外国人労働者受け入れの現状は?メリット・デメリットも解説

2022年01月28日
WeXpats Bizは外国人採用に特化した求人サイトWeXpatsJobsの関連サイトです。行政書士監修の下、外国人採用・雇用に関する「採用ノウハウ」「市場動向」「在留資格管理」などの情報を発信。外国人採用・雇用にお悩みのある企業様に向けて、"現場で役立つ情報"を提供いたします。
中田直子 (監修)
日本ビザ国際行政書士事務所
当事務所は20年以上の経験豊富な弁護士と、入国管理法に詳しい行政書士・税理士が、アドバイザーや業務をしており、他社にはない法律に基づいた交渉力がございます。これらを生かし、丁寧なコンサルティングの上、お客様のご要望にあわせて最適なサポートと各種ビザ申請業務をいたします。またリーズナブルな価格で特定技能ビザの登録支援機関として外国人の日常生活のサポートや外国人採用コンサルティング等もしています。(2019年はボランティアで、無料で登録支援機関の外国人サポートをしました)皆さまのご希望を叶えられるようベストを尽くします。資格:行政書士資格(入国管理取次資格)/税理士資格/TOEIC950点/ニューヨーク大学留学、アメリカでの勤務経験あり。 http://visa-nihon.com/

「外国人労働者は日本にどのくらいいるの?」「どの国の人が多いのだろう」と気になる人もいるでしょう。外国人労働者は、日本の国際化にともない年々増加しています。このコラムでは、日本における外国人労働者の受け入れの現状を解説。また、外国人労働者を受け入れるメリット・デメリットや、雇用の流れも紹介します。外国人雇用を検討する企業は内容を参考にして、外国人労働者受け入れの現状を知りましょう。


外国人採用をお考えの企業様は、 WeXpatsJobsへご相談ください。

WeXpatsJobsは、外国人採用に特化した求人サイトです。11言語対応で外国人に分かりやすい求人情報を提供できるため、求める人材を効果的に募集が可能です。
求人掲載にあたり①掲載課金②採用課金③応募課金まで企業様のニーズに合わせた採用方法をご提案。
外国人採用にあたり、「条件と合わない求職者の応募対応に時間がかかっているケース」や、「媒体に求人を掲載しているのに費用に合った求職者の応募数がこないケース」など様々なお悩みを抱える企業様に向けて弊社のサービスや機能を調整して、ご提供いたします。
外国人雇用・採用を考えている企業様は、是非一度WeXpatsJobsまでお問い合わせください。

WeXpatsJobsを活用するメリットとは?こちらから


目次

  1. 外国人労働者の受け入れの現状
  2. 外国人労働者の受け入れを促進させる制度「特定技能」
  3. 外国人労働者を受け入れるメリット
  4. 外国人労働者を受け入れるデメリット
  5. 外国人労働者を受け入れる流れ
  6. まとめ

外国人労働者の受け入れの現状

外国人労働者の受け入れの現状の画像

外国人労働者の受け入れ人数は年々増えている状況です。ここでは、厚生労働省発表の「外国人雇用状況の届け出まとめ(令和2年10月末現在)の資料をもとに、さまざまな視点から外国人労働者受け入れの現状を解説します。

外国人労働者数

2020年10月末の外国人労働者数は、1,724,328人でした。前年から65,524人増加し、外国人雇用状況届出が義務化されてから最高の人数です。ただし、2020年の新型コロナウイルスの流行により、増加率は大幅に減少しました。

外国人労働者の在留資格

外国人労働者が持つ在留資格で最も多いのが「身分に基づく在留資格」で、546,469人でした。身分に基づく在留資格とは「日本人の配偶者等」「永住者」などのことです。身分に基づく在留資格を持つ外国人は、職種や就労時間に制限がなく、ほぼ日本人と同じように働けます。次に多いのが「技能実習」で402,356人でした。在留資格「技能実習」は技能実習制度のもと、日本企業で技能を習得するための実習を行う外国人に付与されます。技能実習生は、日本の技術を覚えるために来日しているので、就労が目的ではありません。しかし、企業に雇用され賃金も得ているため、統計上では外国人労働者に分類されます。

在留資格とは異なりますが、「資格外活動許可」を得て働く外国人も多く、技能実習に次いで370,346人でした。主に外国人留学生のアルバイトが該当します。外国人留学生の持つ在留資格は「留学」ですが、本来賃金を得る活動は認められていません。しかし、「資格外活動許可」を得ることで、決められた範囲内であればアルバイトができます。

外国人労働者の国籍

外国人労働者を国籍別に見ていくと、ベトナムがもっとも多く443,998人と外国人労働者全体の25.7%を占めています。続いて中国の419,431人、フィリピンの184,750人でした。ベトナムやネパール国籍の外国人は大幅に増えているのに対し、ブラジルやペルーといった南米から来日する外国人労働者は減っているようです。ブラジルは前年比で4,343人(3.2%)減少し、このほかペルーが同500人(1.7%)減少していました。

外国人労働者の多い都道府県

外国人労働者数を都道府県別で見ると、最も多いのが東京都で496,954人でした。次いで愛知県の175,114人、大阪府の117,596人です。東京都や大阪府は人口が多く、東西の経済の中心といえます。しかし、東京に次いで2番目に外国人労働者が多いのが愛知県であるのに驚いた人もいるでしょう。愛知県は自動車産業をはじめとした製造業が盛んで、技能実習生を受け入れている企業が多くあります。また、最低賃金が高いうえ、支援体制が整っているのも外国人労働者が多い要因として挙げられるでしょう。

外国人労働者の増加率が多かったのが福井県です。福井県では10,339人と、外国人労働者が前年比で13.3%も増えていました。福井県の越前市には大手電子機器メーカーの拠点があり、多くの外国人労働者を受け入れています。特にブラジル国籍の人が多く、越前市にはブラジル人向けのスーパーやレストランが多くあるようです。

参照元
厚生労働省 「外国人雇用状況の届出状況まとめ【本文】(令和2年10月末現在)」

外国人労働者の受け入れを促進させる制度「特定技能」

外国人労働者の受け入れを促進させる制度「特定技能」の画像

外国人労働者の受け入れに大きく関わるものに、特定技能制度があります。特定技能制度は、2019年4月から始まった制度です。人手不足が深刻な特定産業分野で就労する外国人に、在留資格「特定技能」を付与し、単純労働を許可します。特定技能の在留資格はほかの就労系の在留資格と比較して取得が容易です。また、行える業務の範囲も比較的広い傾向にあります。外国人労働者の受け入れの間口を広げるのに大きな役割を持つ制度といえるでしょう。

外国人労働者の受入れについて知りたい方には、「外国人受け入れ制度とは? 技能実習と特定技能の違いを解説」のコラムもおすすめです。参考にしながら、会社にとって良い制度を慎重に検討してみましょう。

外国人労働者を受け入れるメリット

外国人労働者を受け入れるメリットの画像

企業が外国人労働者を受け入れるメリットには、人材の確保や社内のグローバル化の促進などが挙げられます。また、日本人労働者とは違った視点のアイデアがもたらされるのも大きなメリットです。

労働意欲のある人材が確保できる

企業は、外国人労働者を受け入れることにより、労働意欲のある人材が確保しやすくなるでしょう。海外で働くことを選んだ外国人労働者は、仕事に対して前向きな人が多い傾向にあります。また、日本人にこだわらず外国人にまで採用の間口を広げることで、良い人材に巡り合える可能性が高くなるでしょう。

社内のグローバル化が促進される

外国人労働者の受け入れ拡大は、企業のグローバル化に繋がるでしょう。日本で働く外国人は日本語と母国語を扱えるうえ、なかにはほかの言語まで使いこなせる人もいます。通訳なしで海外の取引先とやり取りできる外国人労働者は、企業のグローバル化に大きく貢献できる貴重な人材です。

違った視点のアイデアがもたらされる

日本人だけでは生まれないようなアイデアが、外国人労働者からもたらされることもあるようです。海外と日本では、文化・慣習や常識が大きく異なります。異なる価値観から生まれるアイデアは、新たなビジネスのヒントになる場合もあるでしょう。「新しい販路を見つけ出したい」「斬新なアイデアが欲しい」といったときに、外国人労働者の柔軟な思想が助けになります。

外国人労働者を受け入れるデメリット

外国人労働者を受け入れるデメリットの画像

外国人労働者の受け入れには、トラブルのリスクや労務管理の手間など、少なからずデメリットも存在します。デメリットを理解したうえで、外国人労働者を受け入れる体制作りを行いましょう。

コミュニケーションが難しい

外国人労働者と日本人労働者では母語が違うため、コミュニケーションが難しくなりやすいデメリットがあります。日常会話であればスムーズに意識疎通できても、ビジネスでの高度なやり取りになると正確に伝えることが難しかったり、思い違いが発生したりする場合もあるでしょう。そのため、日本人同士より丁寧にコミュニケーションを取る必要があります。また、外国人労働者の文化や習慣の理解に努め、相手を尊重して意思疎通を図ることも大切です。

価値観の相違によるトラブルのリスクがある

外国人労働者と日本人労働者の間で、価値観の違いを起因とするトラブルが発生するリスクもあります。また、外国人労働者同士のトラブルのリスクもあります。価値観の違いによる衝突は日本人同士でも起こりうるでしょう。しかし、生まれ育った環境や、生活するうえでの習慣が異なる人同士では、どうしても意見の食い違いが起こりやすくなります。そのようなトラブルを避けるには、お互いの違いを知り、尊重しながら業務を行える環境作りが必要です。企業主体での交流会や異文化を勉強する機会を設けるのも良いでしょう。

労務管理に時間や手間が必要

外国人労働者の雇用は、日本人と比べ労務に関する手続きに時間や手間が掛かるでしょう。外国人労働者は何らかの在留資格を取得しています。有している在留資格ごとに、異なる手続きを行わなくてはなりません。また、外国人労働者が在留資格を更新・変更する際は、企業が多くの書類を用意します。人手不足の企業にとっては負担になる場合もあるでしょう。外国人労働者の労務管理の手間を減らすために、行政書士や外国人雇用の専門家に手続きを依頼する企業も多くあります。

外国人労働者の受け入れに関しては、「企業で外国人労働者を受け入れるメリット・デメリットは?採用手順も解説!」でも紹介しています。採用手順や受け入れの際の注意点についてもまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。

外国人労働者を受け入れる流れ

外国人労働者を受け入れる流れの画像

外国人労働者を受け入れるには、日本人労働者を雇用するフローに加え、在留資格の手続きが加わります。ここでは、外国人労働者を受け入れる際の大まかな流れを解説するので、参考にしてください。

1.募集をかける

自社への入社を希望する外国人を探すため、求人情報を出します。なお、外国人労働者を募集する際は、求人の出し方に注意しましょう。ただ日本人と同じように募集すると、なかなか人材が集まらない可能性があります。たとえば、外国人労働者に特化した求人情報サイトを活用するのはおすすめです。

求人を募集する際に「◯◯人のみ募集」「外国人限定」などと明記するのは法律で禁じられています。「ベトナム語ネイティブレベル」「日本語能力検定(JLPT)N2レベル」などの表現に留めましょう。

2.雇用契約を締結する

募集・採用選考を行い雇用条件を満たす人を見つけたら、雇用契約を締結します。なお、雇用契約時は必ず外国人労働者が契約内容を理解し、納得しているのか確認してからにしましょう。契約に関わる日本語表現は複雑で、外国人労働者が理解しきれていないことも少なくありません。そのままにしていると後々「思っていた契約内容と違う」「聞いていない」といったトラブルに発展する可能もあります。企業は、外国人労働者とコミュニケーションを取りながら契約を進めましょう。外国人労働者の理解できる言語での雇用契約書作成も検討します。

なお、雇用契約書には、「就労可能な在留資格を得た後に本契約を有効とする」旨の記載をしておきましょう。万が一、就労可能な在留資格を取れないまま雇用してしまうと違法となるからです。

3.在留資格に関する手続きを進める

雇用契約を締結し終えたら、在留資格に関する手続きを行います。なお、外国人が身分系の在留資格を持っていたり、自社で就労可能な在留資格を持っていたりする場合は在留資格の取得や変更の手続きは不要です。

外国人がすでにほかの在留資格を持って日本にいる場合は、外国人労働者本人が在留資格変更の手続きを行います。ただし、企業が用意しなければならない書類も多くあるので、本人と連携して手続きを進めましょう。海外にいる外国人を招へいして雇用する際は、企業が代理で手続きを行います。

4.受け入れ準備を行い雇用を開始する

外国人労働者の雇用を開始する前に、受け入れ準備を整えておきましょう。具体的には社内マニュアルの多言語化や、フォロー体制の整備などです。また、可能であれば外国人労働者の信仰する宗教や文化・慣習に対する配慮もあると良いでしょう。たとえば、社員食堂でのハラルメニューやヴィーガンメニューの提供などがあると、外国人も安心して働けます。

まとめ

まとめの画像

外国人労働者の受け入れは、人手不足に陥っている企業にとっては検討する価値が大いにある選択です。ただし、デメリットがあることも否定できません。メリット・デメリットも考慮したうえで、外国人労働者の雇用を検討してみましょう。