難民とは誰を指す?UNHCRの支援活動や日本での認定について解説

2021年09月24日
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濵川恭一 (監修)
外国人専門の人材ビジネス会社勤務を経て、外国人のビザ専門行政書士事務所を設立。専門分野は、就労ビザ申請、外国人採用コンサルティング。著書に、「これ1冊でまるわかり!必ず成功する外国人雇用」、「実務家のための100の実践事例でわかる入管手続き」等がある。 http://svisa.net

「難民問題は日本とはあまり関係ないのではないか」と、思っている方もいるのではないでしょうか。日本では、令和元年に10,375人の外国人が難民認定申請を出しています。このコラムでは、世界の難民の現状と支援するUNHCRの活動内容について解説。日本での難民認定手続きや権利についても触れています。この機会に世界問題である難民に目を向けてみましょう。

◆難民とは

難民とは簡単にわかりやすくいえば紛争や宗教、人種、政治的問題によって、命を守るために他国に逃げなければならなかった人たちのことです。

国際条約である「難民の地位に関する条約(通称:難民条約)」において、「人種、宗教、国籍もしくは特定の社会的集団の構成員であること又は政治的意見を理由に迫害を受けるという十分に理由のある恐怖のために、国籍国の外にいる者であって、その国籍国の保護を受けられない者又は受けることを望まない者及び常居所を有していた国の外にいる無国籍者であって、その国に帰ることを望まない者」とされています。

参照元 外務省 難民の地位に関する条約
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/treaty/pdfs/B-S57-0001_1.pdf

◯世界の難民の現状

2020年末の段階で、紛争や迫害によって故郷を追われた人の数は約8,240万人でした。7,950万人は世界の人口である77億人の約1%です。しかし、7,950万人全員が難民ではありません。難民と認定されているのは、そのうち約2,600万人だけです。以下では、難民認定されていない人々について詳しく説明します。

・国内避難民

国内避難民とは、紛争や迫害によって故郷を追われているものの、国境を超えていないため難民として保護されない人々のことです。国内避難民は約4,800万人で、難民よりも多くなっています。

・庇護申請者

庇護申請者とは、自身の故郷を追われて他国の避難所にたどり着き、その国で庇護申請を行う人々のことです。2020年末の段階で、庇護申請者は約410万人になっています。

・無国籍者

無国籍者とは、国籍を持たない人々のことを指します。国が独立した際に除外されたり、独立後しばらくして一部の民族のみ排除されたりといった理由で無国籍になるのです。また、一部の国では女性が国籍の権利を所有しておらず、その子どもも無国籍になる場合があります。2020年末の段階で、無国籍者は約420万人です。

参照元 国連UNHCR協会 数字で見る難民情勢
https://www.unhcr.org/jp/global_trends_2019#

◆難民を支援するUNHCRの活動内容

UNHCRとは「The Office of the United Nations High Commissioner for Refugees」の略で、国連難民高等弁務官事務所のことです。第二次世界大戦後の1950年に国連の難民支援機関として設立されました。UNHCRでは、設立から70年以上経った現在でも難民問題の解決に向けて、援助物資の支援や自立支援を行っています。

◯援助物資の支援

UNHCRが、援助物資の支援をする国は約130ヶ国以上です。UNHCRはコペンハーゲンやドバイ、ヨルダンなど、世界数ヶ所に援助物資の備蓄倉庫を保有しており、緊急時には現地政府や国連の姉妹機関、NGOと協力して、テントや毛布、水、食糧、医療、生活用品などの援助物資の支援を行っています。

◯自立支援

UNHCRでは教育支援や女性に対する支援、今後生計を立てていくための支援を行っています。紛争や迫害によって移動を強いられた人の40%は18歳未満の子どもです。また、家長である男性を失くしたり、暴力や性的被害を受けたりする女性も多くいます。そのため、社会的・経済的弱者である子どもや女性が希望をもって生きていくための支援を行っているのです。

◆日本における難民とは

日本では、1982年に「難民の地位に関する条約」と「難民の地位に関する議定書」が発効され、それに伴い「難民認定制度」が整備されました。ここでは、日本での難民認定の手続きや人数について解説します。

◯日本での難民認定の手続き

難民認定の申請は、申請者の住所または現在地を管轄する地方出入国在留管理局か支局、出張所で行います。申請の際には、「申請者が難民であることを証明する資料もしくは難民であることを主張する陳述書」「証明写真」「パスポートまたは在留資格証明書」「在留カード(所持している場合)」「仮上陸、乗員上陸、緊急上陸、遭難による上陸等の許可書」が必要です。その後、出入国在留管理局の難民調査官による調査や面接が行われます。難民認定されるまでには早くても数ヶ月、遅い場合は数年かかることもあります。

◯日本で難民認定された人が受けることができる権利

難民の認定を受けた外国人は国民年金や児童扶養手当、福祉手当といった受給資格が得られ、日本国民と同じ待遇を受けることが可能となります。また、永住許可要件の一部が緩和され、独立して生計を営む資産や技能がなくても法務大臣の裁量によって永住許可を受けられるのです。さらに、難民旅行証明書の交付を受けられます。難民旅行証明書を持っていると、証明書に記載されている有効期間内であれば、何度でも日本へ出入国が可能です。

◯日本の難民認定者数

出入国在留管理庁によると、令和元年に難民認定申請を出した人の数は10,375人で、そのうち難民認定をされたのは44人。申請者に対して、難民の認定を受けたのは全体の0.4%でした。そして、難民とは認定されませんでしたが、人道的な配慮を理由に在留を認めた外国人は37人です。

参照元 出入国在留管理庁
令和元年における難民認定者数等について
http://www.moj.go.jp/isa/publications/press/nyuukokukanri03_00004.html

◯日本で難民認定者が少ない理由

前述の通り、難民の認定を受けたのは全体の0.4%とかなり低い数値です。日本で難民認定者が少ない理由には、偽装難民を防止するためといった理由があります。日本では2010年3月から2018年1月まで難民認定申請者に対して、6ヶ月経つと一律で在留資格の「特定活動・6月(就労可)」を付与していました。それにより、出稼ぎを目的とした外国人の偽装難民申請が増加。この状況を考慮し、2018年1月に難民認定制度の見直しを図っています。これらの背景もあり、日本では偽装難民の在留を防止するために、厳しく審査しているのです。

参照元 法務省 難民認定制度の運用の更なる見直し後の状況について
http://www.moj.go.jp/isa/content/930003743.pdf

◆まとめ

難民は世界的問題です。日本でも難民の受け入れを行っていますが、厳しい審査により難民認定者数は他国と比べて少なくなっています。今後も難民だけでなく、安寧や仕事を求めて日本に入国する外国人の数は増えると考えられるでしょう。

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