「BJTビジネス日本語能力テスト」の勉強方法は?試験内容やレベルを紹介

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2024/03/21

日本語学習者の中には、「日常会話はできるけど、敬語などのビジネス日本語が不安」という人も少なくありません。BJTビジネス日本語能力テストは、ビジネス日本語能力を測る試験です。そのため、日本で就職を希望する人に役立つ試験といえるでしょう。
このコラムでは、BJTビジネス日本語能力テストの内容や勉強方法について詳しく解説します。BJTを受験するメリットや勉強方法を理解して、試験対策に役立てましょう。

目次

  1. 「BJTビジネス日本語能力テスト」とは?
  2. 「BJTビジネス日本語能力テスト」の勉強方法
  3. 「BJTビジネス日本語能力テスト」を受験するメリット
  4. 就職やビジネスシーンで役立つ日本語の試験
  5. まとめ

「BJTビジネス日本語能力テスト」とは? 

「BJTビジネス日本語能力テスト」とは?の画像

「BJTビジネス日本語能力テスト」は、日本独自のビジネスマナーに基づいたビジネス・コミュニケーション能力を測るテストです。日本語はビジネスシーンと日常会話では、使う言葉や表現方法が違います。そのため、相手や場面によって言葉を使い分ける能力が必要です。BJTを受験することで、自分のビジネス・コミュニケーション能力のレベルを確認できます。日本企業への就職を目指している人や日本語能力をさらにアップさせたいと思っている人は、BJTに挑戦してビジネス・コミュニケーション能力を測ってみましょう。

BJTで測る能力とレベル

BJTの試験科目は、「聴解」「聴読解」「読解」で、0~800点の点数(スコア)と、点数に応じたJ5~J1+の6段階のレベルで評価されます。800点のJ1+(ジェーワンプラス)が一番高いレベルです。ここでは、BJTで測られる能力とレベルを紹介するので、参考にしてください。

スコア

レベル

能力

800点

J1+
(600~800点)

どのようなビジネス場面でも日本語による十分なコミュニケーション能カがある

700点

600点

J1
(530~599点)

幅広いビジネス場面で日本語による適切なコミュニケーション能カがある

500点

J2
(420~529点)

限られたビジネス場面で日本語による適切なコミュニケーション能力がある

400点

J3
(320~419点)

限られたビジネス場面で日本語によるある程度のコミュニケーション能力がある

300点

J4
(200~319点)

限られたビジネス場面で日本語による最低限のコミュニケーション能カがある

200点

J5
(0~199点)

日本語によるビジネスコミュニケーション能力はほとんどない

100点

BJTでは、聴解・聴読解・読解の各部門別ランクが1~7の能力値で記載されます。そのため、自分のレベルを把握しやすい試験といえるでしょう。

出題形式

BJTの出題形式は「聴解」「聴読解」「読解」のいずれの試験も、4つの選択肢の中から一つ答えを選ぶ「四肢択一」です。そのため、記述問題はありません。また、試験はテストセンターのコンピュータを使って解答する、CBT(Computer Based Testing)方式で行われます。

受験方法

受験の申し込みは、インターネットで行えます。受験会場となるテストセンターと受験日、開始時刻も選択可能です。海外から受験を希望する人は、公式Webサイトで受験会場を確認しましょう。日本で受験する場合の受験料は、税込み7000円です。なお、受験料の支払いは銀行振込またはクレジットカードで行います。

試験時間と出題内容

BJTの試験時間は、聴解50分・聴読解30分・読解40分で行われます。出題内容と問題数は、以下の通りです。

試験科目と試験時間

問題数

出題内容

聴解(50分)

35問

「場面把握問題」「発言聴解問題」「総合聴解問題」

聴読解(30分)

30問

「状況把握問題」「資料聴読解問題」「総合聴読解問題」

読解(40分)

35問

「語彙・文法問題」「表現読解問題」「総合読解問題」

BJTでは、写真を見て解答を選択したり資料を読解したりするなど、幅広い知識が求められます。自分のビジネス・コミュニケーションスキルを把握するためにも、積極的に挑戦してみましょう。

参照元
BJT公式Webサイト「BJTビジネス日本語能力テスト

「BJTビジネス日本語能力テスト」の勉強方法 

「BJTビジネス日本語能力テスト」の勉強方法の画像

ここでは、「BJTビジネス日本語能力テスト」の勉強方法について解説します。目標とするスコアを取れるように、計画的に勉強を進めましょう。

BJT公式Webサイトにあるサンプル問題を解く

BJTの公式Webサイトには、聴解・聴読解・読解のサンプル問題が掲載されています。BJTを初めて受験する人はサンプル問題に挑戦し、自分の実力とテストの形式を理解しましょう。

BJT公式の問題集を解く

BJTの公式Webサイトには、試験対策用の公式問題集が紹介されています。公式問題集は、試験の出題内容に基づいて作られているため、テストの傾向を掴めるでしょう。また、多くの問題を解くことで実力アップも期待できます。「どのように勉強を進めたらいいのか分からない」という人は、公式問題集を解いてみましょう。

ビジネス用語や表現を覚える

日本のビジネスシーンでよく使われる言葉や表現を、積極的に覚えましょう。日本語のニュースを見聞きしたりインターネットの記事を読んだりすることで、聴解力や読解力を高められます。日頃から日本語に触れ、語彙を増やす努力をしましょう。

ビジネスシーンを想定したロールプレイを行う

BJTには、実演問題やスピーキングのテストはありません。しかし、ビジネスシーンを想定したロールプレイを行うことでビジネスシーンでの会話の流れが理解しやすくなるでしょう。また、ロールプレイで得た知識やスピーキングスキルは、就職後も役立ちます。友人や社会経験のある日本人と一緒に、ロールプレイに挑戦してみましょう。

日本のドラマ・映画・動画から学ぶ

日本のドラマや映画では、日本人が使うネイティブの表現を学べます。ビジネスシーンが舞台となったドラマや映画も沢山あるので、積極的に観てみましょう。また、インターネットで動画を観るのもおすすめです。ビジネス・コミュニケーションに特化した内容の動画も多数あるので、参考にしてみてください。

ドラマでの学習方法について詳しく知りたい方は、「ドラマは日本語の勉強に役立つ!学習方法やおすすめの作品を紹介」のコラムを参考にしてください。

「BJTビジネス日本語能力テスト」を受験するメリット 

「BJTビジネス日本語能力テスト」を受験するメリットの画像

「BJTビジネス日本語能力テスト」で得たスコアによっては、在留資格の条件となる日本語能力が証明されます。ここでは、BJTを受験するメリットについて解説するので、参考にしてください。

日本での就職に役立つ

日本で就職し日本企業で働く際には、敬語をはじめとしたビジネス・コミュニケーションは欠かせません。そのため、BJTを受験しビジネス日本語能力を高めることは、就職活動や日本企業で働くうえでも大いに役立つでしょう。

出入国在留管理庁から証明基準として認められている

BJTスコアは、出入国在留管理庁から証明基準として認められています。そのため、BJTはJLPT(日本語能力試験)と同様に、履歴書や在留資格認定証明書の申請書等に明記することが可能です。

BJT300点以上

BJT300点以上でJLPTのN5以上と同じレベルと認定され、「在留資格認定証明書交付申請」に日本語能力の証明としてBJTスコアを明記できます。

BJT400点以上

BJT400点以上でJLPTのN2と同等の10ポイント、480点以上で15ポイントが「高度人材ポイント制」で付与されます。「高度人材ポイント制」は、合計ポイント数によって出入国在留管理上の優遇措置が受けられる制度で、個人の日本語能力のレベルによって付与されるポイントが異なります。出入国在留管理上の優遇措置が受けられるのは、留学生にとっても大きなメリットといえるでしょう。また、BJT480点以上はJLPTのN1と同等レベルと証明されるので、就職活動の際も日本語能力をアピールできます。

BJT480点以上

BJT480点以上はJLPTのN1と同等レベルと認められるため、「留学生の就職支援に係る『特定活動』の要件(本邦大学卒業者)」に認定されます。特定活動では指定された就労活動が可能となり、活動の幅が広がるため就職にも有利です。

合否がなく受験しやすい

BJTはスコアからレベルを6段階で評価するテストです。そのため、合格・不合格はありません。JLPTのように、級ごとに合格するまで繰り返し受験する必要がなく、一度の受験で評価が与えられます。自分の現在の実力が分かりやすく、受験しやすい試験といえるでしょう。

ビジネス用語について詳しく知りたい方は、「日本語のビジネス用語を紹介!今さら聞けない言葉の意味も解説」のコラムを参考にしてください。

就職やビジネスシーンで役立つ日本語の試験 

就職やビジネスシーンで役立つ日本語の試験の画像

ここでは、ビジネスシーンで役に立つ日本語の試験を紹介します。試験によって特徴や違いがあるので、自分の目的に合ったものを選びましょう。

日本語能力試験(JLPT)

日本語能力試験(JLPT)は、国際交流基金と日本国際教育協会によって1984年に開始された試験です。日本語を母語としない人を対象に行われる試験で、日本国内のほか海外でも実施されています。

日本語能力試験は、「言語知識」「読解」「聴解」の科目で構成されています。レベルはN1が最高レベルで、N5までの5段階評価です。N1・N2に合格することで出入国管理上の優遇措置が受けられるなど、留学や就職活動においてメリットの多い試験といえます。

標準ビジネス日本語テスト(STBJ)

応用日本語教育協会が主催する「標準ビジネス日本語テスト(STBJ)は、基礎的なビジネス日本語の能力を測る試験です。ビジネスシーンで必要とされる、目上の人に対する敬意表現やマナーを測ります。

BJ1~BJ5のレベルがあり、1000点満点のテストです。800~1000点を獲得すると最も高いレベルのBJ1を得られます。BJ1は日本語での業務が可能で、会社に訪れた取引先や来訪者への敬意表現ができるレベルです。なお、BJ1のなかでも満点に近い点数がJLPTのN1に相当します。試験は中国・ベトナム・スリランカで定期的に行われているほか、日本国内ではインハウス試験を実施しているため、日本語学校で実施する場合もあるようです。

J.TEST実用日本語検定

日本語検定協会・J.TEST事務局が主催している「J.TEST実用日本語検定」は、高度な日本語能力を測る試験です。上級者向けの「A-Cレベル試験」、中級~初級者向けの「D-Eレベル試験」、入門者向けの「F-Gレベル試験」に分かれています。

ビジネスで通用する日本語を証明するには、上級者向けの「A-Cレベル試験」を受け、JLPTのN1に相当する700点以上(準B級)の取得が必要です。700点以上でN1相当の日本語能力といわれ、900点以上のA級、930点以上の特A級は日本語がほぼネイティブレベルであることを証明できます。

TOPJ実用日本語運用能力試験

「TOPJ実用日本語運用能力試験」は、TOPJ実用日本語運用能力試験実施委員会が主催する試験です。日本語の基礎能力のほか、日本の文化・慣習への適応能力も測ります。

試験級は初級・中級・上級の3段階で、上級C~BのレベルがJLPTのN1相当です。最も高いレベルの上級Aはビジネスに十分適応でき、会議で日本人と対等に意見を交わしたり、専門用語を用いて資料作成ができたりするレベルとされています。

JLPTについて詳しく知りたい方は、「JLPT(日本語能力試験)の過去問や認定の目安をレベル別に紹介」のコラムを参考にしてください。

まとめ 

まとめの画像

BJTで高いスコアを取得しておくと、在留資格などで優遇措置を受けられます。また、採用選考時に日本語能力をアピールができるなど、就職活動にも役立つでしょう。BJTを初めて受ける人は、公式Webサイトのサンプル問題に挑戦するのをおすすめします。試験の傾向を掴んだ後は、BJTの公式問題集を解きましょう。ほかにも、日本語のドラマや映画を観たりロールプレイを行ったりなど、さまざまな勉強方法があります。自分に合った方法で、計画的に勉強を進めましょう。

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