難民に許可されるビザは?外国人を雇用する企業に向け解説

2021年09月22日
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濵川恭一 (監修)
外国人専門の人材ビジネス会社勤務を経て、外国人のビザ専門行政書士事務所を設立。専門分野は、就労ビザ申請、外国人採用コンサルティング。著書に、「これ1冊でまるわかり!必ず成功する外国人雇用」、「実務家のための100の実践事例でわかる入管手続き」等がある。 http://svisa.net

「難民ビザはあるの?」「難民は働けるの?」と疑問に思う方もいるでしょう。難民という種類の

ビザはありませんが、政府から難民認定を受ければ「定住者」ビザが付与され、日本での仕事が可能です。また、難民申請中の人は「特定活動」のビザが一時的に取得でき、就労ができる場合もあります。このコラムでは、難民が取得できるビザについて解説していますので、外国人を雇用する企業の方は参考にしてください。

目次

  1. 難民とはどのような人のこと?
  2. 難民はビザを取得できるの?
  3. 難民申請中に許可されるビザの種類
  4. 難民を雇用する際の注意点
  5. まとめ

難民とはどのような人のこと?

難民とは、紛争や迫害により自国にいられなくなり、他国に逃れてきた人々のことを指します。難民には大きく分けて3つの種類がありますが、日本で難民認定を受ける外国人は非常に少ないです。以下で詳しく説明します。

紛争や迫害により自国を追われた人々のこと

1951年に採択された「難民の地位に関する条約」によると、難民とは「人種、宗教、国籍、政治的意見やまたは特定の社会集団に属するなどの理由で、自国にいると迫害を受けるかあるいは迫害を受けるおそれがあるために他国に逃れた」人々と定義されています。また、近年では紛争によって自国に居られなくなった人々も難民として認識されるようになりました。

参照元
UNHCR Japan
難民とは?

難民にも種類がある

日本が受け入れている難民は、3つの種類に分かれます。

インドシナ難民

インドシナ難民とは、ベトナム戦争後の社会主義体制や内戦から逃れるために難民になった人々のことです。ベトナムから逃れてきた人のほか、ラオスやカンボジアからの難民も含みます。日本では難民条約の加盟前から、政治的措置としてインドシナ難民を受け入れてきました。

条約難民

条約難民とは、前述した「難民の地位に関する条約」に定義されている難民のことです。政治的処置によって受け入れてきたインドシナ難民と、難民条約に基づいて受け入れた難民を区別するために条約難民という言葉が使われています。

第三国定住難民

第三国定住難民とは、母国から難民として他国に逃れたものの、十分な庇護を得られず第三国に逃れて移り住んだ難民のことです。日本は2010年から第三国定住を受け入れています。現時点での受け入れの対象はミャンマー難民です。

日本で難民認定される人は少ない

日本の場合、難民申請数に対し実際に難民認定される人は非常に少ないです。その理由は、出稼ぎ目的で来日する「偽装難民」が増加したため審査を厳格にしたことや、そもそもの難民の定義が他国に比べ厳しいことが関係しています。

難民とはどのような人?受け入れ状況や企業にできる支援もわかりやすく解説」でも、難民の定義や日本の難民受け入れ状況を解説しています。内容を参考にして、難民問題への理解を深めましょう。

難民はビザを取得できるの?

難民と認定されれば「定住者」というビザを取得できます。また、難民申請中にも一時的にビザ付与されることがありますが、難民申請が却下された場合、ビザの期限が来たら出国しなくてはなりません。

難民だと認められれば定住者の在留資格が得られる

難民認定を受けた外国人は「定住者」というビザを得られます。定住者は1~3年の期限がありますが更新が可能です。また、定住者ビザには就労の制限がないため、自由に仕事を選ぶことができます。

難民申請中の人にも一時的に在留資格が付与される場合がある

難民申請中の外国人には審査期間中、一時的にビザが付与される場合があり、その場合は日本に滞在することが可能です。なお、在留期限は外国人の状況によって判断され、就労ができる場合と、就労が許可されない場合があります。難民申請が却下され、異議申し立てをしてもなお認定が受けられなかった場合は、日本を出国しなくてはなりません。しかし、難民の基準は満たしていなくても、人道上出国させるべきではないと判断された場合は「在留特別許可」を受け日本に滞在できます。

難民申請中にほかのビザへ変更する方法もある

難民申請中に「特定活動」というビザを交付された場合、ほかのビザへ変更することもできます。たとえば、難民申請中に日本人と結婚をし「日本人の配偶者等」のビザに変更する方法です。本来、難民申請中からほかのビザへの変更は大変審査が厳しくなります。しかし、配偶者ビザの場合は結婚という事情を考慮し、許可されることが多いようです。

難民認定申請中の外国人雇用は可能?就労可能期間、メリットも紹介」では、難民認定申請中の外国人雇用について、就労可能期間やメリットを中心に詳しくまとめています。ぜひご一読ください。

難民申請中に許可されるビザの種類

難民申請中に一時的に付与されるビザは「特定活動」です。しかし、下記のような振り分けの審査が行われます。難民申請をした外国人の状況によって、在留期限や就労の可否が変わってきます。AからD2の分類についてまとめました。

A案件

Aに振り分けられるのは、難民である可能性が高かったり、人道的配慮が必要とされたりした人です。A案件に該当すると分かると、ただちに就労が許可されている6カ月間の特定活動ビザが付与されます。A案件だと判断された場合は、難民認定を受けられる可能性が高いといえるでしょう。

B案件

B案件は明らかに難民には該当しないと判断されたケースです。B案件だと判断された場合は、在留を制限されます。就労も許可されません。

C案件

C案件に分類されるのは、再申請の人のうち、前回不許可となった理由を再度繰り返している人です。この場合は、再振り分けはなく、在留や就労を制限されます。

D1案件

D1案件に振り分けられるのは、技能実習や留学など、本来の活動を行わなくなったあとに難民申請をした人です。また、本来の活動を終えたあと、出国準備中に難民申請をした人も含まれます。この場合は、難民制度を利用して就労や在留を続けようとしている可能性が高いため、特定活動のビザは与えられますが、在留期間は3カ月で就労も認められていません。

D2案件

D2案件に振り分けられるのはAからD1に該当しない、人道的配慮を検討すべき人です。この場合は、就労が許可されていない3カ月の特定活動ビザが2回許可されたのち、就労ができる6カ月の特定活動ビザが付与されます。

参照元
法務省
就労制限の対象となる難民認定申請者について

難民を雇用する際の注意点

企業が難民や、難民申請者を雇用する際には就労を許可されている在留資格を持っているか、よく確認しましょう。政府から難民認定を受けている外国人は「定住者」の在留資格を持っています。定住者は仕事の制限がないため、どのような業種の企業が雇用しても問題ありません。しかし、難民申請中の外国人の中には就労が許されていない在留資格を持つ人もおり、雇用した場合は外国人だけでなく、雇用した企業が「不法就労助長罪」で罰せられます。そのような事態を防ぐためにも、難民は在留カード、難民申請中の外国人の場合はパスポートに添付されている「指定書」を確認し、仕事をしても問題ないかチェックするようにしましょう。

まとめ

難民を雇用する企業は増えつつあります。しかし、難民認定についての

知識がないと、スムーズに雇用を進めるのは難しいでしょう。このコラムを、難民や難民申請中の外国人の雇用に役立ててください。

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