に繋がるでしょう。

一人当たりの業務量増加

人手不足の業界では、従業員一人当たりの業務量が増加します。日々の業務をこなすために、残業や休日出勤が常態化している企業も少なくありません。人手が不足している企業では、本来複数の従業員で分担して行う業務を1人で行うので、一人当たりの業務量が増加するのは当然です。従業員の負担が増えるとモチベーションの低下や心身の疲れ、退職者の増加にも繋がります。

事業の縮小

人手不足が長期間続くと業務をこなせなくなるため、事業を縮小または撤退せざるを得ない場合もあります。また、事業縮小によって利益が低下した場合、従業員の給与やボーナス、諸手当などの削減も検討する必要があるでしょう。

人手不足の長期化は、従業員一人ひとりに大きな負担が掛かるばかりか、不満やストレスによってさらなる退職者増加に繋がる可能性もあるのです。

企業が人手不足に陥る要因

日本社会の少子高齢化による労働人口の減少が、人手不足の大きな要因となっています。人材を必要とする業界が多い一方で、労働力となる若者の人数が減少しているのです。ほかにも、働き方改革が進んでいない企業や労働環境が悪い企業は、人手不足に陥る傾向があります。以下で解説するので、自社に該当する点はないかを照らし合わせてみてください。

働き方改革が進んでいない

働き方改革が進んでいない企業は、人手不足に陥りやすいでしょう。働き方改革は個々の事情に応じて多様な働き方を推進することで人手不足を防ぎ、さらには業績の向上に繋がるとされています。そのため、働き方改革を進めている企業は、働きやすく魅力ある職場として人材を確保しやすいでしょう。一方、働き方改革を進めていない企業では人材が流出し、人手不足が深刻化しているようです。

労働環境が悪い

労働環境が悪い企業は人材が流出しやすいため、人手不足に陥る可能性が高いでしょう。「給与額が低い」「残業時間が長い」「一人当たりの業務量が多い」「不衛生」といった環境では退職者が増えてしまいます。退職者が相次ぐと、さらに人手が足りなくなり従業員の負担は増す一方です。また、労働環境の悪化によって業界全体にマイナスなイメージが定着してしまうと、入社人数も減少します。

人手不足の業界がやるべき5つの対策

ここでは、人手不足の業界がやるべき対策を紹介します。

1.労働環境を見直す

人手不足の業界は、自社の労働環境を見直すことが重要です。従業員が長期間働きたいと思えるような環境を整えましょう。たとえば、出産や育児に関する支援制度の拡充やテレワークを導入して従業員の負担を減らすといった対策ができます。また、従業員一人ひとりの意見に耳を傾け、やりがいを見出せる仕事を与えることも大切です。こうした労働環境の改善を目的とした補助金や支援金もあります。自治体や商工会議所などの公式サイトでこうした情報が掲載されています。

2.業務の自動化を進める

業務の自動化を進めることも人手不足解消へ繋がります。作業やサービスのすべてを従業員が行っている企業は、なかなか人手不足を解消できません。飲食業界であれば、自動オーダー可能なタッチパネルを導入すれば、人手不足を軽減させることができるでしょう。また、建設業界ではICT技術を導入し、業務の自動化を進めている企業も増えています。業務の効率化かつ自動化を進めることは、人手不足に悩む業界にとって必要不可欠です。

3.業務を外注する

業務の外注化が進んでいない企業も、人手不足に陥りやすいでしょう。たとえば、事務作業や専門知識が必要な業務を、社外へ依頼する方法もあるのです。社内で行っている業務の一部を外注すれば、自社の従業員の負担を軽減できるでしょう。ただし、外注するときはマニュアルの作成、および依頼先企業の窓口となる人材の配置などの準備が必要です

4.自社をブランディングする

自社をブランディングし入社希望者を増やすのも、人手不足の業界にとって重要な対策です。ブランディングによって自社のイメージアップを図れれば、入社希望者の増加が見込めます。自社の雰囲気が伝わるよう採用ページを見直したり、働き方改革の取り組みを分かりやすく掲載したりしましょう。

5.外国人を雇用する

人手不足の業界は、外国人の雇用も検討しましょう。先述した有効求人倍率が高い業界では、これまでよりもさらに採用の幅を広げて、人材を確保しなければなりません。そのためには、外国人の受け入れも選択肢の一つとして考える必要があります。

人手不足の業界がどのような対策を行うべきかは、「人手不足の業界が行える対策は?企業に向けて詳しく解説」でも解説しているのでご参照ください。

まとめ

日本社会の少子高齢化により、人手不足に悩む業界は年々増加しています。特に、人手不足が顕著なのは建設業界や医療・介護業界、飲食業界、運送業界などです。人手不足に悩む企業は、労働環境の見直しや業務の自動化を行い人材流出を防ぎましょう。また、外国人を雇用することも、人手不足解消の一つの方法です。

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