在留資格の変更・更新手続きの方法とは?「技術・人文知識・国際業務」の審査ポイントや転職時の対応方法について

2020年05月26日
中田直子 (監修)
日本ビザ国際行政書士事務所
当事務所は20年以上の経験豊富な弁護士と、入国管理法に詳しい行政書士・税理士が、アドバイザーや業務をしており、他社にはない法律に基づいた交渉力がございます。これらを生かし、丁寧なコンサルティングの上、お客様のご要望にあわせて最適なサポートと各種ビザ申請業務をいたします。またリーズナブルな価格で特定技能ビザの登録支援機関として外国人の日常生活のサポートや外国人採用コンサルティング等もしています。(2019年はボランティアで、無料で登録支援機関の外国人サポートをしました)皆さまのご希望を叶えられるようベストを尽くします。資格:行政書士資格(入国管理取次資格)/税理士資格/TOEIC950点/ニューヨーク大学留学、アメリカでの勤務経験あり。 http://visa-nihon.com/

日本に中長期滞在している外国人にとって、在留資格の更新は欠かすことができない手続きの一つです。在留資格を更新、つまり在留期間を延長することで、現在の在留資格で引き続き日本に滞在することが可能となります。

この記事では、在留資格の更新に必要な手続きから、審査のポイント、在留期間中に転職した場合の手続き方法について、わかりやすく解説します。

在留資格更新の基礎知識

在留資格とは、外国人の日本における活動の根拠となる資格であり、一人につき一つの在留資格を保有している必要があります。また、複数の在留資格を所持することは禁じられています。

・在留資格の種類

2020年4月現在、在留資格は大きく分けると以下の29種類あります。

外交、公用、教授、宗教、報道、高度専門職、経営・管理 

法律・会計業務、医療、研究、教育、技術・人文知識・国際業務 

企業内転勤、介護、興行、技能、技能実習、特定技能、文化活動 

短期滞在、留学、研修、家族滞在、特定活動、永住者

日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者

参照:出入国管理庁 在留資格一覧表より

上記の中で、在留期間が無期限な高度専門職2号、永住者の在留資格を除いて、在留期間の延長の手続きは必須になります。

・在留期間は個人によって異なる

在留期間は在留資格によって異なります。例えば、「技術・人文知識・国際業務」の場合、3ヶ月、1年、3年、5年の中から、審査を通じて在留期間が決定されます。

在留期間は、個人の納税状況や就労状況などが審査対象になることから、認可された在留期間は、人によって異なります。

在留資格の更新に必要な手続き【在留期間更新許可申請】

在留資格の更新に必要な手続きが、在留期間更新許可申請です。標準的な処理期間は2週間~1ヶ月程度とされています。

提出書類について「技術・人文知識・国際業務」の場合、在留資格や勤務先の企業の規模により提出書類は異なります。

ここでは在留資格「技術・人文知識・国際業務」の場合の提出書類を確認していきましょう。

全カテゴリーで【共通】なのは

1 在留期間更新許可申請書 1通

2 写真(縦4cm×横3cm) 1葉

3 パスポート及び在留カード 提示

4 下記カテゴリーのいずれかに該当することを証明する文書 適宜

※カテゴリー1及びカテゴリー2については,その他の資料は原則不要です。

雇用先により4つのカテゴリーに区別されています。(2020年4月現在)

カテゴリー1

(1) 日本の証券取引所に上場している企業

(2) 保険業を営む相互会社

(3) 日本又は外国の国・地方公共団体

(4) 独立行政法人

(5) 特殊法人・認可法人

(6)日本の公共団体の公益法人

(7)法人税法別表1にあてはまる公共法人

(8)イノベーション創出企業

(9)その他一定の条件を満たす企業等

参照:法務省のカテゴリー
カテゴリー2 前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表中,給与所得の源泉徴収合計表の源泉徴収税額が1000万円以上ある団体・個人
カテゴリー3

前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表が提出された団体・個人(カテゴリー1.2を除く )

カテゴリー4 上記のいずれにも該当しない団体・個人

カテゴリー1:四季報の写し又は日本の証券取引所に上場していることを証明する文書(写し)など

カテゴリー2及びカテゴリー3: 前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表(受付印のあるものの写し)

カテゴリー3及びカテゴリー4:住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書 各1通

※1年間の総所得及び納税状況の両方が記載されている証明書であれば、いずれか一方でかまいません。

このほかに、理由書を添付すると、アピールになりますし、在職証明書などその他の資料を入管から提出を求められることもあります。

同じ会社の同じ職務をして更新する場合は、上記の通り提出書類もさほど多くありませんが、転職してから初めての更新の場合には、新規の場合と同じくらいの審査なので他にも資料提出を求められることがあります。

・誰が申請することができる?

申請人である外国人本人のほかに、法定代理人や届出をした弁護士、または行政書士も申請することができます。また、雇用主である団体・個人の職員も申請することができます。

・費用はいくらかかる?

申請時において費用は必要ありません。許可を受けた際に、4000円の手数料がかかります。

・申請先はどこ?

申請先は申請人の住所を管轄する出入国在留管理局です。管轄する出張所、支局、地方局のいずれかにおいて申請すると、受理されます。

(2020年4月現在、在留申請オンラインシステムで申請手続を行うには事前に地方出入国在留管理官署での利用申出が必要です。一部郵送でも受け付けています。コロナウィルスの影響もあり、対象範囲の拡大や条件の変更が日々進んでいます)

・いつから申請可能?

在留期限の3ヶ月前から、申請可能です。入院や長期の出張等、特別な事情がある場合、3か月以上前から申請を受け付けることもあります

参照:法務省「技術・人文知識・国際業務」提出資料

審査のポイント「技術・人文知識・国際業務」の場合

在留期間更新許可申請の審査は、入国審査官により行われます。審査のポイントについては、「在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン」や入国・在留審査要領より、確認することが出来ます。在留資格「技術・人文知識・国際業務」の更新許可申請の場合の、審査ポイントは以下の3つと言われています。

・職務内容の確認と継続性

在留資格と合致する職務内容であるか、申請書の勤務先や職務上の地位、職務内容欄、そのほかの立証資料により判断されます。提出書類には記載されていませんが、立証責任は申請人側にあるので、職務内容が記載された在籍証明書や、職務内容説明書を添付しておいた方が良いでしょう。

・報酬が日本人と同等であるかどうか

申請書の給与欄より、日本人と同等額以上であることを確認されます。

・収入額と納税状況の確認

収入額が申請書と同一であるか、また納税がしっかりと行われていることを確認されます。住民税の滞納がある場合は、在留期間更新許可申請までに納付を済ませることをおすすめします。

・在留期間の決定方法

入国・在留審査要領に在留期間の決定方針について記載があります。在留期間の決定方法は、最長である5年が最も条件が厳しく、3年、1年はある程度の裁量が認められています。各在留資格ごとに在留期間を決める要件が異なります。いずれの在留資格でも下記に該当すると短い在留期間で決定されることが多いようです。

・在留資格への該当・適合が不安視されている場合

・納税義務などを怠っていると認識される場合

・法令違反を起こしているなど素行不良がある場合

・将来に安定した生活が見込まれる生計維持能力を不安視される場合

上記を参考にしながら、最長の更新期間を目指すようにしましょう。

参照:法務省 在留資格の変更,在留期間の更新許可のガイドライン(令和2年2月改定)

在留資格の更新手続きの流れ

在留資格の更新手続きは、申請後すんなり許可が下りれば問題ありませんが、不許可になる場合もあります。不許可になった場合の流れを知っておくことで、その後の対応に備えることが出来ます。

・在留期間更新許可申請

提出書類をしっかりと確認し、記入漏れがないようにしましょう。時間に余裕をもって申請するようにしてください。

・結果の通知【許可の場合】

許可の場合の結果通知は、ハガキで来ることが多いですが、封筒でくることもあります。4000円の収入印紙を忘れずに、新しい在留カードを受け取りに行きましょう。

・結果の通知【不許可の場合】

不許可の場合は、本人が期日までに出入国在留管理局に出頭する旨が、封書で届けられます。出頭した際には、審査官より不許可理由が話されます。その際に、弁護士や行政書士、雇用主の職員も同席することができます。

「出国準備期間 31日」の特定活動ビザが付与される場合、不許可理由を改善して再申請すれば許可される可能性が高いです。しかし、「出国準備期間 30日」の場合は「再申請しても許可される可能性は低い」という入国管理局からのメッセージでもあり、許可の理由が明確に改善できなければ再申請をしても許可はもらえず、ハードルは高いです。不許可の理由をしっかりと理解し改善した書類を作成し再申請してください。1日の差で大きな意味の違いがあります。

在留期間中に転職した場合の対処方法

在留期間中に転職した場合、転職後の在留期間更新許可申請では不許可となるケースもあります。例えばm外国人が就労ビザで許可された以外の職種をするのは違反で、十分在留期間更新の不許可理由になり得ます。

就労資格証明書が証明するのは,「転職先の職務内容に有効な就労ビザがある」ということですので、就労資格証明書を使うメリットは転職後最初に来る在留期間の更新をするとき、思わぬ不許可に困る可能性がかなり低くなります。

在留期間の残りが6ヶ月以上ある際は①就労資格証明書を取得するようにし、6ヶ月未満の場合は、②詳細な資料を添付して申請するようにしましょう。

・就労資格証明書の取得

就労資格証明書とは、転職先において、現在の在留資格の範囲内で働くことが可能であるか確認して証明するするものです。交付を受けるには1200円が必要となります。

あらかじめ交付を受けることにより、更新許可申請の際には、スムーズに許可がおりる可能性が高くなります。

参照:法務省 就労資格証明書交付申請の手続き

・詳細な資料を添付して申請

就労資格証明書を取得していなくても、転職先の会社情報や職務内容、採用理由書をしっかりと提出すれば、特に問題はありません。

追加書類の提出が求められることも多いので、期限内に十分なものを提出するようにしてください。

まとめ

在留資格の更新について、必要な手続きや、審査のポイントを説明しました。在留資格認定証明書交付申請や在留資格変更許可申請と比較して、在留期間更新許可申請は許可がおりやすい傾向にあります。必要であれば専門家に相談しながら、しっかりと準備をして申請に臨んでください。

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