特別永住者とは?外国人を雇用する企業に向け解説

2021年09月24日
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濵川恭一 (監修)
外国人専門の人材ビジネス会社勤務を経て、外国人のビザ専門行政書士事務所を設立。専門分野は、就労ビザ申請、外国人採用コンサルティング。著書に、「これ1冊でまるわかり!必ず成功する外国人雇用」、「実務家のための100の実践事例でわかる入管手続き」等がある。 http://svisa.net

「特別永住者ってどのような人のこと?」「帰化とは違うの?」と疑問に思う方もいるでしょう。このコラムでは、特別永住者と永住者・帰化との違いや、特別永住者証明書についてまとめています。特別永住者の在留資格を持つ人には、その存在が生まれた背景から、特別な配慮が必要です。正しく知って、適切な対応を取れるようにしましょう。

◆特別永住者とはどのような人のこと?

特別永住者とは「日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国に関する特例法」のもと、「特別永住者」の在留資格を得て、日本で暮らしている人のことを指します。

第二次世界大戦中、日本は韓国・朝鮮・台湾などの国を統治下に置いていました。それらの国の国民は「日本国民」とされており、日本に渡り暮らしていた韓国・朝鮮・台湾出身の人々も日本国籍を持っていたのです。第二次世界大戦の終戦後、1952年「サンフランシスコ平和条約」の締結により朝鮮半島や台湾は日本の領土から外れ、その国の国民も日本国籍から離脱することになりました。その人たちのことを「平和条約国籍離脱者」と呼びます。

しかし、平和条約国籍離脱者や、その子孫の中には、日本国籍ではなくなっても日本に住み続けている人々がいました。その人達がそのまま日本で暮らせるように定められた在留資格が「特別永住者」です。

参照元 e-GOV 法令検索
日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法(平成三年法律第七十一号)
https://elaws.e-gov.go.jp/document?law_unique_id=403AC0000000071_20190401_430AC0000000102

◆特別永住者と「永住者」「帰化」の違い

特別永住者と永住者は、基づいている法律に違いがあり、また、特別永住者と帰化した人では、日本国籍の有無が異なります。以下で詳しくまとめました。

◯永住者との違い

「永住者」と「特別永住者」の在留資格には、基づいている法律に違いがあります。永住者は「出入国管理及び難民認定法」、特別永住者は「日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国に関する特例法」に基づいた在留資格です。また、特別永住者は「平和条約国籍離脱者」、もしくはその子孫に限られますが、永住者はその限りではありません。

在留資格を得るための審査基準も異なります。外国人が「永住者」の在留資格を得るには、原則10年以上続けて日本に住んでいることが条件です。また、永住者の場合は素行の状況や経済状況も在留資格の審査基準になりますが、特別永住者は歴史的背景が大きく関係する在留資格のため、そのような審査基準はありません。

◯帰化した人との違い

特別永住者と帰化した人の違いは、日本国籍の有無です。特別永住者は、日本に住むための在留資格を持っていますが、国籍は韓国・朝鮮・台湾にあります。対して、帰化とは「外国人が日本国籍を取得すること」を指すので、帰化した人の国籍は日本です。なお、若い世代の特別永住者は、帰化して日本国籍を取得する人も多くいます。特別永住者が帰化する場合は、外国で生まれ育った人の帰化申請と比べ、審査要件が緩和されているのが特徴です。

◆特別永住者証明書とは

特別永住者証明書は、2012年から交付が開始されました。特別永住者にとっての在留カードのようなものです。以下で詳しくまとめました。

◯特別永住者の法的地位等を証明するもの

特別永住者証明書とは、特別永住者の法的地位等を証明するカード状のものです。特別永住者証明書には氏名や生年月日、性別、国籍または地域、住所、有効期間などが記載されています。

◯2012年から交付が開始された

特別永住者証明書は、2012年から交付が開始されました。それ以前は「外国人登録証明書」が特別永住者の地位を証明するものでしたが、廃止され、新たに切り替えの手続きをした人から特別永住者証明書に変わっています。なお、切り替えが完了するまでの一定期間、外国人登録証明書は「みなし特別永住者証明書」といい、特別永住者証明書と同等の証明書として利用可能です。

◯特別永住者証明書は携行義務がない

特別永住者証明書には、常時携行義務がないという特徴があります。日本で在留資格を得て、滞在する16歳以上の外国人は、パスポートの代わりに在留カードを常に持っていなければなりません。携行を怠ると、法律で罰せられます。しかし、特別永住者に関しては、入管法等改正法の国会審議で「歴史的経緯に鑑み、特別の配慮が必要」とされたため、携行義務はありません。

参照元 出入国在留管理庁
知っておきたい!!在留管理制度あれこれ
http://www.immi-moj.go.jp/newimmiact_4/q-and-a_page2.html#:~:text

◆特別永住者を雇用する際の注意点

特別永住者を雇用する場合、関係機関への届け出の有無や通名と本名の取り扱いなど、ほかの在留資格を持つ外国人と対応が異なる点があります。特別永住者を雇用する際の注意点を詳しくまとめましたので参考にしてください。

◯むやみに特別永住者証明書の提示を求めない

外国人を雇用する際、企業は必ず在留カードを提示してもらい確認します。しかし、特別永住者を雇用する場合は、特別永住者証明書の提示をむやみに求めてはいけません。特別永住者には歴史的背景から特別な配慮が必要であるとして、特別永住者証明書を携行していなくても良いとされています。持ち歩く義務のないものの提示を求めることになるので、特別な理由がない限り、特別永住者証明書の提示を求めるのは避けましょう。

◯外国人雇用状況届出の提出は必要ない

外国人を雇用する際、事業主には外国人の氏名や在留資格、在留期間などをハローワークへ届け出る義務があります。しかし、特別永住者及び「外交」「公用」の在留資格を持つ外国人を雇用する場合、届け出義務はありません。ほかの外国人と同じように手続きをしてしまうと、時間や手間が無駄になるので注意しましょう。

◯通名と本名の扱いに注意する

特別永住者には、日本で生活するうえで使う日本風の名前「通名」があります。通名は法的効力があるものです。そのため、雇用保険や社会保険の加入手続きを通名でしても良いとされています。

◯保険や税金は日本人と同じように手続きをする

特別永住者の各種保険の手続きや税金の控除は、日本国籍を持つ人と同じように手続きします。なお、特別永住者の在留資格には就労制限がないため、採用後の在留資格変更に関する手続きは必要ありません。

◆まとめ

特別永住者の在留資格は、日本の歴史的背景が大きく関わってきます。外国人を雇用する企業として正しく理解しておきましょう。特別永住者を雇用する場合は、ほかの在留資格を持つ外国人を雇用するのと異なる点がいくつかあります。このコラムを参考にして、特別永住者の雇用をスムーズに進めましょう。

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