夏に日本を訪れようと考えている人のなかには「日本の夏はどれぐらい暑いのだろう」「夏におすすめの観光地が知りたい」と思っている方もいるでしょう。日本の夏は旅行に出かける人が多い季節で、北海道や長野県、沖縄県などが観光客に人気です。ただし、日本の夏は気温・湿度が高いため、出掛ける際は熱中症に注意しなければなりません。日本の夏の特徴と魅力を知って、旅行の計画を立ててみましょう。
目次
日本の夏の気候と注意すべき点
日本では6月に入ると、雨が降り続く梅雨という時期が来ます。この時期に来日する際は、傘やレインコートを常に持ち歩くのがおすすめです。7月中旬になると梅雨が終わり気温が上がります。晴れる日が多くなりますが、台風が来たり豪雨が降ったりすることもあるため、天気予報をよく確認し行動しましょう。
日本の夏は気温と湿度が高い
日本の夏は気温が高く、湿度も上がるため蒸し暑いのが特徴です。同じ気温でも湿度が高いと体感温度が上がり、過ごしにくくなります。また、体内の水分やミネラルを失って体温の調節ができなくなり、熱中症リスクが上がるので注意が必要です。熱中症になると、頭痛やめまい、吐き気などの症状が出ます。熱中症を防ぐためには、気温が高くなる正午~午後3時ごろの外出をできるだけ避けましょう。また、ほかの時間帯に外出する場合でも帽子や日傘を使用し、適度に水分を摂ることをおすすめします。
台風や豪雨にも注意が必要
夏から秋の初めにかけては、台風の接近や上陸、豪雨にも注意が必要です。日本では、台風が来ると強い雨や風の影響により、停電や交通機関の運休が起きる場合があります。また、近年、頻繁に起こっているのが、豪雨による河川の氾濫や建物の浸水などの被害です。
夏に来日した際は天気予報をチェックし、台風の発生や大雨警報が出ていないかに気をつけましょう。
春以外の日本の気候について興味がある方は「日本の気候や天気の特徴とは?各季節の注意すべきポイントも解説」のコラムもぜひご覧ください。また、台風への備え方を知りたい場合は、「日本にくる台風の名前や決め方を解説!」のコラムで詳しく解説しているので、参考にしてください。
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日本で培われた夏を涼しく乗り切るための工夫
日本では、古くから蒸し暑い夏を乗り切るための工夫がされてきました。実際に気温を下げるだけでなく、視覚や聴覚などの五感に訴える工夫があるのが特徴です。ここでは、食べ物・服装・住居に関する涼しさを感じるための工夫を紹介します。
夏が旬の食べ物や涼しげな見た目の料理を食べる
夏によく食べられる野菜には、トマトやキュウリ、スイカなどがあります。体内の余分な熱を逃す効果があるといわれており、日本人は夏に積極的に食べて凉をとってきました。
また、夏になると冷たいそうめんやざるそば、夏野菜を乗せた冷やし中華がよく食べられます。砕いた氷にシロップを掛けたかき氷や透明で涼しげな見た目のくず餅なども、日本の夏を代表する食べ物といえるでしょう。
浴衣を着てうちわや扇子で仰ぐ
日本の夏の伝統的な衣服といえば、浴衣でしょう。浴衣は湿度が高い日本の夏の気候に適した衣服です。首元は開いており袖や裾からは風が通るため、熱気を逃がせます。
また、風を起こす際に使われるのが、うちわや扇子です。場所をとらず保管できるうちわや畳んで持ち運びができる扇子は、どこでも使える便利な道具といえるでしょう。涼しい色合いのうちわや扇子は、視覚的にも涼を感じさせます。
風鈴を飾ったりすだれを立て掛けたりする
日本では、風鈴を飾ったりすだれを立て掛けたりと、住居にも涼しさを感じさせる工夫がされてきました。風鈴とは、ガラスや金属、陶器でできたつりがね型の小さな鈴です。窓辺に吊り下げておくと、風が吹いたときに短冊が揺れて鈴の音が鳴ります。日本人は、風を感じさせる風鈴の音によって、涼しさを演出してきました。
また、細い竹を糸で繋いで作ったすだれも、日よけとして窓辺に置かれます。すだれは日光は遮りますが、風は通すのが特徴です。すだれを立て掛けた家の中は、日陰ができて過ごしやすくなります。
夏に訪れてほしい!日本のおすすめ観光地
日本には夏にぜひ訪れてほしい観光地があります。ここでは、北海道・長野県・沖縄県を紹介するので、観光の計画を立てる際の参考にしてください。
雄大な自然が望める【北海道】
日本の北部に位置する北海道は、雄大な自然が望める人気の観光地です。日本最大規模のラベンダー畑が見られる富良野やユネスコの世界遺産にも登録された知床半島があります。また、旭川市にある旭山動物園は、動物の自然のままの姿を楽しめる展示がされており人気です。
北海道は夏でも最高気温が18~25度程度で、梅雨もありません。そのため、夏でも爽やかで過ごしやすいといえるでしょう。
有名な避暑地がある【長野県】
長野県には軽井沢や上高地など夏でも涼しい場所があり、多くの人が訪れます。
緑に囲まれている軽井沢は古くから人気のある避暑地です。クーラーがなくても過ごせるほど涼しく、爽やかな風が吹くホテルや貸別荘でゆったりと過ごせます。
また、アルプス山脈が望める上高地は大正池、合羽橋などの絶景があり、ハイキングに人気です。高山植物を見たい方は白馬や乗鞍高原を訪れても良いでしょう。
日本の最南端に位置する【沖縄県】
沖縄県はきれいな海で遊びたい方におすすめです。海水浴や多彩なマリンスポーツはもちろん、美ら海水族館や国際通りなどの観光も楽しめます。
また、日本のほかの地域とは異なる沖縄県独自の文化も魅力です。沖縄そばやゴーヤーチャンプルーなどを食べたりシーサーや石垣が特徴の建物も見たりするのも良いでしょう。
沖縄県の観光地や有名な食べ物については「沖縄地方の観光スポット・名物グルメまとめ!外国人向けに魅力を解説」のコラムでも紹介しています。沖縄県への旅行する際に役立ててください。
日本で行われる夏の伝統的な行事
日本では古くから夏に伝統的な行事が行われてきました。ここでは、七夕・お盆・花火大会を紹介します。
笹に飾りつけをし短冊に願いを込める【七夕】
7月7日に行われる七夕(たなばた)は、折り紙で作った飾りや願い事を書いた短冊を笹につけて星に祈る行事です。地域によっては8月初旬から中旬に行われます。
7月7日頃は、琴座のベガと鷲座のアルタイルが1年で最も良く見える時期です。それぞれの星を「織姫」と「彦星」という人物に例え、二人が再会できる日とされています。
祖先の霊を祀る【お盆】
8月13~16日に行われるお盆は祖先の霊を祀る行事で、仏壇の周辺に提灯という飾りや果物・菓子などのお供え物をするのがしきたりです。8月13日は墓地や家の玄関、庭で祖先を迎える「迎え火」を焚き、8月16日に祖先を送り出す「送り火」を焚きます。お盆の期間は家族や親戚が集まり、亡くなった人を思い出し供養するのが一般的です。
日本の夏の夜空を彩る【花火大会】
夏になると日本各地で花火大会が開催されます。ここでは、日本全国でも有名な花火大会を紹介するので、参考にしてください。
- 全国花火競技大会(大曲の花火):秋田県大仙市大曲地区で開催される100年以上の歴史がある大会で、全国でも優れた花火師による花火が上がる
- 長岡まつり大花火大会:新潟県長岡市で開かれ、約2kmに渡って花火が打ちあがる「復興祈願花火フェニックス」や直径650mもの大きさを誇る「正三尺玉」が見どころ
- 諏訪湖湖上花火大会:長野県諏訪市で行われ、例年だと約40000発の花火が上がる日本最大規模の花火大会
花火大会に行った際は、会場の近くに出されるお菓子やくじなどの夜店を見て回るのもおすすめです。
まとめ
日本の夏は気温も湿度も高いため、古くから涼しく過ごすための工夫がされてきました。来日した際は、浴衣や扇子、風鈴などの夏に使われる物をお土産として購入するのも良いでしょう。
また、日本の夏は旅行をする人が多い季節です。人気の観光地には、北海道や長野県、沖縄県などがあります。ほかにも、全国各地で行われる花火大会も見どころです。
夏に日本に来た際は、熱中症対策をしっかりとして、さまざまな場所に遊びに行ってみましょう。