外国人労働者を受け入れるには?雇用の流れを企業向けに解説

2022年11月21日
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WeXpats (執筆)
WeXpats専属ライター。WeXpatsは日本で夢を叶えたい外国人を応援する多言語対応ポータルサイトを運営しています。 https://we-xpats.com/ja/destination/as/jp/

人材確保のために外国人を受け入れる企業は、近年増加傾向にあります。しかし、外国人の受け入れ手続きは日本人と異なるため、初めて採用する際は戸惑うことも少なくありません。
このコラムでは、外国人をスムーズに受け入れられるよう、雇用手続きについて解説します。最新の外国人労働者の受け入れ状況もまとめているので、参考にご覧ください。

目次

  1. 最新の外国人受け入れ状況【水際対策緩和】
  2. 外国人労働者の受け入れ状況
  3. 外国人受け入れのメリット・デメリット
  4. 企業が外国人を効果的に受け入れる方法
  5. 企業が外国人を受け入れる流れ
  6. 企業が外国人を受け入れる際の注意点
  7. 外国人の受け入れ促進に繋がる「特定技能」とは
  8. 外国人の受け入れに関するQ&A
  9. まとめ

最新の外国人受け入れ状況【水際対策緩和】

2020年に新型コロナウイルスが流行してから、日本政府は海外からの入国を制限して水際対策を強化しました。しかし、2022年10月11日からは大幅に制限を緩和したため、日本に外国人が入国しやすくなっています。

2022年11月15日時点では、日本への新規入国者数の上限は定められていません。また、感染が疑われる人以外には、入国時の検査を求めないこととしています。ただし、すべての入国者は、入国時に「新型コロナウイルスワクチンを3回接種した証明書」もしくは「出国前72時間以内に受けた検査の陰性証明書」を提出しなければなりません。なお、今後の感染情報によっては内容が変わる場合があるので、最新状況をチェックしてください。

参照元
外務省「国際的な人の往来再開に向けた措置について

外国人労働者の受け入れ状況

ここでは2021年10月末時点の、外国人の受け入れ状況を解説します。「国籍別」「在留資格別」「産業別」と分けているので、参考にしてください。

国籍別

日本で働く外国人労働者の国籍で、特に多いのは、以下の国・地域です。

 

国籍

人数

割合

1

ベトナム

453,344人

26.2%

2

中国(香港・マカオを含む)

397,084人

23.0%

3

フィリピン

191,083人

11.1%

4

ブラジル

134,977人

7.8%

5

ネパール

98,260人

5.7%

日本の外国人労働者の国籍は、ながらく中国がトップでした。しかし、近年はベトナム人労働者が急増しており、2020年からは中国を抜いてベトナムが最も多くなっています。中国国内の経済発展による海外就労者の減少や技能実習で来日するベトナム人労働者が増えているのが要因です。

在留資格別

在留資格別の外国人労働者数は以下のとおりです。

 

在留資格

人数

割合

1

身分に基づく在留資格

580,328人

33.6%

2

専門的・技術的分野の在留資格

394,509人

22.8%

3

技能実習

351,788人

20.4%

4

特定活動

65,928人

3.8%

身分に基づく在留資格は「永住者」「日本人の配偶者等」などのことで、職種や時間の制限なく就労が可能です。
専門的・技術的分野の在留資格は、「技術・人文知識・国際業務」や「技能」などが当てはまります。

産業別

以下は、外国人労働者が従事している産業別事業所数の割合です。

 

産業

事業所数

割合

1

卸売業、小売業

52,726ヶ所

18.5%

2

製造業

52,363ヶ所

18.4%

3

宿泊業、飲食サービス業

40,692ヶ所

14.3%

4

建設業

33,608ヶ所

11.8%

5

サービス業(その他)

22,625ヶ所

7.9%

なお、近年は医療・福祉に関する事業所で働く外国人が増加傾向にあります。

外国人労働者に多い国籍とは?平均年齢や就労者が多い職種も解説!」でも、外国人労働者の現状をまとめているのでぜひご覧ください。


参照元
出入国在留管理庁「「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和3年10月末現在)

外国人受け入れのメリット・デメリット

外国人の受け入れは、人手不足の解消や優秀な人材の確保を目的とする企業にとって採用の成功率を上げる手段です。企業のグローバル化や海外進出のきっかけ作りなど、メリットが多い外国人受け入れですが、一方で異文化理解が難しくコミュニケーションが取りにくいといったデメリットもあります。外国人採用特有の採用フローも発生するので、慣れていないうちは採用活動に掛かる工数が増加するでしょう。

外国人を受け入れたい企業は、雇用に関するメリット・デメリットを比較し、採用活動を行うか検討することをおすすめします。

外国人雇用のメリット・デメリットについてさらに詳しく知りたい方は、「外国人を雇うメリット・デメリットは?雇用時の流れも解説」「企業で外国人労働者を受け入れるメリット・デメリットは?採用手順も解説!」のコラムをご覧ください。

企業が外国人を効果的に受け入れる方法

外国人専門の人材紹介サービスや求人サイトなど、外国人労働者を受け入れる方法はさまざまです。ここでは外国人採用の主なルートを紹介するので、受け入れを検討している企業は参考にしてください。

人材紹介会社を利用する

初めて外国人を雇用する企業や迅速に人材を確保したい企業は、人材紹介会社を利用してみましょう。外国人の紹介に慣れている人材紹介会社は、募集から面談の設定、在留資格の手続きなどをスムーズに行ってくれます。外国人採用特有の手間が掛かる手続きを代行してくれるので、初めて外国人を雇用する企業でも安心です。条件にあわせて人材募集を行ってくれるので、急に人手が必要になったときも頼りになる採用ルートといえます。

社員や取引先に紹介してもらう

自社で働く社員や交流が深い取引先に、日本で働きたい外国人の知り合いがいないか聞いてみるのも一つの方法です。すでに外国人労働者を雇用している場合、友人を紹介してもらえれば採用活動に掛かるコストを減らせる可能性があります。一般公募と並行して、友人紹介での採用を実施するのもおすすめです。

自社のWebサイトに採用情報を載せる

採用コストを抑えつつ、外国人労働者の募集を行いたい企業は自社のWebサイトに求人を掲載しましょう。大手の就職・転職サイトに比べて閲覧されにくくなりますが、応募してくる外国人はWebサイトを見ている人に絞られるため、志望度が高い可能性があります。「自社に興味を持ってくれる外国人がいたら採用したい」という企業は、Webサイトに採用情報を載せておくと良いでしょう。

就職・転職サイトに求人を掲載する

外国人向けの就職・転職サイトに求人情報を載せるのは、一般的な採用方法です。国籍や年齢、スキルなどが異なる人材が応募してくるので、実験的に外国人採用を行いたい企業に向いている方法といえます。ただし、外国人からの応募が必ずあるとは限りません。応募者を集めるには、具体的に企業情報や応募条件を記載する必要があります。就職・転職サイトへの求人掲載は期間に応じて料金が発生するケースが多いので、短期間で募集が発生するように求人の書き方を工夫しましょう。

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外国人の受け入れを検討している企業はWeXpatsJobsのご利用をご検討ください。

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企業が外国人を受け入れる流れ

初めて外国人の受け入れを行う企業に向けて、雇用時の流れを解説します。

1.外国人を募集する
2.採用面接や試験を実施し、候補者を絞り込む
3.内定者を決定し、連絡する
4.外国人と同意のうえ、労働契約を締結する
5.必要に応じて在留資格の取得、変更の手続きを進める
6.外国人が働きやすい職場作りを整える
7.在留資格の許可が出たら、雇用をスタートする

外国人の受け入れでは、日本人と同じ手順に在留資格に関する手続きが加わります。在留資格の手続きは時間が掛かるので、余裕を持ったスケジュールを立てましょう。

企業が外国人を受け入れる際の注意点

企業が外国人を受け入れる際は、在留資格や労働環境の整備に気を配りましょう。また、ハローワークに「外国人雇用状況の届出」をするのも忘れてはいけません。

外国人の在留資格を確認する

外国人が日本で働くには在留資格が必要です。海外から外国人を呼び寄せる場合は「在留資格の取得要件を満たしているか」を、外国人がすでに日本にいる場合は「期限や種類が有効か」を確認します。ただし、内定を出す前に在留カードを提示させるのはマナー違反です。在留カードは外国人の身分証明書であり、在留資格の種類や在留期間のほかに国籍や年齢、性別といった個人情報が記載されています。選考には関係ない個人情報も載っており、これらの情報を選考時に確認するのは採用差別と捉えられかねないので、在留資格の確認は口頭で行いましょう。
なお、外国人が内定を承諾したあと、在留カードを確認するのは問題ありません。不法就労を防ぐため、企業には外国人の在留カードの確認が義務づけられています。

外国人とともに雇用条件の確認を行う

外国人が受け入れても問題ない人材だと証明できたら、一緒に雇用条件の確認を行います。可能であれば、外国人の母国語に合わせて労働条件通知書を作成すると良いでしょう。雇用後のトラブルを防ぐためにも、受け入れの際に雇用条件のすり合わせを行うのは重要です。

外国人の労働条件は、日本人を雇用する際と同じく能力や業務に応じて適正な範囲で設定します。外国人だからといって、不当に賃金を下げたり長時間労働を強いたりするのは法律違反です。同じ業務を行う日本人の待遇や賃金を参考に、雇用条件を決めましょう。

外国人の疑問や不安をヒアリングしてフォローを行う

外国人を受け入れる際は、あらかじめ日本での生活や仕事に不安がないかヒアリングしましょう。必要に応じて、住居の契約やインフラの開通をサポートします。自社で外国人を手厚くサポートするのが難しい場合は、外部委託を行うのも一つの手段です。疑問や不安を事前に解消し、外国人が気持ちよく働けるようにしましょう。

既存の従業員に外国人に対する対応を伝える

外国人の受け入れが決まったら、早めに従業員に周知を行います。外国人を採用した理由や今後職場で期待される役割、コミュニケーションの取り方など、ともに働くうえで重要な情報を共有しましょう。従業員の理解が得られないまま外国人を働かせた場合、周りとうまく打ち解けられず、早期離職につながる可能性があります。採用した人材に長く働いてもらうためにも、現場の理解を得られるようきちんと雇用の経緯を説明しましょう。多様性が認められる企業風土が形成されれば、その後の採用活動にも良い影響を与えます。

労働環境を整備する

日本と海外では労働環境が異なるため、外国人も働きやすいように職場を整える必要があります。業務マニュアルを作り直したりコミュニケーションが取りやすいように席配置を工夫したりと、できる範囲で労働環境を整えましょう。また、受け入れ予定の外国人から母国の慣習や宗教に伴う配慮を求められた場合は、可能な限り希望に沿うように努めるのも大切です。

日本人も外国人も働きやすい環境が整えば、求人に応募する人が増える可能性が高まります。企業にも従業員にもメリットが大きいので、外国人を雇用する際は労働環境の見直しを徹底しましょう。

ハローワークに外国人雇用状況の届出を提出する

外国人を受け入れる事業主は、ハローワークに雇用状況を届け出ることが義務づけられています。届け出を怠った場合、30万円以下の罰金が科せられるので注意しましょう。雇用状況の届出を行う際は、外国人の在留カードの確認が必要です。偽造された在留カードではないか、在留資格の種類や期間は問題ないかをしっかりチェックしたうえで届け出を行いましょう。
万が一外国人を不法就労させた場合、企業は不法就労助長罪に問われます。その後の外国人雇用に悪影響を及ぼす可能性があるので、見落としのないように注意してください。

外国人の受け入れ促進に繋がる「特定技能」とは

2019年に創設された「特定技能」は、それまで外国人が従事出来なかった職種での就労を可能とする在留資格です。ここでは、外国人の受け入れ拡大に繋がる在留資格「特定技能」について解説します。

人材不足の解消に繋がる在留資格

在留資格「特定技能」は、人材不足が特に深刻な分野(特定産業分野)で外国人雇用を増やすために創設されました。「特定技能」を取得した外国人は、ほかの就労にまつわる在留資格では認められていなかった単純労働が許可されます。
在留資格「特定技能」の対象となる分野は以下のとおりです。

介護/ビルクリーニング/素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業/建設/造船・舶用工業/自動車整備/航空/宿泊/農業/漁業/飲食料品製造業/外食業

上記の12分野のうちいずれかで、相当以上の知識や経験、技能を持っていると認められた外国人が在留資格「特定技能」を得られます。

在留資格「特定技能」の在留期間

在留資格「特定技能」は1号と2号があり、在留期間は種類によって異なります。
特定技能1号の在留期間は1年・6ヶ月・4ヶ月ごとに更新できますが、上限は5年までです。上限後も日本で就労するには、ほかの在留資格に変更しなくてなりません。
特定技能1号を修了して特定技能2号を取得すると、在留期間は無期限になります。ただし、特定技能2号に移行できるのは、2022年11月時点では「建設」および「造船・舶用工業」分野のみです。

在留資格「特定技能」の取得条件

外国人が在留資格「特定技能」を得るには、技能を評価する試験と日本語能力を測る試験両方に合格しなくてはなりません。技能に関する試験は学科と実技からなり、産業分野ごとに実施団体や内容が異なります。日本語能力に関する試験は、国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)のA2、もしくは日本語能力試験(JLPT)のN4以上の取得が必要です。

なお、上記の試験は免除されるケースもあります。日本で技能実習を行っている技能実習生は、試験を受けずとも在留資格「特定技能」を得ることが可能です。技能実習2号を優良に修了し、関連性のある分野で在留資格「特定技能」を得る場合は、技能試験および日本語能力に関する試験の両方が免除されます。異なる分野の場合は、日本語能力に関する試験のみが免除です。

在留資格「技能実習」との違い

在留資格「特定技能」と「技能実習」は名称は似ていますが、仕組みが全く異なります。

「特定技能」は前述したとおり、人手不足が深刻な分野での労働力を確保するための在留資格です。一方、「技能実習」は開発途上国の外国人に日本の技能を実習を通して教え、母国の発展に役立ててもらうのが目的とされています。つまり、技能実習生は制度上労働力として考えてはいません。

参照元
出入国在留管理庁「特定技能制度」
出入国在留管理庁「特定技能制度とは

外国人の受け入れに関するQ&A

ここでは、外国人を受け入れる企業が持ちやすい疑問を、Q&A形式でまとめています。

受け入れた外国人は社会保険に加入させる?

日本の社会保険制度は、国籍で区別をしていません。そのため、雇用した外国人が条件に合えば、健康保険や厚生年金、雇用保険に加入させる必要があります。

外国人の受け入れに関する相談窓口はある?

外国人の雇用管理や教育に関することは、ハローワークで申し込める「外国人雇用管理アドバイザー」に相談すると良いでしょう。職場に外国人雇用の専門知識を持つアドバイザーが派遣され、的確な指導を受けられます。在留資格や入国に関することは出入国在留管理庁が運営する「外国人在留総合インフォメーションセンター」に相談してみましょう。電話やメールなら、全国どこからでも相談できます。

特定技能外国人を受け入れるには?

「特定技能」の在留資格を持つ外国人を受け入れる企業には、生活オリエンテーションや住居の確保など、さまざまな支援の実施が義務付けられています。支援業務を企業内で実施するのはコストや時間が掛かるため、登録支援機関に委託するのが一般的です。掛かる費用や支援体制などが自社に合っている登録支援機関を選びましょう。

まとめ

外国人の受け入れは、日本人採用とはフローが異なります。外国人特有の手続きが発生するので、企業はあらかじめ厚生労働省や出入国在留管理庁などのWebサイトを確認し、適正に受け入れを実施しましょう。