外国人採用の注意点とは?在留資格や言語・文化の違いに気を付けよう!

2022年09月22日
WeXpats Bizは技能実習/特定技能の外国人採用・雇用支援サービスを提供しているLeverages Global Supportの関連サイトです。行政書士監修の下、外国人採用の現場で役立つ情報を発信しています。
濵川恭一 (監修)
外国人専門の人材ビジネス会社勤務を経て、外国人のビザ専門行政書士事務所を設立。専門分野は、就労ビザ申請、外国人採用コンサルティング。著書に、「これ1冊でまるわかり!必ず成功する外国人雇用」、「実務家のための100の実践事例でわかる入管手続き」等がある。 http://svisa.net

外国人を採用する際は在留資格の確認やハローワークの届け出など、日本人とは異なる点がいくつかあります。初めて外国人採用に踏み切る企業は、不安に思うでしょう。しかし、注意すべき内容はある程度決まっているので、あらかじめ下調べしておけば問題ありません。
このコラムでは、外国人採用における注意点を解説しているので、外国人を採用したい企業はぜひ参考にしてください。

目次

  1. 外国人採用の注意点【在留資格】
  2. 外国人採用の注意点【募集・面接・社内体制】
  3. 外国人採用の注意点【入社後】
  4. 外国人採用は注意点だけでなく良い点もたくさんある!
  5. まとめ

外国人採用の注意点【在留資格】

外国人採用においてまず注意しなければならないのは、在留資格に関する事柄です。外国人が持っている在留資格の種類と期間を、採用前に忘れずに確認しましょう。また、新たに在留資格を得る外国人の場合は、学歴や経歴のチェックも必要です。

在留資格の種類と期限を確認する

採用面接の段階で、外国人が有している在留資格の書類および在留期限を必ず確認しましょう。在留資格には、就労可能な種類と許可されていない種類があります。就労不可の在留資格を持つ外国人を雇用することはできません。たとえば、外国人留学生の持つ「留学」の在留資格は就労が認められていないため、新卒で採用する際は在留資格変更許可申請が必要です。

就労が許可されている在留資格であっても、職種・業務に制限がある種類と自由に仕事を選んでも良い種類があります。自由に仕事を選べるのは、「永住者」「日本人等の配偶者」などの身分に基づく在留資格です。一方、「技能」「技術・人物知識・国際業務」などの在留資格は、行える業務が制限されており、ほかの仕事を行わせることは入管法で禁止されています。

在留資格とあわせて、在留期間の確認も必要です。在留期間とは、外国人が日本で活動できる期間を指します。期限を迎えたあとも日本で活動したい外国人は、在留資格の更新を行います。在留期限がすでに切れている外国人は不法滞在者に該当するので、採用は不可です。もし、採用したい外国人の在留期限が間もなく切れそうな場合は、更新を促しましょう。
外国人の在留資格および在留期限の確認は、口頭でなく在留カードを提示してもらいます。在留資格を偽り、日本で不法に就労する外国人も存在するためです。在留カードを見れば、外国人の在留資格や在留期限、国籍などの情報が分かります。

在留資格を取得できる人物か確認する

外国人が在留資格を取得可能な人物かの確認も重要です。外国人が海外にいる場合、新たに在留資格を取得する必要があります。しかし、在留資格は希望すれば必ず得られるわけではありません。取得予定の在留資格に相応しい学歴、もしくは実務経験がなければ、申請しても不許可になります。外国人の経歴や学歴、専攻内容の確認は採用選考の前に行いましょう。

在留資格については、「在留資格の種類を一覧で紹介!外国人を雇用する際の注意点も解説」「外国人が日本で就労できる在留資格とは?企業に向けて解説」のコラムでさらに詳しく解説しています。

外国人採用の注意点【募集・面接・社内体制】

先述した在留資格以外にも、外国採用の注意点はあります。ここでは募集時や面接時、社内体制整備に関する注意点を紹介するので参考にしてください。

外国人に特化したメディアでも募集をかける

外国人専用のメディアでも募集をかければ、採用の間口が広がります。ビジネスレベルの高い日本語能力を持つ人材を求めている場合は、通常の求人メディアを中心に募集をかけても良いでしょう。しかし、「日本語能力はJLPTのN4~N3相当あれば問題ない」「言語力よりも技術力を求めている」といった場合は、多言語に対応しているメディアにも求人を出すのがおすすめです。そうすることで、より幅広い人材を獲得できる可能性が高まります。複雑な文章を読むことが苦手でも、日常会話は問題ない外国人もいるので、思いがけず優秀な人材と出会える可能性があるでしょう。

連絡のやり取りはメールで行う

外国人応募者とのやり取りは、電話よりメールで行うほうがスムーズです。対面での会話には問題なくても、電話だと聞き取りにくいうえ細かいニュアンスが伝わりにくいので、コミュニケーションが上手く取れなくなることも少なくありません。メールでやり取りする際は、応募者の理解できる言語、もしくは簡単な日本語で文章を作成するとより分かりやすいでしょう。

面接で信仰に対しての質問はしない

面接で「信仰している宗教はありますか?」「▲▲教ですか?」などの質問をするのは避けましょう。興味本位で聞くのはもちろん、「何か配慮すべきことはあるか」という意味合いで聞くのも禁止です。宗教はとてもプライベートな話題です。複数の人がいる場所で聞かれたことで、プライバシーを侵害されたと感じる外国人も少なくありません。世界基準でも、不用意に聞いてはいけない質問として認識されています。配慮して欲しい事柄があれば本人から申し出があるので、こちらから聞かないように注意しましょう。

マニュアルや標識を多言語対応しておく

外国人の入社に備えて、社内マニュアルや標識の多言語化を進めておきましょう。多少日本語に不慣れな外国人であっても、マニュアルや案内標識がしっかりしていれば業務を進めることが可能です。採用が決まってから準備していては、対応が間に合わない可能性があります。いつ外国人が入社しても良いように、体制を整えておきましょう。なお、外国人採用を進める企業が社内環境を整備する際は、条件が合えば厚生労働省の人材確保等支援助成金を受け取れる可能性があります。

詳しくは「外国人雇用で利用できる助成金の種類は?補助金との違いも解説」のコラムを参考にしてください。

外国人採用の注意点【入社後】

外国人が入社したあとの企業の注意点を紹介します。労務の手続きは日本人同様に行いますが、外国人特有の届け出もあるので注意しましょう。

日本人同様に労務手続きをする

外国人であっても、基本的には日本人同様に労務手続きをします。労災保険はもちろん、勤務時間などの条件が適合すれば健康保険や厚生年金保険、雇用保険にも加入させなければなりません。なお、外国人のなかには日本の公的保険や年金の知識がない人も多く、給料から控除されることに戸惑う人もいます。雇用時に詳しく説明しておくとトラブルを防げるでしょう。

ハローワークに届け出る

外国人を雇用した企業には、ハローワークに氏名や在留資格などの情報を提出する「外国人雇用状況届出」が義務付けられています。外国人が雇用保険に加入する場合は、「雇用保険被保険者資格取得届」と同時に手続きを行うことが可能です。外国人が雇用保険に加入しない場合は、「雇入れに係る外国人雇用状況届出書」を提出します。外国人が雇用保険に加入しないときはつい忘れがちですが、届出を怠ると30万円以下の罰金が科されるので十分注意しましょう。

文化や言葉の違いを理解するよう努める

外国人と日本人では、言葉はもちろん、文化や慣習の違いがたくさんあります。一緒に働いているうちに、価値観や言葉の違いからぶつかることもあるでしょう。しかし、外国人従業員に日本のルールや価値観を無理やり押しつけるべきではありません。多様性を認め合えなければ、さまざまな国籍を持つ人々と一緒に働くのは難しくなります。外国人の出身国それぞれの価値観や文化を学び、理解するよう努めましょう。

待遇や評価に差をつけない

外国人従業員と日本人従業員の待遇に差をつけてはいけません。労働基準法では、国籍の違いを理由に賃金や労働時間、労働条件について差別的な取り扱いをしてはならないと定められています。また、人道的な観点からも許されることではありません。「外国人だから」「日本語ネイティブではないから」などの理由ではなく、能力や勤続年数などで正当に評価をすべきです。

外国人の待遇については、「日本の最低賃金は外国人労働者にも適用される!企業が知るべき制度を解説」のコラムで詳しく解説しています。

参照元
e-Gov法令検索「労働基準法

外国人採用は注意点だけでなく良い点もたくさんある!

外国人は採用するうえでの注意点がいくつかあるのが事実です。しかし、企業にとってはそれ以上の多くのメリットがあります。

まずは労働力の確保です。少子高齢化が進む日本では、今後さらに人材不足が深刻化していくでしょう。外国人にまで採用の間口を広げることで、若く優秀な人材の確保が叶います。

外国人の語学力をビジネスに活かせるのも、企業にとっての大きなメリットです。海外では外国語教育が盛んで、数ヶ国語を習得している人材も珍しくありません。語学の堪能な外国人を採用すれば、海外の取引先や現地のスタッフと通訳を介さないコミュニケーションが可能です。

外国人を採用するメリットは「外国人を雇うメリット・デメリットは?雇用時の流れも解説」のコラムでも詳しく解説しています。

まとめ

外国人採用は企業に多くのメリットをもたらします。入社後はもちろん、募集時や面接時の注意点にも気を配り、優秀な外国人人材を適切に採用しましょう。