日本の定年は何歳?勤務し続けられる制度も紹介!

WeXpats
2024/04/18

定年とは、社員が一定の年齢になったことを退職の理由とする制度です。定年の年齢は企業が決められますが、60歳以上でなければいけません。日本では少子高齢化の影響で労働力不足が加速しており、人手確保のために定年の年齢が引き上げられています。
この記事では、企業規模別に定年の年齢の割合を紹介。再雇用制度や勤務延長制度といった定年後も勤務可能な制度も解説しています。

目次

  1. 定年とは
  2. 日本の定年の現状と将来像
  3. 日本の定年はなぜ延長されたのか
  4. 定年を迎えても働ける日本の制度
  5. 最高雇用年齢を決めている企業もある
  6. 日本と外国における定年制の比較
  7. まとめ
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定年とは

定年とは、企業に雇用されている人がある年齢に達したことを、退職の理由とする制度です。日本では、定年制を導入するかは企業に任されています。法律によって定年の年齢は60歳以上と決められていますが、上限はありません。
社員が定年退職する場合の日にちは、企業によって異なります。退職する日の例は以下のとおりです。

  • 定年の年齢に達した日
  • 定年の年齢に達した月の給料の締め日
  • 定年の年齢に達した月の末日
  • 定年の年齢に達した年の年度末の日

定年の年齢や退職する日は、就業規則に記載するように法律で定められています。

定年の年齢は、雇用契約書でも確認できます。雇用契約書については「雇用契約書で何を確認すべき?確認項目を日本で転職したい外国人に解説」の記事で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。

参照元
厚生労働省「モデル就業規則について

日本の定年の現状と将来像

日本では2012年に高年齢者雇用安定法が改正され、「65歳以上の雇用確保」が義務化されました。同法律の改正により、「定年の引き上げ」「定年の廃止」「継続雇用制度(再雇用制度や勤務延長制度)の導入」のいずれかを行う必要があります。

厚生労働省の「令和4年就労条件総合調査」によると、定年制を導入している企業は全体の94.4%です。ここでは、日本における定年の現状と将来像を解説します。

60歳を定年としている企業が多い

日本で定年制を導入している企業のうち一律の年齢を定めているのは96.9%で、そのなかでも72.3%が60歳を定年としています。一律定年制を定めている企業における定年の年齢と規模別の企業割合(%)をまとめた表は以下のとおりです。

社員数による企業規模

定年年齢階級

60歳

61歳

62歳

63歳

64歳

65歳

66歳以上

全体

72.3

0.3

0.7

1.5

0.1

21.1

3.5

1,000人以上

79.3

0.7

1.1

0.9

0.2

17.1

0.7

300~999人

81.7

0.5

1.1

1.9

0.4

13.8

0.2

100~299人

76.6

0.6

0.6

1.3

0.1

19.2

1.6

30~99人

69.8

0.2

0.6

1.6

22.5

4.5

一律定年制を定めている企業のうち、「65歳以上」を定年年齢と定めている企業割合は24.5%で、2005年以降で過去最高の結果でした。

将来的に70歳が定年になる可能性がある 

高年齢者雇用安定法は2020年にも改正され、70歳までの就業機会の確保を企業の努力義務とする「高年齢者就業確保措置」が追加されました。将来的に日本で少子高齢化がさらに進んで労働力が不足すれば、定年の年齢が70歳まで延長される可能性があります。

参照元
厚生労働省「高年齢者の雇用」
厚生労働省「令和4年就労条件総合調査 結果の概況」
厚生労働省「高年齢者雇用安定法の改正~70歳までの就業機会確保~

日本の定年はなぜ延長されたのか

以下では、日本の定年の年齢が延長された理由について解説します。

1.定年後も働きたい高齢者が増えたため

厚生労働省の「令和2年版厚生労働白書」では、1989年から2019年にかけて日本では65歳以上の男女の就業率が大きく増加していると発表しています。また、回答者の約4割が70歳を超えても勤務し続けたいと答えているのです。

内閣府の「令和4年度高齢者の健康に関する調査結果」によると、定年後も働いている理由は「収入がほしいから」が最も多く、全体の41.6%でした。次に「働くのは体によいから、老化を防ぐから」が20.2%、「仕事そのものが面白いから、自分の活力になるから」が17.0%という結果が出ています。「仕事を通じて友人や仲間を得ることができるから」と答えた人もおり、割合は4.0%でした。定年の延長は、就労意欲のある高齢者のニーズに合っているといえます。

2.定年と年金支給開始までの空白をなくすため

退職してから年金の支給開始年齢までの空白期間を作らないようにするのも、定年の年齢の延長をした理由の一つといえます。
日本では2013年度から年金の支給開始年齢が段階的に引き上げられており、最終的に60歳から65歳に変更される予定です。そのため、定年が60歳のままでは退職後に年金をもらえない期間が発生します。この空白期間をなくすために、男性の年金の支給開始を65歳にする2025年度までに、定年の年齢を引き上げる計画が作られたのです。なお、女性の年金の支給開始年齢が65歳になるのは、5年遅れの2030年度に予定されています。

3.少子高齢化による労働力不足のため

定年が延長された理由の一つは、少子高齢化に伴う労働力不足を補うためです。日本では15歳〜64歳までの生産年齢人口の減少が起きており、今後も働き手となる世代が少なくなると考えられています。労働力が不足し続ければ、働いている人が負担する年金や税金の額がさらに増えるでしょう。企業にとっても労働力不足は深刻な問題で、人手が足りず経営規模の縮小を余儀なくされる恐れがあります。定年を引き上げて人手が確保できれば、働き手と企業の両方に利益があるといえるでしょう。

日本で人手不足が深刻な業界に農業が挙げられます。「日本の農業は高齢化が深刻!外国人が求められる理由や働くメリットとは」の記事で詳しく解説しているので、ぜひご一読ください。

参照元
厚生労働省「令和2年版厚生労働白書」
内閣府「令和4年度高齢者の健康に関する調査結果(全体版)」
厚生労働省「いっしょに検証!公的年金~財政検証結果から読み解く年金の将来~

定年を迎えても働ける日本の制度

定年を迎えても働ける日本の制度に、再雇用制度と勤務延長制度があります。厚生労働省の「令和4年就労条件総合調査」によると、一律定年制を導入している企業のうち再雇用制度か勤務延長制度、または両方を採用している割合(%)は以下のとおりです。

企業規模

勤務延長制度・再雇用制度がある企業

勤務延長制度・再雇用制度がない企業

再雇用制度のみ

勤務延長制度のみ

両制度併用

勤務延長制度・再雇用制度がある企業

全体

63.9

10.5

19.8

94.2

5.8

1,000人以上

79.8

5.5

10.3

95.6

4.4

300~999人

76.8

5.1

13.0

94.9

5.1

100~299人

67.9

7.7

19.4

95.1

4.9

30~99人

60.9

12.0

20.9

93.8

6.2

表から分かるように、一律定年制を定めている企業のうち、勤務延長制度や再雇用制度がある企業の割合は全体の94.2%です。ここでは、再雇用制度と勤務延長制度について解説します。

再雇用制度

再雇用制度とは、定年退職後に改めて雇用契約を交わす制度です。定年に伴う再雇用の場合、退職以前の役職は失われて、契約社員やアルバイトなどの雇用形態で契約します。勤務日数や勤務時間といった労働条件は、再雇用の際に変更可能です。

一律定年制を定めている企業のうち、再雇用制度のみを導入している企業の割合は63.9%でした。

勤務延長制度

勤務延長制度とは、現在の役職や給与、仕事内容などを大きく変更せずに働き続けられる制度のことです。退職金は勤務延長の終了時に支払われます。もともと、勤務延長制度は定年退職を予定している社員の後任が見つからなかったり、該当する社員の定年退職によって経営に支障が出たりするのを防ぐ目的で作られました。

勤務延長制度のみを取り入れている企業の割合は10.5%で、再雇用制度より少ない結果でした。

最高雇用年齢を決めている企業もある

最高雇用年齢とは、企業が雇用する社員の年齢の上限のことです。再雇用制度や勤務延長制度を導入している企業は、定年年齢とは別に最高雇用年齢を定める場合があります。厚生労働省が発表した「令和4年就労条件総合調査」を参考に、最高雇用年齢の有無と定められている年齢、規模別の企業割合(%)をまとめた表は以下のとおりです。

企業規模

最高雇用年齢を定めている企業

最高雇用年齢の規定なし

最高雇用年齢

最高雇用年齢がある企業

65歳

66歳以上

全体

64.7

31.7

55.1

44.9

1,000人以上

53.4

41.0

76.4

23.6

300~999人

67.8

23.8

61.2

38.8

100~299人

64.6

34.2

55.1

44.9

30~99人

64.8

31.3

54.5

45.5

再雇用制度や勤務延長制度を導入している企業の割合は、2005年以降過去最高という結果でした。

日本と外国における定年制の比較

アメリカやカナダ、イギリスなどでは、一部の職業を除き原則として定年制を禁じています。何歳で仕事を辞めるかは社員が自分の意思で決めており、企業が年齢を理由に解雇することはできません。

定年制がある国には、ドイツやフランスが挙げられます。両国でも日本と同じように定年の年齢の引き上げ計画があり、段階的にドイツでは67歳、フランスでは64歳になる計画があります。日本以外の国でも定年の年齢延長の流れが加速しているといえるでしょう。

まとめ

高年齢者雇用安定法は2012年の改正により、「65歳以上の雇用確保」が義務化されています。また、2020年の改正では、70歳までの就業機会の確保が企業の努力義務とされました。日本では少子高齢化の影響で、人手が足りない状況が続いています。そのため、人手確保のための定年の引き上げが行われているのです。

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