日本には、新卒採用と中途採用という方式があります。
日本での就職を考えている外国人の方に向けて、両者の違いや便利なサービスなどを紹介するので、ご一読ください。
目次
新卒採用・中途採用とは
日本の採用方式は、大きく分けて新卒採用と中途採用の2種類です。
それぞれの概要と、企業にとってどのようなメリット・デメリットがあるかを解説します。
新卒採用とは?企業のメリット・デメリット
新卒採用とは、学校(専門学校、短期大学、四年制大学、大学院など)を卒業する予定の学生を、定められたスケジュールに沿って一括で採用する日本独自の採用方式です。
企業から内定を貰った学生は、学校を卒業後すぐに働くことになります。
・メリット
新卒採用は他の企業での就業経験がない人材を採用するため、自社の文化に馴染ませやすいというメリットがあります。
若い人材が入社することで先輩社員の刺激になり、組織の活性化に繋がることも。
また、一括採用のため研修のスケジュールが組みやすく、人材育成を効率良く進めることができます。
・デメリット
スケジュールを組んで一括採用できるのがメリットである反面、採用活動に多くのコストと時間を費やすことになります。
さらに新卒社員は社会人経験がないので、即戦力としての活躍を期待するよりは、長い目で見て育成しなければいけません。
その年の景気によっては人材確保が難しくなるのもネックです。
中途採用とは?企業のメリット・デメリット
中途採用は、過去に1社でも就業した経験がある人を採用することを指します。
新卒採用と違ってスケジュールは特に決められておらず、企業が必要に応じて採用活動を行う形式です。
・メリット
社会人経験がある人材が対象となっているため、入社後は即戦力として活躍してくれる可能性が高く、教育にかかる時間やコストの削減に繋がります。
また、これまでその企業にはなかった知識や発想を持ち込んでくれることも期待できます。
・デメリット
採用した人材が転職を複数回経験している場合、短期間で退職してしまう可能性も。
他社で培った経験はメリットでもありますが、あまりこだわりすぎているとかえって業務の妨げになるケースもあります。
ピックアップ記事
外国人の新卒採用と中途採用のデータ
日本で働く外国人は、新卒・中途ともに年々増加しています。
(※留学から就職が可能なものに在留資格を変更した外国人を新卒、厚生労働省に届け出があった外国人労働者を中途として解説しています)
法務省が発表したデータによると、在留資格を「留学」から就職を目的としたものに変えた外国人留学生は、平成30年の時点で22,419人。
前年の19,435人と比較すると、2,984人増えています。
また、平成30年10月末時点で厚生労働省に届け出があった外国人労働者数は1,460,463人。
事業主に外国人雇用状況の届け出を義務付けして以来過去最高を記録しており、前年の同時期よりも181,793人の増加が見られます。
人手不足やグローバル化などの事情で外国人労働者のニーズが日本で高まっているため、今後も増えていくと思われます。
参照元 法務省 - 平成29年における留学生の日本企業等への就職状況について 厚生労働省 - 「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(平成30年10月末現在)
外国人が日本で新卒採用を狙うには?
日本の企業に新卒で入社したいと考えている場合は、下記の方法があります。
大学のキャリアセンター・国際部
まずは、自分が所属している大学のキャリアセンター、または国際部に相談してみるといいでしょう。
上記でも述べたように、近年は日本での外国人労働者の需要の増加に伴い、企業が大学にアプローチをかけるケースがあります。
キャリアセンターか国際部に相談すれば、留学生に向けた求人を紹介してもらえる可能性も。
また、就職活動に何か不安があれば併せて相談し、アドバイスを受けましょう。
国際留学生協会
国際留学生協会(IFSA)は、日本に留学している外国人の生活をサポートしている非営利法人で、留学生が活躍できる求人の紹介を中心に就職支援を行っています。
外国人雇用サービスセンター
外国人雇用サービスセンターは、厚生労働省が外国人雇用対策の一環として展開しているサービスです。
東京、名古屋、大阪、福岡に拠点があり、留学生を対象としたガイダンスやインターンシップを中心に、職業紹介や面接会などの就職支援を行っています。
外国人が日本で中途採用を狙うには?
中途採用での入社を考えている場合は、以下のサービスがおすすめです。
国際留学生協会
国際留学生協会は、新卒だけでなく転職活動のサポートも対応しています。
非公開求人情報の提供や、外国人材のスカウトサイトへの登録などを実施しているので、自分に合った企業を見つけやすいでしょう。
人材紹介サービス
日本では、外国人労働者に特化した民間の人材紹介サービスも多数展開されています。
外国人のキャリアアドバイザーが常駐している場合もあるため、コミュニケーションが取りやすく、転職活動に伴う不安も軽減されるでしょう。
外国人雇用サービスセンター
外国人雇用サービスセンターも、中途採用の求人を取り扱っています。
転職者の就職面接会への参加も可能です。
新卒・転職それぞれ外国人に向けた就職支援を受けられるので、自分の希望に合ったサービスを有効に活用しましょう。