留学ビザでのアルバイトには資格外活動許可が必要!就労時間や注意点は?

2023年10月17日
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濵川恭一 (監修)
外国人専門の人材ビジネス会社勤務を経て、外国人のビザ専門行政書士事務所を設立。専門分野は、就労ビザ申請、外国人採用コンサルティング。著書に、「これ1冊でまるわかり!必ず成功する外国人雇用」、「実務家のための100の実践事例でわかる入管手続き」等がある。 http://svisa.net

留学ビザを持つ外国人留学生をアルバイトで雇うことは可能です。ただし、留学ビザでは就労が認められていないため、資格外活動許可を得ている外国人留学生を雇用する必要があります。このコラムでは、資格外活動許可の概要や取得方法を解説。また、雇用にあたっての注意点も説明しているので、留学生のアルバイト採用をスムーズに行うための参考にしてください。


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目次

  1. 留学ビザを持つ外国人はアルバイトで雇用できる?
  2. 留学生アルバイトが取得する資格外活動許可について
  3. 留学ビザを持つ外国人のアルバイト就労に関するルール
  4. アルバイト雇用の場合もハローワークへの届け出は必要
  5. 留学ビザを持つ外国人を雇用する際の注意点
  6. アルバイト雇用のルールを破ったときの罰則
  7. 留学ビザを持つ外国人に卒業後も働いてもらうには?
  8. まとめ

留学ビザを持つ外国人はアルバイトで雇用できる?

留学ビザを持つ外国人はアルバイトで雇用できる?の画像

留学ビザを持つ外国人が資格外活動許可を得ていれば、アルバイト雇用が可能です。
本来、留学ビザで認められている活動は学業および研究のみで、留学生は働いてはいけません。しかし、在留資格外の活動が認められる「資格外活動許可」の申請をすれば、日本でアルバイトをして学費や生活費を得ることが許可されます。

資格外活動許可の種類は、就労場所を指定せずに受ける「包括許可」と企業や職種ごとに受ける「個別許可」の2つです。このうち、外国人留学生がアルバイトをする場合は「包括的許可」を受けます。

留学生アルバイトが取得する資格外活動許可について

留学生アルバイトが取得する資格外活動許可についての画像

留学ビザを持つ外国人(留学生)をアルバイトで雇うことは可能です。ただし、留学ビザでは就労が認められていないため、資格外活動許可を得ている外国人留学生を雇用する必要があります。ここでは、出入国在留管理庁の「資格外活動許可について」を参考に、資格外活動許可の概要や取得方法を解説するので、参考にしてください。

資格外活動許可とは

資格外活動許可とは、今持っている在留資格では許可されていない、収入や報酬を受ける活動を行う際に必要な許可です。
外国人留学生がアルバイトで収入を伴う活動を行おうとする際には、在留資格とは別に出入国在留管理庁から活動の許可を得る必要があります。

資格外活動許可の要件

資格外活動許可を得るためには、定められた要件を満たした上で申請する必要があります。以下の要件は、出入国在留管理庁「資格外活動許可の要件(一般原則)」より引用したものです。

(1) 申請人が申請に係る活動に従事することにより現に有する在留資格に係る活動の遂行が妨げられるものでないこと
(2) 現に有する在留資格に係る活動を行っていること
(3) 申請に係る活動が法別表第一の一の表または二の表の在留資格の下欄に掲げる活動(「特定技能」および「技能実習」を除く。)に該当すること。(注)下記2(1)の包括許可については当該要件は求められません
(4) 申請に係る活動が次のいずれの活動にも当たらないこと
 ア 法令(刑事・民事を問わない)に違反すると認められる活動
 イ 風俗営業もしくは店舗型性風俗特殊営業が営まれている営業所において行う活動または無店舗型性風俗特殊営業,映像送信型性風俗特殊営業,店舗型電話異性紹介営業もしくは無店舗型電話異性紹介事業に従事して行う活動
(5) 収容令書の発付または意見聴取通知書の送達若しくは通知を受けていないこと
(6) 素行が不良ではないこと
(7) 本邦の公私の機関との契約に基づく在留資格に該当する活動を行っている者については、当該機関が資格外活動を行うことについて同意していること

外国人留学生は、上記の条件を満たしていなければアルバイトを行えません。

外国人が資格外活動許可を取得する方法

資格外活動許可は、外国人留学生の居住地を管轄する地方出入国在留管理官署で申請します。申請を行うのは、原則留学生本人です。「資格外活動許可申請書」に必要事項を記入し提出すると、早くて2週間ほどで許可を得られます。また、留学生が包括許可を得る場合は、上陸審査後の空港で申請が可能です。なお、包括的許可の申請に必要な申請書は、出入国在留管理庁のWebサイトより入手できます。

資格外活動許可については、「資格外活動許可とは?外国人を雇用する際のポイントを企業へ向けて解説」や「資格外活動許可は在留資格外の活動を行う外国人に必要!雇用上の注意点とは」のコラムでも確認できます。資格外活動許可の内容や企業が注意すべき点、資格外活動許可の申請方法などを参考にし、アルバイト採用をスムーズに進めましょう。

参照元
出入国在留管理庁「資格外活動許可について

留学ビザを持つ外国人のアルバイト就労に関するルール

留学ビザを持つ外国人のアルバイト就労に関するルールの画像

留学ビザを持つ外国人には労働時間や職種に制限があるため、雇用する際は注意が必要です。ここでは、アルバイト就労における注意点について詳しく解説します。

アルバイトできる時間のルール

包括許可で資格外活動許可を得た場合、アルバイトをできるのは週28時間と決まっています。包括許可のアルバイトが週28時間と定められているのは、留学生の来日目的である学業や研究に支障がでないようにするためです。

1週間とは連続した7日間を指すため、勤務シフトを作成する際はどの曜日から数えても週28時間以内に収めるようにしなくてはなりません。外国人留学生が掛け持ちでアルバイトをしている場合は、ほかの企業で働いている時間も含めて週28時間にする必要があります。本人に掛け持ち先のシフトを提出してもらい、把握したうえで時間を計算しましょう。

長期休暇休み中のアルバイト時間のルール

留学ビザを持つ外国人は、夏休みや春休みなどの学校が定めた長期休みになると、1日8時間週40時間以内のアルバイトが許可されます。夏休みや春休み中は、学業や研究に影響がでないため日本人と同様の時間アルバイトが可能です。留学ビザを持つ外国人をアルバイト雇用する際は、長期休暇中のことも考慮してシフトを決めましょう。

アルバイトできる職種のルール

留学ビザを持つ外国人は、風営法で定められた風俗営業に該当する場所でのアルバイトはできません。キャバクラやスナックはもちろん、大学生や専門学生に人気のアルバイト先であるパチンコ店やゲームセンターでのアルバイトも、外国人留学生の場合は禁止です。

風俗営業に該当する業務に関わらない関連業務であっても、留学ビザを持つ外国人の雇用はできません。風俗営業を行う店舗のキッチンスタッフや宣伝のためのティッシュ配り、清掃業務などが該当します。「表に出ないから大丈夫」「接客していないから大丈夫」というわけではないので十分注意しましょう。

留学ビザを持つ外国人をアルバイト雇用する際の注意点について詳しく知りたい方は「外国人アルバイトを雇用する際の注意点!必要な手続きもあわせて解説」のコラムを参考にしてください。

アルバイト雇用の場合もハローワークへの届け出は必要

アルバイト雇用の場合もハローワークへの届け出は必要の画像

外国人を雇用する企業は、事業所の所在地を管轄するハローワークへ「外国人雇用状況の届出」をする必要があります。これは、アルバイト雇用の場合も同様です。

雇用するのが外国人留学生の場合は、「外国人雇用状況届出書(様式第3号)に必要事項を記入し、管轄のハローワークへ提出します。外国人雇用状況届出システムを使い、オンラインでの申請も可能です。ただし、これまでにハローワークで直接「外国人雇用状況の届出」をしたことのある企業の場合は、オンライン申請をするために別途申請が必要なので注意してください。

参照元
厚生労働省「外国人雇用状況の届出について

留学ビザを持つ外国人を雇用する際の注意点

留学ビザを持つ外国人を雇用する際の注意点の画像

留学ビザを持つ外国人を雇用する際は、日本人学生のアルバイト雇用とは異なる点があります。そのため、外国人を雇用するにあたっては企業側にも責任があることを念頭に置き、何か問題があった際は適宜対応していかなければなりません。ここでは、厚生労働省「外国人雇用のルールに関するパンフレット(令和5年6月版)」を参考に、外国人を雇用する際に注意すべき点について詳しく解説します。

労働条件を分かりやすく説明する

留学生の中には、日本語でのコミュニケーション能力が乏しい外国人もいます。そのため、労働条件に関する日本語の説明を理解できないまま仕事を始めてしまい、トラブルになることも。法律上、アルバイト雇用においては雇用契約書を作成する必要はありません。しかし、日本語能力が乏しい留学生は、説明を一度聞いただけでは理解できない可能性も考えられます。アルバイト時間や日数、賃金を明記した書面を提示し、双方の理解のもと仕事が進められるようにしておくと良いでしょう。また、労働条件を説明する際もやさしい日本語を使用するなど、分かりやすく伝える工夫も必要です。

適正な労働時間と賃金で雇用する

労働基準法では雇用主側に対し、外国人を雇用するにあたって労働者の国籍を理由に賃金や労働時間など差別的扱いをしてはならないと定めています。留学生の場合は、日本の法律が分からず就労時間や最低賃金などについても理解しないままアルバイトに応募するケースも。トラブルを防ぐためにも、雇用する側が責任を持ち適正な労働条件を定め説明することが大切です。

また、厚生労働省は賃金の支払いを適切にするように明記しています。最低賃金以上の給料を設定するのはもちろんのこと、タイムカードを用いた労働時間の管理や割り増し賃金についても適切に支払わなくてはなりません。適正に留学生をアルバイト雇用できるよう労働者の雇用管理もしっかり行うようにしましょう。

解雇の予防に努める

厚生労働省は雇用主側に対し、事業規模の縮小等を理由として解雇を行う場合であっても、労働契約法の規定に留意し、外国人労働者に対して安易な解雇を行わないよう明示しています。また、安易な雇止めや妊娠、出産等などを理由とする解雇もできません。

外国人労働者が業務上負傷した際や、疾病にかかり療養のために休業する期間等がある場合は、労働基準法の定めるところにより解雇が禁止されている期間もありますので注意しましょう。

解雇後は再就職の援助を行う

厚生労働省は雇用主側に対し、外国人労働者が解雇されたり事業主の都合により離職したりする場合においては、必要な援助を行うことを求めています。ただし、自己都合による退職は該当しません。

外国人労働者が再就職を希望するときは、関連企業等へのあっせんや教育訓練等の実施、受講あっせんなど、求人情報の提供等当該外国人労働者の在留資格に応じた再就職が可能となるよう、サポートを行いましょう。

参照元
厚生労働省「外国人の雇用(2.外国人労働者の雇用管理の改善及び再就職援助について)

アルバイト雇用のルールを破ったときの罰則

アルバイト雇用のルールを破ったときの罰則の画像

外国人のアルバイト雇用に関する法律を破った企業は「不法就労助長罪」に問われ、3年以下の懲役か300万円以下の罰金、もしくはその両方が科せられます。故意でなくても罪に問われるため、日頃の確認が重要です。特に、時間超過に関しては注意が必要であるため日頃から雇用管理の徹底に努めましょう。

また、罰則を受けるのは、アルバイト雇用をする企業だけではありません。外国人留学生本人にも、さまざまな罰則が存在するため、留学生活に影響を与えることになるでしょう。まず刑事罰として、資格外活動許可を得ずにアルバイトをした外国人には「1年以下の懲役もしくは禁錮または200万円以下の罰金、またはその併科」が科せられます。特に悪質な場合は「3年以下の懲役もしくは禁錮または300万円以下の罰金、またはその併科」というさらに重い罪になることも。悪質な資格外活動許可違反をした外国人留学生は留学ビザが取り消され、退去強制の対象になるため、ルール違反とならないよう注意しましょう。

不法就労については「不法就労および不法就労助長罪の概要を外国人を雇用する企業へ向けて解説」「不法就労助長罪とは?防止する方法を外国人を雇用する企業に向けて解説」のコラムもぜひご覧ください。

留学ビザを持つ外国人に卒業後も働いてもらうには?

留学ビザを持つ外国人に卒業後も働いてもらうには?の画像

留学ビザを持つ外国人に卒業後も継続して働いてもらう場合は、ビザを変更する必要があります。ここでは、ビザを変更しアルバイトを続ける方法について解説しますので参考にしてください。

アルバイトが可能なビザに変更する

外国人留学生を卒業後も雇用するには、アルバイトが可能なビザへの変更が必要です。留学ビザを持つ外国人は、卒業後は資格外活動許可によるアルバイトはできなくなります。ただし、卒業後も就活を行う場合は、「特定活動」ビザに切り替えたうえで資格外活動許可を取り直すことで、就活の合間でのアルバイトを最長1年行うことが可能です。このほか、外国人留学生が結婚などにより身分に基づくビザを得た場合は、時間や場所の制限なくアルバイトを行えます。

就労ビザに変更して正社員として働く

留学ビザから就労ビザに変更し、正社員として継続して働いてもらう方法もあります。なお、外国人留学生が留学ビザから就労ビザへ変更するには、学校で学んだ内容と就職先の仕事内容が関連していなくてはなりません。また、就労ビザの場合、接客業務や清掃業務などの単純業務を行うことは一部のビザを除いて禁止されています。そのため、工場やコンビニアルバイトをしていた外国人留学生を、正社員として継続雇用するのは難しいと考えたほうが良いでしょう。

一方、「観光学部で学びながらホテルのフロントでのアルバイト」「日本語学部に通いながら語学教室のアルバイト」といったケースの場合は、相応しい就労ビザを得られる可能性があります。

まとめ

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留学ビザを持つ外国人がアルバイトをするには「資格外活動許可」が必要です。また、アルバイトを掛け持ちしている留学生を雇用する際は、週28時間を超えないようシフトの時間に注意しましょう。資格外活動の有無は、在留カードの裏面で確認できます。トラブルを防ぐためにも、ルールを正しく理解したうえで留学生の雇用管理を行うことが大切です。