外国人が日本で就職するのは難しい?就活が難航する理由や就職率を紹介

WeXpats
2023/05/25

日本の外国人労働者数は年々増えており、帰国せずに就職する留学生も一定数います。しかしながら、外国人の受け入れ態勢が整っていない日本企業は多く、就職希望者全員が内定をもらえるとは限りません。このコラムでは、外国人の就職が難しいとされる理由や採用されやすい業界の特徴を解説します。就活中に難しいと感じるポイントや内定獲得に向けた対策も紹介するので、お悩みの方は参考にしてください。

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目次

  1. 外国人の就職が難しいとされる理由
  2. 日本企業に就職する留学生の割合
  3. 外国人が就労支援を受けるには
  4. まとめ

外国人の就職が難しいとされる理由

外国人の就職が難しいとされる理由の画像

日本政府は少子高齢化による人手不足解消に向けて外国人雇用を推進していますが、実際に受け入れ準備ができている企業は多くありません。日本人と同一の採用試験で外国人採用を行う企業も多く、日本語能力が不十分だと就職が難しい場合が多いでしょう。また、日本の就活には独特なルールが多いため、情報収集力が就職のカギを握ります。

企業が求める日本語のレベルが高い

多くの日本企業は、外国人の求職者にも日本人並みの日本語能力を求めます。日本語能力試験(JLPT)のN1・N2相当を応募条件に設定している企業も少なくありません。筆記試験では難しい表現も出てくるので、日本語能力が乏しいと選考を通過するのも一苦労です。

日本で働くには日常会話だけでなく、ビジネス会話も覚える必要があります。敬語は日本人も間違えやすく難しいため、習得するには時間が掛かるでしょう。

日本語能力試験(JLPT)N1の問題例を紹介!合格するメリットも解説」では、JLPTのN1の合格率や問題例を紹介しています。日本で就職したい方は、受験に向けて概要を理解しておきましょう。

企業側の受け入れ体制が整っていない

日本の企業が外国人労働者を受け入れるには、職場環境の改善や人事制度の見直し、業務マニュアルの翻訳などが必須です。準備のために時間もコストも掛かるので、外国人雇用に消極的な企業もあるでしょう。「前例がない」「教育できる環境がない」といった理由で、採用を見送られる場合もあるようです。外国人向けの求人を出している企業も少ないため、選考を通過して内定を得るのは難しいといえます。

就労可能な在留資格を取得しにくい

外国人が日本で働くには就労が認められた在留資格が必要です。「技術・人文知識・国際業務」「教育」「介護」など、業務内容に応じて取得すべき在留資格は異なります。

申請する在留資格とこれまでの学歴や職歴、保有資格などに関連性がないと、取得は認められません。たとえば、福祉の専門学校を卒業した人がエンジニアとして就職するために、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を得るのは不可能です。在留資格の審査は厳正に行われ、不備があった場合は不許可になることも。日本で就職を考えている外国人にとって、在留資格の取得は難しいポイントといえるでしょう。

留学生の場合は、日本で就職するために「在留資格変更許可申請」が必要です。「在留資格変更許可申請書はどのように書く?種類ごとに解説」では、申請手続きについて解説しているので、参考にしてください。

日本の就職活動の流れやルールを把握しにくい

日本の就職活動は「新卒一括採用」という方式で、各企業が足並みを揃えて求人募集や選考を始めるのが特徴です。毎年春になると各企業が一斉に求人を出したり説明会を開いたりして、翌年度に入社する新入社員の採用を行います。夏ごろには筆記試験や面接、実技といった本格的な選考がスタート。早ければ9月ごろに内定を出す企業もあるようです。このような独特なルールに上手く適応できず、就職活動に乗り遅れてしまう外国人留学生は珍しくありません。

文化の違いに慣れるのが難しい

人生における仕事の優先順位や価値観、コミュニケーションの違いが原因で、就活が難航する人もいます。日本は「空気を読む」「暗黙の了解」といった文化が浸透している国です。そのため、明確に口に出されることはなくても、周りの雰囲気から察して適切な行動を取らなければならない場面が多々あります。日本の文化になじみがない外国人にとっては難しい課題となるでしょう。

日本企業に就職する留学生の割合

日本企業に就職する留学生の割合の画像

日本学生支援機構の「2021(令和3)年度外国人留学生進路状況調査結果」によると、2021年度に卒業した留学生のうち37.7%が日本で就職しています。なお、同機関が行った「令和3年度私費外国人留学生生活実態調査」では、卒業後に日本での就職を希望する人は全体の58%でした。特に短大・専門学校以上の高等教育機関に通う留学生は日本での就職希望者が多い傾向にあります。

留学生が日本で働くには、在留期間が満了するまでに就職先を見つけなければいけません。そのため、「内定をもらえなかった」「在留資格の審査に落ちた」などの理由で、帰国を余儀なくされる場合も。日本で就職するのは難しいと感じる留学生は多く、在留資格の手続きの簡素化や制限緩和、就職活動に関する情報の充実を求める声も多いようです。

参照元
日本学生支援機構「2021(令和3)年度外国人留学生進路状況調査結果
日本学生支援機構「令和3年度私費外国人留学生生活実態調査

外国人が就労支援を受けるには

外国人が就労支援を受けるにはの画像

外国人向けの就労支援は、就職の成功率アップにつながります。就職が難しいと感じている方は、利用を検討してみましょう。なお、就労支援サービスは基本的に無料で利用できます。

日本学生支援機構(JASSO)

日本学生支援機構は留学生の就職促進のため、就活ガイドを作成したりインターンシップを案内したりしています。日本学生支援機構のWebサイトでは、就活に関する情報収集の方法や就職先が決まらなかったときの対処法も掲載。就活のスケジュール確認も可能です。
外国語で話せる労働者向けの相談窓口も紹介しているので、日本で働きたい方は一度日本学生支援機構のWebサイトに目を通しておきましょう。

東京外国人雇用サービスセンター

「外国人向けのハローワーク」ともいわれる東京外国人雇用サービスセンターは、外国人の就労支援機関の一つです。留学生・外国人労働者向けに求人情報を公開しています。外国人を雇用したい企業への情報提供も行っているため、どのような人材が求められているかも聞けるでしょう。なお、外国人向けの雇用サービスセンターは、名古屋や大阪、新宿、福岡にもあります。

民間の外国人向け就職エージェント

外国人に特化した就職エージェントに登録すると、就職の成功率が高まります。エージェント経由で紹介されるのは「外国人を採用したい企業」のため、マッチング率が高いのが魅力です。求人を一般公開していない企業もあるので、就職先の選択肢を増やしたい方は利用してみましょう。
就職エージェントは面接の日程調整や書類の添削、労働条件の交渉といった就活に関わるサポートも実施してくれます。面接についてきてくれる就職エージェントもあるので、就活が不安な方も安心です。

外国人が日本で就職しやすい業界・職種

外国人が就労支援を受けるにはの画像厚生労働省の「「外国人雇用状況」の届出状況まとめ」によると、2022年10月末時点で最も外国人労働者が多い産業は製造業です。全体の26.6%を占めており、外国人労働者も採用されやすい業界といえます。また、卸売業・小売業や宿泊業・飲食サービス業なども、外国人労働者が多い業界です。
インバウンド需要が見込まれる宿泊業や飲食サービス業、人手確保が急務とされるIT業界や医療福祉業界は、比較的外国人が就職しやすい業界・職種といえます。

介護職や建設業、宿泊業などに関する専門的な学校を卒業した人や働いた経験がある人は、特定技能人材として就職を目指すのもおすすめです。

「特定技能制度」について詳しく知りたい方は、「特定活動はどのようなビザ?就職が決まらなかった留学生も取得可能!」をチェックしてみましょう。

参照元
厚生労働省「「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和4年10月末現在)

まとめ

外国人が日本で就職するのは難しい?就活が難航する理由や就職率を紹介のまとめの画像日本は外国人雇用の準備が整っていない企業も多く、在留資格の手続きも煩雑なため、就職が難しいと感じる留学生や転職者が多いのが現状です。しかし、政府は外国人雇用に前向きな姿勢を見せているため、今後制度や手続きの改善が期待できます。就活に関する情報収集に励み、内定獲得を目指しましょう。

ライター

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生活・仕事・留学に関するお役立ち情報から、日本のディープな魅力を紹介するコラムまで、バラエティ豊かな記事をお届けします。

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