外国人留学生の長期休暇中のアルバイトのルールは?就労時間の計算方法も解説

WeXpats
2024/01/26

外国人留学生は、資格外活動許可を得れば週28時間までアルバイトできます。さらに、夏休みや冬休みといった長期休暇中であれば、1日8時間、週40時間のアルバイトが可能です。
このコラムでは、外国人留学生がアルバイトをする際の就労時間の計算方法を解説します。アルバイトに関するルールや違反した際の罰則も紹介しているので、内容を理解し不安を解消してから働き始めましょう。

目次

  1. 外国人留学生のアルバイトには資格外活動許可が必要
  2. 外国人留学生のアルバイトの就労時間について
  3. 外国人留学生がアルバイトできる時間の計算方法
  4. 外国人留学生がアルバイトする際のルール
  5. アルバイトの制限を守らないと罰則がある
  6. 就労時間のルール違反は見つかる?
  7. 外国人留学生におすすめのアルバイト
  8. まとめ
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外国人留学生のアルバイトには資格外活動許可が必要

外国人留学生のアルバイトには資格外活動許可が必要の画像

外国人留学生はアルバイトを始める前に、「資格外活動許可」を得る必要があります。「資格外活動許可」とは、在留資格に応じた活動以外を行う際に必要な許可です。
もともと、外国人留学生が持つ「留学」の在留資格では、アルバイトが認められていません。そのため、アルバイトをする際は住居地を管轄する地方出入国在留管理官署へ行き「資格外活動許可」の申請が必要になります。また、その場で在留カードを受け取れる空港から入国する場合は、入国審査時にその場で申請が可能です。

外国人留学生が「資格外活動許可」を得る条件は、「アルバイトが学業に影響しないこと」や「資格外活動の内容が適切であること」が挙げられます。
「資格外活動許可」の申請に必要な書類は、以下のとおりです。

  • 資格外活動許可申請書
  • 申請に係る活動の内容を明らかにする書類
  • 在留カード
  • パスポートもしくは在留資格証明書(提示できない場合はその理由を記載した理由書)
  • 身分を証する文書等の提示(申請取次者が申請を提出する場合)

許可が下りるまでには2週間から2ヶ月程度掛かるので、アルバイトを始める前に余裕を持って申請しましょう。
「資格外活動許可」が下りれば、在留カードの裏面下に、「許可・原則週28時間以内・風俗営業等の従事を除く」と記載されます。

参照元
出入国在留管理庁「資格外活動許可申請

外国人留学生のアルバイトの就労時間について

外国人留学生のアルバイトの就労時間についての画像

外国人留学生がアルバイトをする際は、就労時間の決まりがあります。ここでは、通常期間中と長期休暇中の就労時間について解説するので、チェックしてください。

原則週28時間まで

通常期間中に外国人留学生に認められているアルバイトは、週28時間までです。外国人留学生は、どの曜日から数えても週28時間以内になるようにシフトの希望を出さなくてはなりません。決められた就労時間を少しでも超えると「資格外活動許可違反」となるため、注意が必要です。
複数のアルバイトの掛け持ちをしたり残業を行ったりするときは、合計時間が28時間を超えないように調節しましょう。

長期休暇中は週40時間までアルバイト可能

夏休みや冬休みといった学校が定めた長期休暇中であれば、1日8時間、週40時間のアルバイトが可能です。ただし、休講やゴールデンウイークといった長期休暇ではない休みには、週40時間までというルールは適用されません。
アルバイトの掛け持ちや残業をする場合は、合計時間を週40時間内に収める必要があります。長期休暇中であっても、就労時間の決まりを超えて働いてはいけないので注意しましょう。

長期休暇中のアルバイトを検討している方には、「留学生のアルバイトは夏休み中「週40時間」まで可能!必要な許可も解説」や「外国人留学生は長期休みもアルバイトできる?時間制限がある理由も解説」のコラムもおすすめです。

参照元
出入国在留管理庁「資格外活動許可について
出入国在留管理庁「「留学」の在留資格に係る資格外活動許可について

外国人留学生がアルバイトできる時間の計算方法

外国人留学生がアルバイトできる時間の計算方法の画像

たとえば、外国人留学生が2つのアルバイトを掛け持ちしている場合、一週間に△社で14時間働くなら●社での就労は14時間以内に収めなければいけません。アルバイトを掛け持ちしているかは雇用主側では分からないので、留学生本人が計算方法を覚えて就労時間を管理しましょう。

前述したとおり、夏休みや冬休みなどの長期休暇中は1日8時間、週40時間までのアルバイトが可能です。週の途中で長期休暇に入る際は、通常期間と休み中の日数から就労できる時間を計算します。週の途中で長期休暇に入る際の、アルバイト可能な時間の計算方法は以下のとおりです。

  • 週28時間÷週7日×通常期間の日数+週40時間÷週7日×長期休暇中の日数

通常期間と長期休暇が切り替わる週は、就労時間のルールを間違って破らないように注意しましょう。なお、雇用主に長期休暇の正式な期間を聞かれたら、学校に「長期休暇に関する証明書」を発行してもらい、日にちを提示しましょう。

外国人留学生がアルバイトする際のルール

外国人留学生がアルバイトする際のルールの画像

外国人留学生は、風俗営業に該当するアルバイトはできません。また、学校卒業後のアルバイトも不可です。ここでは、外国人留学生がアルバイトする際のルールを解説します。

風俗営業に該当するアルバイトはできない

外国人留学生は、風俗営業に該当するアルバイトを禁止されています。具体的には、キャバクラやホストクラブ、スナック、パチンコ店、麻雀店、ゲームセンターなどです。これらの場所に関わる場合、チラシ配りや掃除などの業務であってもアルバイトができません。
外国人留学生はアルバイトを始める前に、禁止されている業種ではないかを確認しましょう。

学校在学中のみアルバイトできる

外国人留学生は、たとえ在留期間が残っていても学校卒業後にアルバイトはできません。なぜなら、「資格外活動許可」は在留資格に該当する活動をしながら、収入を伴う仕事をすることを認める許可だからです。学校を卒業すると「留学」という在留資格に係る活動をしなくなるため、「資格外活動許可」に基づくアルバイトもできなくなります。

なお、在学期間中でも、在留資格の更新せずに在留期限を過ぎたままアルバイトすると、不法就労に当たります。在留期限を過ぎる前に「在留期間更新許可申請」をするとともに、再び「資格外活動許可」の手続きも行いましょう。「資格外活動許可」は在留資格を更新しても自動で更新されないので、注意が必要です。

参照元
出入国在留管理庁「在留期間更新許可申請

アルバイトの制限を守らないと罰則がある

アルバイトの制限を守らないと罰則があるの画像

アルバイトの就労時間や業種のルールを守らずに働くと、外国人留学生と雇用主の両方に罰則が与えられます。ここでは、どのような罰則があるのかを解説するので、参考にして正しい知識を身に付けましょう。

外国人留学生が受ける罰則

外国人留学生が就労時間や業種のルールに違反してアルバイトを行った場合は、「不法就労」と判断されます。その結果、在留資格の更新や変更ができないだけでなく、「退去強制」を命じられることも。「退去強制」の処分を受けて帰国した外国人留学生は日本に5年間再入国できないため、留学が継続できなくなります。

雇用主が受ける罰則

外国人留学生が「不法就労」と判断された場合、雇用主は「不法就労助長罪」の罪に問われます。雇用主が「不法就労」に気が付いていなくても、3年以下の懲役または300円以下の罰金、もしくはその両方が科せられる可能性があるのです。
不法就労は、外国人留学生本人と雇用主双方にとって不幸な結果に繋がります。「知らなかった」では済まされないので、日本でアルバイトをするうえでのルールをしっかり頭に入れておきましょう。

アルバイトの規則について詳しく知りたい方は、「外国人留学生のアルバイトには時間制限がある!上限を超えた場合の罰則とは」のコラムも参考にしてみてください。

参照元
警視庁「外国人の適正雇用について
出入国在留管理庁「退去強制手続と出国命令制度
出入国在留管理庁「退去強制手続と出国命令制度Q&A

就労時間のルール違反は見つかる?

就労時間のルール違反は見つかる?の画像

外国人留学生の就労時間のルール違反は、地方出入国在留管理官署と市町村役場などで共有している情報から見抜くことが可能です。市区町村役場が発行する「納税証明書」には、外国人留学生の収入が記載されています。地方出入国在留管理官署は、外国人留学生の収入額を見て時給に対して明らかに高い場合は、就労時間の超過を疑い調査を行うのです。調査の結果、就労時間の超過が発覚すると、不法就労と判断されます。

前述したように、不法就労に当たると留学を続けられなくなる恐れがあるため、アルバイトをする際は就労時間のルールを守りましょう。

外国人留学生におすすめのアルバイト

外国人留学生におすすめのアルバイトの画像

外国人留学生におすすめなのは、接客マナーや日本語を学べるコンビニエンスストア・飲食店・ホテルでのアルバイトです。体力や語学力を生かした軽作業・外国語講師のアルバイトもおすすめといえます。

コンビニエンスストア

コンビニエンスストアは、外国人留学生におすすめのアルバイト先の一つです。24時間営業をしている店舗が多く、好きな時間にシフトを入れられるのがメリットといえます。夜勤の時間帯の時給が高いのも外国人留学生にとって嬉しいポイントでしょう。
ただし、コンビニエンスストアのアルバイトでは、レジ業務や各種サービスの説明など、少し複雑な日本語が必要とされます。そのため、ある程度日本語能力に自信がある外国人留学生におすすめです。

飲食店

飲食店のアルバイトには、カフェやレストラン、居酒屋などがあります。お客様とコミュニケーションを取る機会が多いため、接客マナーや日常会話レベルの日本語能力が身に付くでしょう。和食を中心とした飲食店では、着物を制服にしているところもあります。伝統的な服装を着れたり日本の文化を学べたりするのでおすすめです。

さらに、従業員の人数が多い飲食店であれば、同年代の友人ができる可能性があります。外国人留学生は日本でのアルバイトに不安を抱えてしまいがちですが、アルバイト先で友人ができると楽しく働けるでしょう。

ホテル

高い日本語能力がある外国人留学生には、ホテルでのアルバイトがおすすめです。ホテルのアルバイトでは、より質の高い接客や日本語スキルを学べます。また、日本人だけではなく外国人のお客様も訪れるため、母国語を活かしながら働けるでしょう。
なお、ホテルでアルバイトをした経験があると、就職活動の際に接客スキルや日本語能力をアピールできます。

軽作業

軽作業とは、工場や倉庫で行う単純作業のことです。荷物の検品や仕分け、梱包などの仕事を行います。特別なスキルや経験が必要なく、未経験でも応募しやすいのがおすすめの理由です。接客がないため、日本語能力に自信がない外国人留学生でも挑戦しやすいアルバイトといえるでしょう。
ただし、重い荷物を運んだり立ち仕事が多かったりするので、体力に自信がある人におすすめといえます。

外国語講師

外国語講師は、外国人留学生の語学力を活かせるおすすめのアルバイトです。人になにかを教えるのが好きな人に向いています。授業の流れを考えたり教材を準備したりと仕事量は多いといえますが、その分、自分の指導で生徒の語学力が向上したときは、やりがいを感じられるでしょう。
また、複数の外国人講師が在籍している場合、さまざまな国籍の友人を作れる可能性があります。

まとめ

外国人留学生は夏休みや冬休みなどの長期休暇中であれば、1日8時間、週40時間のアルバイトが可能です。この就労時間のルールを超えて働くと、外国人留学生と雇用主に罰則が与えられます。外国人留学生はアルバイトできる仕事にも決まりがあるので、ルールを理解したうえで働きましょう。

ライター

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