高度人材ポイント制とはどのような制度?

2020年03月24日
濵川恭一 (監修)
外国人専門の人材ビジネス会社勤務を経て、外国人のビザ専門行政書士事務所を設立。専門分野は、就労ビザ申請、外国人採用コンサルティング。著書に、「これ1冊でまるわかり!必ず成功する外国人雇用」、「実務家のための100の実践事例でわかる入管手続き」等がある。 http://svisa.net

日本では、少子高齢化が原因による労働力人口の減少、それによる人手不足の問題が深刻です。この問題を解決するための方法のひとつとして、外国人の受入れ促進があり、特に専門的な技術力や知識を有する高度人材は非常に需要があります。

平成27年4月1日に新しい高度人材のための在留資格「高度専門職1号」と「高度専門職2号」が創設され、高度人材ポイント制により一定の点数以上を達成した人が該当することになりました。今回は、外国人在留者の高度人材の基準になる高度人材ポイント制について詳しく解説していきます。

参照:法務省「法務省だより あかれんが」vol48

高度人材ポイント制の概要・目的

高度人材ポイント制は、外国人の高度人材を日本に受け入れるために平成24年5月7日に導入されました。本項では、高度人材ポイント制の概要や目的について解説していきます。

※平成24年5月7日に、高度人材ポイント制が創設され、高度人材に対する優遇措置が始まりました。そして、平成27年4月1日に高度人材のための新しい在留資格「高度専門職1号」と「高度専門職2号」が創設され、優遇措置がさらに拡大しました。

制度の概要

高度人材ポイント制とは、まず、外国人の高度人材が行う活動内容を「高度学術研究活動」、「高度専門・技術活動」、「高度経営・管理活動」の3種類に分類し、3種類の活動内容ごとにそれぞれの特性に応じて、学歴や職歴や年収などの項目にポイントをつけていきます。

ポイントの合計が70点以上あった場合、出入国在留管理上の優遇措置が受けられるのです。

制度の目的

高度な知識や能力を持った外国人を日本に受け入れることにより、日本経済の発展が期待されています。同時に、共に働く日本人就業者のスキルアップや生産性の向上が目指されています。

手続きについて

高度人材に該当する外国人を海外から呼び寄せる場合には、地方出入国在留管理局の窓口で、外国人の受入れ機関の人が、高度専門職1号にかかる在留資格認定証明書交付の申請を行います。また、活動内容にかかるポイント計算表とポイントを証明する資料を提出して,高度人材の認定を申請します。

次に、出入国在留管理庁が入管法第7条第1項第2号に掲げられている上陸条件への適合性の審査とポイント計算を行い、適合した場合は在留資格認定証明書が交付されます。

既に日本にいる外国人、つまり内定した留学生や既存の外国人社員が、高度人材に該当する場合は、本人もしくは申請取次行政書士が、地方出入国在留管理局で、「高度専門職1号」への在留資格変更申請を行います。そして審査が通れば、高度専門職1号の在留資格が付与されることになります。

参照:法務省入国管理局「ポイント評価の仕組みは?」

高度外国人材の活動内容

外国人の高度人材が行う活動内容は、高度学術研究活動、高度専門・技術活動、高度経営・管理活動の3種類に分類されます。

高度学術研究活動

研究者や大学の教授などの職業が当てはまり、日本にある公私の機関で行われる研究や研究の指導または教育をする活動に適用されます。公私の機関とは、法務大臣が指定する高度専門職の許可申請書に記載されている機関のことをいいます。

高度専門・技術活動

日本にある法務大臣が指定する高度専門職の許可申請書に記載されている機関との契約に基づいて行われる点については高度学術研究活動と同様ですが、その中でも、自然科学または人文科学の分野に属する知識又は技術が必要な業務を行う活動に適用されます。

自然科学は化学や生物学などの研究者、人文科学は心理学や社会学などの研究者が当てはまります。

高度経営・管理活動

雇用契約等の有無を問わず、日本国内における事業の経営や管理に従事する活動に適用されます。会社の経営者や取締役、執行役員、事業部長などが当てはまります。

高度外国人材の優遇措置

高度人材のための在留資格の高度専門職1号と高度専門職2号が適用される外国人は、出入国在留管理上の優遇措置が受けられます。本項では、高度専門職1号と高度専門職2号とは何かや、優遇措置の内容について解説していきます。

高度専門職1号の優遇措置

高度専門職1号は、研究教育活動、自然科学・人文科学、経営活動の3種類に分類され、公私の機関での就労活動の他にも自ら経営をする活動も許容されています。

高度専門職は、いきなり高度専門職2号になることはなく、最初に取得できるのは、高度専門職1号です。

高度専門職1号の在留期間は5年となっており、一般の就労目的の在留資格と比べて長期の在留期間が許可されます。また、永住許可が認められるには一般的に10年以上日本に在留していることが条件ですが、高度専門職1号は在留歴に係る永住許可要件が緩和されています。

例えば、高度外国人材としての活動を続けて3年間行っていたり、高度人材ポイント制が80点以上の場合は高度外国人材としての活動を続けて1年間行っていれば永住許可の対象となるのです。

さらに、高度専門職1号の配偶者が在留資格「教育」、「技術・人文知識・国際業務」などで就労する場合、学歴や職歴などの要件を満たさなくてもこれらの在留資格に該当する活動が行えます。また、一定の条件の下での親と家事使用人の帯同が認められます。

高度専門職2号の優遇措置

高度専門職2号とは高度専門職1号を取得した外国人が3年以上在留し、素行が善良であり、従事する職務が国の利益に合致している場合に取得できる在留資格です。高度専門職2号の優遇措置は、高度専門職1号に対するすべての優遇措置に加えて、在留期間が無期限であることです。また、高度専門職2号の就労活動範囲は、高度専門職1号の3種類の分野だけでなく一般的な就労活動はすべて認められます。

参照:法務省入国管理局「高度人材ポイント制による出入国在留管理上の優遇制度」

高度人材ポイント制度のポイントについて

高度人材ポイント制度のポイントが70点以上の場合高度専門職として優遇措置が受けられますが、ポイントはどのような基準で付けられるのでしょうか?

評価項目

高度人材ポイント制度の評価項目は、高度学術研究活動、高度専門・技術活動、高度経営・管理活動ごとにそれぞれポイントが加算される項目が決まっています。

学歴や業務経験などの職歴や年収や年齢については、3種類の活動すべてにおいてポイントが加算される項目になっています。その他ポーナスとして、研究実績や地位や日本の資格や外国の資格などの項目が3種類の活動によっては加算されるのです。

配点

高度人材ポイント制度の配点は、高度学術研究活動、高度専門・技術活動、高度経営・管理活動ごとの項目ごとに異なります。具体的なポイントの詳細は、出入国在留管理庁の「ポイント計算表」で確認できます。

参照:出入国在留管理庁「ポイント計算表」

まとめ

専門的な技術力や知識を有する高度人材の外国人を積極的に受け入れるために、高度人材のための在留資格「高度専門職」が平成27年4月1日に創設されました。「高度専門職」が適用されると、様々な優遇措置を受けることができます。