短期滞在ビザは延長できるの?その方法は?外国人を雇用する企業に向け解説

2021年11月09日
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濵川恭一 (監修)
外国人専門の人材ビジネス会社勤務を経て、外国人のビザ専門行政書士事務所を設立。専門分野は、就労ビザ申請、外国人採用コンサルティング。著書に、「これ1冊でまるわかり!必ず成功する外国人雇用」、「実務家のための100の実践事例でわかる入管手続き」等がある。 http://svisa.net

在留資格「短期滞在」は原則更新ができません。そのため「招いた外国人がトラブルで出国できなくなったらどうなるの?」と不安に思う方もいるでしょう。実は、病気や怪我、災害など特別な事情がある場合は、更新が許可されることがあります。このコラムでは、短期滞在の在留資格が更新できるケースや、方法を解説。会議や商談で招いた外国人が出国できなくなったときに備え、短期滞在の在留資格の更新について知っておきましょう。


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目次

  1. 在留資格「短期滞在」とは?
  2. 在留資格「短期滞在」は更新できるの?
  3. 在留資格「短期滞在」の更新が認められるケース
  4. 在留資格「短期滞在」を更新する流れ
  5. まとめ

在留資格「短期滞在」とは?

「短期滞在」とは、観光や商談などの目的で短期間日本に滞在するための在留資格で、ほかの在留資格と比べ取得がしやすいのが特徴です。なお、日本で働くことは許されていません。

日本に短期間滞在するための在留資格

在留資格「短期滞在」は、日本に一時的に滞在する際に付与される在留資格です。代表的な短期滞在が認められる活動には「観光」や、商談や会議出席を目的とする「短期商用」があります。短期滞在の期間は原則「15日」「30日」「90日」のいずれかに定められております。特別な事情を考慮してさらに90日間延長し、合計で180日滞在できる場合もありますが、審査は非常に厳しいでしょう。

他の在留資格と比べて取得がしやすい

在留資格「短期滞在」を取得する外国人は居住を日本に移すわけではないため、中長期日本に滞在する在留資格と比べて取得が容易です。特に観光目的の場合、ビザ(査証)免除国ならば、空港で入国審査官に入国する目的を説明すれば、特別な手続きなく短期滞在の在留資格が得られます。

日本での就労は認められていない

短期滞在では、収入や報酬を伴う活動は認められていません。短期滞在は就労許可のない在留資格であり、もし働いて収入を得た場合は「不法就労」で罰せられます。なお、対価が国外で支給される場合でも許可されていないので注意しましょう。仕事をしたい場合は、基本的に一度帰国したうえで就労可能な在留資格を取り直す必要があります。

在留資格「短期滞在」は更新できるの?

在留資格「短期滞在」の更新は原則認められていません。しかし、人道上やむを得ない特別な場合にのみ延長が可能です。なお、延長しても合計で180日以上の滞在にならないことが望ましいとされています。

更新は原則認められていない

在留資格「短期滞在」の更新は原則認められていません。短期間のみ日本に滞在するからこそ、細かい審査を受けずに入国できるのです。つまり、もっと長く観光したいなど緊急性のない理由で、短期滞在の在留資格の期間を延長することはできません。

やむを得ない特別な場合のみ認められている

短期滞在の更新は、やむを得ない特別な場合にのみ認められています。具体的にいうと「人道上の真にやむをえない事情又はこれに相当する特別な事情がある場合」にのみ延長が可能です。どのようなケースが該当するかは後述しますが、外国人の状況をその都度、出入国在留管理局が厳しく審査して延長の可否を決定します。

参照元
法務省
短期滞在

更新は1回のみで180日以上の滞在は原則認められない

短期滞在の在留資格が更新できたとしても、更新回数は原則1回のみで、180日を超えての滞在は認められません。法律などで定められている訳ではありませんが、出入国管理の実務上、「1年の大半を超えて滞在すべきではない」という暗黙のルールが存在するためです。そのため、90日の滞在を1回更新したあとの再更新は非常に難しくなります。なお、正式にルールとして定められてはいないため、やむを得ない理由として許可されれば、180日以上の滞在も可能です。

短期滞在ビザは延長できる?申請方法を外国人を雇用する企業に解説」のコラムでも、短期滞在ビザの発給方法や延長滞在の申請方法などについて解説しています。ぜひ参考にしてみてください。

在留資格「短期滞在」の更新が認められるケース

短期滞在の更新が認められるのは、病気や怪我で出国が不可能なときや、災害や事件で出国できなくなったときです。また、人道上必要と判断されれば、それ以外の状況でも延長が許可されるでしょう。つまり、業務上必要だからという理由のみでは、更新はできません。

病気や怪我で出国が難しいとき

病気や怪我で出国が難しいときは、短期滞在の在留資格を更新できます。病気での入院や、怪我で体が動かせないときは、無理やり帰国させられることはありません。なお、更新手続きは原則外国人本人が行わなければいけませんが、入院中などで本人が手続きができない場合は、行政書士などの申請取次資格保有者に代行してもらえます。

災害や事件で出国する手段がなくなったとき

災害や事件で日本から出国できなくなったときも、例外的処置として短期滞在の更新が可能です。

2020年の新型コロナウイルスの流行がこのケースに該当します。コロナウイルスの流行が急激に広まった2020年3月頃に、空港を閉鎖したり、飛行機の発着を停止したりする国が続出しました。そのため、短期滞在の在留資格で入国したにも関わらず、長期間日本から出国できなくなった外国人が多数存在したのです。このときは、例外的措置として短期滞在の在留資格の更新が認められました。このほかに、自国で紛争や大きな事件が発生し、空港が閉鎖されてしまった場合も延長が認められるようです。

人道的な理由で特別に許可されるケースもある

病気や怪我、災害のほかにも、個別に外国人の状況を考慮し短期滞在の在留資格の更新が認められることがあります。なお、この際も許可されるのは人道上やむを得ない場合のみです。

出産を手伝う目的で来日した外国人の、短期滞在の更新のケースは例としてよく挙げられます。日本に住む娘が日本で出産するため、そのサポートのために短期滞在の在留資格で来日した両親の短期滞在更新についてです。出産が予定通りに進まなかったり、母親の産後の肥立ちが悪かったりしたときは、人道的やむを得ない理由して両親の滞在期間の更新が認められる場合があります。なお、この場合は医療機関の発行した診断書など、状況を証明できる書類の提出が必要です。

在留資格「短期滞在」を更新する流れ

短期滞在の在留資格を延長するには、必要書類を滞りなく用意し、滞在先を管轄する出入国在留管理局で手続きをします。審査は、更新を希望した状況を鑑み、迅速に行われることが多いようです。

1.必要書類を用意する

まずは、短期滞在の在留資格を更新するのに必要な書類を用意します。書類は、更新を希望した理由によって異なりますが、病気の治療を理由に申請するときに必要な書類は以下のとおりです。

<病気治療を理由に在留資格を更新するときに必要な書類>

  • 在留期間更新許可申請書
  • パスポート(提示)
  • 病気が理由であることを証明できる資料

(医療機関へ支払った医療費の領収書の写し、診断書など)

  • 日本に入国してから現在までの活動を証明する資料(特にない場合、説明書でOK)
  • 滞在にかかる経費を捻出できることを証明する資料(預金残高証明書など)

(預金残高証明書や帰国用航空券)

  • 身分を証明できる書類(提示)

状況によっては、上記以外にも書類の提出を求められる場合があります。

2.滞在先を管轄している出入国在留管理局で手続きをする

手続きは、滞在先を管轄している出入国在留管理局で行います。窓口は短期滞在審査部門です。なお、短期滞在の更新を希望する外国人が日本国内の人物から招へいされている場合、日本側協力者(身元保証人)の帯同が推奨されています。もし、会議や商談のために短期滞在の在留資格で呼び寄せた外国人が急病や事故で出国できなくなった場合は、企業の担当者も一緒に出入国在留管理局に出向いたほうがよいでしょう。

3.審査結果を待つ

手続きを終えたら、審査結果が出るのを待ちます。本来、在留資格更新許可申請の審査期間は2週間から1カ月程度です。しかし、短期滞在の在留資格の更新申請は、特段の事情があってするものであるため、早急に審査されます。事情によってはその日のうちに審査結果が分かることもあるようです。

参照元
法務省
短期滞在

まとめ

短期滞在の在留資格の更新は原則認められません。しかし、外国人の状況によっては特別に許可されることがあります。

なお、短期滞在の在留資格を更新するより、一度帰国して別の在留資格を取り直した方が良い場合もありますので、検討してみましょう。