高度人材は永住権を取得しやすいって本当?外国人を雇用する企業に向けて解説

2021年11月08日
WeXpats Bizは技能実習/特定技能の外国人採用・雇用支援サービスを提供しているLeverages Global Supportの関連サイトです。行政書士監修の下、外国人採用の現場で役立つ情報を発信しています。
濵川恭一 (監修)
外国人専門の人材ビジネス会社勤務を経て、外国人のビザ専門行政書士事務所を設立。専門分野は、就労ビザ申請、外国人採用コンサルティング。著書に、「これ1冊でまるわかり!必ず成功する外国人雇用」、「実務家のための100の実践事例でわかる入管手続き」等がある。 http://svisa.net

高度人材が永住者ビザを取得しやすい理由を知りたい方もいるでしょう。優れた能力を持つ高度人材は、日本経済発展への貢献が期待できる存在です。そのため、積極的に受け入れが行われており、多くの優遇措置が設けられています。

このコラムでは、高度人材が永住者ビザを取得する方法を解説。また、高度人材が永住者ビザを取得することで企業が得られるメリットも紹介します。永住者ビザ取得をサポートするためにも、ぜひ参考にしてください。

目次

  1. 高度人材とは?
  2. 高度人材が永住者ビザを取得する要件
  3. 高度人材が永住者になると企業が得られるメリット
  4. まとめ

高度人材とは?

高度人材とは専門的な知識や技術を有していると認められ、在留資格「高度専門職」を付与された外国人のことです。高度専門職ポイント計算表で70点以上を獲得した外国人が対象で、永住申請の条件緩和や配偶者の就労許可などといった優遇措置が設けられています。

専門的な知識や技術を持つ外国人のこと

高度人材とは専門的な知識や技術を有し、高度専門職の在留資格を持つ外国人のことで「高度外国人材」とも呼ばれます。高度人材は、日本企業と海外企業との繋がりをより深いものにしたり、新しい切り口でのビジネスを生み出したりと、日本経済を活性化させる働きが期待できる存在です。そのため、政府も積極的に受け入れを進めています。

高度専門職の種類

高度専門職の在留資格は1号から取得します。高度専門職1号の在留資格で3年以上日本に在留し、必要な条件を満たした外国人は高度専門2号の在留資格へと移行が可能です。高度専門職は活動内容によって、以下の3種類に分けられます。

高度専門職1号(イ)

高度専門職1号(イ)は、研究活動や研究指導、教育活動を行う高度人材に付与される在留資格です。研究員や大学教授などが該当します。

高度専門職1号(ロ)

高度専門職1号(ロ)は、自然科学や人文知識の分野において、一定水準以上の知識と技能を持つ外国人に付与される在留資格です。職種は、ITエンジニアや建築物の設計者などが該当します。なお、高度専門職のなかで最も人数が多いのがこの1号(ロ)です。出入国在留管理庁の「令和2年末現在における在留外国人数について」の資料によると、2020年に高度専門職1号(ロ)の在留資格を持つ外国人は13,167人でした。1号(イ)の1,922人や1号(ハ)の676人と比べると非常に多いことが分かります。

高度専門職1号(ハ)

高度専門職1号(ハ)は、経営や管理業務に従事する高度人材に付与されます。優秀な外国人経営者を日本に呼び寄せるための在留資格といえるでしょう。

ポイント計算表で70点以上を獲得するのが条件

高度人材として高度専門職の在留資格を得るには、ポイント計算表で70点以上を取得する必要があります。ポイント計算表は、高度人材の能力を適切に評価するために作られました。「学歴」「職歴」「年収」「年齢」などの基本項目のほか、日本語能力試験のレベルや保有資格などのボーナス項目ごとに点数が割り当てられています。すべての点数の合計が70点以上になれば、高度専門職の在留資格が取得可能です。なお、高度専門職(イ)(ロ)(ハ)の区分により配点が異なる項目もあります。

さまざまな優遇措置が設けられている

高度専門職の在留資格を持つ高度人材には、優遇措置が設けられています。ほかの在留資格と比べて高度専門職が優遇されている理由は、多くの優秀な人材の来日を促し、日本で活躍してもらうためです。以下で、高度専門職の優遇措置を紹介します。

在留歴に係る永住許可要件の緩和

永住権取得の要件が緩和されるのは外国人にとって大きなメリットといえるでしょう。本来、永住権を得るには、原則として10年以上継続して日本に住み続けなくてはなりません。しかし、高度専門職の在留資格を持つ高度人材は、継続して3年間日本に滞在していれば要件を満たせます。また、ポイント計算表で80点以上を獲得している特に優秀な高度人材は、継続して1年以上日本に滞在することで永住権取得の対象となるのです。

5年の在留期間の付与

高度人材は、高度専門職の在留資格を取得したときから5年の在留期間が付与されます。ほかの在留資格は、取得当初は最短の在留期間からスタートし、更新するごとに延長されるのが基本です。また、更新時に在留期間が延長できるかどうかは、外国人の在留状況によって判断されます。しかし、高度専門職の在留資格を持つ高度人材には、はじめから法律で定められた最長の在留期間である5年が付与されるのです。さらに、高度専門職2号になると在留期間は無期限になります。

複合的な在留活動の許容

ほかの高度専門職の在留資格にまたがる活動が許可されます。たとえば、大学で経営学を教えながら、自らの会社の経営を行うことが可能です。さらに高度専門職2号になると、ほぼすべての就労活動ができます。

配偶者の就労

高度専門職の在留資格を有していると配偶者の就労が許可されます。本来、外国人の配偶者は就労が許可されていない「家族滞在」の在留資格を付与されるため、資格外活動許可の範囲外の就労は認められていません。資格外活動許可で行えるのは、週28時間以内のアルバイトのみです。対して、高度専門職の在留資格を持つ外国人の配偶者は「特定活動33号」の在留資格が付与されます。

特定活動33号では、「技術・人文知識・国際業務」「研究」「教育」「興行」のいずれかの在留資格に該当する仕事であればフルタイムで就労可能です。配偶者も安定して収入を得られることは外国人にとって大きなメリットでしょう。なお、特定活動33号を取得した場合、飲食店やコンビニなどで勤務(アルバイト)することはできませんので注意してください。

以上で挙げた内容以外にも、高度専門職には一定条件を満たせば親や家事使用人の帯同が許可されるといった優遇措置が用意されています。

参照元
出入国在留管理庁「令和2年末現在における在留外国人数について」
出入国在留管理庁「高度人材ポイント制とは?

高度人材が永住者ビザを取得する要件

高度人材が永住者ビザを取得するには、以下で説明する5つの要件を満たす必要があります。なお、日本在留期間以外は、ほかの在留資格を持つ外国人が永住申請するときと同じ条件です。

定められた期間日本に在留していること

高度専門職の在留資格を得てから、ポイント計算表で70点以上獲得した人は3年間、80点以上で1年間日本に滞在している必要があります。なお、この期間は日本に住所を持ち、継続して滞在していなくてはなりません。長期で海外に滞在している期間は換算されないので注意が必要です。

身元保証人がいること

永住申請のためには、身元保証人が必要です。身元保証人は日本人のほか、永住者ビザを取得している外国人でも問題ありません。身元保証人にはある程度の収入と責任能力が求められます。なお、身元保証人は雇用主や上司、同僚に頼む外国人が多いようです。永住申請における身元保証人は、借金の連帯保証人のような重い責任が発生するものではありません。あくまで道義的責任のみを負います。

素行が善良であること

素行が悪いと判断されると、永住者ビザは許可されません。日本の法律や風紀を乱す行為をしていないこと、納税義務をはたしていることが求められます。なお、スピード違反や信号無視などの道路交通法違反は永住者ビザの審査に影響ありませんが、何度も繰り返し違反をする悪質な場合は、素行不良と判断されるので注意が必要です。

独立して生計を立てられること

独立して生計を立てられているかも、永住者ビザ取得の要件です。いくら年収があれば永住申請が許可されるかは公表されていません。また、扶養している家族の人数にも影響されます。独立して生計を立てている必要があるので、生活保護を受けていないのが最低条件です。

その他国益適合要件に該当していること

上記で説明した以外では、「公衆衛生上有害ではないこと」「現在の在留資格で最長の在留期間を持っていること」が要件に挙げられます。公衆衛生上有害ではない状態とは、感染症に罹患しておらず、覚醒剤や違法薬物なども使用していない状態です。なお、住居をゴミ屋敷にして地域社会を不衛生にしている外国人は、公衆衛生上有害と判断され永住権が得られない可能性があるでしょう。

最長の在留期間は、多くの在留資格で5年です。高度専門職は特例措置として最長である5年の在留期間がはじめから付与されるため、この要件はクリアしています。

高度人材が永住者になると企業が得られるメリット

雇用している高度人材が永住者になると、企業は依頼できる仕事の制限がなくなったり長期の就労が見込めたりといったメリットを得られます。

在留資格の更新の必要がなくなる

永住者は日本に無期限で在留できるので、在留資格の更新手続きが不要になります。高度専門職1号の在留期限は5年です。そのため、5年ごとに住居地を管轄する地方出入国在留管理局で在留資格更新許可申請を行わなくてはなりません。更新が不許可になれば、雇用している外国人は帰国せざるを得なくなります。また、万が一在留資格の更新を忘れた場合、オーバーステイになり外国人本人だけでなく雇用側も「不法就労助長罪」で刑罰を受ける可能性があるでしょう。しかし、永住者になればそのような心配はなくなります。なお、高度専門職2号も在留期間は永住者と同じ無期限です。高度専門職2号の外国人には、永住者には認められていない家事使用人や親の帯同が許可されています。そのため、外国人の家庭の事情によっては、永住者ビザの取得ではなく高度専門職2号の在留資格取得を目指す場合もあるでしょう。

依頼できる仕事の制限がなくなる

外国人が永住者ビザを取得すると、仕事内容に制限がなくなります。高度専門職1号の在留資格も、ほかの在留資格よりは制限が緩和されているものの、許可されているのは高度専門職(イ)(ロ)(ハ)に分類されている業務のみです。対して、永住者は日本人と同じように自由に働けます。人事異動や配置転換もでき、マネジメントが容易になるでしょう。

長期就労が見込める

永住者は日本に長く住む可能性が高いため、長期就労が見込めます。永住者ビザを取得するのは、日本に長期滞在する意思がある外国人です。高度専門職1号の在留資格も、5年という長い在留期間が設けられています。しかし、高度人材と認められるほどの優秀な外国人は、ほかの国からも引く手あまたでしょう。今より高待遇を提示する企業があれば、退職して出国してしまう可能性も否めません。対して、永住者ビザを取得していれば、日本で腰を据えて働く意思が強いと捉えられます。もちろん、ほかの日本企業に転職してしまう可能性はありますが、ある程度安心して重要なポジションを任せられるでしょう。

まとめ

高度人材は、永住者ビザの取得条件の緩和や配偶者の就労など、さまざまな優遇措置が設けられています。それほど、日本にとって有益な存在といえるでしょう。

雇用している高度人材が永住者ビザを取得するのは、企業にとっても大きなメリットです。

初めてでも安心!

3分で理解できる外国人採用ノウハウ

資料ダウンロード

人材不足に悩んでいませんか?

この資料では、「外国人採用のメリット」、「外国人の雇用方法」、「Leverages Global Supportの強み」について、わかりやすく紹介しています。

是非、外国人採用の初めの一歩にご活用ください。

無料ダウンロード