日本建築の特徴とは?歴史や有名な建物も紹介

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2022/10/03

「日本建築にはどのような特徴があるのだろう」「日本の有名な建築物が知りたい」という人も多いでしょう。日本の伝統的な建築の特徴は、畳や障子、襖などがあることです。また、木材建築も日本ならではの技法といえます。
このコラムでは、日本の建築物の特徴や有名な建築物を紹介。観光で日本を訪れた際は、ぜひ建築物にも注目してみましょう。

目次

  1. 日本の伝統的な建築物の特徴
  2. 日本の建築の歴史
  3. 日本を代表する近代建築物
  4. まとめ

日本の伝統的な建築物の特徴

ここでは、日本の伝統的な建築物の特徴を紹介します。以下で紹介する特徴は、洋室が一般的になった現在でも、受け継がれているものばかりです。

玄関で靴を脱いで室内に入る

日本の住宅では、外から帰ったら玄関で靴を脱ぎ、スリッパに履き替えてから室内に入ります。靴のまま入っても良い住宅はほとんどありません。これは、住宅の床が畳で作られていたときの名残りといえます。畳のうえを靴で歩くとと傷んでしまうため、室内では靴を脱ぐ生活様式が身に付きました。また、畳の暮らしが長かった日本には、フローリングが普及した今でも床に座る習慣が残っています。そのため、靴に付いた汚れを持ち込まないよう玄関で靴を脱ぐのです。

縁側がある

日本建築の様式で建てられた戸建てには「縁側」があります。縁側とは、窓の外側の縁(へり)を拡張して作った通路のことです。住民は縁側から室内に上がったり訪ねてきた人と歓談したりします。日本人にとって、縁側に座って庭を眺め、季節の移ろいを感じる時間は大切な憩いのひとときでした。西洋化が進んだ現在では大分少なくなりましたが、地方に行くと縁側のある家屋は残っています。

障子や襖がある

日本の伝統的な和室の窓際には、カーテンではなく「障子」があります。障子とは、木材を組んで作った骨組みに薄い障子紙を貼った引き戸のことで、室内に光を取り入れられるのが特徴です。また、和室には「襖(ふすま)」も使われます。襖は木材で作った枠に和紙や布を貼り、引き手を付けた扉のことです。障子とは異なり光を通さないため、部屋と部屋の仕切りの役割を果たします。

床が畳で作られている

日本建築に欠かせない要素が畳です。日本の伝統的な床材の一つで、元々は貴族の屋敷で使われていたのが、江戸時代中期から庶民の家屋でも用いられるようになりました。畳は「い草」を編んで作られます。い草の爽やかな香りは日本人にとって懐かしさを感じさせる香りです。フローリングが普及し、全面が畳の家屋はかなり少なくなってきました。しかし、一部屋だけ畳にしたりリビングの一角だけを畳に変えたりしている家屋は今でもあります。

木材を使って建てられている

日本の伝統的な建築物の多くは、木材を使って建てられています。日本では、古くから西洋のように石材や土で建物が作られることはあまりありませんでした。森林資源が豊富だったうえ、高温多湿という気候に吸湿性のある木材がよく合っていたためです。また、地震の多い日本では、石や土などの素材よりも、しなやかにたわんで衝撃を逃がす木材で建物を建てたほうが、崩れる可能性が低くなります。そのため、鉄筋コンクリートが普及した現在でも、日本の住宅の大半は木造で作られているのです。

日本の建築の歴史

日本の長い歴史のなかで、さまざまな建築様式が誕生しました。なかには、現代まで受け継がれている様式もあります。以下では時代ごとの建築物の特徴をまとめているので、日本の建築史の知識を深めるのに役立ててください。

縄文時代~弥生時代

日本の建築物の歴史は、縄文時代から始まります。それまで洞穴や岩陰を寝床としていた人々は、縄文時代に入ると地面を掘り下げた床に柱を建て、住居地を作りました。これを「竪穴式住居」といいます。弥生時代に入ると、地面に柱を建て高い場所に床を作る「高床式倉庫」も生まれました。地面より高い位置に床を作ることで、動物や虫に食糧が荒らされることを防いだのです。

飛鳥・奈良時代~平安時代

飛鳥・奈良時代に入ると、朝鮮半島から建築技術が伝わります。また、同時に仏教も伝来したため、それまでには見られなかった寺院建築が発達しました。人々の住居は身分によって大きく異なり、身分の高い人はしっかりとした住居に住む一方、農民はまだ竪穴住居に住んでいたようです。

貴族が栄えた平安時代には「寝殿造」という建築様式が誕生しました。寝殿造とは、儀式や客人を呼ぶ寝殿を中心とし、左右対称に家屋を繋げる豪華な屋敷のことです。

鎌倉時代~安土桃山時代

武家が栄えた鎌倉時代からは、見た目よりも実用性が重視されました。敵からの攻撃に備え、部屋と部屋を切り離した「武家屋敷」が作られます。なお、畳が誕生したのはこの鎌倉時代です。

室町時代には「書院造」が誕生します。書院造とは平安時代に栄えた寝殿造を簡素化した建築様式のことです。書院造では畳で床を敷き詰め、襖や障子で部屋を仕切っていました。日本の家屋の基本の形ができた時代といえるでしょう。安土桃山時代には、書院造をベースに本来ならば別に立てる茶室を合体させた「数寄屋造り」が誕生します。

江戸時代

長く続いた江戸時代にはさまざまな建築様式が生まれました。住宅の多様化が進み、職業や身分によって人々の住む家も大きく変わっていきます。地方の農村では茅葺屋根(かやぶきやね)の住宅が発達しました。一方、人口が密集する江戸の町では、「長屋」と呼ばれる集合賃貸住宅が一般的な住居だったようです。

明治時代~昭和時代

明治中期からは住宅の西洋化が進みます。庶民の家はまだまだ江戸時代のままでしたが、裕福な家庭では西洋風のスタイルの家屋を立てることがステータスでした。大正時代に入ると、西洋化のムーブメントはさらに加速します。

その後、日本は太平洋戦争に突入し、本土空襲によって都市部の多くの建物が焼けてしまいました。そのあとの戦後の復興期からは、鉄筋コンクリートの建築物が次々と立ち始めます。人口の増加にともない、それまでには見られなかった団地や大規模アパートが作られはじめたのもこのころです。

現代

現代の日本の建築物の特徴は、「世界最高レベルの耐震性」です。幾度となく大地震に見舞われた日本では、非常に厳しい耐震基準を設けています。建造物の倒壊を防ぐ「耐震」や揺れを抑える「制震」、揺れを建物から逃す「免震」など、現在でもさまざまな視点から地震の被害を食い止めるための技術革新が続けられているのです。

日本の歴史的建造物を地方別に外国人に向けて紹介」のコラムでは、日本の歴史的建造物を紹介しています。

日本の伝統的な建築物

日本では古い神社や寺院、城などの多くの建築が大切に保存されてきました。古い木造建築物には、釘を使わず木のみで組まれた建築手法や日本独自の意匠などの特徴が見られます。ここでは、江戸時代以前に建てられた建築物を年代順にまとめているので、古い日本建築について知識を深めてください。

法隆寺

法隆寺は607年に聖徳太子によって奈良県に建てられた建築物です。世界最古の木造建築といわれており、1993年には日本初のユネスコ世界遺産に登録されました。広大な境内には複数の木造建築が建っており、なかでも五重塔は有名です。五重塔の高さは31.5mもあり、重なっている屋根は上にいくに連れて小さくなっていきます。五重塔の柱や木の組み方は、地震の揺れを逃す構造になっているのが特徴です。

東大寺

東大寺は奈良の大仏が安置されている寺院です。743年に聖武天皇が廬舎那大仏(るしゃなだいぶつ)を作る命を下してから、長い年月をかけて作られました。大仏が安置されている大仏殿は、世界最大級の木造建築物です。境内には後世に作られた建築物も多く残っており、仁王像で有名な南大門や二月堂、法華堂があります。

厳島神社

厳島神社は広島県廿日市市の厳島にある建築物で、1996年に世界遺産に登録されました。593年に推古天皇が前身となる社殿を建て、1168年に平清盛(たいらのきよもり)の命により現在の寝殿造の神社が完成したといわれています。厳島神社で最も印象的なのは海から突き出た朱色の大鳥居で、海の上に社殿が広がっている景色は壮大です。

姫路城

兵庫県にある姫路城は、白い城壁と形状から「白鷺(シラサギ)城」の愛称で親しまれています。1346年に建てられ、1951年には国宝に、1993年には世界遺産に登録されました。一際目を引くのは、屋根が重なっている天守閣(てんしゅかく)です。姫路城の天守閣は7階建ての大天守に3つの小天守が連なっています。美しさと迫力を兼ね備えた姫路城は、国内でも一二を争う人気の城です。

熊本城

熊本県にある熊本城は、1607年に建てられた建築物で日本3名城の一つといわれています。1877年の火災や2016年の熊本大地震により天守閣が被害を受けましたが、現在は復旧され見学可能です。

熊本城は天守閣のみならず隙間なく積まれた美しい石垣でも知られています。約3割が2016年の熊本地震により崩壊や変形などの被害を受け、2022年時点では復旧中です。城全体が完全に普及するのは、2037年といわれています。

日光東照宮

栃木県にある日光東照宮には、江戸時代の初代将軍徳川家康が祀られています。1636年に3代目の将軍家光により大規模な改築が行われ、現在のかたちになりました。建築物の鮮やかな彫刻は目を見張り、なかでも目や耳、口をふさいだ3匹のサルは「見ざる、言わざる、聞かざる」の愛称で有名です。3匹のサルの姿は「余計なことや悪いことは見たり聞いたり話したりしない方が良い」という意味を表しています。

日本の有名な城を紹介!西洋との違いとは」のコラムでは、日本の建築物のなかでも城に焦点を当て、紹介しています。

日本を代表する近代建築物

明治時代以降は海外からの技術が加わり、日本の建築技術は著しく発展していきました。ここでは、日本を代表する近代建築を紹介します。

日本銀行本店

日本銀行本店は近代建築の巨匠といわれる「辰野金吾」氏によって設計され、1896年に建てられました。辰野金吾氏は建築を学ぶため欧州に留学した経験があり、日本銀行本店も西洋建築の様式が取り入れられています。日本銀行本店の特徴は、左右対称な造りのルネッサンス様式と曲線や楕円を用いたネオバロック様式の融合です。エレベーターや水洗トイレ、防火シャッターなどには当時の最新技術も使われており、明治時代を代表する建築物といえます。

東京タワー

東京タワーは内藤多仲氏が設計した電波塔で、1958年に完成しました。高さは333mで、完成当時は世界で1番高い建築物でした。333mという高さは、関東全域に電波を送るのに必要だったのに加え、東京タワー構想当時に世界一高かったパリのエッフェル塔を超える高さとして決められました。なお、東京タワーのデザインはエッフェル塔から着想を得ています。
現在、電波塔としての役目の多くはスカイツリーに移されましたが、現在でも東京のシンボルとして人々に愛されている建築物です。

スカイツリー

スカイツリーは高さ約634mの世界一高い電波塔です。世界の建造物のなかでも、ドバイのブルジュ・ハリファに次ぐ2番目の高さを誇ります。スカイツリーは五重塔からヒントを得たことにより、高い耐震・制震を叶えました。まさに日本の伝統と最新技術が融合されできた建造物といえます。スカイツリーのなかには商業施設「東京ソラマチ」や「すみだ水族館」があり、観光にもおすすめです。

国立新美術館

国立新美術館は日本近代建築の巨匠、黒川紀章氏が生前最後に手掛けた美術館です。ガラスでできた曲線の壁面はほかにはない個性的な外観をしています。ロビーから見る自然の景色は、「森の中の美術館」というコンセプトに相応しい景観です。インパクトのある外観でありながら、自然に溶け込み、訪れる人々にとって癒しの空間になっています。

新国立競技場

新国立競技場は隈研吾氏が設計したスタジアムです。2019年に完成し、2021年には東京オリンピックのメイン会場として開会式が行われました。新国立競技場は空から見ると、ゼロの形になっているのが特徴です。また、大屋根には国産の木材が使用されていたり、軒庇(のきひさし)といわれる地面に水平な屋根が見られたりするなど、日本らしさが感じられる作りをしています。

金沢21世紀美術館

2004年に建てられた金沢21世紀美術館は、円柱のガラス張りという開放的な作りが特徴です。従来の美術館のどこか閉ざされた雰囲気は一切なく、金沢の町に自然と溶け込んでいます。設計したのは妹島和世氏と西沢立衛氏による建築家ユニット「SANAA」です。美術を愛する人はもちろん、建築好きの聖地とも呼ばれ、いつでも多くの人で賑わっています。

まとめ

日本の伝統的な建築様式には、襖や畳、障子など海外にはない特徴が見られます。興味のある方は、古民家をリノベーションしたホテルやカフェなどに行くと、実際になかに入って見ることが可能です。観光に訪れた際は、ぜひ日本の有名な建築物も見学してみてください。

ライター

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生活・仕事・留学に関するお役立ち情報から、日本のディープな魅力を紹介するコラムまで、バラエティ豊かな記事をお届けします。

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