外国人採用のメリットや課題点とは?求人の出し方や雇用の流れを解説

2022年11月22日
WeXpats Bizは技能実習/特定技能の外国人採用・雇用支援サービスを提供しているLeverages Global Supportの関連サイトです。行政書士監修の下、外国人採用の現場で役立つ情報を発信しています。
濵川恭一 (監修)
外国人専門の人材ビジネス会社勤務を経て、外国人のビザ専門行政書士事務所を設立。専門分野は、就労ビザ申請、外国人採用コンサルティング。著書に、「これ1冊でまるわかり!必ず成功する外国人雇用」、「実務家のための100の実践事例でわかる入管手続き」等がある。 http://svisa.net

少子高齢化やダイバーシティの促進など、さまざまな理由から外国人採用に積極的な企業は増えつつあります。慢性的な人手不足や優れた人材の確保が課題となっている企業は、早い段階から外国人採用に乗り出し、ノウハウを身につけておくのが得策です。人材の獲得競争が激化する昨今、スタートダッシュが遅れると取り返しがつかない可能性があります。外国人雇用の現状やメリット、注意点を把握して自社の採用課題を解決しましょう。

目次

  1. 外国人採用を行う企業は増加傾向にある
  2. 外国人採用のメリット
  3. 日本企業の外国人採用は労働者にもメリットがある
  4. 外国人採用の課題
  5. 外国人を採用するまでの流れ
  6. まとめ

外国人採用を行う企業は増加傾向にある

企業が外国人採用を行う理由は、労働力の拡充やグローバル人材の確保などがあげられます。正社員やアルバイト、技能実習生など雇用形態を問わず外国人の積極採用を考えている企業が多いようです。

厚生労働省が公表した「外国人雇用状況の届出状況まとめ(令和3年10月末現在)」によると、外国人を雇用する事業所の数は過去最高を記録しています。2021年10月末時点で外国人を雇用している事業所は285,080ヶ所です。前年比で17,837ヶ所増えており、対年増加率は6.7%でした。従業員30人未満の事業所も活発に外国人採用を行っており、中小企業や零細企業も雇用に乗り出しているようです。
昨今の日本では安定を求めて大企業に就職する人が増えているため、採用が思うように進まない企業が外国人の受け入れに積極的になっていると考えられます。特に、製造業や医療・福祉業界では外国人労働者数、雇用事業所数ともに大幅に増加しているので、出遅れないためには優秀な人材を雇用するには早めの行動が肝心です。

外国人労働者の受け入れが拡大している背景は?企業に向けて解説」では、外国人採用を行う企業が増えている理由を詳しく解説しています。あわせてチェックしてみてください。

参照元
厚生労働省「「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和3年10月末現在)

外国人採用のメリット

企業が外国人を採用するメリットとして、人手不足の解消や外国語での対応が可能な従業員の確保、

海外進出のきっかけづくりなどがあげられます。「日本人からの応募だけでは必要な人数が集まらない」「将来的に海外に支店を出したい」という企業は、外国人採用を前向きに検討しましょう。

外国人の顧客や海外企業との取引がスムーズになる

外国人労働者を積極的に採用すれば、海外の顧客や企業とのやり取りがスムーズになります。特に、今後事業展開を検討している国と関わりのある外国人を採用すれば、より大きなメリットを感じられるでしょう。現地の言葉や風習、価値観を理解しているブリッジ人材は、ビジネスにおいて強い味方です。企業間で良好な関係を築いたりマーケティング戦略を考えるうえで、ブリッジ人材は欠かせない存在といえます。

ポテンシャルの高い優秀な人材を確保しやすい

日本語の習得やビザ申請など、母国で就職すれば必要ない勉強や手続きを行ってまで日本で働きたい外国人は、学習意欲や労働に対する熱意が高い人材といえます。ポテンシャルが高く、入社後も意欲的に働いてくれるでしょう。実際に外国人採用を始めた企業では、熱意が高い優秀な人材が入社したことで、社内の活性化につながったという事例もあるようです。「伸びしろのある人材を採用したい」「技術を受け継ぐ後継者がいなくて困っている」といった企業は、外国人採用を検討してみましょう。

海外進出の足掛かりになる

外国人採用は、海外進出を検討している企業にもメリットがあります。進出予定の国出身の外国人を採用できれば、情報収集やマーケティングをスムーズに進められるでしょう。また、現地の外国人でなくとも近隣諸国に生まれ育った人材や語学に明るい応募者は、企業にとって採用する価値があります。なお、海外進出の足掛かりとなる人材を募集する際は、現地だけでなく日本でも募集をかけるのがおすすめです。現地で暮らす人々だけでなく、日本で働く外国人労働者や留学生の採用も視野に入れることで、より優秀な人材を確保するチャンスが増えます。

労働者不足解消が見込める

日本人だけでなく外国人にも求人募集をかけることで、職場の人手不足が解決する可能性が高まるのもメリットの一つです。日本は少子高齢化によって若い労働人口が減少しつつありますが、海外諸国には若年層の労働者が数多くいます。なかには就職難で働き口が見つからず、海外での就職を検討する人も多いので、人手不足に悩む企業にとっては採用のチャンスです。外国人採用の手続きを勉強したり社内環境を整備したりする必要があるためコストは掛かりますが、流れさえ分かれば2回目以降はスムーズに受け入れを進められるでしょう。

新鮮で柔軟な発想が出やすく社内の士気向上につながる

外国人は日本人とは異なる文化・価値観を持っているため、ユニークな発想や斬新なアイデアが出やすい傾向にあります。社内の活性化や意見のマンネリ化防止にも、外国人採用は効果が高いでしょう。異なる視点が増えたことにより、既存プロジェクトの課題点や改善点が見えてくることもあるようです。「社員の士気を高めたい」「ダイバーシティを推進して、会社を次のステップに進めたい」など考えている場合は、積極的に外国人を採用することをおすすめします。

企業で外国人労働者を受け入れるメリット・デメリットは?採用手順も解説!」ではメリットだけでなくデメリットもまとめています。外国人採用を慎重に判断したい企業は、ぜひチェックしてみましょう。

日本企業の外国人採用は労働者にもメリットがある

外国人を採用するメリットは企業だけでなく、労働者側にもあります。外国人からの応募を増やすためにも、どのようなポイントに魅力を感じる人が多いのか、確認してみましょう。

福利厚生が手厚い

母国の企業よりも福利厚生が充実していることを理由に、日本での就職を検討している外国人は多いようです。交通費支給や家賃補助といった一般的な福利厚生に加え、バースデー休暇・規制手当など企業の特色がうかがえる制度に惹かれて日本に就職する外国人もいます。また、雇用保険や健康保険の制度が充実しているのも、外国人にとっては日本で働くメリットの一つです。海外には日本のように国民皆保険制度を実施していない国もあります。そのため、保険が充実していて万が一のときも安心な日本で就職したいと考える人もいるようです。ただし、保険に関する知識が薄い外国人もいるので、採用後はトラブルにならないように給与から天引きがあることを説明しましょう。厚生労働省が作成した人事・労務用のツールを利用すると、初めての外国人雇用でもスムーズに説明ができます。

母国よりもハイレベルな業務に従事できる

スキルアップや高収入を目指して、日本で就職する外国人もいます。日本はモノづくりの技術やおもてなしの心が世界的に評価されている国であり、職種によっては業界トップクラスのハイレベルな仕事に従事することも可能です。特に開発途上国が母国の外国人は、「日本でスキルを身につけて故郷の発展に活かしたい」と思う人もいます。誰もが責任のあるポジションや裁量の大きい仕事にも挑戦できる企業は、外国人の応募者も集まりやすいでしょう。

不当解雇のリスクが少ない

海外の企業では、正社員であっても企業の都合で退職を余儀なくされるケースは珍しくありません。突然解雇を言い渡されるケースもあるため、雇用形態に関わらず常に職を失うリスクが伴います。一方、日本では簡単に解雇やリストラは行われません。安定した雇用が見込めるのは、外国人が日本で働くメリットといえます。定常的に外国人を雇用する予定なら、応募者を集めるために正社員の求人を出すのがおすすめです。

参照元
厚生労働省「外国人の方に人事・労務を説明する際にお困りではないですか?

外国人採用の課題

外国人採用は人手不足や労働力の確保問題を解決する方法として近年注目を集めていますが、受け入れ体制の構築や雇用手続きの確認など課題もあります。外国人雇用を検討している企業は、課題点も把握したうえで採用に取り組みましょう。

円滑なコミュニケーションが難しい

外国人採用を行う際に課題になるのが言語の壁です。日本人と同じレベルの日本語能力を持つ外国人はそうそういません。面接の際に応募者の日本語レベルをしっかり確認しておかないと、入社後にコミュニケーションでトラブルが起こる可能性もあります。
日本人同士ならお互いの表情や雰囲気、身振り手振り、前後の発言などから察してもらえる話も外国人相手だとうまく通じないこともあるでしょう。企業は外国人を採用した段階で、従業員にコミュニケーション上の注意点を周知する必要があります。お互いに円滑に業務を進められるよう、分かりやすく簡単な日本語でしっかり指示や説明を心掛けましょう。

異文化への歩み寄りを求められる

外国人採用を行ううえで異文化理解は必要です。採用した外国人の故郷の風習や文化、ふるまい方を調べて日本との違いを理解しましょう。外国人の中には宗教を信仰する人もいるので、必要に応じて対応を考える必要もあります。
本人の習慣・価値観などをないがしろにすると、ストレスを感じやすく離職につながりかねません。外国人労働者と日本人の従業員の双方に、異文化に対する理解を求め、教育の時間を設けるのも大切な配慮です。相手が生まれ育った国の文化や信仰する宗教に関する知識を身につけ、会社として働きやすい環境を整備しましょう。なかには、社員食堂に豚肉や牛肉を使わないメニューを増やしたり礼拝室を設けたりする企業もあります。

雇用手続きが複雑で処理に時間が掛かる

外国人の雇用手続きは、日本人に比べて複雑で慣れるまでに時間を要するのが難点です。たとえば、企業が外国人を雇用する際は、「外国人雇用状況の届出」をハローワークに提出する必要があります。提出が遅れたり嘘の内容を書いたりした場合、企業は30万円以下の罰金を科されるので注意しましょう。また、外国人を採用する際は査証や在留資格の取得手続きのサポートも必要です。いずれも審査に時間を要する手続きなので、外国人採用に踏み切るときは日本人よりも手続きに掛かる時間が長いことを覚えておきましょう。手続きになれないうちは、外国人雇用に詳しい行政書士を頼るのも一つの方法です。

ここで紹介したほかにも外国人採用には課題が山積みです。初めて外国人を受け入れる企業は「外国人採用の課題とは?懸念を払拭してスムーズに雇用しよう!」も参考にしてみましょう。

参照元
内閣府「【第18回】企業の外国人雇用に関する分析 -取組と課題について-(令和元年9月6日)

外国人を採用するまでの流れ

外国人採用を行うと決めたら、入社までの流れを確認し、どれくらいの期間が必要かシミュレーションしてみましょう。「どこで外国人向けの募集を行うのか?」「企業が行うサポートは何があるのか?」が気になる方は参考にしてください。

外国人採用の目的を明らかにする

なぜ外国人採用を行う必要があるのかを考え、求める人物像を明らかにしましょう。外国人労働者の雇用には課題が山積みですが、同時に企業にとって魅力的な人材を受け入れられる可能性があります。日本人採用では満たせないニーズを補ってくれることもあるでしょう。自社に外国人が必要な理由を洗い出し、どれくらいの日本語能力を求めるのか、どのような業務を任せるのかを決めるのが採用成功のコツです。具体的な人物像が定まっているほど採用の成功率が上がり、良い成果を挙げられます。

外国人向けの求人を掲載して応募を待つ

外国人を採用したいときは日本人向けの求人サイトだけでなく、海外からも見れる外国人向けの就職・転職サイトに求人を掲載するのがおすすめです。求人サイトによっては掲載費無料の場合もあるので、複数のWebサイトを比較して納得のいく機能やコストパフォーマンスのものを選びましょう。

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外国人向け求人サイトの「WeXpats Jobs」では、応募条件に日本語レベルを設定できます。雇用形態や歓迎言語、職種、仕事内容など求人の内容を細かく決められるので、理想に近い人材のみを集められるのが魅力です。どこに求人を掲載するか悩んでいる企業は、ぜひ「WeXpats Jobs」の利用をご検討ください。

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応募者が日本で就労できるか確認する

外国人が日本で働くには在留資格が必要です。外国人が日本で行える活動によって、在留資格の種類は異なります。就労目的の場合、「技術・人文知識・国際業務」「教育」「介護」などの在留資格が必要です。業務内容ごとに必要な在留資格が異なるので、出入国在留管理庁のWebサイトを参考に確認しましょう。なお、外国人を海外から呼び寄せる場合は就労可能な在留資格の申請から行う必要があるため、選考の段階で審査を通過できるかをチェックするのが大切です。「採用後に在留資格が取れず、入社できなかった…」とならないよう、きちんと確認しましょう。

筆記試験や面接を行う

選考は基本的に日本人と同じように行います。筆記試験や面接を通して応募者の人柄や能力、日本語スキルをチェックして、採用するかを決めましょう。なお、面接の際に国籍や宗教に関する質問を行うのはNGです。そのつもりがなくても、就職差別になる可能性があるので注意してください。また、選考段階では在留資格の確認は口頭のみにとどめます。在留資格が記載されている在留カードには、選考に関係ない情報も多数記載されているため、見るのは採用が決定して雇用契約を結ぶときにしましょう。

在留カードを確認して雇用契約を結ぶ

外国人雇用の際に在留カードを確認するのは事業主の義務です。確認を怠り外国人が不法就労していた場合、故意か過失かは問わず3年以下の懲役か300円以下の罰金、もしくはその両方が科せられます。罰則を受けるうえ、不法就労があった会社としてうわさが広まり、その後の外国人採用に悪影響を及ぼす可能性が高いので注意しましょう。
外国人労働者と交わす雇用契約書は、相手が理解できる言語で作成します。日本語能力が低い相手の場合は、母国語の契約書も用意しましょう。お互いに契約内容に齟齬がないかを確認し、疑問点がなくなるまですり合わせたら署名と捺印をして契約完了です。契約後は忘れないうちにハローワークに外国人雇用状況の届出を提出し、すべての手続きを済ませることをおすすめします。

参照元
厚生労働省「外国人の雇用」
出入国在留管理庁「手続の種類から探す

まとめ

外国人採用は、日本人と同じ手順で進めてもうまくいきません。在留資格の手続きや面接時の質問など、外国人採用ならではの注意点が数多くあります。外国人雇用に必要な準備を把握して、スムーズに受け入れられるように体制を整えましょう。