ほかの大陸とつながっていない島国の日本には、1億人以上の人々が生活しています。島国である日本の人口密度が自国より高いのか、それとも低いのか気になる外国人もいるでしょう。そこで、このコラムでは世界の人口密度ランキングにおける日本順位を紹介します。日本のなかでも人口密度が高い、もしくは低い都道府県もまとめているので、気になる方はチェックしてみましょう。
目次
世界の人口密度ランキングで日本は16位
総務省統計局が発表している「世界の統計2021」によると、2019年時点での日本の人口密度は1平方キロメートルあたり338人です。人口密度の世界平均は1平方キロメートルあたり59人のため、日本は面積に対して人口が多い国だといえます。世界的に見て日本の人口がどれくらいなのか知りたい方は、以下のランキングを参考にしてください。
世界の人口密度ランキング（2019年時点）単位：（人／平方キロメートル）
1位 シンガポール 7,867
2位 バーレーン 1,906
3位 モルディブ 1,780
4位 マルタ 1,565
5位 バングラデシュ 1,122
6位 モーリシャス 640
7位 韓国 512
8位 ルワンダ 470
9位 ブルンジ 433
10位 ハイチ 417
11位 オランダ 416
12位 イスラエル 410
13位 インド 399
14位 ベルギー 375
15位 フィリピン 358
16位 日本 338
上記のランキングからも分かるように、日本は人口密度が高い国です。なお、人口が1,000万人以上の国に限定した場合、日本の人口密度は11位にランクインします。
日本の人口は減少傾向にある
日本の人口密度は世界的に見て高いものの、人口自体は減少傾向にあります。総務省統計局の「令和2年国勢調査」によると、2020年時点の日本の人口は約1億2,600万人です。日本は世界で11番目に人口が多い国で、人口密度は世界平均の5.6倍に上ります。
日本の人口は世界的に見て多いものの、増減率は人口上位20ヶ国のなかで唯一マイナスです。少子高齢化は深刻で、2010年から2020年の間に200万人以上も人口が減少しています。今後も日本の人口は減る可能性が高く、それに付随して人口密度も低くなるでしょう。
日本は地方よりも都市部のほうが人口密度が高い
日本の人口密度は主要都市やその周辺地域ほど高く、地方に行くにつれて低くなる傾向にあります。特に日本の首都である東京都は、ほかの都道府県に比べて人口密度が高いです。日本国内で人口密度に差が出る理由としては、政治や経済、文化など社会活動の基盤が東京都周辺に一極集中していることが挙げられます。都市部への人口流出によって過疎化が進んでいる地方では、人口減少を防ぐために移住支援や地域活性化に力を入れている自治体が多いようです。
参照元 総務省統計局「世界の統計2021 2-4 人口・面積」 総務省統計局「令和2年国勢調査 人口基本集計」
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日本の人口密度が高い都道府県ランキング
ここでは、日本のなかでも人口密度が高い都道府県をランキングで紹介します。人口密度が高い理由もあわせて解説するので、気になる方はチェックしてみましょう。
1位：東京都
日本で最も人口密度が高い都道府県は東京都で、1平方キロメートルあたり約6,410人です。日本の人口密度である1平方キロメートルあたり約338人と比較すると、東京都に人口が集中していることが分かります。実際に、日本全体の人口は減っているにもかかわらず、2010年から2020年にかけて東京都の人口増減率はプラスです。先述したように、日本は社会活動の基盤が東京都周辺に集中しています。そのため、日本各地から移住してくる人が多く、東京都の人口密度が高くなっているようです。
2位：大阪府
日本の人口密度が高い都道府県ランキング第2位は、大阪府です。大阪府の人口密度は1平方キロメートルあたり約4,641人と、1位の東京都に比べるとやや低め。大阪府は日本の主要都市の一つのため、ほかの都道府県から移住してくる人が多いようです。特に、九州・沖縄地方や近畿圏に住んでいる人は、東京都よりも距離が近く都市化が進んでいる大阪府に移住する傾向にあります。日本の首都である東京都ほどではないものの、主要都市である大阪府は移住してくる人が多く人口密度が高いようです。
3位：神奈川県
日本の人口密度が高い都道府県第3位は神奈川県で、1平方キロメートルあたり約3,424人です。神奈川県は東京都に隣接しているため、ベッドタウンとして人気があります。ベッドタウンとは、日本の都心で働く人々が通勤可能な範囲に建てられた住宅地がある街のことです。東京都は社会活動の基盤が集中している分、物価や賃料が高い傾向にあります。隣接する都道府県から通勤・通学する人が多いようです。特に神奈川県は東京都へのアクセスが良いため、ほかの都道府県に比べて人口密度が高くなっています。
4位：埼玉県
神奈川県と同じく東京都へのアクセスが良い埼玉県は、日本で人口密度が高い都道府県ランキング第4位です。埼玉県の人口密度は、1平方キロメートルあたり約1,934人。都心で働く人々がベッドタウンとして埼玉県を選ぶことが多いため、人口密度が高いようです。
5位：愛知県
愛知県は、日本の人口密度が高い都道府県ランキングの第5位にランクインしています。愛知県の人口密度は、1平方キロメートルあたり約1,458人です。愛知県の人口密度が高い理由として、日本の主要都市の名古屋市があることが挙げられます。愛知県は、東京都や大阪府と並んで日本の主要都市を有するため、各都道府県のなかでも人口密度が高い傾向にあるようです。
参照元 総務省統計局「令和2年国勢調査 人口基本集計」
日本の人口密度が低い都道府県ランキング
東京都や大阪府、愛知県といった主要都市があるところは人口密度が高い反面、地方の都道府県は面積に対して人口が少ないようです。ここでは、人口密度が低い都道府県とその理由をランキングにして紹介します。
1位：北海道
北海道は日本で最も人口密度が低い都道府県で、1平方キロメートルあたりの人口は約66人です。日本で8番目に人口が多い北海道の人口密度が低い理由は、大幅な人口減少と土地の広大さにあります。北海道は日本で最も土地面積が広い都道府県です。人口に対して十分な土地が確保されているため、人口密度が低くなりやすいと考えられます。また、北海道は2015年から2020年の間に約157,000人もの人口が減少している都道府県です。両方の要因が合わさった結果、北海道は人口密度が低い都道府県の1位にランクインしています。
2位：岩手県
岩手県の人口密度は1平方キロメートルあたり約79人です。北海道ほど多くはないものの岩手県も人口流出が激しく、2015年から2020年の間に69,000人ほど人口が減少しています。都心から離れた地方に位置する岩手県は、社会活動の中心が東京都周辺に集中している影響で人口流出が起きやすく、人口密度も低くなっているようです。
3位：秋田県
秋田県は岩手県に隣接する都道府県で、人口密度の低さは日本3位です。秋田県の人口密度は、1平方キロメートルあたり約82人。2015年から2020年にかけての人口減少率が最も高いのは秋田県です。人口の6.2%が減少したため、人口密度も低くなっていると考えられます。
4位：高知県
高知県は、日本列島のなかで最も小さい島である四国に位置する都道府県の一つです。人口密度は1平方キロメートルあたり約97人と低く、このランキングでは4位にランクインしています。高知県は四国のなかでも人口が少ない都道府県です。そのうえ、四国は本州とつながっておらず海を挟んでいるため、東京都や大阪府、愛知県といった主要都市を有する都道府県へのアクセスが良くありません。高知県はもともとの人口が少なく人口流出が起きやすい地方にあるため、人口密度が低いようです。
5位：島根県
人口密度が低い都道府県の第5位は島根県で、1平方キロメートルあたり約100人です。島根県の人口密度が低い理由として、人口の少なさが挙げられます。2020年時点の島根県の人口はおおよそ671,000人で、日本全国で2番目に低いです。島根県の面積に対して人口が少ないため、人口密度が低いと考えられるでしょう。
参照元 総務省統計局「令和2年国勢調査 人口基本集計」
日本の人口については「外国人に向けて日本の人口を都道府県別に紹介！人が多い／少ない県は？」や「日本の人口について外国に詳しく解説！日本で暮らす外国人のデータも紹介」のコラムでも詳しく解説しています。併せてご覧ください。
まとめ
日本の人口密度は世界16位と上位にランクインしています。しかし、日本だけに焦点をあてると人口自体は減少傾向にあることや、人口密度が高い地域と低い地域に分かれていることが分かるでしょう。日本の人口分布や地域ごとに異なる人口密度に興味がある方は、ランキング形式で比較することをおすすめします。
