ログインしてください
ニュースや新聞で技能実習生の失踪については知っていても、具体的にどのような理由で失踪してしまうか、知らない方も多いでしょう。技能実習生は低賃金や悪質な労働環境、技能実習の終了を拒むなどの理由で失踪するのです。このコラムでは、技能実習生が失踪したときに受け入れ企業が取るべき行動や失踪を防ぐ方法を解説します。技能実習生の受け入れを考えている企業の方は、ご一読ください。
外国人雇用をお考えの企業様は、WeXpatsJobsへご相談ください。
WeXpatsJobsは、外国人雇用に特化した求人サイトです。11言語対応で外国人に分かりやすい求人情報を提供できるため、求める人材を効果的に募集が可能です。
求人掲載にあたり①掲載課金②採用課金③応募課金まで企業様のニーズに合わせた採用方法をご提案。
外国人雇用にあたり、「条件と合わない求職者の応募対応に時間がかかっているケース」や、「媒体に求人を掲載しているのに費用に合った求職者の応募数がこないケース」など様々なお悩みを抱える企業様に向けて弊社のサービスや機能を調整して、ご提供いたします。
外国人雇用・採用を考えている企業様は、是非一度WeXpatsJobsまでお問い合わせください。
\WeXpatsJobsを活用するメリットとは?こちらから/
目次
日本で技能実習を行う「技能実習生」の失踪が年々増加し、社会問題になっています。技能実習生には、転職できなかったり、母国に帰国しづらかったりする事情があり、失踪してしまうのです。また、技能実習生に違法な仕事の斡旋を行うブローカーの存在も、失踪が増えている要因といわれています。
技能実習生には原則転職が許されていません。新型コロナウイルス流行の影響で受け入れ先企業の業績が悪化したなど、特定の理由がある技能実習生は転職できるようになりました。しかし、技能実習が自分に合わないという理由での転職は不可能な状況に変わりはありません。転職の選択肢がないため、これ以上今の企業で技能実習を行いたくないと思ったら、失踪するしかないという事情があります。
技能実習生には帰国しづらい事情があるのも、失踪してしまう理由です。
技能実習生の多くは、経済状況が良くない国から収入を得るために来日しています。そのため、日本で働き続ける必要があり、技能実習が続けられなくなっても途中で帰国しづらいのです。また、来日する際の渡航費用を、母国で借金をして捻出した技能実習生も少なくありません。「技能実習は辞めたいけれど、母国へは帰れない」という考えから失踪し、日本で働き続ける選択をしてしまうのでしょう。
技能実習生の失踪が増加している背景には、悪質なブローカーの存在も大きいようです。ブローカーは技能実習生に接触し、「もっと給料を得られる仕事がある」「もっと楽な仕事がある」などといって連絡先を渡します。その言葉を信じ、ブローカーを頼る技能実習生が後を絶ちません。しかし、失踪した技能実習生は在留資格を失い「不法滞在者」になります。不法滞在者は正規の仕事には就けません。ブローカーが紹介するのは、違法な仕事ばかりです。
「技能実習生が失踪する理由とは?企業が取るべき対策を解説」では、失踪をしてしまう具体的な原因や、失踪をした場合に企業が取るべき行動について解説しています。また、技能実習生の失踪を防ぐために企業が取れる対策についても紹介しているので、参考にしてください。
技能実習生が失踪してしまう理由には低賃金や悪質な労働環境に耐えられなくなることが挙げられます。また、技能実習には期間があるため、さらに長く働くために失踪する技能実習生もいるようです。
技能実習生が失踪する主な理由に、技能実習の賃金の低さが挙げられます。
技能実習の本来の目的は、日本の技術を発展途上国の労働者に伝え、母国に持ち帰って広めてもらうことです。そのため、実習的な意味合いが強く、受け入れ企業の利益が出づらい事情があります。また、企業には技能実習生の受け入れにかかる費用の負担があることから、技能実習生に支払われる賃金は低くなりがちです。しかし、技能実習生は高収入を得られると思って日本に来ています。それにもかかわらず、想定より低い給料しか得られないことを不満に思い、失踪してしまいます。なお、最低賃金のルールは外国人にも適用されるため、技能実習生も最低賃金以上の賃金を得ていなければなりません。しかし、そのような決まりを守らず、最低賃金未満の給料で働かせている企業が多々あるのが実情です。
労働環境の悪さも技能実習生の失踪の原因です。技能実習を受け入れる企業の中には、長時間労働を命じたり、危険な仕事をさせたりする企業があります。本来、技能実習生も労働基準法に則った適切な労働時間で働くべきですが、決まりが守られていないケースが多いようです。
管理者からの暴言や暴力に悩む技能実習生もいます。技能実習生を「安く働いてもらえる労働力」としか見ておらず、尊重していない監理団体や企業があるのが原因です。そのような状況では、失踪を考えてしまうのも無理はないでしょう。
日本で長く働きたいがために、失踪する技能実習生もいます。
技能実習は区分により技能実習ができる期間が決められており、期間が終了したら、いくら技能実習生本人が日本での在留を希望しても帰国しなくてはなりません。技能実習の期間を延長するには一定の条件をクリアしたうえ、学科試験や実技試験に合格する必要があります。正式に技能実習の延長ができず、それでも日本で働かなければならない技能実習生は、失踪を選んでしまうのでしょう。
技能実習生が失踪したときはまず、監理団体に連絡します。また、事件性がある場合も考え警察にも相談しましょう。失踪後は退職の手続きや未払い分の賃金の用意も必要です。
技能実習生の失踪に気付いたら、まずは技能実習を監理している監理団体に連絡を入れましょう。監理団体は技能実習を実施している企業から失踪の連絡を受けたら、速やかに外国人技能実習機構に「技能実習困難時届出書」の提出を行います。
技能実習生の失踪は、計画的なケースのほかに事件性がある場合もあります。荷物や貴重品がそのまま置いてあるなど、事件に巻き込まれた可能性があるときは警察に相談し、行方不明届を出しましょう。
失踪した技能実習生の退職手続きを行います。具体的には、雇用保険や健康保険、年金の資格喪失手続きが必要です。なお、就業規則に沿った対応をしなくてはいけないため、「◯日間連絡が取れなかったら解雇する」という表記が就業規則にない場合は、予め就業規則を改定しておきましょう。
失踪するまでの賃金に未払いがある場合、必ず支払わなければならないので、いつでも渡せるように準備しておきましょう。なお、本人以外に賃金を支給してはいけません。失踪した技能実習生が銀行口座を持っている場合は賃金を振り込み、未払いがない状態にします。
「外国人技能実習生にまつわる問題とは?企業に向け防止方法も解説!」でも、技能実習生にまつわる問題の事例や、企業ができる防止策をまとめています。技能実習制度が抱える問題について知り、技能実習生の受け入れに役立ててください。
技能実習生の失踪を防ぐには、適切な賃金を支払い、暴力や暴言のない労働環境を整備する必要があります。また、思いやりを持ってコミュニケーションを取ることで、失踪してしまう可能性を減らせるでしょう。
適切な賃金を支払うことで、技能実習生が失踪する可能性を大きく減らせます。なぜならば、技能実習生の多くは低賃金が要因で失踪に至るからです。日本人以上の高い賃金を支払うのは無理だとしても、各地域ごとに定められた最低賃金以上は必ず支払わなければなりません。技能実習生を安い労働力と決して思わず、労働に見合った賃金を支払いましょう。
技能実習生への暴力や暴言は必ず無くしましょう。失踪を防ぐ以前の問題で、決して許される行為ではありません。経営者や管理者の分からないところで暴力や暴言、ハラスメントが行われている可能性もあります。場合によっては監視カメラなどの導入も検討し、技能実習生が安心して働ける職場作りを目指しましょう。
技能実習生へは日本人以上に思いやりを持って接する必要があります。母国から遠く離れた日本で働く技能実習生の中には、心細さを感じている人もいるでしょう。思いやりをもって接し、良好な関係を築いておくことで、急に居なくなってしまう可能性を減らせます。また、技能実習生の大半を占めるベトナム人や中国人は、日本以上に情や絆を大切にする方もいます。そのため、良い関係を保てていれば、失踪を思い留まってくれる可能性があります。
技能実習生の失踪が年々増加し、社会問題になっています。しかし、企業や監理団体の取り組みにより減らせる可能性も高い問題です。賃金や労働環境などに気を配り、失踪に繋がる要因を無くしましょう。