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「職場の外国人から永住者ビザの身元保証人を頼まれたけど引き受けるべき?」と悩む方もいるでしょう。
このコラムでは、ビザ申請における身元保証人の概要や、身元保証書の書き方を紹介します。ビザ申請の身元保証人は、連帯保証人のように全責任を負うものではありません。外国人が永住者ビザを得ることは企業にとってもメリットが大きいので、積極的に引き受けましょう。
目次
永住者ビザの申請時には、身元保証書の提出が求められます。身元保証人には外国人の雇用主や同僚がなることもあるので、概要を知っておきましょう。
外国人は活動に制限のない、いわゆる身分系のビザの申請や更新をする際に出入国在留管理官署に身元保証書を提出しなくてはなりません。活動範囲や在留期限に制限のある就労ビザで日本に滞在する外国人は、滞在歴が長くなると身分系のビザへの変更を希望する傾向にあります。「永住者」「日本人の配偶者等」などのビザは在留期限がなく、仕事も自由に選べるためです。身分系のビザを申請・更新する際に保証人が見つけられない場合は「身元保証人不在理由書」を提出できますが、ビザの申請が不許可になる可能性が高くなるでしょう。
外国人がビザを申請するときに身元保証書が必要な場合については、「外国人のビザ申請で身元保証人が必要な場合とは?」のコラムで詳しく解説しています。合わせてチェックしてみてください。
配偶者ビザであれば、身元保証人は日本人の妻や夫がなります。永住者ビザや定住者ビザであれば、外国人を雇用する企業の経営者や上司、同僚がなることがあります。身元保証人は、身元保証書のほかに会社の在職証明書や課税・納税証明書などを用意する必要があります。そのため、外国人にとって、働いている企業の関係者が依頼しやすいようです。外国人は定住者ビザや永住者ビザを取得すれば、行える仕事の範囲の制限がなくなるので、企業にとってもメリットが大きいでしょう。
ビザの申請や更新における身元保証人は、道義的責任のみを負います。身元保証人が保証するのは以下の3つです。
・外国人の日本の滞在費の援助
・外国人が帰国する費用の援助
・外国人が日本の法律を守るよう指導
身元保証人はこれらの事柄を保証しますが、実際に保証できなくても罰則は発生しません。たとえば、自らの金銭的事情で十分に援助できなかったり、外国人が犯罪を犯したりしても、保証人が罰せられることはありません。ただし、身元保証人としても役割が十分に果たせないと、今後ほかの外国人の保証人になるのは難しくなります。
身元保証人と連帯保証人では、責任の度合が異なります。多くの日本人は身元保証人と聞くと、「借金の連帯保証人」のイメージするようです。借金の連帯保証人は、もし本人が返済できなくなったときには代わりに返済をする責任が発生します。しかし、ビザ申請や更新における身元保証人は保護者のような役割です。あくまで外国人の行動を見守り、困っているときに援助をする程度の認識で問題ありません。そのため、外国人に依頼されたら身構えずに身元保証人になることを検討してみましょう。
ここでは、「永住者」のビザを申請する場合を例に、身元保証書の書き方を項目ごとに解説します。なお、日本人と結婚している外国人の場合、身元保証書人は日本人の配偶者がなるのが一般的です。
身元保証書は出入国在留管理庁のWebサイトからダウンロード可能です。また、手書きでもパソコンで作成しても問題ありませんが、署名は自筆で行います。
ビザ申請者欄は「国籍」「氏名」の2つの項目があります。なお、ビザ申請者欄の上部に日付を書く欄がありますが、身元保証書を作成した日を西暦で記入します。
配偶者ビザを申請書する外国人の国籍を記入します。
ここに記名するのは、自分の名前ではなくビザを申請する外国人の名前です。パスポートに書かれている順番で書きましょう。なお、中華圏出身の人は漢字名のあとにカッコでアルファベットの読み方を書きます。
身元保証人に関する情報を書く項目です。
身元保証人の氏名を書きます。配偶者ビザ申請の場合は、日本人の妻もしくは夫の名前を書くことになるでしょう。なお、氏名欄の横に印鑑の欄があります。ここに押す印鑑は実印・認印どちらでも問題ありません。シャチハタは認められないので注意しましょう。
住民票に記載されている住所を記載します。電話番号は、固定電話がなければ携帯番号でも問題ありません。両方ある場合はどちらも記入すると良いでしょう。
身元保証人の勤務先の名称は、省略せず正式名称を書きます。電話番号も忘れずに記入しましょう。身元保証人の直通番号がある場合は、あわせて記入します。
国籍欄は、日本人の場合は「日本」とだけ書きます。永住者ビザの申請の場合外国人も身元保証人になれるので、在留資格に関する記載欄があります。
この項目には、ビザを申請する人と身元保証人の関係を書きます。会社の上司、同僚、知人などと記入しましょう。
以上が身元保証書の書き方です。記入自体は簡単な内容であるものの、内容に間違いがあるとビザ申請に悪影響が出ます。スムーズにビザ申請が通るように、「身元保証書の作成方法を解説!外国人の身元保証人の条件・責任についても」や「外国人の身元保証書の書き方とは?身元保証人になれる条件も解説」も参考にしながら、見直しを怠らないようにしましょう。
参照元 出入国在留管理庁「在留資格変更許可申請」
日本人と結婚しているにも関わらず、日本人の妻や夫以外が身元保証人になる際は、出入国在留管理局の審査が厳しくなるので注意しましょう。審査する側からすると配偶者が身元保証人にならないのは不自然です。そのため、保証人の経済力や引き受けた理由などを詳しく聞かれます。一緒に働いている外国人に配偶者ビザ申請の身元保証人を頼まれた場合、日本人の配偶者がいないかどうかを必ず確認しましょう。また、複数人の外国人の身元保証人になっている場合はさらに審査が厳しくなります。外国人を雇用する企業の経営者は、従業員の身元保証人を引き受ける機会も多いでしょう。配偶者ビザの保証人になる際は、不許可になるリスクがあることを外国人とよく話し合っておくのが大切です。
ビザの申請・更新時の身元保証人は配偶者ビザの場合は妻や夫がなり、定住者ビザや永住者ビザは勤め先の経営者や上司、同僚がなることがあります。身元保証人は、連帯保証人のように外国人の全責任を負うものではありません。