2020/06/08

外国人留学生が授業以外の時間にアルバイトをする方法

留学を目的に来日している外国人留学生の場合、アルバイトをするには入国管理局からの許可が必要です。
さらに、許可を得ていても働ける業種や働く時間に制限があるため、アルバイトをするなら事前に確認することが大切。
では、外国人留学生はどんな仕事ができて、どのくらい働くことができるのでしょうか。
当コラムでは、出入国在留管理局に許可を得る方法や勤務時間、働ける仕事について紹介しています。
春休みや夏休みといった長期休暇中のアルバイト事情についてもまとめているので、参考にしてください。

◆外国人留学生のアルバイトには「資格外活動の許可」が必要

外国人留学生のなかには、授業の合間にアルバイトをしている方も多いでしょう。
ですが、留学生なら誰でも自分の好きなようにアルバイトができるわけではありません。

外国人の方が留学を目的に来日した場合、在留資格は「留学」になります。
この在留資格によって働ける仕事の種類や時間が異なり、「留学」の場合は勉強を目的としているので、許可を得ない限りアルバイトをすることはできません。

「留学」の在留資格の方がアルバイトをするためには、「資格外活動の許可」が必要です。
「資格外活動の許可」とは、本人が持っている在留資格(留学生なら留学)以外の活動をするために必要となる許可。
留学や家族滞在の在留資格の場合はそもそも働くことが認められていませんし、働ける在留資格であっても、その在留資格の範囲を超えた仕事をすることはできません。
上記を破れば不法就労となり、最悪の場合は強制帰国になることもあるので、必ず許可を得る必要があります。

この「資格外活動の許可」は、出入国在留管理局で申請することができます。
資格外活動許可申請書という書類に必要事項記入し、パスポート、在留カードと一緒に出入国在留管理局や支局に提出。
申請から許可が下りるまでは、2週間~最大で2ヶ月かかることもあるので、時間に余裕を持って申請しましょう。

◆労働時間には上限がある

申請して「資格外活動の許可」を得ても、留学生の場合は働ける時間に上限があるので注意が必要です。
資格外活動の許可を得た留学生がアルバイトできるのは、原則として週28時間まで。
この「28時間」は実際に働く時間であり、シフト上の時間ではありません。
そのため、シフト上では週28時間になっていても、残業をして実際は週30時間働いた…というケースは罰則の対象になります。

また、複数のアルバイトを掛け持ちしている場合も注意。
「週28時間」は1つのアルバイトに対する時間ではなく、すべてのアルバイト時間の総計となります。
コンビニで週20時間働いて、居酒屋で週15時間働く…というケースでは上限を超えてしまうため、それぞれのアルバイトで働く時間を調整する必要があるでしょう。

ただし、この「週28時間」は通常授業の期間が対象。
夏休みや春休みなど、学則で定められた長期休暇中には上限が増え、「1日8時間・週40時間」まで働くことが可能になります。
通常期間と同様に、掛け持ちしているならすべてのアルバイト時間の総計、残業も含めた時間です。

また、この労働時間の上限は、資格外活動の許可を得ている留学生すべてが対象。
日本語学校や専門学校、大学など、学校の種類や在留期間に関わらず統一されています。

◆勤められる業種の制限にも注意

資格外活動の許可を得ている留学生は、勤務時間だけでなく働く仕事にも制限があります。
アルバイトができないのは、「風営法」に関わる仕事すべて。
キャバクラやホストクラブ、スナック、バーなどの接待飲食店、ゲームセンターやパチンコ店、麻雀店、インターネットカフェなども対象になり得ます。
さらに、接客以外の仕事も制限の対象。
清掃や調理、チラシ配りなどのアルバイトでも、風営法に関わる仕事であれば働くことができないので注意が必要です。

もし、ルールを破って風営法に関わるアルバイトをしたり、上限を超えて働いたりすると以下の罰則が科せられます。

【卒業後の進路に影響が出る】

罰則を科せられると経歴に残るため、留学先の学校を卒業したあとの進路に影響がでる可能性も。
せっかく内定を得ていたのに取り消しになったり、罰則の経歴から採用されなかったり…ということもあるので注意しましょう。

【在留申請結果に影響が出る】

前項で述べたように、資格外活動の許可を得ないでアルバイトをするのは不法就労。
また、時間の上限を超えたり、風営法に抵触するアルバイトをしたりすることも不法就労に当てはまります。
不法就労をすれば在留申請の結果に影響が出て、資格が取り消しになる可能性も。
資格が取り消しになれば長期滞在ができず、学校を卒業して日本で就職することは難しくなるでしょう。

【強制送還】

悪質性が高いと判断されれば、強制送還を命じられることも。
強制送還になると、最低でも5年間は日本に入国することができなくなります。

◆働く上で知っておきたい知識

アルバイトに関して、「外国人だから」「留学生だから」と不当な労働契約を行うケースも見受けられます。
ですが、外国人留学生であっても日本で働く以上、「労働基準法」の対象。
日本語がよくわからない、雇用者に強く言えない…などを理由にせず、自分の身を守るためにも労働基準法の基本的なルールを確認しておきましょう。

まず知っておきたいのが「最低賃金」。
外国人留学生であっても、日本人と同様に最低賃金以上の報酬を得ることができます。
地域別最低賃金か特定最低賃金の高いほうが適用されるので、自分が働く地域の最低賃金はチェックすることが大切です。

休日や休憩時間のルールも重要。
労働基準法では、1日の労働時間が6時間を越えた場合は45分以上、8時間を超えたら1時間以上の休憩が義務付けられています。
さらに、少なくとも週1日か、4週間で4日以上の休日を得るのも労働者の権利。
人手不足で休憩をもらえない…というケースも労働基準法違反になるので、自分の労働時間に対する休憩時間や休日数は把握しておきましょう。

◆外国人留学生に人気のアルバイト

最後に、外国人留学生に人気のあるアルバイトを紹介します。
資格外活動の許可をもらって、これからアルバイトを探そうと考えている方は参考にしてください。

【コンビニ】

アルバイトのなかでも人気の高いコンビニ。
日常的に使うので雰囲気が分かりやすく、接客時も難しい日本語を必要としないのが人気の理由です。
また、24時間営業なので自分の都合に合わせて働ける点もポイントでしょう。

【飲食店】

カフェやファストフード、居酒屋といった飲食店も人気のアルバイト先の1つ。
コンビニに比べてお客様と話すことが多く、日本語でコミュニケーションを取りたい方にぴったりです。
日本語だけでなく、日本式のサービスや料理について学べることも人気の要因と考えられます。

【ホテル】

高い日本語スキルが求められますが、接客スキルと時給の高さから人気があります。
近年は外国人観光客も増加しているため、語学力に自信がある方は挑戦してみましょう。

留学生の在留目的は、あくまでも「学業」です。
ただし、許可を得てアルバイトをすることで、生きた日本語を学べたり日本人の考え方を知れたりすることも。
アルバイトをする場合は上限時間に注意し、在留目的である留学を妨げない範囲で行いましょう。

監修:濵川恭一 
外国人専門の人材ビジネス会社勤務を経て、外国人のビザ専門行政書士事務所を設立。専門分野は、就労ビザ申請、外国人採用コンサルティング。著書に、「これ1冊でまるわかり!必ず成功する外国人雇用」、「実務家のための100の実践事例でわかる入管手続き」等がある。 http://svisa.net

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