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外国人が日本でアルバイトをするには、アルバイトが可能な在留資格もしくは資格外活動許可を得なくてはなりません。日本に数多くいる留学生アルバイトは、資格外活動許可を得て時間や職種の制限を守りながら働いています。
このコラムでは、外国人アルバイトを採用する際の注意点や募集方法を紹介。内容を参考にして、外国人アルバイトの採用をスタートしましょう。
目次
厚生労働省の発表した「外国人雇用状況の届出状況まとめ」によると、2023年10月末時点での外国人労働者の数は1,822,725人でした。そのうち、資格外活動許可を得てアルバイト就労をしているのは330,910人で、そのなかでも留学生は258,636人です。
独立行政法人日本学生支援機構が2年ごとに行っている「私費外国人留学生生活実態調査」によると外国人留学生の約7割は何らかのアルバイトを行っていました。
このほかに、身分に基づく在留資格や特定活動の在留資格のもとアルバイトをしている外国人もいます。そのため、全体で見るとさらに多くの外国人がアルバイトとして従事していると考えられます。
外国人労働者の国籍や在留資格については「外国人労働者の受け入れが拡大している背景は?【2022年最新情報】」のコラムをご参照ください。
参照元 厚生労働省「「外国人雇用状況」の届出状況一覧(令和4年10月末現在)」 独立行政法人日本学生支援機構「私費外国人留学生生活実態調査」
すべての外国人が日本でアルバイトできるわけではありません。ここでは、アルバイト就労ができる外国人の条件を紹介します。
「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」といった、身分に基づく在留資格を持つ外国人は日本で行う活動に制限がありません。パートやアルバイト雇用での就労ももちろん可能です。また、入管特例法により定められている在留資格である、「特別永住者」を持つ外国人も、アルバイトとして働けます。
在留資格「特定活動」のうち、告示特定活動5号の「ワーキングホリデー」を取得している外国人にはアルバイトが認められています。ワーキングホリデーでは、観光および日本滞在のために必要な資金を調達する活動が可能です。正社員として働くこともできますが、滞在期間が最長で1年のため、ほとんどの外国人はアルバイトとして就労します。
就労が許可されていない在留資格を持つ外国人が、資格外活動許可を取得してアルバイトするケースもあります。留学生のアルバイトがその代表といえるでしょう。持っている在留資格とは違う活動をするために出入国在留管理庁から得る許可を、資格外活動許可といいます。
資格外活動許可はすべての在留資格に許可されるわけではありません。たとえば、観光客などに付与される「短期滞在」の在留資格の場合、資格外活動許可を得るのは難しいでしょう。
前述したとおり、外国人のなかには資格外活動許可を得てアルバイトをしている人もいます。資格外活動許可には職種や時間の制限があるので、外国人アルバイトの採用を考えている企業は内容を把握しておきましょう。
資格外活動許可のもとでのアルバイトは、以下の営業をする場所では行えません。
風俗営業
店舗型性風俗特殊営業
無店舗型性風俗特殊営業
映像送信型性風俗特殊営業
店舗型電話異性紹介営業
無店舗型電話異性紹介事業
キャバレーやパチンコ店、ゲームセンターは風俗営業に分類されます。客席における照度を薄暗くし(10ルクス以下)営業する喫茶店やバーも、風俗営業に分類されるため注意しましょう。
資格外活動許可のうち、職場や活動内容を指定しない「包括許可」ではアルバイトできる時間が週28時間と決まっています。月〜日曜日までではなく、どの日から数えても週28時間以内に納めなくてはなりません。このルールは、本来の在留資格で行うべき活動に影響を及ぼさないように定められています。
なお、留学生の長期休み期間は、例外的に1日8時間・週40時間のアルバイトが可能です。
資格外活動許可については、「資格外活動許可は在留資格外の活動を行う外国人に必要!雇用上の注意点とは」「資格外活動許可とは?外国人を雇用する際のポイントを企業へ向けて解説」のコラムでさらに詳しくまとめています。
参照元 出入国在留管理庁「資格外活動許可について」
外国人アルバイトを採用する際は、面接時に在留資格をしっかり確認しましょう。また、賃金の金額や採用後の手続きにも注意すべき点があります。
外国人アルバイトを採用する際は、必ず雇用契約を締結する前に在留資格や資格外活動許可を在留カードで確認しましょう。在留カードには在留期限や在留資格、資格外活動許可の有無などが書かれています。外国人留学生の場合は表面の在留資格の欄に「留学」、裏面の資格外活動許可の欄に「許可:原則週28時間以内・風俗営業等の従事を除く」と記載されていれば雇用可能です。
口頭や履歴書だけの確認だけで採用してしまうと、身分の偽装や資格外活動許可の取り忘れなどを見抜けないので注意しましょう。
外国人と日本人の賃金は必ず同じ金額にしましょう。勤続年数や職種などの合理的な理由を除き、賃金や勤務日数に差を付けるのは労働基準法で禁止されています。ただし、外国人アルバイトは勤務時間制限があるため、その対応でシフトを減らすのは問題ありません。
外国人を採用したあとは、事業所を管轄するハローワークに「外国人雇用状況届出書(様式3号)」を提出します。期限は雇用月の翌月末月までで、厚生労働省の外国人雇用状況届出システムにて電子申請もできます。採用時だけでなく離職時も翌月末日までに提出が必要なので、忘れないようにしましょう。
外国人雇用状況の届出については「外国人雇用状況届出書とは?提出期限や記入例まで解説」や「外国人の雇用手続きを紹介!在留資格やハローワークへの申請も解説」のコラムをご覧ください。
参照元 厚生労働省「外国人雇用状況の届出について」
外国人からのアルバイト応募をたくさん集めたい場合は、以下の募集方法を試してみましょう。
求人サイトを利用する際は、さまざまな言語に対応をしているサイトを選ぶのがおすすめです。来日したばかりの留学生の場合は、日本語の求人サイトを見てもすべてを理解しきれず応募を躊躇してしまうこともあります。来日前に日常的な会話表現は習得していても、難しい漢字が読めないケースは少なくありません。多くの応募を集めるために、外国人の読める言語で求人を出すようにしましょう。
SNSでアルバイトを探す外国人も多いので、活用してみると良いでしょう。留学生アルバイトをはじめとした若年層の募集の場合は特に有効です。
自社のSNSぺージに情報を載せるだけでなく、FacebookやInstagramに優良求人広告を載せる方法もあります。
日本語学校や外国人留学生の多い大学では、生徒にアルバイトを斡旋していることがよくあります。求人を受け付けてもらうまでの申し込みや手続きに時間が掛かるものの、安定して留学生からの応募を集められるでしょう。事業所の近くに学校がある場合に特に有効な方法です。
外国人アルバイトを採用する際は、在留資格の種類や資格外活動許可の有無をよく確認しましょう。資格外活動許可のもと行うアルバイトには職種や時間の制限があります。制限を守らないと企業が不法就労助長罪に問われるので、十分注意が必要です。