外国人必見!日本の葬式のマナーとは?焼香のあげ方や香典の包み方も解説

WeXpats
2023/02/02

葬式に参列する機会は突然訪れるため、マナーが分からず困っている外国人もいるでしょう。日本の葬式はお通夜・葬儀・告別式に分けて行われるのが一般的で、それぞれ守るべきマナーがあります。このコラムでは服装の選び方や焼香のあげ方、ご遺族に言葉を掛けるときの作法など、葬式の基本的なマナーを解説。日本の葬式のマナーを身に付けて、心おきなく故人を見送りましょう。

目次

  1. 日本の葬式で押さえるべきマナー
  2. 日本の葬式の流れ
  3. 葬式後の法事に呼ばれた場合のマナー
  4. まとめ

日本の葬式で押さえるべきマナー

日本の葬式で押さえるべきマナーの画像

葬式は故人の死を悼む重要なセレモニーであり、服装選びや言葉遣い、焼香のあげ方にそれぞれマナーがあります。葬式は参列する機会が少ないイベントのため、いざというときに失敗しないよう事前にマナーを身に付けておくと安心です。

喪服や地味な服装を選ぶ

喪服を着用するのがベストですが、用意できなければ地味な色の平服、つまりフォーマルウエアを選ぶのが葬式に参列する際のマナーです。男性の場合は黒のスーツに光沢のない革靴を選びましょう。女性は黒い無地のワンピースに同じ色のストッキングと靴を身に付けます。アクセサリーは結婚指輪以外付けないのがベターですが、パールやブラックオニキスの一連ネックレス、またはイヤリングであれば問題ありません。なお、子どもの場合は学校の制服が正式礼装になります。服装選びで最も重要なのは故人への哀悼の意を示すことです。故人とご遺族に失礼のないよう、場の雰囲気に応じた服装を選びましょう。

故人の宗派に合わせて焼香をあげる

日本の葬式では、故人を弔うために宗派に合わせて焼香をあげます。焼香に対する考えや作法は宗派によって異なるので、あらかじめご遺族に確認しておくのが賢明です。基本的には左手に数珠を掛けて右手の親指と人差し指、中指で粉末状のお香をつまんで額の高さまであげ、指を下ろして香炉に粉を落とします。宗派の指定する回数を終えたら遺影に向かって手を合わせ、一礼するのが基本的な作法です。焼香する前と終わった後に、それぞれご遺族に一礼するのを忘れないようにしましょう。なお、線香で焼香をあげる際はろうそくで火を灯し、煙が出たら手であおいで消火します。遺族への一礼や遺影に手を合わせるタイミングは基本的な焼香と変わりません。

葬式に参列できないときは弔電を送る

突然の訃報で日程が合わず、葬式への参列が叶わない場合は弔電を送るのがマナーです。葬式に間に合うように前日までに弔電を手配し、喪主か故人のご遺族あてに送りましょう。弔電はご遺族に対して故人を悼み、お悔やみの気持ちを送る電報のことを指します。弔辞を送る際は、死に関する直接的な表現や不幸が続くことを連想させる忌み言葉は避けましょう。また、宗派によって死生観が異なるため「ご冥福」「成仏」といった言葉が失礼にあたることがあります。宗派に合わせた表現を心掛け、ご遺族に不快な思いをさせないように注意してください。

香典はふくさに包む

香典は、故人を供養するために焚く香の代金としてお金を包んだものです。香典は不祝儀袋(香典袋)に入れたうえでふくさに包みます。不祝儀袋の書き方は仏式・キリスト式・神式の3種類があるため、確認してから用意しましょう。

一般的に故人が親類なら10,000円、友人や知人、勤め先の同僚・上司なら5,000円が香典の目安です。故人との関係が遠いほど金額は低くなり、近いほど高くなると覚えておきましょう。なお、香典には新札を使わないのがマナーですが、ほかに使えるお札がないときは縦に折り目を付ければ使用できます。受付で香典を渡す際はお悔やみの言葉を述べ、ふくさから取り出した不祝儀袋を手渡しましょう。

忌み言葉や故人の死に直結する話題は避ける

葬式の場でご遺族やほかの参列者と会話する際、忌み言葉や生死に関する直接的な表現を使うのはマナー違反です。忌み言葉は「たびたび」「つぎつぎ」など、繰り返しや連続性を感じさせる言葉を指します。葬式の場での重ね言葉は縁起が悪く、ほかにも人が亡くなるような連想をさせるため使ってはいけません。また、故人の死因や晩年の様子を根掘り葉掘り聞くのもマナー違反です。ご遺族の気持ちを尊重し、話題や言葉選びに気を配りましょう。

日本の葬式の流れ

日本の葬式の流れの画像

日本の葬式は通夜・葬儀・告別式で構成されています。すべて故人を弔う儀式ではあるものの、それぞれ異なる目的を持つのが特徴です。葬式への参列は突然決まることが多いので、当日慌てないようにあらかじめ流れを頭に入れておきましょう。

葬式の案内状を受け取る

葬式の日程が決まり次第案内状が送られてくるため、すぐに会社に忌引き休暇を申請したり参列に必要な準備を済ませたりしましょう。案内状には通夜や告別式の日時と場所、出席できない場合の弔電や香典の送り先が記載されています。出欠確認も兼ねて返信はがきで案内状が送られてくるため、必要事項を記入して速やかに返信しましょう。なお、出欠席の前にある「御」の字を二重線で消したり、送り主の名前の下にある「行」を「様」に変えたりと返信する際の書き方にもマナーがあります。

葬式のお知らせ状に「葬儀への参列はご容赦ください」「家族葬です」などと書いてある場合は、一般の弔問客は葬式に参列できません。また、故人や遺族の意向で近親者のみで葬式を行ったあと、死亡通知状が送られてくるケースもあります。

通夜に参列する

故人を葬る前に遺族や友人、知人が集まって最後のお別れを済ませるのが通夜です。もともとは夜通し行われるセレモニーでしたが、昨今では1~3時間程度で終了します。参列者は焼香をあげ、故人の遺族が用意した通夜振る舞いの料理やお酒をたしなみ、故人との最後の会食を行うのが一般的です。かつては精進料理が出されていましたが、現代では気軽に摘まめる料理や地方の風習に習った食事が振舞われる傾向にあります。通夜の会食はあくまで故人を悼み、供養するのが目的です。大声で騒いだりデリカシーのない話題を出したりせず、マナーを守って故人との最後の夜を過ごしましょう。

葬式・告別式で故人に別れを告げる

葬式は葬儀ともいい、遺族や参列者が故人の冥福を祈る儀式です。宗教観が色濃く反映されるセレモニーのため、仏教の場合は僧侶が読経や焼香を行い、キリスト教なら聖書の朗読やお祈りをささげて死者を葬ります。葬式が行われるのは基本的には通夜の翌日、日中に1~3時間程度です。葬式を終えると出棺され火葬が行われます。一方で、告別式は宗教的な儀式を含まないセレモニーです。弔電や弔辞を読んだり、喪主が挨拶を行ったりしたあと、焼香や献花を行います。

葬式と告別式の違いは宗教的な儀式の有無です。しかし、似たような儀式のため意味を混同して使われることが珍しくありません。告別式であっても宗教的な儀式を行う場合があるので、故人の宗派に合わせたマナーを身に付けておくと安心です。

火葬した故人を骨壷に納める

火葬は基本的に遺族だけで行われる儀式です。火葬後は「収骨」を行います。収骨は長い箸を使い、二人一組で骨上げをして骨壷に収める儀式です。最初に骨壺に歯を納め、足から順番に頭まで拾い上げたのち、最後に故人と最も親しかった人が喉仏を入れます。遺族や近親者が収骨を行うのが一般的ですが、喪主の許可を得られれば一般の参列者でも骨上げが可能です。

なお、地域によっては葬式の前に火葬を行う場合もあるため、会場に到着する時間によっては最後の顔合わせができないことがあります。故人の顔を一目見たいという方は、早めに会場に着くように心掛けましょう。

葬式後の法事に呼ばれた場合のマナー

葬式後の法事に呼ばれた場合のマナーの画像

葬式に参列したあとも初七日や四十九日、一周忌などで法事・法要に呼ばれる可能性があります。基本的には葬式のマナーが分かっていれば問題ありませんが、香典の包み方や服装の選び方が異なるので注意しましょう。

初七日・四十九日のマナー

初七日から四十九日に参列する場合、服装のマナーや香典の包み方は葬式と同じです。不祝儀袋の水引は双銀、もしくは黒白の結び切りで表書きは「御霊前」と書けば問題ありません。香典の金額は故人との関係性によって決まるため、5,000~100,000円と幅があります。なお、初七日法要は葬式の際にまとめて行われることが多いです。

一周忌・三回忌のマナー

故人が亡くなってからちょうど1年の一周忌、満2年目の三回忌は略式礼服、もしくは地味な服装で参列するのがマナーです。黒、濃紺、グレーなどの服装を心掛けましょう。身に付けられるアクセサリー類は葬式で許されている範囲と同じです。

不祝儀袋の水引は黒白、もしくは双銀を使用します。関西・北陸地方の場合は黄白でも構いません。表書きは「御仏前」「御佛前」「御供物料」と書きます。香典の金額は友人や知人なら3,000~10,000円程度、近親者なら100,000円と考えておきましょう。

複雑で分かりづらい日本の冠婚葬祭についてより知識を深めたい方は、「冠婚葬祭マナーがわからない外国人へ結婚式と葬式の参列方法を解説」、「冠婚葬祭って何のこと?外国人に向けて意味や該当する儀式を紹介」のコラムを併せてご覧ください。

まとめ

まとめの画像

日本の葬式は通夜・葬儀・告別式に分かれており、それぞれ異なる目的を持って執り行われます。喪服の選び方や故人の宗派に合わせた焼香、香典の包み方など押さえるべきマナーは多いです。葬式に慣れていない外国人はこのコラムの内容を参考に、失礼なく故人を弔えるよう心掛けましょう。

ライター

WeXpats
生活・仕事・留学に関するお役立ち情報から、日本のディープな魅力を紹介するコラムまで、バラエティ豊かな記事をお届けします。

Special Features 特集

Top Articles 人気記事

Our Social Media ソーシャルメディア

日本の最新情報を9言語で定期更新しています。

  • English
  • 한국어
  • Tiếng Việt
  • မြန်မာဘာသာစကား
  • Bahasa Indonesia
  • 中文 (繁體)
  • Español
  • Português
  • ภาษาไทย
TOP/ 日本で生活する/ ライフイベント(結婚・育児・葬式)/ 外国人必見!日本の葬式のマナーとは?焼香のあげ方や香典の包み方も解説

当社のウェブサイトは、利便性及び品質の維持・向上を目的に、Cookieを使用しております。Cookieの使用に同意頂ける場合は、「同意する」ボタンを押して下さい。
なお、当社のCookie使用について詳しくはこちらをご参照下さい。

Cookie利用ポリシー