外国人留学生が就職活動に失敗する原因とは?就職に成功する3つのポイント

2020年07月27日
濵川恭一 (監修)
外国人専門の人材ビジネス会社勤務を経て、外国人のビザ専門行政書士事務所を設立。専門分野は、就労ビザ申請、外国人採用コンサルティング。著書に、「これ1冊でまるわかり!必ず成功する外国人雇用」、「実務家のための100の実践事例でわかる入管手続き」等がある。 http://svisa.net

平成30年に文部科学省が行なった調査によれば、大学を卒業した外国人留学生のうち日本に就職した人は約36%と、全体の3割強しか就職できていない結果となりました。(※)

外国人留学生のうち全てが日本への就職を希望しているとはいえないものの、日本で就職したいけどできなかった人は相当数いると予測できます。

では、どうすれば外国人留学生が日本で就職できるのか。

こちらの記事では、現在日本に留学している外国人へ向けて、留学生が日本での就職に失敗する理由から、日本で就職するポイントまで紹介していきます。

参照:文部科学省外国人留学生の就職促進について

外国人の留学生が就職に失敗する一因は情報不足

外国人留学生が日本での就職に失敗する大きな原因は情報不足と考えられます。

なぜなら就職活動は情報を持っている人とそうでない人とでは、行動に大きな違いがあるからです。

たとえば、外国人の留学生において以下のような情報不足があると、就職に失敗する可能性が高いと考えられます。

  • 日本の就職活動のタイミングがわからない

  • 日本独特の社会的マナーを知らない

  • 日本企業が外国人に求めるスキルがわからない

就職活動に乗り遅れれば採用が難しくなりますし、日本独特の社会的マナーを知らなければ採用試験で落とされるでしょう。

また、日本企業が外国人に求めるスキルが分からなければ、自分の魅力やスキルをうまくアピールすることはできません。

そのため、外国人留学生が日本での就職に成功するためには、自ら情報を取得して日本人と同等かそれ以上の情報量を持っておく必要があります。

外国人留学生が就職活動において知っておくべき3つのこと

外国人留学生の就職活動において、知っておくべきこととして以下の3点があります。

  • 日本における就職活動

  • 日本の就職活動の流れ

  • 日本独特の社会的な規則

・日本における就職活動とは

外国人留学生が就職活動を始める際は、はじめに日本における就職活動について知ることが大切です。

日本の就職活動のタイミングは、大学卒業(あるいは高校卒業)と同時に就職する「新卒」と、学校を卒業した後に就職する「既卒」とがあります。

特に新卒時の就職活動は日本において大規模で行われており、外国人留学生が就職活動を始めるならこの新卒時が一般的です。

また、日本には多くの企業で「終身雇用」と呼ばれる考え方があり、新卒で入社した会社に定年(60〜65歳)までの約40年間勤めるという体制が取られています。

そのため、日本では中途採用と比べて新卒採用の枠が圧倒的に多いことが特徴で、外国人留学生が日本で就職を目指すなら、その新卒時に就職活動を行うことが重要になってきます。

・日本の就職活動の流れ

日本で就職活動を行う際の流れは次の通りです。

  • 3月〜5月:職業・企業研究、企業へのエントリー、企業説明会の参加、エントリーシート(ES)の作成

  • 6月〜9月:採用試験・面接、内々定

  • 10月:内定式

日本の大学に通っている大学生なら、大学3回生の3月から企業研究やエントリーなどが始まり、5月までの間に企業説明会などに参加して、就職したい会社を探します。

5月までにはES(エントリーシート)を作成し、6月〜9月にかけて採用試験や面接等を行い、早ければ内々定まで進みます。その後、10月に内定式が行われて4月に入社という流れが一般的です。

ただし、この就職活動の流れはあくまでも一般的なもので、大学3回生の3月になる前から就職活動に向けた準備をすることはできます。

たとえば、自己分析をしたり面接や日本の社会的マナーを身につけたりすることは大切です。

大学では就職活動の期間に関わらず、定期的に就職ガイダンスを開催しているため、就職活動が本格的に始まる前からでもできることを始めましょう。

・日本独特の社会的な規則

就職活動前に、日本には独特の社会的な規則があることを知っておきましょう。

特に日本で働く上で以下3つのルールには注意が必要です。

  • 言葉遣い(正しい敬語を使う)

  • 年功序列

  • 高い協調性

日本人は言葉の使い方が非常に細かく、たとえば英語では相手のことを「you」といいますが、日本では相手に応じて「あなた」「きみ」「お前」などの言葉を使い分けなければいけません。

さらに、日本の社会では勤務年数の長い人から順に昇進していくことが一般的で、年齢や勤務年数によって上下関係が生まれます。そして目上の人を敬わなければいけないといった価値観を持っている人が多いことは知っておきましょう。。

また、高い協調性も日本独特の社会的な風潮の一つで、たとえば一人だけがみんなとは違う意見を持っていると冷ややかな目で見られることもあります。。

外国人留学生は、このように日本独特の社会的な規則があることを就職活動前に知っておきましょう。

外国人留学生が日本で就職するための3つのポイント

外国人留学生が日本で就職するためには以下3つのポイントが大切です。

  • 徹底的に自己分析をする

学校の就職課、求人媒体、OB訪問、インターンシップなどで就職活動の情報を集める

  • できる限り早めに就職活動を始める

・徹底的に自己分析をする

外国人留学生が日本で就職するためには、徹底的な自己分析をすることが大切です。

なぜなら、企業は自分軸を持って自主的に行動できる人材を求めているためです。徹底的に自己分析を行えば、自分がどんなことに価値を感じる人間か、また自分が人生をかけて成し遂げたいものが明確になります。

すると物事をハキハキと説明し、決断できるようになるため、たとえそれが外国人でも企業としては魅力的な人材に見えます。

また、就職活動に成功するだけでなく、これからの人生で自分がどうして生きたいのか方向性を見つけることも可能です。

・インターンシップなどで就職活動の情報を集める

続いて、インターンシップにできる限り参加して就職活動の情報を集めることが大切です。

インターンシップとは学生が実際に職場で仕事をする「就業体験」のことで、インターンシップの経験はその後の就職活動にプラスになることが多いです。

たとえば、具体的な業務イメージを持てるほか、同時期にインターンシップを行った仲間と就職活動の情報交換をすることもできます。

ただし、日本のインターンシップは海外のものと違って、採用選考に直結するものは少ないです。あくまでも働くことの意義やビジネスのメカニズムについて学ぶ機会と考えておく必要があります。

なお、インターンシップの情報は学内の就職ガイダンスを行う窓口や先輩・友人などを通して得られます。

・日本の企業について知る

外国人留学生が日本で就職するためには、日本の企業について知ることが大切です。

母国の企業や社会的ルールと同じように考えている場合は、就職活動がうまくいかないことが予想されます。

たとえば、企業について最低限以下のことは調べる必要があります。

  • 目指している業界で上場している企業

  • グローバルな事業を行なっている企業

  • 外国人が多く雇用されている企業

  • 外国人の技術レベルはどの程度か

  • 外国にはない社風

など

日本企業について徹底的に調べることで、自国にはない企業の特徴を知るだけでなく、外国人の受け入れを大きく行なっている企業について知ることが可能です。

外国人の雇用を目指す企業は、外国人が働きやすい環境を整えていることをアピールし、他者と差別化を図るなどの工夫が大切となるでしょう。

留学生が日本で就職する時は在留資格の変更に注意

留学生が日本で就職するときは、在留資格の変更に注意しましょう。

日本で就職するなら、在留資格は「留学」から「人文知識・国際業務・技術」などの就労可能な資格への変更が必要です。

在留資格の変更許可申請は以下の流れで行います。

  1. 出入国在留管理局に必要書類を提出(申請)

  2. 出入国在留管理局で審査

  3. 変更可否の通知

  4. 新しい在留カードの発行

在留資格の変更手続きの審査期間はおよそ2週間から2ヶ月程度です。ただし、新卒採用で4月から入社する予定の外国人は審査が長引くことも考えて、遅くとも卒業年の1月までには申請することが大切です。

なお、仮に留学生として大学在学中に就職が決まらなかった場合は、「留学」から「特定活動」に在留資格を変更することによって、就職活動を最長で1年間継続して行えるようになります。

まとめ

外国人留学生が日本で就職を考えているなら、日本の就職活動や社会的なマナーについて知り、そして何よりも早いうちに就職活動を始めることです。

日本で就職できない外国人留学生の多くが情報不足と考えられています。在学期間中にインターンシップをするなど、早いうちに行動しておけばそういった情報不足も防ぐことができます。

日本の就職活動がうまくいかない時は、改めて就職活動の情報収集を行って問題を解決しましょう。