国際結婚から離婚したらビザはどうなる?外国人を雇用する企業に向けて解説

2021年11月08日
WeXpats Bizは技能実習/特定技能の外国人採用・雇用支援サービスを提供しているLeverages Global Supportの関連サイトです。行政書士監修の下、外国人採用の現場で役立つ情報を発信しています。
濵川恭一 (監修)
外国人専門の人材ビジネス会社勤務を経て、外国人のビザ専門行政書士事務所を設立。専門分野は、就労ビザ申請、外国人採用コンサルティング。著書に、「これ1冊でまるわかり!必ず成功する外国人雇用」、「実務家のための100の実践事例でわかる入管手続き」等がある。 http://svisa.net

「日本人と離婚した外国人の従業員はすぐ帰国しないといけないの?」と疑問に思う方もいるでしょう。外国人が配偶者ビザ(日本人の配偶者等の在留資格)を失っても、ほかのビザ(在留資格)を取得できればそのまま日本で働き続けることが可能です。このコラムでは、配偶者ビザから変更できるビザの種類を解説します。また、国際結婚した夫婦の離婚率や離婚理由でよく挙げられるものも紹介。離婚時にできる対応を把握して、雇用している外国人のサポートをしましょう。

目次

  1. 国際結婚した夫婦の離婚率が高いって本当?
  2. 国際結婚した夫婦の主な離婚理由
  3. 国際結婚した夫婦が日本で離婚する方法
  4. 国際結婚した外国人が離婚しても日本で働くには?
  5. 国際結婚から離婚した夫婦の子どもの処遇
  6. まとめ

国際結婚した夫婦の離婚率が高いって本当?

国際結婚をした夫婦の離婚率は、日本人同士の夫婦より高い水準です。また、夫と妻の国籍の組み合わせによって、離婚率が異なります。以下で離婚率の違いを詳しく説明するので、配偶者ビザを持つ外国人を雇用している企業は参考にしてください。

日本人同士の夫婦より離婚率が高い

日本人夫婦より国際結婚した夫婦の方が、離婚率が高い傾向にあります。厚生労働省の発表した人口動態調査の「夫妻の国籍別にみた年次別婚姻件数・離婚件数」を参考に、離婚率を確認してみましょう。この資料によると2019年に日本人同士で結婚した夫婦は577,088組、離婚した夫婦は197,849組でした。約3組に1組が離婚している計算です。対して、同年に国際結婚した夫婦は21,919組で離婚した夫婦は10,647組と、約半数が離婚していることになります。理由は後述しますが、国際結婚した夫婦は日本人夫婦より、婚姻関係を継続するのが難しいようです。

夫婦の国籍の組み合わせで離婚率は異なる

国際結婚した夫婦の離婚率は、夫婦の国籍の組み合わせによって違いが見られました。2019年に夫が日本人・妻が外国人の組み合わせで国籍結婚した夫婦は14,911組で、離婚したのは7,681組と約51.5%に上ります。対して妻が日本人・夫が外国人の組み合わせでの結婚は7,008組、離婚数は2,955組で離婚率は約42.1%と、妻が日本人の夫婦の方が離婚率が低い傾向にありました。

参照元
厚生労働省「夫妻の国籍別にみた年次別婚姻件数・百分率」
厚生労働省「夫妻の国籍別にみた年次別離婚件数及び百分率

国際結婚した夫婦の主な離婚理由

国際結婚した夫婦の離婚理由でよく挙げられるものを紹介します。文化や宗教観の違い、コミュニケーションの難しさといった国際結婚ならではのものもあれば、日本人と変わらない理由で離婚する夫婦も多いようです。

文化や宗教観の違い

国際結婚した夫婦は、文化や宗教観の違いからすれ違いが生まれ、離婚に至る場合が多いようです。

お互い違う国で生まれ育った人同士が一緒に暮らすのは、簡単なことではありません。食事の好みや金銭感覚、子育てなどの考えの違いが積み重なると、婚姻関係の継続が難しくなります。また、宗教観の違いも離婚原因になるようです。日本には特定の宗教を信仰していない、いわゆる「無宗教」の人が多くいます。対して、海外ではほとんどの人が何らかの宗教を信仰しているといっても過言ではありません。結婚相手の宗教の教義や戒律が受け入れられず、離婚に至ることもあります。日本人同士でも価値観の違いから離婚する夫婦は多いものの、国際結婚した夫婦の方がよりすれ違いやすい環境にあるでしょう。

コミュニケーションの不和

コミュニケーションの不和も、国際結婚した夫婦の離婚原因になりやすいようです。交際していたときの日常会話には問題なくても、結婚後話し合わなければならない議題のなかには、外国語で表現するのが難しい内容もあるでしょう。自分の気持ちを上手く言葉で表現できないのはストレスが溜まるものです。特に、喧嘩や言い争いなど感情が高ぶったときに、外国語で考えを正しく表現するのは簡単なことではありません。些細な言葉の行き違いが、離婚にまで発展してしまう夫婦もいます。

日本人と変わらない離婚理由もある

日本人と変わらない理由で離婚する夫婦も多くいます。夫婦間の暴力やパワーハラスメント、不貞行為などは国籍関係なく発生しうる離婚理由です。また、金銭問題が原因で離婚する夫婦も多いでしょう。ただし、両者の生まれ育った国の違いが離婚原因の根本にある場合もあります。たとえば、母国に根強いジェンダー格差があり、その意識からパートナーに暴力を振るったり、不貞行為を行ったりしてしまう人もいるでしょう。また、母国には貯金や節約をする習慣がない外国人は、手にしたお金をすべて使い、借金を重ねてしまう場合もあります。日本人同士の夫婦と同じ離婚理由でも、そこに至る原因に国籍の違いが起因することもあるでしょう。

国際結婚した夫婦が日本で離婚する方法

国際結婚をした夫婦が日本で離婚する方法は、日本人夫婦と同じです。話し合いのもとで双方合意して離婚に至った協議離婚であれば、役所に離婚届を出せば離婚が成立します。協議が成立しなければ、調停離婚や審判離婚、離婚訴訟に進むことになるでしょう。

国際結婚した外国人が離婚しても日本で働くには?

配偶者ビザで日本に滞在していた外国人が離婚後も日本で働く方法は、「就労ビザへの変更」「定住者ビザへの変更」「再婚する」などです。配偶者ビザを持つ外国人が離婚したら帰国しなくてはならないのかと、心配になる雇用主もいるでしょう。ここでは、離婚した外国人が日本で働き続ける方法を詳しく紹介します。

就労ビザに変更する

現在行っている仕事が専門的な職種であれば、業務内容に合った就労可能なビザに変更できる可能性があります。注意すべきなのは、すべての外国人がビザを得られるわけではない点です。たとえば、取得する外国人が多い「技術・人文知識・国際業務」のビザを得るには、大学や専門学校を卒業した学歴と、エンジニアやプログラマー、通訳などといった専門的な仕事に就いていることが求められます。配偶者ビザで単純労働に従事していた外国人が、就労可能なビザに変更することはできません。なお、配偶者ビザから就労ビザへの変更は行える仕事の内容や範囲も変わってきます。今までできていた業務ができなくなる可能性もあるので、就労ビザに変更する際は、企業側と外国人とでよく話し合っておきましょう。

定住者ビザに変更する

離婚によって配偶者ビザを失った外国人は、定住者ビザを取得する方法もあります。定住者ビザとは人道上必要だったり、特別に理由があったりする場合に認められるものです。日本人と結婚し、配偶者ビザを得ていた人が離婚により日本に滞在できなくなったとしても、母国に帰って一から生活を始めるのは容易ではありません。以上のような状況を鑑み、離婚して配偶者ビザを失った外国人に定住者ビザが付与される場合があります。ただし、すべての配偶者ビザを失った外国人が定住者ビザを取得できるわけではありません。「実態の伴った婚姻期間が3年以上ある」「安定した収入が見込める」「日本で生活するための日本語能力がある」などの要件を満たしていないと不許可になるので注意しましょう。

再婚する

日本人と離婚後、配偶者ビザの在留期限が残っている状態で6カ月以内にほかの日本人と再婚した場合は、ビザを持ち続けられます。離婚後6ヶ月を超過した場合は、配偶者ビザが取り消されるので帰国するか、ほかのビザを取得しなくてはなりません。再婚した人は在留期限が来たら配偶者ビザの更新をしますが、その際の地方出入国在留管理局の審査は通常の更新より厳しくなるでしょう。なぜなら、日本に滞在し続けるための偽装結婚を疑われやすい状況だからです。出会いの経緯や交際期間、同居している事実が証明できる書類や資料を提出するとスムーズに更新手続きが進むので、あらかじめ用意しておきましょう。

国際結婚から離婚した夫婦の子どもの処遇

ここでは、国際結婚した夫婦が離婚した場合の子どもの国籍や親権、暮らす場所について解説します。

国籍

両親のどちらかが日本人かつ、日本で生まれた場合、生後3ヶ月までに出生届を提出していれば日本国籍を取得できます。そのため、両親が離婚しても日本国籍のままです。なお、日本で生まれた子どもでも外国人の親の出身国によっては子どもが二重国籍になる場合があります。出生国に関係なく、両親の血縁関係により国籍を取得する決まりの国があるためです。日本では二重国籍を認めていないため22歳までに国籍を選択する必要があります。両親の離婚後も引き続き日本で暮らす場合は、日本国籍を選択することになるでしょう。

親権

子どもの親権は、子どもの国籍がある国の法律を元に決めます。つまり、日本で暮らしていた日本人と外国人の夫婦が離婚した場合、子どもは日本国籍を持っていることがほとんどなので、適用されるのは日本の法律です。日本の法律では「単独親権」が適用されます。海外では離婚しても両親が共同で親権が認められることもありますが、日本ではどちらか一方にしか親権が認められません。そのため、外国人によっては親権を得られないことに納得できず、裁判に発展するケースが多いようです。外国人を雇用している企業は、そのような事情を考慮し相談やサポートを積極的に行いましょう。

暮らす場所

国際結婚した夫婦が離婚すると、子どもの暮らす国が変わる場合があります。なかには今まで日本で暮らし、日本人の親が親権を持ったのにも関わらず、無理やり子どもを母国に連れ帰ってしまう外国人もいるようです。そのような事態を防ぐためにできた条約を「ハーグ条約」といいます。ハーグ条約は国際結婚した夫婦の離婚によって、子どもに悪影響が及ぶのを防ぐための条約です。条約を締結している国同士で子どもの親による連れ去りが起こった場合、両国の中央当局が連携し、連れ戻しの援助や面会の支援を行います。

まとめ

国際結婚した夫婦の離婚率は高く、約半数が離婚しています。配偶者ビザで日本に滞在している外国人が日本人と離婚した場合は、ビザの変更をしなくてはなりません。外国人を雇用する企業はこのコラムを参考にして、従業員が離婚したときにスムーズに対応できるようにしてください。

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