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「特定活動はほかの在留資格とは違うの?」と疑問に思う方もいるでしょう。在留資格「特定活動」は、多様化する外国人の活動に対応するために創設されました。このコラムでは、在留資格「特定活動」の概要や行える活動の一例を紹介します。また、2019年5月に創設された特定活動46号で行える業務や取得の条件も解説。内容を参考にして、外国人雇用に活かしましょう。
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目次
特定活動とは、多様化する外国人の活動に対応するためにできた在留資格です。外国人が日本で滞在・活動するには在留資格を取得しなくてはなりません。多くの在留資格は活動内容が定められています。外国人は自分の行う活動に合わせた在留資格を取得しますが、昨今では現存する在留資格に当てはまらない活動を希望する人も増えてきました。しかし、在留資格を新設するには入管法の改正が必要であり、時間や手間が掛かります。そこで日本政府は在留資格「特定活動」を創設し、既存の在留資格に該当しない外国人の活動を可能にしました。特定活動は「法務大臣が個々の外国人について特に指定する活動」と定義されています。法務大臣が認めれば在留資格「特定活動」に新たな活動を加えられるため、在留資格を新設するより迅速かつ柔軟な対応が可能です。
特定活動は大きく分けると、「出入国管理及び難民認定法に規定されている特定活動」「告示特定活動」「告示外特定活動」の3種類です。ここでは、特定活動の種類と行える活動を紹介します。
「出入国管理及び難民認定法に規定されている特定活動」とは、特定活動のうち、法務大臣の告示ではなく入管法で定められた活動のことです。「特定研究活動」「特定情報処理活動」「特定研究等家族滞在活動及び特定情報処理家族滞在活動」が分類されます。
告知特定活動は法務大臣があらかじめ告知したものです。複数の種類があり、都度追加されたり削除されたりしています。代表的なものを以下で紹介します。
海外の大学に在籍している外国人学生が、日本企業で報酬を伴うインターンシップを行う際に付与されます。なお、報酬のないインターンシップの場合は特定活動ではなく、90日以内は「短期滞在」、90日以上であれば「文化活動」の在留資格が必要です。
ワーキングホリデーは、外国人がその国の文化や一般的な生活様式を知るために一定期間を過ごす活動を指します。休暇のほか、滞在資金を補うための就労も可能です。日本でワーキングホリデーを行う外国人は在留資格「特定活動(特定活動告知5もしくは5の2)」が付与されます。ワーキングホリデー制度は最長1年間、18歳~30歳の人が利用可能です。なお、外国人の出身国によって細かいルールは異なります。
アマチュアスポーツ選手として日本で活動する外国人にも、在留資格「特定活動」が付与されます。条件は、「オリンピック大会や世界選手権などの国際的な大会への出場経験があること」「日本のアマチュアスポーツの振興及び水準の向上等のために月額25万円以上の報酬を受けること」「日本の公私の機関に雇用されること」です。条件を満たした外国人は在留資格「特定活動」のもと、雇用された機関のためにアマチュアスポーツ選手としての活動を行なえます。
あらかじめ告知されている活動以外に、個々の事情を考慮して許可される活動を告知外特定活動といいます。卒業後も継続して就職活動を行う外国人留学生や、出国準備の期間が必要な外国人に許可されるケースが多いです。
参照元 出入国在留管理庁「出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の規定に基づき同法別表第一の五の表の下欄に掲げる活動を定める件」
日本企業の外国人雇用に大きく関係してくるのが特定活動46号です。特定活動46号は、日本の4年制大学や大学院を卒業・修了した外国人の雇用を拡大するのが目的で創設されました。ここでは、特定活動46号の概要を解説します。
特定活動46号が創設された目的は、日本の4年制大学を卒業もしくは大学院の課程を修了した外国人の雇用機会を広げることです。特定活動46号が創設されるまで、日本の大学や大学院を卒業・修了した外国人は「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を得て就労するのが一般的でした。しかし、「技術・人文知識・国際業務」ではサービス業(接客)や製造業(工場内作業)に就くことができないため、雇用機会が限られていたのです。また、人手不足により外国人人材を求めていても、該当する在留資格がないため雇用が出来なかった業界も多くありました。そこで特定活動46号では、一定の条件のもと幅広い業務への就業を可能にし、外国人留学生の雇用の拡充を図ったのです。
特定活動46号を得られるのは、日本の4年制大学もしくは大学院を卒業・修了したうえで、高い日本語能力を有した外国人です。また、就業する仕事にも条件があります。以下が外国人が特定活動46号を得る条件です。
日本の4年制大学を卒業または大学院を修了していること
日本語能力試験N1もしくはBJTビジネス日本語能力テストで480点以上を獲得していること(大学院もしくは大学院で日本語を専攻し、卒業・修了している場合は除く)
日本語を用いて円滑な意思疎通を要する業務に就くこと
大学や大学院で修得した知識や能力を活かせる業務に就くこと
正社員として直接雇用されること
同じ仕事をする日本人と同等もしくはそれ以上の報酬を受けること
いわゆる単純労働のみの職種では、特定活動46号を持つ外国人は働けません。身に付けた知識を活かして就労することが求められます。
外国人が特定活動46号のもと行える業務の一例を、出入国在留管理庁が作成したガイドラインからいくつか紹介します。
工場のラインにおいて、日本人から受けた指示をほかの外国人従業員に通訳する業務が行えます。ライン作業のみを行うのは禁止ですが、通訳業務に付随するかたちであれば従事しても問題ありません。
通常のタクシードライバー業務に加え、外国人観光客への通訳や観光案内、接客を行えます。また、観光客のための企画や立案も可能です。ただし、車両の整備や清掃といった単純労働のみを行うことはできません。
飲食店で店舗管理業務や外国人への通訳を兼ねた接客業務、日本人への接客業務が可能です。皿洗いや清掃のみに従事することはできません。あくまで、日本語能力や大学・大学院で得た知識を活かした業務を行います。
特定活動46号の詳細については、「在留資格「特定活動46号」とは?就ける仕事や雇用するメリットを解説!」のコラムでも紹介しています。特定活動46号の在留資格を持つ外国人を雇用するメリットもまとめているので、ぜひ参考にしてください。
参照元 出入国在留管理庁「留学生の就職支援に係る「特定活動」(本邦大学卒業者)についてのガイドライン」
企業が特定技能の在留資格を持つ外国人を雇用する際は、必ず「指定書」を確認しましょう。指定書とは、特定活動の在留資格を持つ外国人の氏名や国籍、どのような活動が許可されているかといった情報が記載されている書類です。本来、在留カードの在留資格欄には「技能」「介護」など、許可されている活動が明確に分かる記載があります。しかし、特定活動は分類される活動が多岐にわたるため、在留カードを確認しただけでは具体的にどのような活動ができるのか分かりません。そこで、パスポートに貼付されている指定書を確認することで、雇用しても問題ないかの判断ができます。また、あわせて在留カードも確認し、偽装や不法滞在などの問題がないかの確認も行いましょう。
在職資格「特定活動」や指定書の概要は、「特定活動の指定書の見方とは?雇用時の注意点とともに解説」でもまとめています。内容を参考にして、外国人を適切に雇用しましょう。
特定活動では、現存する在留資格に当てはまらない活動が可能です。なお、特定活動には就労が許可されていない活動も多数含まれています。企業は必ず指定書を確認し、自社で雇用しても問題ない人材なのか判断しましょう。
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