外国人採用の課題とは?懸念を払拭してスムーズに雇用しよう!

2022年09月21日
WeXpats Bizは技能実習/特定技能の外国人採用・雇用支援サービスを提供しているLeverages Global Supportの関連サイトです。行政書士監修の下、外国人採用の現場で役立つ情報を発信しています。
濵川恭一 (監修)
外国人専門の人材ビジネス会社勤務を経て、外国人のビザ専門行政書士事務所を設立。専門分野は、就労ビザ申請、外国人採用コンサルティング。著書に、「これ1冊でまるわかり!必ず成功する外国人雇用」、「実務家のための100の実践事例でわかる入管手続き」等がある。 http://svisa.net

外国人採用に踏み出そうとしている企業も多いでしょう。人材不足の解消や企業の国際進出のため、外国人労働者を採用する企業が増えています。しかし、日本人の採用とは異なる苦労や問題があるのも事実です。あらかじめ課題を理解し対策を取っていなければ、あとでトラブルが発生する場合もあるでしょう。

このコラムでは、外国人採用の課題と対策方法を紹介します。内容を参考にして、採用を進めましょう。

目次

  1. 外国人従業員の採用を行う企業は増えている
  2. 外国人採用に関する課題や懸念点とは
  3. 外国人採用にはさまざまなメリットがある
  4. まとめ

外国人従業員の採用を行う企業は増えている

政府の留学生受け入れ政策や人材不足の影響により、外国人労働者の採用を行う企業が増えています。日本政府は、国内のグローバル化を推し進める一環として、2008年から2020年までの間に留学生を30万人受け入れる「30万人計画」に取り組んできました。同時に、外国人留学生がそのまま日本で就職できるよう、支援や企業への働きかけを行ったのです。その結果、外国人を採用する企業が大幅に増えました。

人材不足も、外国人採用が増えてきた大きな理由の一つです。少子高齢化や人口減少により、さまざまな業界が深刻な人材不足に陥っています。労働力は今後減っていく一方で、国内だけで労働力を賄っていくのは難しい状況です。そこで、今まで外国人採用を実施していなかった企業も、積極的な雇用に向けて動き出しています。企業の規模を維持し業績を伸ばしていくには、外国人労働者の存在が必要不可欠といえるでしょう。

日本の外国人労働者の受け入れ人数については「日本国内の外国人労働者数の推移は?2020年最新データをもとに解説!」のコラムも参考にしてください。

外国人採用に関する課題や懸念点とは

外国人を採用する企業が増えてきたとはいえ、まだ課題が多く残っているのが現状です。ここでは、外国人採用に関する課題や懸念点を、対策を交えて解説します。

外国人労働者を想定した採用フローが整っていない

現在の日本企業の採用フローは、外国人労働者に対応しきれていない状況です。たとえば、採用選考時の適性検査は、基本的に日本人就活生向けに作られています。日常会話に問題ない外国人留学生でも、難しい表現に手こずり不合格になることが少なくありません。優秀な能力を持つ外国人留学生が、日本語能力だけで判断され入社選考に落ちるのは企業にとって大きな損失といえます。
外国人を採用する際は、日本語で作られた適性検査や会話能力だけではなく、総合的なスキルで判断するように心掛けましょう。日本語能力は業務に必要な能力や素質面でのマッチングを重点的に見るべきです。

業務が多言語に対応できていない

初めて外国人を採用する企業は、業務を行う環境が他言語に対応できていない場合があります。

外国人に日本語を覚えてもらい適用してもらうことを求めるのは、企業の姿勢として相応しくありません。企業も環境整備に積極的に取り組みましょう。
社内環境を外国人向けに整備する際は、助成金を利用するのも一つの方法です。厚生労働省の用意する「人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)」は、外国人に配慮した就労環境の整備を行った企業に対して、経費の一部を助成します。一定の条件を満たせば、翻訳料や通訳費などの助成を受けることが可能です。

外国人の生活様式や価値観への理解が進んでいない

外国人と日本人では、生活様式や価値観が異なります。それぞれの違いを理解していなければ、一緒に働くうえで混乱やトラブルが発生するでしょう。皆がお互いを尊重して働けるような職場を作る工夫が大切です。
企業は外国人が配属される部署の社員に対して、事前に文化や慣習、価値観に関する勉強会を行うと良いでしょう。あらかじめ理解したうえで受け入れれば、違いも受け入れやすくなります。

休暇や昇給の規則が外国人に対応できていない

休暇や昇給、昇進のシステムも外国人採用の課題といえます。
日本で働く外国人は、まとまった休みがなければ母国に帰って家族や友人と過ごせません。お盆や年末年始の休暇があっても、外国人の母国の祝日とは時期がズレていることもあります。なかなか帰国できないことが外国人のストレスになり、業務にも影響を及ぼす可能性があるでしょう。外国人向けの休暇制度を用意し、母国への帰国を容易にすると働きやすさややりがいの増加に繋がります。

休暇制度とあわせて、評価システムも外国人向けに整備するようにしましょう。外国人は日本語能力だけが理由で、昇給や昇進ができない場合があるためです。また、評価基準が日本語で示されていて、理解しきれていないこともあります。適切に評価するために、外国人向けの評価制度の導入を検討しましょう。

在留資格の手続きに関する知識が乏しい

外国人が日本で働くには、在留資格が必要です。基本的には外国人本人が手続きを行いますが、雇用する企業が用意する書類も多くあります。慣れていないと準備に非常に手間が掛かるでしょう。また、在留資格に関する知識が乏しいままだと、無自覚のまま入管法を犯し、企業が不法就労助長罪で罰せられる可能性もあります。もし、社員だけでの対応が難しいようであれば、行政書士や人材サービスなどのプロの手を借りると良いでしょう。

参照元
厚生労働省「人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)

外国人採用にはさまざまなメリットがある

外国人採用には課題や懸念が残っているのも事実です。しかし、外国人労働者を受け入れることは、企業にとってさまざまなメリットがあります。

適応能力の高い人材を雇用できる

外国人労働者は適応力に優れた人材です。国にもよりますが、外国は日本より多様性が進んでいる傾向にあり、さまざまなバックボーンを持つ人と生活することに慣れています。そのため、比較的早く企業に馴染んでいけるでしょう。また、新しいプロジェクトや制度への適応力も高いといえます。

社内のコミュニケーションが活性化される

外国人労働者を採用することで、社内のコミュニケーションが活性化される傾向にあります。外国人と日本人がスムーズに仕事をするには、コミュニケーションを丁寧に取らなければなりません。日本人同士による「暗黙の了解」は、外国人相手にはなかなか伝わらないためです。外国人が社内にいることで皆の会話のやり取りが増え、職場全体の雰囲気が明るくなります。

海外進出が容易になる

外国人労働者の受け入れ拡大は、企業の国際化に繋がります。日本で働く外国人は、日本語と母国語はもちろん、第三言語を操れる人も珍しくありません。通訳なしで海外の取引先とやり取りできる人材は、企業の海外進出に大きく貢献してくれるでしょう。

外国人採用のメリットは「外国人を雇うメリット・デメリットは?雇用時の流れも解説」のコラムも参考にしてください。

まとめ

日本では今後も労働力不足が加速していきます。そのため、人材を確保していくためには外国人採用を積極的に進めていかなくてはなりません。残された懸念や課題を工夫によって解消し、外国人が働きやすい職場作りを進めましょう。