2022/07/20

外国人が日本で就職するには?必要な在留資格や求人の探し方を解説

日本で働きたい外国人の中には、「どうしたら就職できるのだろう?」と疑問や不安を抱えている方もいるでしょう。日本で仕事に就くためには、就職活動の流れや必要な在留資格について知ることが重要です。そこで、このコラムでは日本の就職活動のスケジュールや就労可能な在留資格について解説します。内定を得るコツや外国人がアピールすべきポイントも紹介しているので、参考にして就職活動をスタートしましょう。

目次

  1. 日本で就職する外国人は増えている
  2. 外国人が日本で就職するには就労可能な在留資格が必要
  3. 就職に必要な日本語レベルとビジネスマナー
  4. 日本での就職活動の特徴と流れ
  5. 日本での就職活動は外国人ならではの強みをアピール
  6. 外国人留学生が日本で求人を見つけるには?
  7. まとめ

日本で就職する外国人は増えている

日本で就職する外国人は増加傾向にあります。厚生労働省が発表した「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ」によると、日本で働いている外国人は2021年10月時点で約173万人でした。新型コロナウイルスの感染拡大による入国制限の影響を受け、増加率は下がったとはいえ、外国人雇用状況の届出が義務化された2007年以降で過去最高の外国人労働者数を更新しています。

外国人労働者が増加しているのは、日本の少子高齢化による人材不足やグローバル化の影響です。日本政府は国を挙げて外国人の受け入れを支援しているので、今後も外国人労働者数は増加していくと考えられます。企業によっては外国人向けの採用枠の拡大や環境整備を進めているところもあるので、日本での就職を考えている方は働きやすさを企業選びの基準にしてみるのも良いでしょう。

参照元
厚生労働省「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ(令和3年10月末現在)

外国人が日本で就職するには就労可能な在留資格が必要

外国人が日本で就職するには、就労が認められている在留資格が必要です。在留資格によって日本で行える活動内容や該当する職業が異なるので、就職先の企業や仕事内容に合ったものを取得しましょう。2022年6月時点で、就労可能な在留資格は以下のとおりです。
 

  • 「外交」

  • 「公用」

  • 「教授」

  • 「芸術」

  • 「宗教」

  • 「報道」

  • 「高度専門職」

  • 「経営・管理」

  • 「法律・会計業務」

  • 「医療」

  • 「研究」

  • 「教育」

  • 「技術・人文知識・国際業務」

  • 「企業内転勤」

  • 「介護」

  • 「興行」

  • 「技能」

  • 「特定技能」

  • 「技能実習」

  • 「特定活動」※活動内容によっては就労不可
     

該当する職業や日本で行える活動の詳細は、出入国在留管理庁のWebサイトにまとめられているので、在留資格を申請する際に確認しましょう。在留資格の申請は、住居地を管轄する地方出入国在留管理官署で行えます。就職先が決まったら、入社時期までに申請が必要です。

就職後の在留資格の変更申請については「日本で就職する外国人留学生必見!在留資格の変更申請について解説」でより詳しくご覧いただけます。ぜひ、ご一読ください。

参照元
出入国在留管理庁「在留資格一覧表

就職に必要な日本語レベルとビジネスマナー

日本で就職する際に必要になるのが、一定以上の日本語能力や日本独自のビジネスマナーです。ここでは、就職する際に必要とされる日本語のレベルやビジネスマナーについて紹介します。

応募する企業に応じて必要な日本語レベルは違う

外国人が日本で就職する際には、応募する企業がどれぐらいの日本語レベルの人材を求めているかを調べましょう。日本で就職する外国人の日本語レベルは「日本語能力試験(JLPT)」によって判断されます。「日本語能力試験(JLPT)」は、レベルがN1~N5の5段階に分かれており、N1が一番上位のレベルです。多くの企業はビジネス上での会話が可能になるN1または、N2レベルの日本語能力を持つ人材を希望しているといっても良いでしょう。なお、実際に日本で就職している外国人の多くは、N4以上の日本語レベルにあるといわれています。N4は日常生活で良く見聞きする内容についての文章が理解でき、ゆっくりであれば会話もできるレベルです。

実際に就職する際に必要とされる日本語のレベルは、どのような職種に応募するかによっても異なります。専門的な知識がある場合、日本語のレベルが低くても、就職できることもあるでしょう。就職を希望する企業や職種がどれぐらいの日本語能力を必要としているか調べて、自身のレベルで応募可能か確認することが重要です。

日本独自のビジネスマナーも就職に重要

日本のビジネスマナーは独特で外国人には馴染みのないものですが、身に付けることは就職には必要です。たとえば、日本では締め切りや待ち合わせの時間に1分遅れただけでも、書類を受け取ってもらえなかったり遅刻と見なされたりします。そのため、決められた時間よりも5〜10分早めに行動するのがマナーです。また、相手との立場の違いや年齢の差によって、名刺を交換する順番や会議室で座る場所なども変わります。就職活動をする際にも、面接の集合時間に間に合うように移動したり名刺を受け取ったりしなければなりません。ビジネスマナーが身に付いていないと採用試験の結果に影響するので、就職活動を行う段階から知っておく必要があります。

日本のビジネスマナーについて詳しく知りたい方は、「日本のビジネスマナーを外国人に解説!服装から人への接し方まで紹介!」や「外国人が日本の面接を受ける際のマナーとは?服装や到着時間について解説」のコラムも、ご覧ください。

日本での就職活動の特徴と流れ

日本には、「新卒採用」と「中途採用」といわれる特徴的な採用区分があります。ここでは、「新卒採用」と「中途採用」の違いや就職活動の流れをまとめているので、参考にしてください。

日本でよく聞く「新卒採用」と「中途採用」の違い

日本の企業は、新卒採用と中途採用の2つの区分に分けて採用活動を行っています。新卒採用は教育機関に在学中の学生が対象で、世界的に見ても珍しい採用方式です。就労経験がない学生を対象とするため、選考では応募者の経験や実績よりも、伸びしろやポテンシャルが重視される傾向にあります。新卒採用の求人が出される時期は、毎年3月ごろからです。採用試験に合格した学生は、卒業後すぐに内定先の企業で働くことになります。

一方、中途採用は社会人を対象にした採用方式です。1年を通して採用が行われますが、企業によっては募集を行わないこともあります。中途採用では応募者の経験や知識が問われ、即戦力になれるかどうかが合否を分ける重要なポイントです。

一般的に外国人留学生は新卒採用、そのほかの外国人は中途採用で日本での就職を目指します。どちらもビジネスマナーや身だしなみ、言葉遣いなどをチェックされるので、応募先の企業に好印象を与えられるように準備を整えましょう。

日本で就職するまでの流れ

日本で就職するには、自己分析や企業研究、応募書類の提出、採用試験の受験など多くの過程を踏まなくてはなりません。なお、新卒採用と中途採用では就職するまでの流れが異なります。中途採用は新卒採用に比べて、内定までのプロセスが短いのが特徴です。筆記試験を行う企業もありますが、多くの場合は面接のみで即戦力かどうかを見極め、採用を決めます。なお、外国人留学生でも母国での就労経験があれば中途採用の求人に応募が可能です。

ここでは自己分析や企業研究、採用試験の受験から内定までの流れを紹介するので、日本での就職活動に関して理解を深めましょう。

1.自己分析や企業研究を行う

日本の企業は自己分析がしっかりできている学生を求める傾向にあります。今までの経験や学生生活を振り返り、自分の興味がある分野や価値観、仕事に活かせる強みを確認してみましょう。自己理解が深まれば、エントリーシートや面接でのアピールがしやすくなります。外国人の場合は日本で就職したい理由を聞かれることが多いので、受け答えに困らないように回答を用意しましょう。

自己分析を終えたら、自分の能力を活かせる仕事や価値観に合った企業を見つけるために、企業分析を行います。業界や企業を多角的に研究し、「なぜ働きたいのか」と「その会社で働きたい理由」を明らかにしましょう。最初から条件を絞りすぎず、広い視野を持つことが自分に合った企業を見つけるコツです。

2.企業にエントリーする

自己分析や企業研究を終えたら、就職情報サイトや企業のWebサイトから気になる企業にエントリーしましょう。エントリーは企業に興味があるという意思表示です。企業にエントリーしたからといって、必ず応募しなくてはならないわけではありません。就職活動の雰囲気を把握するためにも、幅広い業界や企業にエントリーすることをおすすめします。なお、外国人の受け入れに積極的な企業にエントリーすることで、より就職活動を進めやすくなるでしょう。学生によってばらつきはありますが、20社以上の企業にエントリーする人が多いようです。

3.会社説明会に参加する

会社説明会とは、企業が事業内容や企業理念、将来的なビジョンなどを応募者に直接説明する機会のことです。エントリーした企業から案内が届くので、予約したうえで会社説明会に参加しましょう。1つの企業が単独で開催する説明会と、複数の企業が集まる合同説明会があります。留学生や外国人をメインターゲットにした会社説明会もあるので、企業選びの視野を広げるためにも積極的に参加するのがおすすめです。なお、会社説明会で応募書類の提出や筆記試験を行う企業もあるので、事前に案内を確認しておきましょう。

4.応募書類を提出する

説明会に参加し選考を受けたい企業が決まったら、履歴書やエントリーシートを作成して提出します。近年ではWeb上の提出フォームを使うケースが増えつつありますが、手書きのエントリーシートを求める企業もあるようです。履歴書やエントリーシートを作成する際は、以下のポイントを押さえましょう。
 

  • 外国人ならではの語学力や持っている資格について記す

  • 母国での経験は具体的に書く

  • 自分の個性や人柄が伝わるようにアピールする

  • 嘘や誇張表現を使わずに素直に自分の言葉で表現する

  • 自分の強みをどう仕事に活かせるかを提案する
     

ほかにも、企業独自の応募書類の提出を求められる場合もあります。どの応募書類でも選考で有利になるように、しっかり自分をアピールしましょう。

5.採用試験を受ける

書類審査が通過したら採用試験を受けます。業界や企業によって試験内容はさまざまですが、筆記試験や実技試験、面接などが一般的です。外国人でも日本人と同じ筆記試験を受ける場合が多いため、一定以上の日本語能力が求められます。一般常識や世界情勢に関する小論文を出題する企業もあるので、あらかじめ過去の採用試験の傾向をチェックしておきましょう。

面接は集団面接やグループディスカッション、個人面接などさまざまな形式で行われます。面接は応募先の企業に自分を直接アピールできる貴重な機会です。質問に対してスムーズに受け答えできるように、あらかじめ回答を用意したり履歴書やエントリーシートの内容を確認したりしておきましょう。面接で最も重要なのは、自分の言葉で志望動機や仕事に活かせる強みをアピールし、熱意を見せることです。また、外国人の場合「なぜ日本で働きたいと思ったか」とよく質問されるため、自分の思いを伝えられるように準備しましょう。面接官に好印象を与えられるように、万全の状態で本番に臨みむことが重要です。

6.内定通知が届く

筆記試験や面接を無事通過すれば、企業から内定・内々定が出されます。どちらもほとんど同じ意味ですが、内々定は正式な労働契約を結んでいない状態です。内定は正式な決定ではないものの、法的拘束力が発生するため、卒業後の就職が保証されます。内定通知は電話やメールで送られてくるのが一般的ですが、郵送で送られてくるケースもあるようです。なお、不採用の場合でも連絡が来ることが多いので、応募先の企業から連絡が来た際は内容もしっかり確認しましょう。

日本での就職活動については、「日本の就活の流れや必要な準備とは何か?外国人留学生に向けて解説」「面接の注意点を知りたい!転職希望の外国人に向けてマナーを解説」のコラムでも紹介しています。参考にして日本での就職活動を有利に進めましょう。

日本での就職活動は外国人ならではの強みをアピール

外国人が日本で就職を目指す際は、語学力や母国での経験をアピールしましょう。日本語や英語、そのほかの言語を話せる外国人は、外資系企業や海外との取引がある会社にとって魅力的な人材です。特に、応募者の母国と取引がある企業は、その国での経験を高く評価する傾向にあります。また、外国人は日本人と異なる文化圏で育っているため、日本の企業に新しい考え方や価値観を持ち込めるでしょう。日本という枠組みにとらわれない自由で柔軟な発想は、企業にアピールできる外国人ならではの強みです。

なお、就職活動でのアピール方法においても新卒採用と中途採用で相違点が見られます。状況に合わせ、「新卒の就職活動では自己PRが重要!外国人留学生に向けて例文も紹介」や「転職活動における自己PRの書き方とは?外国人に向けて例文を紹介」で各ポイントをご確認ください。

外国人留学生が日本で求人を見つけるには?

外国人留学生が日本での求人を探す際には、ハローワークや日本学生支援機構などの就職支援を受けることもおすすめです。ここでは、就職支援を行っている団体とその特徴を紹介します。

ハローワーク

ハローワークは「公共職業安定所」とも呼ばれており、厚生労働省が運営している機関です。職業紹介事業を行っており、外国人もハローワークで公開されている求人に応募することができます。求人案内のほかにも、応募書類の添削や就職・転職の相談などさまざまな支援を受けることが可能です。中には通訳者がいるハローワークもあるので、外国人にとって母国語で相談できると便利でしょう。

なお、東京都新宿区・愛知県名古屋市・大阪府北区・福岡県福岡市には、外国人の就職支援を行っている外国人雇用サービスセンターがあります。外国人雇用サービスセンターはハローワークと同じ求人を扱っていますが、外国人向けの求人情報を効率良く探せるようになっているのでおすすめです。また、外国人留学生にインターンシップの情報を提供しているのも特徴です。

日本学生支援機構(JASSO)

奨学金の支給を行う「独立行政法人・日本学生支援機構(JASSO)」では、外国人留学生の就職支援を行っています。外国人留学生の就職活動から在留資格変更、入社までを分かりやすくまとめた就活ガイドは必見です。冊子のほかダウンロードファイルでも入手できるので、ぜひ活用してみましょう。このほかにも、就職関連イベントや就職関連イベントの情報提供も行っています。求人サイト

外国人専用の求人サイトを見るのも効率の良い求人の探し方です。このような求人サイトは、自分が得意な言語から求人を探せたり必要な日本語のレベルで求人を絞り込めたりするので、スムーズに就職活動を進められるでしょう。

まとめ

外国人が日本で就職するには、就労可能な在留資格が必要です。内定が出たらすぐに住居地を管轄する地方出入国在留管理官署で手続きを行いましょう。日本の就職活動は新卒採用と中途採用の2種類があり、職歴の有無によって応募できる求人の範囲が異なります。

日本での就職において、外国人の語学力や国際的な視点、考え方は強みになるので、自信を持って就職活動をスタートさせ、就職を実現してください。

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