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人材確保のために外国人を受け入れる企業は、近年増加傾向にあります。しかし、外国人の受け入れ手続きは日本人と異なるため、初めて採用する際は戸惑うことも少なくありません。
このコラムでは、外国人をスムーズに受け入れられるよう、雇用手続きについて解説します。最新の外国人労働者の受け入れ状況もまとめているので、参考にご覧ください。
目次
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厚生労働省が発表した「「外国人雇用状況」の届出状況まとめ」によると、2022年10月末時点での外国人労働者数は1,822,725人でした。集計が始まった2007年から過去最高を更新し続けています。増加率は5.5%と、0.2%だった2021年から5.3ポイントも増加していました。2020年の新型コロナウイルスの感染拡大により、著しく減っていた外国人労働者の入国は回復傾向にあります。
日本は少子高齢化により、人手不足が年々深刻化している状況です。日本政府は労働力を確保するため、積極的に外国人労働者を受け入れています。今後も、日本で仕事に就く外国人は増加していくでしょう。
労働者以外の人数を含めた在留外国人数は「日本に住む外国人が増加している理由は?」のコラムで解説しています。
参照元 厚生労働省「「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和4年10月末現在)」
ここでは2022年10月末時点の、外国人の受け入れ状況を解説します。「国籍別」「在留資格別」「産業別」「都道府県別」と分けているので、参考にしてください。
日本で働く外国人労働者の国籍で、特に多いのは、以下の国・地域です。
国籍 |
人数 |
割合 |
|
1 |
ベトナム |
462,384人 |
25.4% |
2 |
中国(香港・マカオを含む) |
385,848人 |
21.2% |
3 |
フィリピン |
206,050人 |
11.3% |
4 |
ブラジル |
135,167人 |
7.4% |
5 |
ネパール |
118,196人 |
6.5% |
日本の外国人労働者の国籍は、ながらく中国がトップでした。しかし、近年はベトナム人労働者が急増しており、2020年からは中国を抜いてベトナムが最も多くなっています。中国国内の経済発展による海外就労者の減少や技能実習で来日するベトナム人労働者が増えているのが要因です。
在留資格別の外国人労働者数は以下のとおりです。
在留資格 |
人数 |
割合 |
|
1 |
身分に基づく在留資格 |
595,207人 |
32.7% |
2 |
専門的・技術的分野の在留資格 |
479,949人 |
26.3% |
3 |
技能実習 |
343,254人 |
18.8% |
4 |
特定活動 |
73,363人 |
4% |
身分に基づく在留資格は「永住者」「日本人の配偶者等」などのことで、職種や時間の制限なく就労が可能です。専門的・技術的分野の在留資格は、「技術・人文知識・国際業務」や「技能」などが当てはまります。
事業所数で見た、産業別の外国人労働者の数は以下のとおりです。
産業名 |
事業所数 |
割合 |
|
1 |
卸売・小売業 |
55,712ヶ所 |
18.6% |
2 |
製造業 |
53,026ヶ所 |
17.1% |
3 |
宿泊・飲食サービス業 |
42,896ヶ所 |
14.4% |
4 |
建設業 |
35,309ヶ所 |
11.8% |
外国人を雇用する企業の61.4%が、従業員が30人未満の小規模事業所でした。
外国人労働者の受け入れが多い都道府県の数は、以下のとおりです。
都道府県名 |
人数 |
割合 |
|
1 |
東京都 |
500,089人 |
27.4% |
2 |
愛知県 |
188,691人 |
10.4% |
3 |
大阪府 |
124,570人 |
6.8% |
4 |
神奈川県 |
105,973人 |
5.8% |
5 |
埼玉県 |
92,936人 |
5.1% |
人口が多く企業も多い首都圏や大阪府は、外国人労働者が集まりやすいといえるでしょう。2位の愛知県には、自動車産業に関する工場が多くあります。
参照元 厚生労働省「「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和4年10月末現在)」
外国人労働者の受け入れには多くのメリットがあるのと同時に、デメリットも少なからず存在します。それぞれを知ったうえで、受け入れるかどうかを決めましょう。
外国人労働者を受け入れる特に大きなメリットは、人材を確保しやすくなることです。日本の労働人口が減り続けている一方で、外国人労働者数は増え続けています。日本人だけに限定せず外国人にまで採用の間口を広げれば、若く優秀な人材を雇用しやすくなるでしょう。
外国人社員の存在は、海外との取引開始や海外への事業展開を考えている企業にとって大きな戦力になります。現地の言葉だけでなく、文化や価値観を理解している人材の存在は、海外でビジネスを上手く進めるうえで必要不可欠です。
外国人労働者を受け入れる際は、言葉や文化の違いによるトラブルが起きる可能性を考慮しなくてはなりません。日本人の雇用とは違う管理コストが掛かるのは、人手が足りていない企業にとってデメリットになるでしょう。また、在留資格に関係する手続きも別途発生します。
メリット・デメリットについては「外国人労働者の受け入れにおけるメリットは?デメリットも企業に解説」のコラムでも詳しくまとめています。
2019年に創設された「特定技能」は、それまで外国人が従事出来なかった作業への就労を可能とする在留資格です。ここでは、外国人の受け入れ拡大に繋がる在留資格「特定技能」について解説します。
在留資格「特定技能」は、人材不足が特に深刻な分野(特定産業分野)で外国人雇用を増やすために創設されました。「特定技能」を取得した外国人は、ほかの就労にまつわる在留資格では認められていなかった単純労働が許可されます。
在留資格「特定技能」の対象となる分野は以下のとおりです。
介護/ビルクリーニング/素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業/建設/造船・舶用工業/自動車整備/航空/宿泊/農業/漁業/飲食料品製造業/外食業
上記の12分野のうちいずれかで、相当以上の知識や経験、技能を持っていると認められた外国人が在留資格「特定技能」を得られます。
在留資格「特定技能」は1号と2号があり、在留期間は種類によって異なります。
特定技能1号の在留期間は1年・6ヶ月・4ヶ月ごとに更新できますが、上限は5年までです。上限後も日本で就労するには、ほかの在留資格に変更しなくてなりません。
特定技能1号を経て技能試験に合格し、特定技能2号を取得すると、在留期間は無期限になります。特定技能2号は、これまで「建設」および「造船・舶用工業」分野のみで受け入れ可能でした。しかし、2023年6月の閣議決定により、「介護」以外の職種でも受け入れが開始されることが決定しています。各分野の特定技能2号技能試験の体制が整い次第、受け入れがスタートする見込みです。
外国人が在留資格「特定技能」を得るには、技能を評価する試験と日本語能力を測る試験両方に合格しなくてはなりません。技能に関する試験は各作業を遂行する能力を測るもので、産業分野ごとに実施団体や内容が異なります。日本語能力に関する試験は、国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)の合格、もしくは日本語能力試験(JLPT)のN4以上の取得が必要です。
上記の試験は免除されるケースもあります。日本で技能実習を行っている技能実習生は、試験を受けずとも在留資格「特定技能」を得ることが可能です。技能実習2号を優良に修了し、関連性のある分野で在留資格「特定技能」を得る場合は、技能試験および日本語能力に関する試験の両方が免除されます。異なる分野の場合は、日本語能力に関する試験のみが免除です。
在留資格「特定技能」と「技能実習」は名称は似ていますが、仕組みが全く異なります。主な違いは以下のとおりです。
技能実習 |
特定技能 |
|
在留期間 |
最長で5年 |
・特定技能1号:最長5年 |
職種 |
88職種(2023年9月時点) |
12職種 |
家族の帯同 |
不可 |
2号のみ可(配偶者および家族) |
転職 |
特別なケースを除き不可 |
可 |
関係団体 |
・技能実習機構 |
・登録支援機関 |
特定技能は、人手不足が深刻な分野での労働力を確保するための制度です。一方、技能実習制度は開発途上国の外国人に日本の技能を実習を通して教え、母国の発展に役立ててもらうのが目的とされています。つまり、技能実習生は制度上労働力として考えてはいません。
特定技能制度については「特定技能とはどのような在留資格?簡単にわかりやすく解説【2号範囲拡大】」のコラムでまとめているので、参考にご覧ください。
参照元 出入国在留管理庁「特定技能制度」
外国人専門の人材紹介サービスや求人サイトなど、外国人労働者を受け入れる方法はさまざまです。ここでは外国人採用の主なルートを紹介するので、受け入れを検討している企業は参考にしてください。
初めて外国人を雇用する企業や迅速に人材を確保したい企業は、人材紹介会社を利用しましょう。外国人の紹介に慣れている人材紹介会社は、募集から面談の設定、在留資格の手続きなどをスムーズに行ってくれます。外国人採用特有の手間が掛かる手続きを代行してくれるので、初めて外国人を雇用する企業でも安心です。条件にあわせて人材募集を行ってくれるので、急に人手が必要になったときも頼りになる採用ルートといえます。
自社で働く社員や交流が深い取引先に、日本で働きたい外国人の知り合いがいないか聞いてみるのも一つの方法です。すでに外国人労働者を雇用している場合、友人を紹介してもらえれば採用活動に掛かるコストを減らせる可能性があります。一般公募と並行して、友人紹介での採用を実施するのもおすすめです。従業員の紹介による採用(リファラル採用)で入社した労働者は、企業へ適応しやすく、離職率が低い傾向にあります。
採用コストを抑えつつ外国人労働者の募集を行いたい企業は、自社のWebサイトに求人を掲載しましょう。応募してくる外国人はWebサイトを見ている人に絞られるため、志望度が高い可能性があります。「自社に興味を持ってくれる外国人がいたら採用したい」という企業は、Webサイトに採用情報を載せておくと良いでしょう。
外国人向けの就職・転職サイトに求人情報を載せるのは、一般的な採用方法です。国籍や年齢、スキルなどが異なる人材が応募してくるので、実験的に外国人採用を行いたい企業に向いている方法といえます。ただし、外国人からの応募が必ずあるとは限りません。応募者を集めるには、具体的に企業情報や応募条件を記載する必要があります。就職・転職サイトへの求人掲載は期間に応じて料金が発生するケースが多いので、短期間で募集が発生するように求人の書き方を工夫しましょう。
初めて外国人の受け入れを行う企業に向けて、雇用時の流れを解説します。
在留資格の取得や変更の手続きをするのは、雇用契約を締結したあとです。外国人が海外在留の場合は、雇用する企業の担当者が代理で在留資格取得の手続きをしなくてはなりません。
外国人の受け入れでは、日本人と同じ手順に在留資格に関する手続きが加わります。時期によってはかなり時間が掛かるので、余裕を持ったスケジュールを立てましょう。
企業が外国人を受け入れる際は、在留資格や労働環境の整備に気を配りましょう。また、ハローワークへの「外国人雇用状況の届出」の提出も忘れてはいけません。
外国人が日本で働くには在留資格が必要です。海外から外国人を呼び寄せる場合は「在留資格の取得要件を満たしているか」を、外国人がすでに日本にいる場合は「期限や種類が有効か」を確認します。ただし、内定を出す前に在留カードを提示させてはいけません。在留カードは外国人の身分証明書であり、在留資格の種類や在留期間のほかに国籍や年齢、性別といった個人情報が記載されています。これらの情報を選考時に確認するのは採用差別と捉えられかねないので、在留資格の確認は口頭で行いましょう。
なお、外国人が内定を承諾したあと、在留カードを確認するのは問題ありません。不法就労を防ぐため、企業には外国人の在留カードの確認が義務付られています。
外国人労働者の受け入れが決まったら、一緒に雇用条件の確認を行います。可能であれば、外国人の母国語に合わせて労働条件通知書を作成すると良いでしょう。雇用後のトラブルを防ぐためにも、契約の段階でしっかり雇用条件のすり合わせを行うことが重要です。
外国人を受け入れる際は、あらかじめ日本での生活や仕事に不安がないかヒアリングしましょう。必要に応じて、住居の契約やインフラの開通をサポートします。自社で外国人を手厚くサポートするのが難しい場合は、外部委託を行うのも一つの手段です。疑問や不安を事前に解消し、外国人が気持ちよく働けるようにしましょう。
外国人の受け入れが決まったら、早めに従業員に周知を行います。外国人を採用した理由や今後職場で期待される役割、コミュニケーションの取り方など、ともに働くうえで重要な情報を共有しましょう。従業員の理解が得られないまま外国人を働かせた場合、周りとうまく打ち解けられず、早期離職につながる可能性があります。採用した人材に長く働いてもらうためにも、現場の理解を得られるようきちんと雇用の経緯を説明しましょう。多様性が認められる企業風土が形成されれば、その後の採用活動にも良い影響を与えます。
日本と海外では労働環境が異なるため、外国人も働きやすいように職場を整える必要があります。業務マニュアルを作り直したりコミュニケーションが取りやすいように席配置を工夫したりと、できる範囲で労働環境を整えましょう。また、受け入れ予定の外国人から母国の慣習や宗教に伴う配慮を求められた場合は、可能な限り希望に沿うように努めるのも大切です。
日本人も外国人も働きやすい環境が整えば、求人に応募する人が増える可能性が高まります。企業にも従業員にもメリットが大きいので、外国人を雇用する際は労働環境の見直しを徹底しましょう。
外国人を受け入れる事業主は、ハローワークに雇用状況を届け出ることが義務付けられています。届け出を怠った場合、30万円以下の罰金が科せられるので注意しましょう。雇用状況の届出を行う際は、外国人の在留カードの確認が必要です。偽造された在留カードではないか、在留資格の種類や期間は問題ないかをしっかりチェックしたうえで届け出を行いましょう。
万が一外国人を不法就労させた場合、企業は不法就労助長罪に問われます。その後の外国人雇用に悪影響を及ぼす可能性があるので、見落としのないように注意してください。
日本では多くの外国人労働者が働いていますが、解決すべき問題がいくつか残されています。また、今後は円安による影響も出てくるでしょう。ここでは、外国人労働者の受け入れに関する課題点を解説します。
市場では2022年3月ごろから円安・ドル高傾向が続いている状況です。円の価値が下がれば、外国人は日本で働くメリットがなくなってしまいます。今後さらに円安が続いていけば、母国や日本以外のほかの国に外国人労働者が移ってしまうことも十分考えられるでしょう。そうなると、日本の人手不足はさらに深刻な状況になります。
外国人を雇用する企業は福利厚生費を整えたり労働環境を見直すなどして、外国人労働者の離職を食い止める策を講じる必要があるでしょう。
外国人労働者の劣悪な労働環境は、度々問題になっています。日本語能力や日本の法律に関する知識が多くない外国人は、弱い立場になりがちです。それにつけこみ、人権を軽視したような環境で働かせる企業が残念ながら存在します。
昨今では取り締まりが強化されているので、適切に外国人を雇用していない企業は厳しく罰せられるでしょう。また、社名も公表され、ニュースや新聞、ネットで大きく報じられます。社会的信用を損なうことになるので、ふさわしい環境で働いてもらえるよう、常に社内の細かいところまで気を配りましょう。
外国人労働者は、日本人と比較すると賃金が低くなりやすい傾向にあります。昇進の難易度が高いことや転職する人が多いのが要因です。また、技能実習生の場合は、技能実習制度自体が利益を出しにくい構造なので、賃金を上げにくいのも関係しているでしょう。
労働基準法では、外国人と日本人に賃金の差を付けてはならないと定めています。そのため、同じ仕事をする日本人と同じ給料を支払わなくてはなりません。また、最低賃金法も適用されます。最低賃金以下の給料を設定するのは法律違反になるので、必ず適切な金額を設定しましょう。
ここでは、外国人を受け入れる企業が持ちやすい疑問をQ&A形式でまとめています。
日本の社会保険制度は、国籍で区別をしていません。そのため、雇用した外国人が条件を満たしていれば、健康保険や厚生年金、雇用保険に加入させる必要があります。
外国人の雇用管理や教育に関することは、ハローワークで申し込める「外国人雇用管理アドバイザー」に相談すると良いでしょう。職場に外国人雇用の専門知識を持つアドバイザーが派遣され、的確な指導を受けられます。在留資格や入国に関することは出入国在留管理庁が運営する「外国人在留総合インフォメーションセンター」に相談してみましょう。電話やメールなら、全国どこからでも相談できます。
「特定技能」の在留資格を持つ外国人を受け入れる企業には、生活オリエンテーションや住居の確保など、さまざまな支援の実施が義務付けられています。支援業務を企業内で実施するのはコストや時間が掛かるため、登録支援機関に委託するのが一般的です。掛かる費用や支援体制などが自社に合っている登録支援機関を選びましょう。
外国人の受け入れは、日本人採用とはフローが異なります。外国人特有の手続きが発生するので、企業はあらかじめ厚生労働省や出入国在留管理庁などのWebサイトを確認し、適正に受け入れを実施しましょう。