外国人雇用の手続きを解説!ハローワークへの届出や在留資格の申請の流れも

2023年04月18日
WeXpats Bizは外国人採用に特化した求人サイトWeXpatsJobsの関連サイトです。行政書士監修の下、外国人採用・雇用に関する「採用ノウハウ」「市場動向」「在留資格管理」などの情報を発信。外国人採用・雇用にお悩みのある企業様に向けて、"現場で役立つ情報"を提供いたします。
WeXpats (執筆)
WeXpats専属ライターが執筆しています。WeXpatsは「海外へ挑戦する人々を後押しし世界中の就労に関わる問題を解決する」をミッションに掲げてメディア運営をしています。実際に、株式会社レバレジーズとして外国人労働者を雇用する実績のある企業からためになる情報をお届けします。 https://we-xpats.com/ja/destination/as/jp/

外国人雇用では、日本人の雇用とは異なる手続きがいくつか発生します。たとえば、外国人留学生を新卒採用したり海外から外国人を呼び寄せて雇用したりする際は、在留資格の各種申請が必要です。

企業が代理で手続きをする場合もあるので、流れを知っておきましょう。
このコラムでは、外国人を雇用する際の手続きを紹介します。内容を参考にして、外国人雇用をスムーズに進めましょう。


WeXpatsJobsは、外国人採用に特化した求人サイトです。
外国人に分かりやすい求人情報を提供すべく11の言語に対応しており、求める人材を効果的に募集できます。求人掲載にあたっては、「1.掲載課金」「2.採用課金」「3.応募課金」と企業様のニーズに合わせた採用方法のご提案が可能です。

「条件と合わない求職者の応募対応に時間がかかっている」「媒体に求人を掲載しているのに費用に合った求職者の応募数がこない」など、外国人採用においてさまざまなお悩みを抱える企業様に、弊社のサービスや機能を調整してご提供いたします。
外国人雇用・採用を考えている企業様は、ぜひ一度WeXpatsJobsまでお問い合わせください。

WeXpatsJobsを活用するメリットとは?こちらから


目次

  1. 外国人の雇用手続きをする前にチェックしておくこと
  2. 外国人を正社員雇用する際の手続き
  3. 在留資格の申請に必要な書類
  4. 外国人を雇用したあとの手続き
  5. 外国人アルバイトを雇用する際の手続き
  6. 外国人の募集~雇用までの流れ
  7. 外国人の雇用手続きに関するQ&A
  8. まとめ

外国人の雇用手続きをする前にチェックしておくこと

外国人の雇用手続きをする前にチェックしておくことの画像

ここでは、外国人の雇用手続きをする前に確認しておくと良い事柄について解説します。

自社の業務はどの在留資格に該当するか

まずは、自社の業務がどの在留資格ならできるのか知っておきましょう。自社の業務と適合しない在留資格を持つ外国人を雇用しても、働いてもらうことはできません。外国人は持っている在留資格によって、できる仕事が決まっています。たとえば、システムエンジニアとして働くには「技術・人文知識・国際業務」もしくは「永住者」「定住者」などの身分に基づく在留資格が必要です。

「どの職種で外国人を雇用するのか」「職種に適合する在留資格は何か」を確認してから、外国人雇用の手続きを進めましょう。

雇用予定の外国人は在留資格を得られるのか

在留資格の取得や変更をともなう外国人を雇用する際は、業務に必要な在留資格を確実に得られる人物なのか確認しましょう。在留資格の審査では、学歴や専攻内容、過去の実務経験などがチェックされます。いくら魅力的な人物であっても、自社で働くのに必要な在留資格を得られなければ、雇用はできません。採用したあとに「実は在留資格が得られない」となったら、それまでに掛けた時間や労力が無駄になってしまいます。

履歴書や職務経歴書、面接などでよく確認し、確実に在留資格を得られる人材を雇用するようにしましょう。

雇用予定の外国人の在留資格や在留期限に問題はないか

すでに在留資格を持って日本で暮らしている外国人を雇用する際は、在留資格や在留期限に問題はないか確認するのが大切です。「自社の業務とは適合しない在留資格を持っている」「在留期限が切れている」といった状態の外国人を雇用すると、企業も法律で罰せられます。

確認の方法は、雇用契約前に外国人に在留カードを提示してもらうのが確実です。在留カードは外国人の国籍や在留資格、在留期限などが書かれた身分証明書で、出入国在留管理庁が付与しています。在留カードを確認することで、本当に在留資格を持っているのか、在留期限は切れていないのかの確認が可能です。

昨今は、偽装された在留カードも出回っています。本物かどうかは、証明写真部分のホログラムや見る方向による色の変化、暗い場所での透かし文字などから確認可能です。目視での確認のほか、出入国在留管理庁が提供している「在留カード等アプリケーション」や「在留カード等番号失効情報照会」もあわせて利用するとより確実でしょう。

外国人雇用で確認すべきことは「外国人を雇用する際の注意点を徹底解説!在留資格や雇用の流れについても紹介」や「はじめての外国人雇用ガイド!基礎知識や採用の流れを徹底解説」のコラムでも詳しくまとめています。

参照元
出入国在留管理庁「在留カード等読取アプリケーション サポートページ」
出入国在留管理庁「在留カード等番号失効情報照会

外国人を正社員雇用する際の手続き

外国人を正社員雇用する際の手続きの画像

ここでは、外国人を正社員として雇用する際の、在留資格の手続きについて解説します。

海外に住んでいる外国人を雇用する際の手続き

海外に住んでいる外国人を日本に呼び寄せて雇用する場合は、「在留資格認定証明書交付申請」を行います。この手続きは日本国内からしか行えないため、雇用する企業が代理で手続きをするのが一般的です。

手続きは、外国人の居住予定地もしくは企業の所在地を管轄する地方出入在留管理官署で行います。審査のあと在留資格認定証明書が交付されたら、海外にいる外国人本人に送付しましょう。外国人は在留資格認定証明書を用いてビザ(査証)を申請し、日本に入国します。

日本にいる外国人を雇用する際の手続き

すでに日本にいる外国人を雇用する場合、現在有している在留資格の種類によって手続きが異なります。そのままの在留資格で就労に問題がなければ手続きは発生しませんが、在留期限が迫っている場合は、「在留期間更新許可申請」が必要です。

異業種からの転職の場合は、「在留資格変更許可申請」をします。ただし、異業種からの転職の場合、外国人の学歴や過去の実務経験によっては申請が不許可になる可能性もあるので、十分注意しましょう。これらの手続きは、基本的に外国人本人が行います。

外国人留学生を雇用する際の手続き

外国人留学生を雇用する際は、外国人が持っている在留資格「留学」を、就労可能な在留資格に変更しなくてはなりません。「在留資格変更許可申請」は外国人留学生本人が行いますが、企業が発行する書類も多数あります。外国人留学生から依頼があったら、速やかに準備に取り掛かりましょう。

外国人の正社員雇用にはさまざまな注意点があります。「外国人留学生を正社員として雇用する際の注意点は?企業に向けて解説」では、気を付けたいポイントをまとめているのでぜひご参考にご覧ください。

在留資格の申請に必要な書類

在留資格の申請に必要な書類の画像

在留資格の申請に必要な書類は、手続きの内容や在留資格の種類によって異なります。例として以下で紹介するのは、在留資格「技術・人文知識・国際業務」をあらたに申請する際に必要な書類です。

【必要書類】

  • 在留資格認定証明書交付申請書

  • 写真

  • 企業のカテゴリーを証明する文章(前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表や四季報の写しなど)

  • 専門士または高度専門士の称号を付与されたことを証明する文書(専門学校卒業の場合)

  • 申請人の派遣先での活動内容を明らかにする資料(派遣雇用の場合)

  • 申請人の活動の内容を明らかにする資料(労働条件通知書や労働契約書など)

  • 申請人の学歴および職歴、経歴などを証明する文書(卒業証明書や関連した業務に従事した証明になる在職証明書など)

  • 登記事項証明書

  • 事業内容を明らかにする資料(企業の案内書など)

  • 直近の年度の決算文書の写し、新規事業の場合は事業計画書

企業が属するカテゴリーによっては、追加の書類を提出する場合もあります。

参照元
出入国在留管理庁「在留資格「技術・人文知識・国際業務」」

外国人を雇用したあとの手続き

外国人を雇用したあとの手続きの画像

外国人を雇用したあとは、日本人と同じように社会保険の加入手続きを行います。また、ハローワークに「外国人雇用状況の届出」を提出するのも忘れないようにしましょう。

保険や年金に関する手続き

入社時の社会保険の手続きは、日本人も外国人も変わりません。外国人が加入条件を満たしているのなら、健康保険や雇用保険、年金保険などの加入手続きを忘れずに行いましょう。

まれに「健康保険だけ入りたい」「年金保険は払いたくない」という意見を持つ外国人もいるようです。このような場合は、日本の社会保険制度の仕組みについてしっかり説明し、納得してもらうようにしましょう。

ハローワークでの手続き

正社員やアルバイト・パートに関わらず、外国人を雇用した企業にはハローワークへ「雇用状況の届出」の提出が義務付けられています。外国人が雇用保険に加入する場合は、加入した翌月の10日前まで、加入しない場合は雇用した翌日の末日が期限です。忘れないうちに手続きを済ませておきましょう。

出入国在留管理庁での手続き

外国人は、契約や活動をしている機関が変わった場合、出入国在留管理庁に届け出をしなくてはなりません。届出は持っている在留資格によって変わり、「契約機関に関する届出」「活動機関に関する届出」の2種類です。手続きを忘れると、在留資格の更新ができない、もしくは短い期間しか許可されない可能性もあります。入社後、外国人が手続きを忘れていないか声掛けをしてみましょう。

この項目で解説した各種手続きは「外国人を雇用したら社会保険はどうなる?脱退一時金や社会保障協定も解説」「外国人雇用状況届出書とは?提出期限や記入例まで解説」で詳しく解説しています。

外国人アルバイトを雇用する際の手続き

外国人アルバイトを雇用する際の手続きの画像

在留資格「留学」や「家族滞在」を持っている外国人をアルバイト雇用する場合は、「資格外活動許可」を得ているか確認しましょう。資格外活動許可とは、外国人が在留資格外の活動を認めてもらうために得る許可のことです。手続きは基本的に外国人本人が住居地を管轄する地方出入国在留管理官署で行います。標準処理期間は2週間~2ヶ月なので、雇用予定の外国人がまだ手続きをしていない場合、すぐに行うよう促しましょう。
手続きに必要な書類は以下のとおりです。

【必要書類】

  • 資格外活動許可申請書

  • 当該申請に係る活動の内容を明らかにする書類(在学証明書など)

  • 在留カード(提示)

  • パスポートまたは在留資格証明書(提示)

  • パスポートや在留資格証明書を提出できない場合は、その理由を記載した理由書

外国人が身分に基づく在留資格を持っている場合は、就労の制限がないため資格外活動許可の取得は不要です。

資格外活動許可は在留資格外の活動を行う外国人に必要!雇用上の注意点とは」や「資格外活動許可とは?外国人を雇用する際のポイントを企業へ向けて解説」では、資格外活動許可についてさらに詳しくまとめています。

参照元
出入国在留管理庁「資格外活動許可申請

外国人の募集~雇用までの流れ

外国人の募集~雇用までの流れの画像

外国人の募集~雇用までは、以下の流れで進みます。必要な手続きの種類や行うべきタイミングを把握しておきましょう。

  1. 外国人を募集する

  2. 応募してきた外国人の履歴書や職務経歴書を確認する

  3. 面接や適性検査を行う

  4. 選考のうえ採用したい外国人を決定する

  5. 外国人の分かる言語で雇用契約書を作成する

  6. 必要に応じて在留資格に関する各種手続きを行う

  7. マニュアルの多言語化や就業規則の改訂など、外国人受け入れの準備を進める

  8. 在留資格の準備が整ったら、雇用を開始する

4月入社とする場合は、年明けから在留資格の各種手続きに取り掛かると良いでしょう。

外国人の雇用手続きに関するQ&A

外国人の雇用手続きに関するQ&Aの画像

ここでは、外国人の雇用手続きに関するよくある質問をQ&A形式でまとめています。

外国人雇用状況の届出を忘れたときの罰則は?

「外国人雇用状況の届出」を怠ると、30万円以下の罰金が科されます。ただし、故意ではない場合は罰則が適用されない場合も多いようです。忘れたことに気付いた時点ですぐにハローワークに申し出て、どうすべきかを相談しましょう。

知らずに不法滞在者を雇用したらどうなる?

知らずに不法滞在者を雇用した場合も「不法就労助長罪」に問われます。確認の義務を怠ったとみなされるため、罰則が軽くなることはありません。不法就労助長罪は、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、またはその両方と大変重い刑罰です。不法滞在者を雇用しないよう、最大限の注意を払いましょう。

外国人の雇用の不明点はどこに相談すれば良い?

外国人雇用に関して相談や助言が必要なときは、外国人雇用管理アドバイザー制度や外国人在留総合インフォメーションセンターを活用しましょう。外国人雇用管理アドバイザーはハローワークで申し込みができ、無料でアドバイザーの派遣を受けられます。外国人在留総合インフォメーションセンターは出入国在留管理庁が運営しており、電話やメールでの相談も可能です。

参照元
出入国在留管理庁「外国人在留総合インフォメーションセンター」
厚生労働省「外国人雇用管理アドバイザー

まとめ

まとめの画像

外国人を雇用する際は、在留資格の手続きや「外国人雇用状況の届出」など、日本人とは異なる手続きが多数発生します。手続きを忘れると法律違反で罰せられることもあるので、十分注意しましょう。