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「ビザとパスポートの違いが分からない…」と悩む企業の方も多いでしょう。日本の場合、短期間の滞在であればビザなしで入国できる査証免除国が多くあります。そのため、日本人はビザとパスポートの違いがすぐには理解にしくいようです。このコラムでは、ビザとパスポートそれぞれの概要や違いを説明します。ビザと在留資格の違いもあわせて解説しているので、外国人を雇用する企業の方は参考にしてください。
目次
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ビザ(査証)とは外国人が日本に入国する際に必要となる、上陸許可証に当たります。なお、在留資格のことも同じくビザと呼びますが、その違いについても以下で詳しく説明します。
日本に入国を希望する外国人は、事前に母国にある日本領事館や大使館でビザの発給をする必要があります。面接や書類審査といった事前審査があり、日本に入国しても問題がないとみなされた人物のみ、ビザが発給されます。なお、ビザを取得したからといって必ず日本に入国できるわけではありません。あくまで、ビザは日本に入国するための推薦状です。日本に入国できるかどうかの最終的な判断は、空港の入国審査官が行います。
日本に入国する際に、ビザの提示が免除される国もあります。世界68の国や地域の国籍を持つ外国人は、観光目的や商用といった目的で日本に短期間(原則90日以内)滞在する場合はビザの発行が必要ありません。この対応を査証免除措置といいます。現在、査証免除措置がある国は、欧米諸国などの先進国が多いです。
なお、日本国籍を持つ人が短期間海外に滞在する際、入国時にビザの提示が免除される国は191カ国です。日本のパスポートは非常に信用性の高い書類だと認められています。そのため、有効なパスポートを持っていれば、短期滞在の場合は多くの国でビザが免除されます。
ビザ(査証)とビザ(在留資格)は必要な場面が異なります。同じ名称が用いられていながら全く違うものなので注意しましょう。
ビザ(査証)は入国する際に必要な書類であるのに対し、ビザ(在留資格)は外国人が日本に滞在したり、就労したりするのに必要な資格を指します。また、ビザ(査証)は入国したら失効しますが、ビザ(在留資格)は日本に滞在する限りは更新をして持ち続けなければならないのも大きな違いでしょう。
厳密にいうと、在留資格をビザと呼ぶのは正しくありません。しかし、俗称として広く用いられており、ニュースや新聞でも在留資格をビザと呼ぶ場合があります。「就労ビザ」「留学ビザ」などの名称はビザではなく在留資格を指すのだと理解しておくと、外国人雇用がスムーズに進むでしょう。
パスポートとは、国を行き来するのに欠かせない書類です。パスポートがなかったり、有効期限が切れていたりすると、海外への入国は許可されないので注意しましょう。
パスポートには持ち主の国籍や身分を証明する内容が記載されています。海外で事件や事故に巻き込まれたときに、滞在国の言語が理解できず、自分の情報を説明できない可能性もあるでしょう。そのようなときに、パスポートを見せれば持ち主の情報が伝わるのです。また、パスポートには外務大臣が外国官憲に対し、持ち主が海外に滞在している際に便宜供与と保護を依頼する公文書も記載されています。外務大臣の名前で各国に日本国民の保護を要請する、いわゆる「保護要請文」です。
パスポートが必要になるのは以下の場面です。
パスポートはさまざまな場面で使用するため、常に携帯しておくと良いでしょう。また、パスポートの紛失や盗難に備えて、コピーを準備しておくと安心です。
ビザとパスポートには、発行元や必要な場面に違いがあります。それぞれの違いを正しく知っておくと、外国人雇用に役立つでしょう。
ビザとパスポートは発行元が異なります。
ビザの発行元は渡航先の国の大使館や領事館です。大使館や領事館が審査のうえで入国を認めれば、ビザが発行されます。
対してパスポートは、国籍を持つ国の政府が発行する文書です。ビザは入国を許可するもの、パスポートは国籍や身分を証明するものと覚えておきましょう。
ビザとパスポートには、必要な場面にも違いがあります。
ビザは入国時にのみ提示が必要であり、入国後は失効するものです。なお、商用や文化目的で複数回出入国する際に使用する数次ビザ(マルチプルビザ)はこの限りではありません。
パスポートは出入国だけではなく、身分証明書として使用する場面が多い文書です。有効期限までは効力があり、期限が切れたら新たに申請し直します。
企業は、雇用している、もしくは雇用予定の外国人のビザやパスポートの手続きをサポートしましょう。
現在雇用している外国人が出張で海外に行く際に、ビザやパスポートに不備があると出国ができません。予定通り出国できないと業務に大きな影響がでるでしょう。そのような事態を防ぐために、企業が外国人に対し、事前にビザの申請やパスポートの有効期限についてヒアリングする必要があります。
海外にいる外国人を日本に呼び寄せて雇用する場合は、入国において企業側のサポートが欠かせません。外国人が働く企業の担当者や、行政書士、弁護士といった専門家が、出入国在留管理局に「在留資格認定証明書」の交付申請を行います。在留資格認定証明書は、外国人が日本で在留が認められる人物であることを証明する書類です。在留資格認定証明書があると、外国人のビザ発行が素早く進みます。海外にいる外国人本人は申請ができないため、企業側が対応しましょう。また、入国に関するやり取りのなかで「パスポートは持っているか」「パスポートの有効期限は切れていないか」を確認するのも重要です。
「就労ビザの申請方法とは?企業が行う手続きや注意点を解説」のコラムには、特に外国人雇用のビザ申請手続きに関するポイントをまとめています。ぜひ、合わせてご一読ください。
日本人の場合、査証免除になる国が多いためビザについて詳しく知らない方も多いようです。しかし、ビザとパスポートにはいくつもの違いがあります。正しく知っておくと外国人雇用がスムーズに進むでしょう。
企業はビザやパスポートの手続きを外国人任せにせず、サポートする必要があります。
監修:濵川恭一
外国人専門の人材ビジネス会社勤務を経て、外国人のビザ専門行政書士事務所を設立。専門分野は、就労ビザ申請、外国人採用コンサルティング。著書に、「これ1冊でまるわかり!必ず成功する外国人雇用」、「実務家のための100の実践事例でわかる入管手続き」等がある。 http://svisa.net