外国人の履歴書をチェック!在留資格申請時に気を付けるべきポイント

2020年06月23日
濵川恭一 (監修)
外国人専門の人材ビジネス会社勤務を経て、外国人のビザ専門行政書士事務所を設立。専門分野は、就労ビザ申請、外国人採用コンサルティング。著書に、「これ1冊でまるわかり!必ず成功する外国人雇用」、「実務家のための100の実践事例でわかる入管手続き」等がある。 http://svisa.net

外国人労働者の受入れ拡大が進むにしたがって、外国人アルバイトや社員の面接・採用を行う会社も多いと思います。外国人の履歴書は、書類選考から在留資格申請時まで使用する重要な書類です。この記事では特に在留資格申請時にスポットをあてて、外国人の履歴書をチェックする際の気を付けるべきポイントについて解説します。

応募時の履歴書をそのまま添付してはいけない3つの理由

履歴書は外国人本人が作成する書類であり、応募時の履歴書をそのまま在留資格申請に利用することも多いのではないでしょうか?しかし、在留資格を取得できないと外国人と会社の双方が困ることになります。応募時の履歴書をそのまま添付してはいけない理由として3つ挙げることができます。

・記載事項に誤りがある場合がある

「高校卒業したのは平成何年だろう」日本人でも履歴書作成の際に、インターネットを参照します。日本語学校、専門学校で日本語を学んだとしても、外国人にとっては履歴書作成というのはハードルが高いのです。特に年齢の項目は、数え年でカウントする国もあり、間違いが多くなっています。

・志望理由が使いまわしのことが多い

日本人の就職活動の内定率は90%を超えている一方、外国人の内定率は40.6%と厳しい状況です。(※)内定をとるために数をこなす留学生も多く、履歴書まで手が回っていないこともあります。違う業種の志望理由が記載してあったという事例もよくあります。。採用選考では志望理由の使いまわしを不問にしても、在留資格の審査官は問題視する可能性が高いです。

参照:株式会社ディスコ「外国人留学生の就職活動状況 」リクルートキャリア「就職プロセス調査」

・申請書の内容と整合性が取れていない

先に挙げた理由と関連しますが、申請書に記載する個人情報と履歴書の内容に食い違いがあるケースです。転職を何回か繰り返している外国人が、履歴書には職歴を何も記載しておらず、申請書には記載をしていると、審査官の心証はよくありません。履歴書だけでなく、職務経歴書まで準備すると、経緯がわかりやすく丁寧といえます。

在留資格申請時に気を付けるべきポイント

それでは在留資格申請時にはどのようなポイントを気を付ければよいのでしょうか。大きく3つのポイントをご紹介します。

・作成日が3か月以内になっているか

会社側の資料や学校の卒業証明書など、提出書類は全て3ヶ月以内の発行のものが必要です。履歴書についても外国人本人の現況を反映していなければ、提出する意味がなくなるため、3ヶ月以内になっているかチェックしてください。3ヶ月以内になっていない場合、現在と何か変更している点がないか確認すると良いでしょう。

・外国語から日本語へきちんと翻訳されているか

今まで日本で生活したことがない外国人を日本へ呼ぶ場合、在留資格認定証交付申請という手続きをとることになります。その申請時には外国語ではなく日本語の履歴書が必須です。日本語がそこまで得意ではないと、翻訳サイトでの翻訳を履歴書にそのまま記入します。文法が間違っていないか、意味が通じているかチェックするようにしましょう。

・虚偽の事項が書かれていないか

例えば、資格欄に日本語能力検定N2(88点)など記載していることがあります。日本語能力検定N2の合格点は90点であるため、本当は不合格であるのに見栄えがよくなるように書いているのです。他にも、母国の大学を中退しているのに卒業していると嘘を履歴書に記載しているケースもありました。このように虚偽の事項が書かれていないかは、気を付けなければならないポイントです。

外国人の履歴書のチェックの仕方

具体的な履歴書のチェックの仕方については、気を付けるべきポイントを踏まえながら行いましょう。

・パスポートと在留カード、卒業証明書と照合する

まずは基本的な個人情報が記載されているパスポートと在留カード、母国での卒業証明書を確認するようにしましょう。申請書に記入する母国における住所ですが、パスポートに記載のある国とない国に分かれます。記載のない場合は他の証明書でチェックしてください。

ベトナムのパスポートでは月と日の順序が日本と異なっていたり、ネパールでは西暦ではなくビクラム歴で記載された証明書も存在します。国により注意すべき点も変わりますので、わからない場合は、本人に確認する、他の書類を見て確認する、外国人在留総合インフォメーションセンターに問い合わせてみるなどをしてください。

・来日するまでの空白期間を詳しく知る

日本に留学していた外国人が対象となりますが、母国での最終学歴から来日までの空白期間が長いことがあります。社会人として働いていたり、留学費用を貯めるためにアルバイトをしていたりと、人により様々です。具体的に何をしていたか聞き出し、履歴書に反映できる内容であるなら、記載するようにしましょう。「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の取得要件の1つである、実務経験年数を満たしている場合もあります。また、このような会話をきっかけに、本人がどのような人物なのかを知る手がかりにもなるのでおすすめです。

・アルバイト情報を全部聞き出す

前の項目と同じく、日本に留学していた外国人、特に新卒の方が対象となります。課税証明書を提出させる会社もありますが、オーバーワークをしていないか確認するためにアルバイト情報を全部聞き出してください。在留資格変更許可申請の際にオーバーワークは不許可の原因となります。お金や労力をかけて教育した外国人社員が短期間で退社となるのは、双方にとってマイナスです。

・前職の業務内容や実績を聞く

これは日本国内で転職してきた外国人に当てはまります。同じ在留資格で大丈夫なのか、履歴書・職務経歴書に正しく反映されているか、確認しましょう。前職の在留資格申請書類のコピーがあれば、実際の業務内容と異なっていないかチェックしてください。在留期間更新までの期間によりますが、半年以上余裕があるなら就労資格証明書交付申請を行った方がよいでしょう。現在の在留資格の範囲内の活動であるか確かめられ、次回の在留期間更新時の審査のハードルが下がります。

まとめ

外国人の履歴書をチェックする際の気を付けるべきポイント、具体的なチェックの仕方について解説しました。

〇応募時の履歴書をそのまま添付してはいけない理由は3つ

 ・記載事項に誤りがある場合がある

 ・志望理由が使いまわしのことが多い

 ・申請書の内容と整合性が取れていない

〇在留資格申請時に気を付けるべきポイント

 ・履歴書の作成日が3か月以内になっているか

 ・外国語から日本語へきちんと翻訳されているか

 ・虚偽の事項が書かれていないか

〇外国人の履歴書のチェックの仕方については4つありました。

 ・パスポートと在留カード、卒業証明書などの公的な文書を参照する

 ・来日するまでの空白期間を詳しく知る

 ・アルバイト情報を全部聞き出す

 ・前職の業務内容や実績を聞く

外国人の履歴書は、日本人にはない在留資格に必要な書類として重要になります。採用した外国人に活躍してもらうためにも、チェックを欠かさないようにしましょう。

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