「日本で就職したい!」と考えている外国人留学生に向けて、エントリーシートや面接でよく聞かれる志望動機について詳しく解説します。志望動機の書き方で重要なポイントは、細かい自己分析や企業研究です。企業が志望動機を聞く目的も理解したうえで、履歴書に記入しましょう。
目次
そもそも志望動機とは?
志望動機とは、「その会社で働きたい理由」です。定義や正しい書き方を理解し、明確な動機をつけて面接官にアピールしましょう。
志望動機の定義
志望動機とは、応募した企業で働きたい理由を明確に伝えるための項目です。企業の面接官は、志望動機から人柄や入社意欲、自社への理解度などを把握しています。自己分析や企業研究がしっかりできているか、さまざまな情報源となるのが志望動機です。書き方に説得力やまとまりがあると、より自分の魅力をアピールする武器になります。企業側から「一緒に働きたい」と思ってもらえるような志望動機を考えましょう。
志望動機を書く目的と重要性
志望動機を書く目的は、企業に「この会社を選んだ理由」を伝えて、「この会社に入社したい」という意欲をアピールすることです。面接官は「そもそもなぜ当社を選んだのか」を念頭に、自社の採用ニーズとマッチしているかを見極めていくため、志望動機の情報は最重要といえます。
志望動機を書く前に考えること
志望動機を書く前に考えることとして、留学先を日本にした理由や身に付けたスキル、今後のビジョンなどがあります。
なぜ留学先を日本にしたのか
なぜ留学先を日本にしたのか、具体的な理由を考えましょう。志望動機には、志望する前の明確な理由や経験が関わります。「日本語をマスターして、日本のベンチャー企業で活躍するため」など、留学先を日本にした理由から深掘りして考えましょう。
留学で身に付けてきたスキルは何か
留学したことで得たもの、身に着けてきたスキルは何かを考えましょう。たとえば、留学中の困難を自ら解決した出来事は、「課題解決能力」に繋がります。また、日本人との人間関係を良好に保ってきた経験は「日本人とのコミュニケーション能力」となるでしょう。日本の企業の中で、組織の一員として戦力に繋がるようなスキルがあれば、より好印象になります。
就職するうえで明確なビジョンはあるか
就職するためには、目標設定が必要です。「企業でどう活躍したいか」「将来の姿はどうなりたいか」を具体的にイメージしましょう。「留学中に学んだプログラミングの経験を活かして、日本のIT企業で管理職を目指したい」など、目指す姿が定まっていれば自然と志望動機に繋がっていき、書き方もスムーズになります。
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志望動機の書き方と例文
志望動機は業界ごとの特徴を捉えながら、自分の経験や得意分野、目標を盛り込み、論理的に書きましょう。
就職における志望動機の例文3選(業界別)
履歴書に記載する志望動機の例文を業界ごとに紹介します。
1.飲食業界の場合
(例)私の目標は、一人前の料理人になって、世界に向けて日本食の奥深さを発信することです。私は、母国のパキスタンで初めて日本食の寿司を食べました。その時、こんなに美味しくて人を幸せにする食べ物が日本にはあるんだと、感動したのを覚えています。御社は未経験でも応募できることや、外国人を積極的に募集していることを知り、自分でも挑戦できると思いました。私は細かい作業を得意としており、持ち前のチャレンジ精神が強みです。そのため、好きなことを仕事として追求しながら、強みを活かしたいと思い志望しました。
2.IT業界の場合
(例)私の夢は、エンジニアとしての技術をさらに磨き、会社を代表するようなサービスを作ることです。私は、留学中に▲年間、アプリやオンラインサービスの開発について学んできました。昔からパソコンやITに関心が高く、常に新しいことに興味があります。高校生の頃から自分でパソコンを組み立てることができ、Excelや情報セキュリティについても学んで参りました。御社の企業研究をしたところ、研修制度が充実していると知り、得意分野を活かしながら、よりスキルアップを目指せると思いました。また、留学中に寮生活で高めたコミュニケーション能力も、チームで仕事をするうえで活かせる経験と感じ、志望致しました。
3.物流業界の場合
(例)私は物流業界でキャリアを構築し、リーダーシップをとることが目標です。私は、母国の地震や災害によって、食品や日用品など、必要なモノの物資に苦労した経験があります。。その経験を通し、モノを運ぶことによって物資の供給が安定し、人々の生活が豊かになることを実現したいと考えました。私は語学に自信があり、日本語でのコミュニケーションを得意としています。組織の中で働くうえで、日本で学んだコミュニケーション能力を活かしてキャリアアップを目指したいと思い、志望致しました。
このように、「結論」が先に書かれていると何について伝えたいのかが分かりやすく、読みやすい文章です。文が長くなりすぎると、何を伝えたいのかが分からず読み手に負担がかかってしまいます。また、結論→経験→理由と話しの流れがスムーズであれば具体性が深まり、より読みやすい志望動機になるでしょう。
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志望動機の書き方のNG例
志望動機の書き方のNG例として、ネガティブな内容や短文過ぎること、今後のビジョンが書かれていないなどがあります。企業側が魅力的に感じるように、前向きで向上心のある内容にしましょう。
ネガティブな内容
ネガティブな内容は、面接官に悪印象を与えてしまうため避けましょう。「残業が多い企業が嫌だから」「会社が遠くて通勤がつらくなる会社は嫌だから」など、マイナス面が多く記載されていると不満を持ちやすい人という印象を与えてしまいます。
短文過ぎる
短文過ぎる場合も、書き方としてNGです。具体性がない文章だと「どうしてもこの会社に入社したい」という志望度の高さが伝わりません。極端に長すぎても読み手に負担をかけてしまいますが、できる限り志望動機を深掘りし、長めの文章で記載すると良いです。
就職後のビジョンが明確でない
入社後のビジョンがない志望動機もNGです。「留学中に学んだ語学力とリーダーシップを活かして、チームを統括する立場に昇格したい」など、入社後の自分をイメージを伝えましょう。
志望動機の書き方のポイント
志望動機の書き方のポイントは、主に4つあります。目標をしっかりもち、入社後の自分の目指す姿を明確に記載することが大切です。
自己分析をする
自己分析は、志望動機を書く上で必ず必要です。。自分の経験や得意分野、長所・短所などを掘り下げて、自分を客観視することで説得力のある志望動機を作ることができるでしょう。
企業研究をする
企業研究がおろそかだと「当社に興味をもっていないのでは」と面接官に判断されてしまいます。企業研究をしっかりすることで「なぜその会社を選んだのか」を明確に言葉にできるでしょう。
留学で培ってきたことを記載する
留学で培った経験は、大きなアピールポイントです。寮生活や日本でのアルバイトなどの経験の一つをとっても、自分自身の大きな成長に繋がっているかもしれません。
将来実現したいことを明確に記載する
将来実現したいことを明確に分かりやすく記載しましょう。「夢」をただ語るだけでなく、「どのように夢を実現したいのか」「実現のために、自分は何ができるのか」まで記載できるとよいでしょう。
まとめ
志望動機欄では、面接官に自分の魅力を最大限にアピールすることが重要です。また、留学を通して身に付けたスキルも大きなアピールポイントになります。語学や技術などさまざまな自分の得意分野を分析した上で、志望動機を考えましょう。