外国人が日本の永住者ビザを取得するための3つの条件!取得後の注意点とは?

2020年07月27日
濵川恭一 (監修)
外国人専門の人材ビジネス会社勤務を経て、外国人のビザ専門行政書士事務所を設立。専門分野は、就労ビザ申請、外国人採用コンサルティング。著書に、「これ1冊でまるわかり!必ず成功する外国人雇用」、「実務家のための100の実践事例でわかる入管手続き」等がある。 http://svisa.net

「外国人が日本の永住者ビザを取得するためにはどうすればいいの?」

「永住許可の申請の流れが知りたい」

このように、日本の永住者ビザを取得する方法について気になっていませんか?

こちらの記事では、日本の永住者ビザを取得するとできることや永住者ビザを取得するために必要な3つの条件、そして永住者ビザ取得後の注意点について紹介していきます。

日本の永住者ビザを取得したらできること

外国人が日本の永住者ビザを取得したら、滞在期間や滞在中の活動に制限がなくなります。

通常、日本に滞在している外国人は活動目的に応じた在留資格を持っていて、活動内容や滞在期間が定められています。たとえば日本の留学ビザを保有しているなら、勉学の活動しか認められていないため日本で就労などはできません。

永住者ビザを取得すれば、母国の国籍は残したまま在留の活動・期間が自由になり、更新手続きも不要となります。そのほか、銀行からローンを組みやすくなるなど、基本的に日本人と変わらない生活が可能です。

ただし、永住者ビザの取得には厳しい条件があるため簡単に取得することはできません。

外国人が日本の永住者ビザを取得するために必要な3つの条件

外務省が公開している永住許可に関するガイドラインによると、外国人が日本の永住者ビザを取得するためには、以下3つの条件を満たす必要があります。

  • 素行が善良であること

  • 独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること

  • その者の永住が日本国の利益に合すると認められること

参照:法務省「永住許可に関するガイドライン(令和元年5月31日改定)

・素行が善良であること

外国人が日本の永住権を取得するために必要な1つ目の条件が、素行が善良であることです。日本の法令を違反していないことと、社会的に良好な雰囲気を乱していないことが条件となります。

具体的には、犯罪を行って懲役刑・禁錮刑や罰金等を科されたことがある人は、素行が善良である条件を満たしていないため、日本の永住権を取得することはできません。

ただし、仮に日本の法令に違反した場合でも刑期を終えてある特定の時間が経過すれば、過去の法令違反がカウントされなくなります。一般的に、罰金刑の場合は支払いを終えてから5年、懲役・禁錮形の場合は出所後10年を経過していれば素行が善良である条件を満たすこととなります。

・独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること

続いて、日本の永住者ビザを取得する2つ目の条件が、独立の生計を営むに足りる資産または技能を有していることです。具体的に言えば、以下の条件を満たしている必要があります。

  • 生活保護など公共の負担になる制度を受けていない

  • 納税などの義務を果たしても生活できるほどの収入がある

公共の負担になっている場合や、年収が低い場合は独立の生計を営む資産を有していることにはなりません。また、納税などの義務を果たしており、なおかつ独立して生活できるほどの収入を得ている必要があります。

ただし、収入は世帯全体で見られるため、永住権の取得希望者が結婚していて専業主婦・専業主夫など収入がない場合でも、条件を満たすことは可能です。その場合は扶養する人数によって収入の目安が変動するので注意しましょう。

・その者の永住が日本国の利益に合すると認められること

日本の永住者ビザを取得するために必要な3つ目の条件が、その者の永住が日本国の利益に合すると認められることです。要するに、納税など経済活動によって日本国にメリットをもたらしているかが、条件を満たす基準となります。

具体的には以下4つの基準があります。

  • 原則として引き続き10年以上本邦に在留している

  • 納税など公的義務を守っている

  • 現に有している在留資格が最長の在留期間をもって在留している

  • 公衆衛生上の観点から有害となるおそれがない

◎原則として引き続き10年以上本邦に在留していること

日本に利益をもたらすと認められるためには、原則として引き続き10年以上は日本に在留し、そのうち5年は就労目的で日本に在留している必要があります。

就労資格で5年以上働いている必要があるため、仮に10年以上日本に住み続けている人でも、就労目的の在留期間が5年未満の場合は条件が満たされていません。たとえば留学ビザを利用して日本の大学で6年間学び、大学卒業後4年間働いても永住申請は不許可になります。

また、「引き続き」とは日本に住み続けている状態であるため、目安として年間で100日以上日本から出国していた期間がある人は「引き続き」の要件が満たされません。そのため、長期出張や母国へ帰国する際には注意が必要です。

ただし、10年以上の在留については特例が認められているため、場合によっては在留期間が10年未満でも永住権の条件を満たすことがあります。

◎納税など公的義務を守っていること

日本に利益をもたらすと認められるためには、公的義務を守っている必要があります。具体的な公的義務には以下のものがあります。

  • 所得税や住民税などの納税義務

  • 厚生年金や国民年金などの年金保険

  • 健康保険料などの公的医療保険

また、これらは納付期間も審査の対象です。つまり、仮に納税義務を満たしていても、納付期限を過ぎて納めていた場合は永住権の申請が不許可になる可能性があります。

特に、フリーランスや法人経営者など、税金や年金等を自主的に納付する必要がある人は、十分注意しなければいけません。

◎現に有している在留資格が最長の在留期間をもって在留していること

続いて、日本に利益をもたらすと認められるためには、現在取得している在留資格が最長の在留期間である必要があります。しかし、実務上は在留期間が3年以上あれば条件を満たすことになります。

ビザの種類によっては5年が最長とされる場合がありますが、在留期間が3年以上なら最長の在留期間として取り扱ってもらうことが可能です。

◎公衆衛生上の観点から有害となるおそれがないこと

日本に利益をもたらすと認められるためには、公衆衛生上の観点から有害となるおそれがないことが大切です。

「公衆衛生上の観点」とは要するに、感染症や何らかの中毒者を持っていないかということです。たとえば麻薬や大麻、覚せい剤などの中毒者や、エボラ出血熱などの感染症にかかっている人は公衆衛生上の観点から有害とみなされ、永住権取得の条件が満たされません。

永住許可申請の審査期間には6ヶ月かかる!

永住許可申請の審査期間には6ヶ月かかるのが一般的です。

法務省のホームページでは標準処理期間が4ヶ月と記載されていますが、必ずしも4ヶ月で手続き・審査が完了するとは限りません。上記でも説明したように、永住権の取得にはいくつもの条件を満たす必要があり、審査においても「本当に日本で自由に活動してもいい外国人か」を厳しくチェックされます。

そのため、最低でも6ヶ月〜8ヶ月、場合によっては1年以上かかることも覚悟しておく必要があります。永住者ビザの取得を考えているなら、できる限り早めに永住許可申請を行いましょう。

参照:法務省「永住許可申請

外国人が永住権を取得した後に注意すべき3つのこと

ここまで、外国人が日本の永住権を取得する方法について解説してきましたが、永住権を取得した後も注意しなければいけないことがあります。

具体的に、永住権を取得した後に注意すべき点は以下の3つです。

  • 長期的に日本を離れる場合は再入国許可の手続きが必要

  • 国籍は本国に変わりない

  • 犯罪行為をすれば永住許可が無効

特に、長期的に日本を離れる場合は要注意です。永住権を取得しても、再入国許可の手続きをせずに1年以上日本を離れた場合は永住許可が無効となります。

また、永住権を取得しても国籍は変わらないことと、脱税を含む犯罪行為を行えば永住許可が無効になることは必ず留意しておきましょう。

永住許可申請の流れ

永住許可申請の流れは次の通りです。

  1. 管轄の出入国在留管理局で相談

  2. 必要書類を収集

  3. 申請書類の作成

  4. 申請・受理

  5. 審査

  6. 結果通知

まずは自身が永住申請条件を満たしているのかを確認するために、管轄の出入国在留管理局に相談しましょう。条件を満たしていれば申請に必要な書類を教えてもらえるので、書類を準備し、同時に申請書類の作成を行います。

書類の作成が完了したら、出入国在留管理局に書類を一式提出しましょう。出入国在留管理局の窓口受付時間は基本的に平日9時〜16時で、申請の受理までに2~3時間程度かかることが予測されるため、時間には余裕を持って申請することが大切です。

その後審査が行われ、申請して6ヶ月~1年程度で出入国在留管理局から審査結果の通知が届きます。

なお、行政書士に依頼すれば永住許可申請をサポートしてくれます。書類の作成などが不安なら行政書士の利用を検討しましょう。

まとめ

外国人が日本の永住者ビザを取得すれば、活動や在留の制限なく日本で自由に暮らすことができます。しかし、日本の永住者ビザの取得には厳しい条件があります。

外務省で定められている永住許可申請の条件は以下の3つです。

  • 素行が善良であること

  • 独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること

  • その者の永住が日本国の利益に合すると認められること

永住者美ビザの取得方法を正しく理解し、ぜひこの記事を永住許可申請の手続きに役立ててください。