はじめての外国人雇用ガイド!基礎知識や採用の流れを徹底解説

2023年10月17日
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外国人を雇用する際は、自社の業務に合った在留資格を持っている、もしくは取得できる人材を選ぶ必要があります。また、労働環境の整備や雇用後のハローワークへの届け出も忘れてはいけません。
このコラムでは、はじめて外国人を雇用する企業に向けて知っておくべき基本の知識を解説します。また、実際に雇用する際の流れも紹介。内容を参考にして、外国人雇用を成功させましょう。


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目次

  1. はじめて外国人を雇用する企業が知っておくべき知識
  2. はじめての外国人雇用ガイド【国内採用の場合】
  3. はじめての外国人雇用ガイド【海外採用の場合】
  4. はじめての外国人雇用Q&A
  5. まとめ

はじめて外国人を雇用する企業が知っておくべき知識

はじめて外国人を雇用する企業が知っておくべき知識の画像

ここでは、はじめて外国人を雇用する企業が知っておくべきことを解説します。

外国人は業務内容に合った在留資格がないと就労不可

外国人が日本で暮らしたり働いたりするには、必ず在留資格が必要です。入管法で定められている在留資格は全部で29種類あり、それぞれできる活動が決まっています。外国人を雇用する際は、自社の業務に合った在留資格を持っている外国人、もしくは自社の業務に合う在留資格に変更できる外国人を雇用しましょう。
以下で、それぞれの在留資格の種類および該当する職種を紹介します。

業務内容が決まっている在留資格

以下の就労に係る在留資格は、それぞれの種類でできる業務や就ける職種が決まっています。

外交

外国の大使、公使、総領事などとその家族

公用

大使館や領事館の職員、国際機関から公的な業務で派遣される者などとその家族

教授

大学教授や准教授、大学講師

芸術

作曲家や画家、著述家

宗教

外国の宗教団体から派遣された僧侶や宣教師、牧師、司祭など

報道

外国の報道機関の記者やカメラマン

  • 高度専門職1号
  • 高度専門職2号

高度人材

経営・管理

経営者、管理者

法律・会計業務

弁護士や公認会計士、税理士など

医療

医師や歯科医師、看護師、薬剤師など

研究

研究者

教育

小学校や中学校、高等学校の教師など

技術・人文知識・国際業務

語学教室の講師やデザイナー、企業のマーケティング担当者など

企業内転勤

海外の事業者からの転勤者

介護

介護福祉士

興行

俳優や歌手、ダンサー、プロスポーツ選手など

技能

外国料理の調理師やスポーツ指導者、貴金属の加工職人

特定技能

特定産業分野で、相応の知識や経験、技能を有する業務に従事する者

  • 技能実習1号
  • 技能実習2号
  • 技能実習3号

技能実習生


「技術・人文知識・国際業務」は、多くの外国人留学生が卒業後に取得する在留資格です。上記のほかに、種類によってできる仕事が異なる「特定活動」という在留資格もあります。

業務内容に制限のない在留資格

以下の4種類は、身分に基づく在留資格です。

永住者

永住許可を受けた外国人(特別永住者を除く)

日本人の配偶者等

日本人の妻や夫、子ども、特別養子

永住者の配偶者等

永住者・特別永住者の妻や夫、日本で出生し引き続き在留している子ども

定住者

第三国定住難民や日系3世、中国残留邦人など

上記の在留資格を持つ外国人は、どのような職種でも雇用可能です。

就労ができない在留資格

以下の在留資格は、原則として就労が許可されていません。

文化活動

研究員や調査員など

短期滞在

観光客や会議参加者など

留学

大学や大学院、専門学校などの生徒

研修

技能や技術を取得する活動をする者

家族滞在

日本に在留する外国人が扶養する妻や夫、子ども

上記の在留資格を持つ外国人を、フルタイムで雇用することはできないので注意しましょう。ただし、在留資格の種類によっては、資格外活動許可を取得していれば制限時間内でのアルバイト雇用ができる場合もあります。

外国人が働きやすい環境の整備が必要

基礎知識として、外国人雇用では環境整備が重要なことを知っておきましょう。日本人が働きやすい職場と外国人が働きやすい職場は異なります。準備不足のまま雇用すると、早期退職になる可能性も。外国人にとって働きやすい職場の例は、以下のとおりです。

  • マニュアルや就業規則が多言語化されている
  • 評価制度が明確に整備されている
  • 一時帰国のための長期休暇が取りやすい
  • 残業や飲み会などの強制がなく、プライベートが尊重される
  • 外国語でコミュニケーションが取れる日本人社員がいる

上記以外でも、気軽に仕事や日本での生活の悩みを相談できる環境を整えると、外国人人材の定着に繋がりやすくなるでしょう。

外国人を雇用したあとも各種手続きがある

外国人雇用では、入社前だけでなく入社後も各種手続きが発生します。外国人を雇用したあとは、ハローワークと地方出入国在留管理官署への届け出を忘れないようにしましょう。

ハローワークでの手続き

外国人を雇用した事業主は、事業所を管轄するハローワークに「外国人雇用状況の届出」を提出しなければなりません。外国人が雇用保険に加入する場合は、「雇用保険被保険者資格取得届」を提出することで外国人雇用状況の届出も行えます。一方、外国人が雇用保険に加入しない場合は、「外国人雇用状況届出書」の提出が必要です。手続きを忘れると、30万円以下の罰金が科される可能性があるので十分注意しましょう。
なお、外国人雇用状況の届出は、外国人が離職した際も必要です。

地方出入国在留管理官署での手続き

転職や就職によって今までと活動内容や活動場所が変わる外国人は、地方出入国在留管理官署での手続きが必要です。手続きの名称は在留資格の種類によって以下のように分かれています。

【活動機関に関する届出手続】
教授、高度専門職1号ハ、高度専門職2号、経営・管理、法律・会計業務、医療、教育、企業内転勤、技能実習、留学、研修

【契約機関に関する届出手続】
高度専門職1号イ、高度専門職1号ロ、高度専門職2号、研究、技術・人文知識・国際業務、介護、興行、技能、特定技能

届出をするのは、活動機関や契約機関の変更があってから14日以内です。

外国人雇用は、日本人の雇用とは異なる点がいくつかあります。「外国人が日本で就労できる在留資格とは?企業に向けて解説」「【企業向け】外国人労働者の雇用の流れや注意点を解説」では、外国人を受け入れる際の注意点を解説しているので、ぜひ参考にしてください。

参照元
出入国在留管理庁「所属機関等に関する届出手続」
厚生労働省「外国人雇用状況の届出について

はじめての外国人雇用ガイド【国内採用の場合】

はじめての外国人雇用ガイド【国内採用の場合】の画像

ここでは、国内にいる外国人を雇用する際の流れを解説します。

1.準備開始

外国人雇用を始めるまえに、採用の軸をしっかり定めましょう。「何のために外国人を雇用するのか」「外国人に何を求めるのか」がハッキリしていると、このあとの求人票の作成や採用選考でも役立ちます。さまざまな可能性を考慮し、事前準備を整えることが外国人雇用を成功させるコツです。

2.募集

外国人を募集する際は、できるだけ詳しく求人票を作成しましょう。特に、求める日本語能力に関しては「日本語能力検定N△相当」と明確に書くのがおすすめです。外国人留学生や日本で就労を考える外国人の多くは、日本語能力検定(JLPT)を受験しています。そのため、日本語検定のレベルを数字で示すことで、どの程度の日本語能力が必要なのかが明確に伝わるでしょう。

求人を出す場所や媒体は、外国人を効果的に集められるものを選ぶと採用がスムーズに進みます。なかでも、「外国人の多い大学や日本語学校に求人を出す」「外国人専用の求人媒体を利用する」などの方法は、特に効果的です。

3.面接や採用試験

外国人から応募が来たら面接・採用選考を行います。外国人の面接を行う際は、日本人のとき以上に分かりやすく質問することを心掛けましょう。質問の仕方が早口だったり曖昧だったりすると、上手く聞き取れず答えられない可能性があります。また、威圧的な雰囲気、口調での質問も外国人が緊張して萎縮してしまうのでふさわしくありません。外国語を聞き取ることは想像以上に集中力や神経を使います。応募者がリラックスして面接を進められるよう、和やかな雰囲気を意識しましょう。

4.内定

面接や採用選考の結果を見て、内定を出します。海外から呼び寄せて雇用する場合は「在留資格を取得できそうか」をよく確認してから、内定を出しましょう。外国人はふさわしい在留資格が取得できなければ、日本で働けません。学歴や選考、実務経験を卒業証明書などを見てしっかり確認する必要があります。

5.雇用契約

雇用したい外国人が決まったら雇用契約を締結します。外国人と雇用契約を結ぶ際は、口頭でなく必ず書面で契約を交わしましょう。雇用契約書は外国の母国語で作成する、もしくは翻訳文を添えると親切です。

すでに日本にいる外国人を雇用する場合は、雇用契約を結ぶ前に在留カードを提出してもらい内容を確認します。偽造カードを用いて不当に就労しようとする人もいるので、在留資格や手触りだけでなくホログラム、印字をしっかり確かめましょう。

6.在留資格の各種手続き

在留資格の手続きを行うのは、雇用契約を締結したあとです。問題なく契約が終了したら、在留資格の取得や変更に関わる手続きを行いましょう。なお、自社の業務と適合した在留資格や身分に基づく在留資格を持つ外国人の場合、変更の申請は不要です。

審査には時間が掛かることも珍しくありません。入社日までに在留資格の変更が完了するよう、外国人本人とコミュニケーションを取りながらスケジュールを組みましょう。

7.社内環境の整備

外国人が入社する前に、前述した社内環境の整備を進めておきましょう。方法が分からない場合は、厚生労働省が運営する「外国人雇用アドバイザー制度」を利用するのも一つの手です。外国人雇用アドバイザー制度を利用すると、専門のアドバイザーの訪問や助言を受けられます。事業所を管轄するハローワークで申し込み可能です。

8.就労開始

在留資格に関する手続きが終われば、就労開始です。入社後は外国人の様子をよく見て、困ったことや悩みがあればすぐサポートできるようにしましょう。早期退職の防止は、今後の採用活動に影響するのでとても重要です。長期的に働いている外国人がいるという前例があれば、次からも応募が集まりやすくなります。

在留資格の変更については「在留資格変更許可申請とは?必要書類と手続きの流れを企業へ向けて解説!」のコラムで詳しく解説しています。

参照元
厚生労働省「外国人雇用管理アドバイザー

はじめての外国人雇用ガイド【海外採用の場合】

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ここでは、海外から外国人を雇用する際の手続きを紹介します。国内にいる外国人を雇用するのとは異なる手続きが発生するので、よく内容を確認して不備のないようにしましょう。

1.準備開始

海外採用では、綿密な事前準備が重要です。どのような目的で外国人を海外から採用するのかを明確にし、求人を出す国やターゲットを決めましょう。海外進出に備えるのが目的であれば、事業展開が予想される国を中心に採用活動を進めます。

2.募集

海外にいる人材を募集するには、以下の方法があります。

  • 日本の求人媒体に海外応募可能と記載した求人を載せる
  • 外国人人材の採用代行サービスを利用する
  • 現地の求人媒体に求人を載せる
  • 現地の就職イベント(キャリアフォーラム)に参加する

海外に関連企業や支店がある場合は、現地で直接採用活動を行いやすいでしょう。そうでない企業は、日本のエージェントや紹介会社を利用するとスムーズです。

3.書類選考

海外から外国人を雇用する場合、書類選考がとても重要です。学歴や職務経験などの条件を満たしていなければ、外国人は在留資格を得られません。条件を満たしていない応募者の対応に工数を取られないよう、書類選考でしっかり見極めを行いましょう。

4.面接や採用試験

海外にいる外国人人材の面接・採用選考は、オンラインで行うのが主流です。採用担当者や応募者の負担も減らせる効率の良い方法といえるでしょう。

オンライン面接をスムーズに行うためには、通信状況の確認が重要です。面接を行う前に事前に接続テストをしましょう。また、万が一通信がうまく行かなかったときの対応も決めておきます。

5.内定

海外から呼び寄せる人材の雇用は、特に慎重に行います。海外採用には多くの費用や工数が掛かります。時間をかけて採用する分、企業との相性も確認して長く働いてもらえそうな人材を採用しましょう。

6.雇用契約

採用したい人材がいたら、双方合意のうえで雇用契約を結びます。契約時に雇用契約書を用いる場合は、本人の署名・押印が必要です。そのため、本人に雇用契約書を送り対応してもらいましょう。契約に労働条件通知書を用いる場合は、本人の署名・捺印は必要ありません。

7.在留資格取得の手続き

雇用契約が完了したら、企業の担当者が「在留資格認定証明書交付申請」を行います。申請を行うのは外国人の居住予定地・もしくは勤務予定地を管轄する地方出入国在留管理官署です。取得予定の在留資格や企業の経営規模などによって提出書類が変わってくるので、よく確認しながら手続きを進めましょう。審査に掛かる期間は1~3ヶ月程度です。

8.外国人を呼び寄せる準備

在留資格の手続きを進めている間に、外国人を呼び寄せる準備も進めましょう。海外にいる外国人が住居を一人で探すのは非常に大変なため、住む場所に関しては早めに準備しておくのをおすすめします。候補の物件をピックアップして外国人に提示する、もしくは一時的に居住するマンスリーマンションを法人契約するなどの対応をすると良いでしょう。

9.社内環境の整備

はじめて日本で働く外国人を雇用する場合は、特に社内環境の整備に気を配る必要があります。異国で働くストレスを軽減できるよう、できる限り準備を整えましょう。

10.外国人の入国

在留資格認定証明書が交付されたら、外国人本人が査証の発給申請をします。査証が発給されたら、日本への入国が可能です。入国時は、空港に迎えに行ったり市役所への手続きに同行したりすると、外国人の不安や負担を和らげられます。

11.就労開始

外国人が働きはじめたら、仕事のことはもちろんプライベートの様子も気に掛けるようにしましょう。仕事に加えて、日本での生活に悩みや不安を抱える外国人は少なくありません。アットホームな雰囲気作りを意識すると、何かあったときに本人が相談しやすくなります。

在留資格の取得申請については「在留資格認定証明書交付申請書の書き方を解説!外国人雇用に必要な基礎知識」「在留資格認定証明書交付申請書とは?わかりやすく手続きを解説!」のコラムをご参考ください。

はじめての外国人雇用Q&A

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ここでは、はじめて外国人雇用を雇用する企業によくある疑問を、Q&A形式で解説します。

在留資格とビザの違いは?

在留資格とは外国人が日本で働くために必要な資格です。一方、ビザとは外国人が日本に入国するために必要な入国査証を指します。2つは全く違うものですが、日本では在留資格を「就労ビザ」「留学ビザ」のように、便宜上ビザと呼ぶことが多々あるのです。

不法滞在者を雇ってしまったときの罰則は?

不法滞在者を雇用した企業には「不法就労助長罪」が適用されます。罰則の内容は、3年以下の懲役もしくは300 万円以下の罰金、またはその両方です。故意ではない場合も罰則の内容に変更はありません。

はじめて外国人アルバイトを雇用する際の注意点は?

はじめて外国人アルバイトを雇用する際は、資格外活動許可による制限に注意しましょう。留学生や家族に帯同して来日している外国人は、資格外活動許可がないとアルバイトができません。資格外活動許可でアルバイトできるのは、週28時間です。また、パチンコ店やスナックなど、風俗営業に係る場所でのアルバイトも禁止されています。
なお、資格外活動許可の種類や外国人の在留資格によって制限の内容は異なるので、雇用時にしっかり確認しましょう。

はじめての外国人雇用が不安な場合は?

在留資格や出入国管理に関する疑問は、「外国人在留総合インフォメーションセンター」に質問してみましょう。外国人在留総合インフォメーションセンターは、出入国在留管理庁が運営する入国手続や在留手続などに関する各種問い合わせに対応する機関です。電話やメールでの問い合わせが基本ですが、窓口を設けている都道府県もあります。

在留資格の各種手続きのうち、「在留資格認定証明書交付申請」は企業の担当者が行わなくてはなりません。はじめて外国人を雇用する場合は、書類の多さや手続きの煩雑さに戸惑うこともあるでしょう。在留資格に関する各種手続きは、行政書士への依頼も可能です。費用は掛かりますが、はじめての外国人雇用が不安なときは、専門家への依頼も検討してみてください。

参照元
出入国在留管理庁「外国人在留総合インフォメーションセンター等

まとめ

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はじめて外国人を雇用する企業は、不安や疑問が多くあるでしょう。しかし、実際には日本人の雇用と大きく異なる部分はそう多くありません。在留資格の種類や雇用時の流れを理解し、継続して外国人を受け入れられるようにしましょう。