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「日本語検定はどれくらいの難易度なの?」「日本語能力試験とは違うの?」と疑問に思う方も多いでしょう。日本語検定は日本語を母語とする人のための試験です。上位級の1級~2級になると、かなりの難問が出題され、日本人でもなかなか合格できません。
このコラムでは、日本語検定の難易度や日本語能力試験(JLPT)との違いを解説します。内容を参考にして、自社の採用活動や日本語教育に活かしましょう。
目次
日本語検定とは、総合的な日本語の運用能力を測る試験です。日本語を使うすべての人が対象で、外国人も受験できます。なお、日本語能力試験と名称は似ていますが、全く異なる検定試験なので間違えないよう注意しましょう。
日本語検定(通称:語検)は、日本語を使う能力を測る試験で、日本語を母語とする人が対象とされています。受験者の大半は、日本人の小学校~高等学校の学生です。ただし、受験資格に国籍の制限がないため、日本語を学んでいる外国人でも受けられます。
日本語検定では、以下の項目の能力を測定可能です。
漢字 | ・読み方や意味を理解できるか ・適切に使い分けられるか |
表記 | 漢字や仮名、送り仮名を適切に使えるか |
敬語 | 尊敬語や謙譲語を適切に使い分けられるか |
言葉の意味 | 言葉の意味を的確に把握できるか |
語彙 | 言葉を正しく理解し適切に使えるか |
文法 | 正しい文法で語と語を連結させられるか |
また、上記の問題に加え、イラストやグラフなどを使った総合問題も出題されます。
日本語検定と日本語能力試験の大きな違いは、対象とする人です。日本語検定は前述したとおり、日本語を使うすべての人が対象で、受験者の大半を日本人が占めています。一方、日本語能力試験は日本語を母語としない人、つまり外国人が対象の試験です。日本語能力試験の上位級を取ると、日本の大学の入学資格を満たせたり就職で有利になったりするため、多くの外国人が受験しています。
日本語検定と日本語能力試験は、試験の目的や対象者が全く違うので容易に比較はできません。しかし、本来日本人向けの試験である日本語検定を受験している外国人は、より学習意欲があり日本語運用能力も高いと判断できるでしょう。
日本語能力試験については、「日本語能力試験の難易度は?外国人を雇用する企業へ向け詳しく解説!」や「外国人対象の日本語能力試験とは?JLPT、EJU、BJTの違いを解説」のコラムで解説しているので、ぜひご覧ください。
日本語検定は1級~7級まであり、数字が小さくなるにつれて難易度が上がります。最上級の1級になると、認定率(合格率)は例年10%前後です。ここでは、日本語検定の難易度について解説します。
日本語検定には1級~7級までの級があり、3級が平均レベルとされています。3級は高校卒業~社会人基礎レベルです。外国人の場合は、3級まで取得していれば日常生活に不自由のない日本語能力を持っていると判断できるでしょう。
なお、得点率によっては「準認定」が付くこともあります。たとえば、3級を受験した場合、総合得点率が約70%以上であれば3級を取得できますが、約60%以上だと取得できるのは準3級です。
日本語検定の2級は大学卒業~社会人中級レベル、最上級の1級は社会人上級レベルです。3級までは、日本語を母語として普段から使っている人なら、合格するのはさほど難しくありません。しかし、2級以上になると一気に難易度が上がり、日本人でも対策の勉強をしっかりしなければ合格は難しくなります。
1級~2級で出題されるのは、手紙や公的な場でのスピーチで使われるような難しい言い回しや漢字の問題です。そのため、外国人の場合は、長年勉強を積んだ人でなければ合格は難しいでしょう。
日本語検定では、総合的な日本語能力の測定が可能です。前述したとおり、日本語検定は敬語や語彙、文法などの6つの項目から構成されています。7級を除く1級~6級は、すべての項目で得点率が50%以上を超えていなければ合格できません。そのため、日本語検定の上位級合格者は、バランス良く日本語の運用能力を身に付けていると判断できるのです。
ここでは、日本語検定の受験概要を解説します。団体受験も可能なので、社員の日本語能力を向上させたいと考えている企業は、ぜひ検討してみてください。
日本語検定は年2回、例年6月と11月ごろに行われます。日付は毎年異なるので、詳細は日本語能力検定の公式Webサイトで確認しましょう。
日本語検定は47都道府県に設置された会場で受験可能です。また、5名以上の団体で受験する場合は、2級~7級であれば自社の会議室などで受験する「準会場受験」も利用できます。
日本語検定の申し込み方法は、受験方法によって異なります。
団体受験の場合は、インターネットもしくは郵送での申し込みが可能です。個人受験の場合は、インターネットと郵送に加え、一部の書店や商工会議所でも申し込みできます。
日本語検定の合否は、試験の約1ヶ月後に公式Webサイトから速報が発表されます。団体受験の場合、速報結果が見れるのは試験を取りまとめている実施担当者のみです。なお、試験の数日後に解答速報が発表されるので、自己採点での結果確認もできるでしょう。
合格した人には、受験者平均と比較した日本語能力や項目別の評価などが書かれた「個人カルテ」と「認定証」が送られてきます。また、団体受験の場合は「団体カルテ」が作成され、団体全体の結果やほかの団体との比較を知れるので、自社の日本語能力がどの程度なのかを確認するのに役立つでしょう。
日本語検定は、日本語を正しく使えているかを確認する試験です。日本人はもちろん、外国人も受験できます。社員の日本語能力を高めるために導入する企業も増えているので、外国人を雇用する企業はぜひ団体受験を検討してみましょう。