日本語能力試験とは?N2レベルの概要や合格者を雇用するメリットも解説

2022年09月14日
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濵川恭一 (監修)
外国人専門の人材ビジネス会社勤務を経て、外国人のビザ専門行政書士事務所を設立。専門分野は、就労ビザ申請、外国人採用コンサルティング。著書に、「これ1冊でまるわかり!必ず成功する外国人雇用」、「実務家のための100の実践事例でわかる入管手続き」等がある。 http://svisa.net

「日本語能力試験N2合格者はどれくらい日本語を理解できるの?」と、疑問に思っている企業の方もいるでしょう。日本語能力試験は、外国人向けの日本語能力を測る試験です。N2に合格するためには、日常会話はもちろん、ビジネスシーンで通用するレベルの日本語が必要といわれています。
このコラムでは、日本語能力試験N2合格者を雇用するメリットを紹介しているので、外国人を採用する際の参考にしてください。

目次

  1. 日本語能力試験(JLPT)とは
  2. 日本語能力試験N2合格者の実力はどれぐらい?
  3. 日本語能力試験N2の試験科目の詳細
  4. 日本語能力試験N2合格者を雇用するメリット
  5. 日本語能力試験を採用基準の一つにする際の注意点
  6. まとめ

日本語能力試験(JLPT)とは

日本語能力試験(Japanese-Language Proficiency Test)は、外国人向けの日本語に関する試験です。以下では、日本語能力試験の概要を解説します。

日本語能力試験は外国人が日本語レベルを測る試験

日本語能力試験は、日本語能力を測定する外国人向けの試験です。主に日本語でのコミュニケーション能力と、単語や文法などの理解度を測ります。
1984年の開始以来、多くの外国人が受けており、2021年には684,907名もの人が受験しました。歴史も古く、外国人向けの代表的な日本語の試験といえます。

レベルはN5からN1の5段階

日本語能力試験は、N5~N1の5段階に分けられます。N5は日本語の初心者向けの内容で、最も難しいのがN1です。以下では、各レベルにおける日本語の読解や聞き取り能力の目安をまとめています。

・N1:日常会話はもちろん、ビジネス用語や流行りの日本語にも幅広く対応できる

・N2:日常生活で使う日本語の読解・聴解ができ、ビジネスシーンでもある程度は会話についていける

・N3:日常会話はある程度聞き取ることが可能で、少し難しい文章も説明があれば理解できる

・N4:ゆっくりとした会話は聞き取れ、基本的な言葉や漢字が使われている文章も読める

・N5:短い会話の聞き取りと、ひらがな・カタカナ・簡単な漢字で書かれた文章の読解は可能

一般的に、企業が求める日本語のレベルは、N2以上といわれています。

日本語能力試験の実施概要と記入方式

日本語能力試験は年2回、7月と12月に実施されます。日本国内ではもちろん、欧米やアジアなどの各国で受験可能です。
試験科目には、言語知識・読解と聴解があります。言語知識・読解は文章から内容を理解する力を、聴解は日本語の聞き取り能力を測る科目です。
日本語能力試験ではマークシート方式が採用されており、文章を書く問題はありません。基本的に、4つの選択肢から正解と思う1つを選んで答えます。

日本には、日本語能力試験以外にも、日本語能力を測るさまざまな試験があります。「日本語能力試験(JLPT)、ビジネス日本語能力テスト(BJT)、実用日本語検定 (J.TEST)の違いは?日本語能力のレベルを知りたい!」のコラムでも、日本語の能力を測る試験を紹介しているので、参考にしてください。

日本語能力試験N2合格者の実力はどれぐらい?

日本語能力試験N2に合格するためには、日常的に交わされる会話や見かける文章を理解できる能力が必要です。さらに、ビジネスシーンといったより広い場面で使われる日本語に対応できる実力が必要とされています。そのため、日本語能力試験N2に合格した外国人は、ビジネスシーンで使われる日本語を習得していると考えて良いでしょう。

読む

日本語能力試験N2合格者は、新聞や雑誌の記事、簡単な評論などは、要点が分かりやすく書かれていれば読めます。また、新聞や雑誌の記事以外にも、身近な話題について書かれた文章を読み、あらすじや著者の主張を理解することが可能です。このことから、日本語能力試験N2合格者は、さまざまな日本語の文章を読み解く能力があるといえるでしょう。

聞く

日本語能力試験N2合格者は、自然に近いスピードで話される、ある程度の長さの日常会話を聞き取れます。ほかにも、講義やニュースなどを聞き、話の要点や展開、出てくる人物の相関関係を理解することが可能です。
日本語能力試験N2は、日本語で話し合いができるレベルといわれます。通訳ができるレベルとされるN1と比較すると、聞き取れる会話のスピードや理解できる内容の難易度に差があるといえるでしょう。
一方、N2より1つレベルが下のN3は、人とのやり取りが少ない業務であれば遂行可能といわれています。N3合格者と比べると、N2合格者はビジネスシーンでも活躍しやすいでしょう

日本語能力試験N2と、N1・N3の違いが知りたい方は、「日本語能力試験N1の難易度は?外国人採用で求められる日本語レベル」「日本語能力試験N3スコアのレベルとは」のコラムも、ぜひご覧ください。

日本語能力試験N2の試験科目の詳細

日本語能力試験N2では、言語知識・読解に105分、聴解に50分の解答時間が与えられています。試験科目の詳細は以下のとおりです。

言語知識・読解

言語知識は、文字・語彙や文法、読解に関する知識が問われる試験科目です。文字・語彙は6つ、文法は3つ、読解は5つの大問から構成されています。試験で問われる内容は、以下のとおりです。

文字・語彙

文字・語彙で問われるのは、言葉の意味や漢字の読み方、派生語や複合語の知識などに関してです。ほかにも、類義語を答える問題が出されます。同じ語を含む複数の文章から、言葉が正しく使われている選択肢を選ぶ問題が出されるのも特徴です。日本語能力試験N2には言葉のニュアンスも理解していないと答えられない問題も出されるため、難易度が高いといえるでしょう。

文法

文法では、主語と述語の関係や接続詞、修飾語に関して出題されます。単語を組み替えて文章を作成したり文中に当てはまる正しい言葉を選んだりと、問われ方はさまざまです。なかには、長文を読み、前後の流れから適切な文節を選ぶ問題もあります。解答するには、正しい文法の知識に基づき文章を理解できる能力が必要でしょう。

読解

読解は、200~900字程度の文章を読んで、著者の主張を選んだり指示語が指す言葉を答えたりする試験区分です。複数の文章を読み比べ、情報を整理しなければ答えられない問題もあります。文章の種類は、ビジネス文書やエッセイ、解説文など多様です。比較的理解しやすいテーマが扱われ、難解な内容の文章はありません。

聴解

聴解では、日本語で読まれる文章を聞き、質問の正しい返答や問題に沿った情報を回答します。長めの文章を聞き、複数の情報を考慮しなければ解答できない問題も出されるのが特徴です。扱うテーマも幅広く、日常的な場面はもちろん、ビジネスシーンでのやりとりを聞き取る能力も必要とされます。

日本語能力試験N2合格者を雇用するメリット

日本語能力試験N2に合格した外国人は、基本的な日本語が身に付いています。そのため、採用後に基礎的な日本語研修を行わなくてもよいというメリットが挙げられるでしょう。以下では、日本語能力試験N2に受かった外国人を雇用するメリットを詳しく解説します。

ビジネスシーンで通用する日本語レベルが期待できる

前述したとおり、日本語能力試験N2合格者は、日常会話はもちろん、ビジネスで使用される言葉や文章、専門用語も理解しています。そのため、採用後にすぐにマニュアルを読んだり日本語の指示を理解できたりする力が見込めるでしょう。また、幅広い話題についていける日本語能力があるため、ほかの従業員や社外の人との円滑なコミュニケーションも期待できます。

採用後に基礎的な日本語研修をしなくて済む

日本語能力試験N2合格者は日常で使われる日本語が身に付いているため、あいさつや文法などの基礎的な語学研修をする必要がありません。そのため、日本語研修の準備をしたり実際に行ったりするための労力や時間を削減できます。また、研修に掛かる人件費を抑えられるのも、日本語能力試験N2合格者を雇用するメリットの一つでしょう。

日本語能力試験を採用基準の一つにする際の注意点

日本語能力試験N2を採用基準の一つにする際には、気をつけなければいけない点もあります。以下では、3つの注意点を紹介するので参考にしてください。

日本語能力試験に合格したことを確認する

「日本語能力試験に合格した」と主張する外国人の採用を検討する際は、面接時に合格者に送られる日本語能力認定書を確認しましょう。なぜなら、日本語能力試験を受けただけで、合格したと申告する人もいる恐れがあるからです。日本語能力認定書を事前に確認することで、「実は日本語能力試験に不合格で読解能力が低いと判明した」といった事態を防げるでしょう。

自社の仕事に必要な日本語レベルを把握しておく

外国人人材を確保するためには、自社の業務遂行に必要な最低限の日本語レベルを把握しておくのも重要といえます。なぜなら、日本語能力試験N1・N2の合格者は少ないうえ、さまざまな企業が求めており競争率が高いからです。単純に日本語能力が高い方が良いだろうと、N1・N2合格者のみを選ぼうとすると、人材が確保しにくくなることも考えられます。そのため、自社の仕事に必要な日本語能力を把握し、採用基準を下げた方が良い場合もあるでしょう。

面接でのやり取りも考慮して総合的に判断する

外国人を採用する際は、日本語能力試験の結果だけでなく、面接でのやりとりも考慮しましょう。なぜなら、日本語能力試験はマークシート方式のため、日本語を話す能力は測れないからです。そのため、試験には合格していても、実際に日本語を話すのには慣れていない外国人もいるでしょう。
日本語を上手に話せるかどうかは、その人の経験によって大きく異なります。たとえば、日本への留学経験がある人とない人では日本語でのコミュニケーション能力に大きな差があるでしょう。
日本語能力試験は採用基準の一つと考え、面接時のやりとりやそれまでの経歴などから総合的に判断するのがおすすめです。

まとめ

日本語能力試験は多くの外国人が受験しており、日本語のレベルを測る試験のなかでもポピュラーです。習熟度に応じてN5~N1までの5段階があり、N1の難易度が最も高く設定されています。
N2に合格するためには、日常生活で使われる日本語やビジネスシーンでの会話を理解できる能力が必要です。そのため、N2合格者を雇用すると、基礎的な日本語研修が必要なく、研修時間やコストを削減できるでしょう。
ただし、日本語能力試験の合否だけで外国人の日本語レベルを判断するのは賢明ではありません。採用後のミスマッチを防ぐためには、過去の経歴や面接でのやりとりなども考慮するのが重要といえます。