日本国内の外国人労働者数の推移は?2020年最新データをもとに解説!

2020年06月19日
濵川恭一 (監修)
外国人専門の人材ビジネス会社勤務を経て、外国人のビザ専門行政書士事務所を設立。専門分野は、就労ビザ申請、外国人採用コンサルティング。著書に、「これ1冊でまるわかり!必ず成功する外国人雇用」、「実務家のための100の実践事例でわかる入管手続き」等がある。 http://svisa.net

2019年10月時点で日本国内における外国人労働者数は過去最高を記録しており、今後も増加していくものと見られます。日本国内の外国人労働者が増加する理由としては、少子化の進行による労働力不足のほか、在留資格「特定技能1号・2号」の新設も挙げられます。

この記事では、最新データをもとに日本国内の外国人労働者数の推移を紹介しながら、日本で外国人労働者数が増加する理由、日本で外国人労働者が活躍していくための課題などを詳しく解説します。

日本国内の外国人労働者数の推移 

まずは最新データをもとに、日本国内の外国人労働者数を紹介します。厚生労働省は2020年1月に作成した「「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和元年10月末現在)」の中で、2019年10月末時点における日本国内の外国人労働者数は1,658,804人であったと報告しています。

前年である2018年の報告と比べると198,341人(13.6%)増加しており、2007年に届出が義務化されて以降、過去最高の数字を記録しています。また、2018年と2017年のデータを比較すると181,793人(14.2%)増加しており、直近3年間において一定割合での増加が認められます。

2012年には4,000人程度の減少が見られたものの、それ以降は年々増加を続けており、日本国内の外国人労働者数はほとんど毎年にわたって増加している状況です。

参照:厚生労働省「「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和元年10月末現在)」
厚生労働省「「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(平成30年10月末現在)」

・【国籍別】外国人労働者数ランキング 

日本国内の外国人労働者数を国籍別に見ると、第1位は中国(418,327 人)です。全体の25.2%を占めるほか、2018年の報告と比べると7.5%増加しています。第2位は、ベトナム (401,326 人)です。全体の24.2%を占めるほか、2018年の報告と比べると26.7%もの急激な増加が見られます。

第3位は、フィリピン(179,685 人)です。全体の10.8%を占めるほか、 2018年の報告と比べると9.6%増加しています。上記のとおり、日本国内の外国人労働者は、東アジアおよび東南アジアの国籍を持つ人が上位を占めている現状です。

参照:厚生労働省「「外国人雇用状況」の届出状況【概要版】(令和元年 10 月末現在)」

日本で外国人労働者数が増加する理由

日本で外国人労働者数が増加する理由は、主に以下の2つです。

  1. 少子化による労働力不足

  2. 在留資格「特定技能1号・2号」の新設

・少子化による労働力不足 

日本で外国人労働者数が増加する理由の1つとして、少子化による労働力不足が挙げられます。首相官邸は「働き方改革実行計画 参考資料」の中で、2016年時点の生産年齢人口が7,665万人であったこと、1986年から2016年までの30年間で生産年齢人口が650万人減少したことを報告しています。

生産年齢とは国内の生産活動において中核の労働力となる年齢のことであり、日本では15歳以上65歳未満を指します。1997年を境に日本の生産年齢人口は減少を続けており、アメリカ・イギリス・ドイツなど他の先進国と比べて減少傾向が大きいこともわかっています。

さらに総務省は「平成30年版 情報通信白書」の中で、2040年には日本の生産年齢人口は25,978万人まで減少すると推測しています。このように少子化で減少した労働力を補う形で、近年の日本企業では外国人労働力を積極的に利用しており、日本国内の外国人労働者数を増加させる要因の1つとなっているのです。

参照:首相官邸「働き方改革実行計画 参考資料」
総務省「平成30年版 情報通信白書」

・在留資格「特定技能1号・2号」の新設 

2018年12月、政府は少子化による労働力不足を受けて新たな在留資格である「特定技能1号・2号」を創設しました。2019年に施行された本制度も、日本国内の外国人労働者数の増加につながると考えられています。特定技能の在留資格は、特定産業分野に指定された14分野の特定技能を持つ外国人材に対して与えられます。

特定技能の在留資格を持つ外国人労働者には特定産業分野を実施する日本企業への就職が認められることから、日本の労働力不足解消が期待されています。特定産業分野は、以下のとおりです。

  • 介護

  • ビルクリーニング

  • 素形材産業

  • 産業機械製造業

  • 電気・電子情報関連産業,

  • 建設

  • 造船・舶用工業

  • 自動車整備

  • 航空

  • 宿泊

  • 農業

  • 漁業

  • 飲食料品製造業

  • 外食業

2019年4月に運用が開始され今後、外国人労働者数増加への貢献が見込まれています。

参照:経済産業省「在留資格「特定技能」について」

日本で外国人労働者が活躍するための課題 

少子化が進み特定技能による在留資格が広く活用されるようになると、日本国内の外国人労働者数は今後さらに増加すると見込まれています。ただし、日本で外国人労働者が十分に活躍するには、以下のような課題を解決する必要があります。

  1. 外国人労働者の労働条件の改善

  2. 外国人労働者への差別問題の解決

・外国人労働者の労働条件の改善 

特定技能に該当する特定産業分野は、労働条件が比較的厳しいです。そもそも特定技能の制度には、日本人の若い労働力が集まらない業界に対して、日本政府が在留資格の付与を認めたという背景があります。

以上のことから、特定産業分野に就職した外国人労働者が、他業種との労働条件の違いを感じた場合、不満の声をあげるおそれがあります。不満の解決に至らない場合には外国人労働者が退職してしまい、根本的な労働力不足の解消に至らない可能性があるため注意が必要です。

外国人労働者の声には十分に耳を傾けて、可能な限り待遇面での不満を解消してあげると良いでしょう。

・外国人労働者への差別問題の解決 

日本では、依然として外国人労働者への差別意識が残っています。日本人が持つ差別意識が、いじめ・パワハラといった具体的な行為となって外国人労働者を苦しめるケースも少なくありません。日本人からいじめ・パワハラなどを受けた外国人労働者は退職してしまうだけでなく、最悪のケースでは自殺に追い込まれてしまうこともあります。

上記のトラブルを避けるためには、経営者だけでなくすべての社内従業員が、外国人労働者と協働していく意識を身につける必要があります。特に経営者には、日本人労働者と外国人労働者待遇面で格差を作らないよう配慮が求められます。

外国人労働者との壁を最大限取り去るには、言語の問題・異文化の理解・生活の支援などの側面において社内環境を整備しなければなりません。日本政府においても「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策」を取りまとめ、外国人との共生に向けた仕組みづくりを推進しています。

外国人労働者の雇用を検討する企業にも役立つ施策があるため、参考にすると良いでしょう。

参照:法務省「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策(概要)」

まとめ

日本では、さまざまな理由で外国人労働者数が増加を続けていますが、外国人労働者が日本で最大限活躍するには、解決すべき課題も残されています。外国人労働者が気持ちよく業務に取りかかれるよう、日本企業には共生のための環境整備が求められます。