冠婚葬祭って何のこと?外国人に向けて意味や該当する儀式を紹介

WeXpats
2023/02/03

日本で暮らす外国人のなかには、「冠婚葬祭とはどういう意味?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。また、招待されたときのマナーや服装を知りたい方もいるでしょう。冠婚葬祭の代表的な儀式は結婚式や葬式だといわれています。このコラムでは、冠婚葬祭の意味や、式に参列する際のマナーなどを詳しく解説。参列するときは参考にして準備をしましょう。

目次

  1. 冠婚葬祭とは
  2. 冠婚葬祭のマナー【結婚式編】
  3. 冠婚葬祭のマナー【葬儀・告別式編】
  4. まとめ

冠婚葬祭とは

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冠婚葬祭とは結婚式や葬式、成人式など、人生の節目に行う儀式の総称です。以下でそれぞれの漢字が持つ意味を詳しく解説します。

冠(かん)

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冠婚葬祭の「冠」は主に成人式のことを指します。古来の日本では成人を迎えることを元服(げんぷく)といい、当時は12~16歳になったときに冠(かんむり)を受け取るという儀式が行われていました。その儀式が基となり、現在でも成人式を表す漢字として「冠」が使用されています。

ほかにも、七五三や還暦、喜寿など年齢的な節目の意味で使用されることもあるようです。また、年齢に関係なく、就職や出産といった人生の節目となる祝い事を指すこともあります。

婚(こん)

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冠婚葬祭の「婚」は結婚にまつわる儀式のことです。結婚式はもちろん婚礼や披露宴、結納などが含まれます。

葬(そう)

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葬式をはじめ葬儀や通夜、告別式など、人が亡くなったときに行う儀式が「葬」に該当します。

「冠婚葬祭といえば結婚式か葬式」とイメージする日本人は多く、代表的な儀式の一つといえるでしょう。

祭(さい)

祭(さい)の画像

冠婚葬祭の「祭」は先祖を祀る行事のことです。法事や法要、お盆などを指す場合が多いですが、正月や七夕といった年中行事も「祭」に含まれます。

冠婚葬祭のマナー【結婚式編】

冠婚葬祭のマナー【結婚式編】の画像

結婚式の服装やご祝儀、招待状の返信マナーについて解説します。

参列時の服装

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結婚式に参列するときは女性はドレス、男性はスーツで参列するのが一般的です。

女性の場合、ドレスの色やデザイン選びに気を付けましょう。白は花嫁が身に付ける色なので、ほかの色を着用するのがマナーです。ただし、花嫁よりも目立つ色やデザインのドレスは避けなければいけません。黒いドレスを着るときは、アクセサリーや小物を身に付け、華やかな印象になるよう工夫しましょう。ほかにも、素足やつま先の出るサンダルは避け、外が明るい時間帯であれば肌の露出や光る素材のドレスを避けるのもマナーです。

男性が結婚式に参列するときは、礼服(ブラックスーツ)と呼ばれる無地の黒いスーツを着用しましょう。礼服はビジネススーツと比べて光沢が少なく、濃い黒色なのが特徴です。また、ジャケットにはスリットがなく、襟や袖口のステッチもありません。礼服のパンツの裾はシングル、もしくはモーニングカットのどちらかで仕上げられています。男性の礼服は結婚式と葬式どちらにも着用可能なため、一着用意しておくと安心です。

ご祝儀

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ご祝儀の金額は3~5万円が一般的です。新郎新婦との関係性や年齢、参列する際の食事や引き出物の代金などを考慮して決めましょう。祝儀袋は種類が豊富にありますが、包む金額によって適切なものが異なります。金額に合うものかどうかを十分に確認してから購入しましょう。

なお、水引が「蝶結び」になっている祝儀袋は結婚式に適していません。蝶結びは何度も結び直せることから、出産や昇進など「何度あっても嬉しい祝い事」のときに使用します。結婚式は一度きりになるよう、「結びきり」の水引が付いた祝儀袋を選びましょう。

招待状の返信

招待状の返信の画像

結婚式の招待状が届いたら2~3日以内に返信しましょう。スケジュールが分からず返信が遅れる場合は、一度その旨を電話やメールなどで連絡しておくことをおすすめします。返信が遅くなると、結婚式を行う新郎新婦に迷惑が掛かってしまうからです。

返信ハガキの記入には、黒の万年筆や毛筆(筆ペン)またはボールペンを使用しましょう。はじめに、宛名の欄に書いてある「行」に二重線を引き「様」を記入します。次に、「ご出席」「ご欠席」などすべての「ご」に二重線を引き、出席・欠席のいずれかを丸で囲んでから、自分の名前と住所を記入しましょう。最後に、新郎新婦に宛てたお祝いのメッセージを添えることも大切なマナーです。

冠婚葬祭のマナー【葬儀・告別式編】

冠婚葬祭のマナー【葬儀・告別式編】の画像

葬儀や告別式に参列する際の服装や香典などに関するマナーを解説します。参列するときは、遺族に対し失礼のない振る舞いを心掛けることが大切です。

参列時の服装

参列時の服装の画像

葬儀や告別式に参列するときは、基本的に喪服を着用します。女性の喪服は黒のワンピースまたはスーツ、それに黒のストッキングと靴、バッグを合わせましょう。身に付けるものはすべて、光沢がなくシンプルなものを選びます。アクセサリーは結婚指輪と真珠以外は外しておきましょう。髪の毛が長い場合は結びます。

男性の喪服は黒いスーツ(礼服)と黒いネクタイ、白いワイシャツ、足元は黒い靴下と靴が基本です。カフスボタンは問題ありませんが、ネクタイピンはアクセサリーに該当するので外しておきます。

なお、通夜に参列する場合は平服(ビジネススーツや普段着)が良いとされていますが、派手な色やカジュアル過ぎる服装は避けましょう。通夜に平服で参列する理由は、「訃報を聞いてから間もないはずなのに、喪服を準備しているなんて不幸を予期していたようで失礼だ」と考えられていたからです。昨今でもそのように考える日本人はいるものの、通夜は喪服・平服どちらでも問題ないと考える人も増えています。

香典

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香典は通夜・葬儀・告別式のいずれかで持参しましょう。2回以上香典を渡すのは、「不幸を繰り返す」ことを意味するため失礼に当たります。香典袋の表書きは、一般的には「御霊前」と記載されているものを選択すれば問題ありません。故人や喪家の宗派を知っている場合は、それに合う表書きを選びましょう。以下が各宗派ごとの香典の表書きです。

  • 仏式…「御香典」もしくは「御香料」
  • 神式…「御玉串料」もしくは「御榊料」
  • キリスト教式…カトリックは「御ミサ料」、プロテスタントは「御花料」

「御仏前」や「御佛前」と記載のある香典袋は、仏式において四十九日が過ぎたあとの法要に参列する際に使用します。また、蓮の花が描かれている香典袋は仏式専用なので、キリスト教式や神式では使用しないよう注意しましょう。

遺族に配慮した行動を心掛ける

遺族に配慮した行動を心掛けるの画像

葬儀や告別式に参列する際は、遺族に配慮した行動を心掛けることが大切です。会場には開始時間よりも少し早めに到着するように向かいましょう。また、式の途中で退席する予定がある場合は、あらかじめ後ろの席に座り、焼香が終わったら静かに退席します。

遺族に話し掛けるときは、低めの声で静かにお悔みの言葉を掛け、お辞儀をしてからその場を離れましょう。ほかの参列者と遺族が話す時間を確保するためにも、一人ひとりが長く話し過ぎないよう配慮が必要です。どのような言葉を掛けるべきか分からない場合は、遺族の目を見て会釈するだけでも問題ないでしょう。

葬式の基本的なマナーをさらに知りたい方は、「外国人必見!日本の葬式のマナーとは?焼香のあげ方や香典の包み方も解説」のコラムもご覧ください。

まとめ

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冠婚葬祭とは、人生において節目となる年齢や行事で行う儀式の総称です。「冠」は成人式、「婚」は結婚式、「葬」は葬式、「祭」は法事や法要の意味があります。なかでも、結婚式と葬式は冠婚葬祭の代表ともいえる儀式です。服装や参列のマナーを知って、失礼のない振る舞いを心掛けましょう。

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