日本の歴代の内閣総理大臣を紹介!役割や任期についても解説

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2023/02/09

「日本の内閣総理大臣の役割は?」「歴代の内閣総理大臣の名前を知りたい」と思う外国人もいるでしょう。内閣総理大臣は国の法律や予算を決めたり、外国首脳と交流して国同士の問題を解決したりします。ここでは、日本の内閣総理大臣の役割や任期について詳しく解説。また、日本の歴代の内閣総理大臣も紹介します。各政党の理念や政策もまとめているので、参考にして日本の政治に関する知識を深めましょう。

目次

  1. 日本の内閣総理大臣とはどのようなもの?
  2. 日本の内閣総理大臣の名前一覧
  3. 日本にある政党を5つ紹介
  4. まとめ

日本の内閣総理大臣とはどのようなもの?

日本の内閣総理大臣とはどのようなもの?の画像

日本の内閣総理大臣とは、行政を担う内閣を統制する「内閣の首長」のことです。ここでは、内閣総理大臣の役割や決め方、任期について解説します。

日本の内閣総理大臣の役割

国会議員が国会で内閣総理大臣に指名され、天皇陛下に内閣総理大臣に任命されたあとは、内閣の構成員となる国務大臣を任命して内閣を作ります。内閣総理大臣は、各省庁の国務大臣の任命権や衆議院の解散権などの権限を持っているのです。内閣を構成したら会議を開いて法律や予算を決めたり、会議で決定した内容を国会に提出したりします。さらに、政策の方針を国会で説明し、国会議員からの質問に答えるのも内閣総理大臣の役割です。日本の会議だけでなく国際会議にも参加して日本の方針を説明したり、外国首脳と協議し国同士の問題を解決したりもします。

日本の内閣総理大臣の役割は幅広いですが、一番の仕事は国民を守ることです。災害時には、自衛隊の「最高指揮監督官」として出動命令を下す必要があります。

日本の内閣総理大臣の決め方

日本の内閣総理大臣は、衆議院と参議院が国会議員のなかから指名する「首相指名選挙」によって決められます。国会議員のなかで過半数の票を得た人が内閣総理大臣に就任しますが、過半数を得た人がいない場合は1位と2位の議員の決選投票が行われるのです。そして、どちらかが指名を受けて内閣総理大臣に就きます。もし、衆議院と参議院で指名した国会議員が異なる場合は、両方の意見を一致させるために「両院協議会」を開かなくてはなりません。両院協議会でも意見が一致しないときは、選挙で国民の意見を反映する機会が多い衆議院が権限を持ちます。衆議院は任期が短いため、選挙を行う回数が多く国民の意見を反映しやすいのです。両院協議会で意見が割れた際は、衆議院から指名を受けた議員が内閣総理大臣に任命されます。

日本の内閣総理大臣の任期

日本の内閣総理大臣の任期は、憲法や法律では定められていません。ただし、内閣は衆議院の解散とともに総辞職する必要があります。衆議院議員の任期は4年なので、内閣総理大臣の任期も4年になるのです。

もし、首相指名選挙で再選した場合は内閣総理大臣を続けられます。今まで内閣総理大臣は、与党の党首のなかから選ばれてきました。そのため、「与党の党則で定められている党首の任期=内閣総理大臣の任期」が定着しています。与党の党則では「総裁の任期は3年」「続けて3期を超えて在任することはできない」と定められているのです。党首の最大任期が9年であることから、内閣総理大臣の任期も最大9年であるといえます。

日本の内閣総理大臣の名前一覧

日本の内閣総理大臣の名前一覧の画像

日本の初代内閣総理大臣は、1885年に就任した伊藤博文です。伊藤博文は44歳で内閣総理大臣に任命され、第1代・第5代・第7代・代10代の合計4回就任しました。ここでは、日本の歴代の内閣総理大臣の名前一覧を紹介します。

明治時代~大正時代

明治時代~大正時代の日本の内閣総理大臣は、以下のとおりです。

  • 伊藤博文(いとうひろぶみ)
  • 黒田清隆(くろだきよたか)
  • 山縣有朋(やまがたありとも)
  • 松方正義(まつかたまさよし)
  • 大隈重信(おおくましげのぶ)
  • 桂太郎(かつらたろう)
  • 西園寺公望(さいおんじきんもち)
  • 山本權兵衞(やまもとごんべえ)
  • 寺内正毅(てらうちまさたけ)
  • 原敬(はらたかし)
  • 高橋是清(たかはしこれきよ)
  • 加藤友三郎(かとうともさぶろう)
  • 清浦奎吾(きようらけいご)
  • 加藤高明(かとうたかあき)
  • 若槻禮次郎(わかつきれいじろう)

1885年の12月22日に内閣制度が創設され、内閣総理大臣や各省の大臣を中心に内閣を組織するようになりました。初代内閣総理大臣の伊藤博文(いとうひろぶみ)は、明治維新以降の日本を統率し近代化へ導いた人物です。歴代の日本の内閣総理大臣のなかで最も若い年齢で就任しました。

昭和時代

昭和時代の日本の内閣総理大臣は、以下のとおりです。

  • 田中義一(たなかぎいち)
  • 濱口雄幸(はまぐちおさち)
  • 犬養毅(いぬかいつよし)
  • 齋藤實(さいとうまこと)
  • 岡田啓介(おかだけいすけ)
  • 廣田弘毅(ひろたこうき)
  • 林銑十郎(はやしせんじゅろう)
  • 近衞文麿(このえふみまろ)
  • 平沼騏一郎(ひらぬまきいちろう)
  • 阿部信行(あべのぶゆき)
  • 米内光政(よないみつまさ)
  • 東條英機(とうじょうひでき)
  • 小磯國昭(こいそくにあき)
  • 鈴木貫太郎(すずきかんたろう)
  • 東久邇宮稔彦王(ひがしくにのみやなるひこおう)
  • 幣原喜重郎(しではらきじゅうろう)
  • 吉田茂(よしだしげる)
  • 片山哲(かたやまてつ)
  • 芦田均(あしだひとし)
  • 鳩山一郎(はとやまいちろう)
  • 石橋湛山(いしばしたんざん)
  • 岸信介(きしのぶすけ)
  • 池田勇人(いけだはやと)
  • 佐藤榮作(さとうえいさく)
  • 田中角榮(たなかかくえい)
  • 三木武夫(みきたけお)
  • 福田赳夫(ふくだたけお)
  • 大平正芳(おおひらまさよし)
  • 鈴木善幸(すずきぜんこう)
  • 中曽根康弘(なかそねやすひろ)
  • 竹下登(たけしたのぼる)

東久邇宮稔彦王(ひがしくにのみやなるひこおう)は、日本の内閣総理大臣のなかで最も在職日数が短く54日で退任しました。1946年に内閣総理大臣に就任した吉田茂(よしだしげる)は、戦後日本の復興の立役者として活躍した人物です。

平成時代

平成時代の日本の内閣総理大臣は、以下のとおりです。

  • 宇野宗佑(うのそうすけ) 
  • 海部俊樹(かいふとしき)
  • 宮澤喜一(みやざわきいち)
  • 細川護煕(ほそかわもりひろ)
  • 羽田孜(はたつとむ)
  • 村山富市(むらやまとみいち)
  • 橋本龍太郎(はしもとりゅうたろう)
  • 小渕恵三(おぶちけいぞう)
  • 森喜朗(もりよしろう)
  • 小泉純一郎(こいずみじゅんいちろう)
  • 安倍晋三(あべしんぞう)
  • 福田康夫(ふくだやすお)
  • 麻生太郎(あそうたろう)
  • 鳩山由紀夫(はとやまゆきお)
  • 菅直人(かんなおと)
  • 野田佳彦(のだよしひこ)

安倍晋三(あべしんぞう)元首相は、第90代・96代・97代・98代の合計4回内閣総理大臣に就任しました。日本の歴代の内閣総理大臣のなかで最も在職日数が長い3,188日を記録しています。

令和時代

令和時代の日本の内閣総理大臣は、以下のとおりです。

  • 菅義偉(すがよしひで)
  • 岸田文雄(きしだふみお)

菅義偉(すがよしひで)元首相は、2020年9月から2021年10月まで内閣総理大臣として活躍しました。その後、岸田文雄(きしだふみお)首相が第100代・101代内閣総理大臣に就任しています。

参照元
首相官邸「歴代内閣

日本にある政党を5つ紹介

日本にある政党を5つ紹介の画像

政治政策の方向性や理念が同じである政治団体を「政党」と呼びます。現代の日本の政治は、政党を中心として政治を運営する「政党政治」です。ここでは、日本にある政党を5つ紹介します。

1.自由民主党

自由民主党は、1955年に「自由党」と「日本民主党」が併合してできた政党です。日本の伝統的な価値観の維持を政治理念とする「保守政党」で、約60年以上戦後の日本の政権を担ってきました。国会議員数は、日本にある政党のなかで最も多い人数です。

2021年現在、自由民主党は日本国憲法の改正や教育における人材力の強化、新しい資本主義による経済成長を重要な政策として掲げています。特に、自由民主党が唱え続けているのは日本国憲法の第9条の改正です。第9条で「戦力を保持しない」「国の交戦権を認めない」と定められていることに対して、自衛隊が憲法違反ではない旨を明記するべきとしています。

参照元
自民党「重点政策

2.公明党

公明党は1964年の11月17日に結成され、1999年から自由民主党とともに日本の政権を担ってきました。公明党の目的は、生命・生活・生存を最大に尊重し人間の幸福を追及することです。2021年現在は、義務教育における教科書を無料で配布していますが、公明党が結成されるまでは有料でした。公明党は子育て・教育支援の元祖であり、教科書の無料配布や児童手当の実現を行っています。

公明党の2021年現在の重点政策は、税制改正や新型コロナウイルスの感染対策、子育て・教育の国家戦略としての取り組みなどです。

参照元
公明党「公明党が目指す社会/政策

3.立憲民主党

立憲民主党は、2017年の衆議院総選挙の際に分裂した旧民進党の議員たちが結成した政党です。自由と多様性を尊重し、「国際協調」を目指すことを基本理念としています。立憲民主党の基本的な考え方は、憲法に基づいて政治を行う「立憲主義」です。

立憲民主党は、ジェンダー差別の解消や現実的な外交・安全保障政策などに重点を置いています。

自衛隊の明記に対しては、日本国憲法の原則である「平和主義」に反するとして賛同していません。

参照元
立憲民主党「政策

4.国民民主党

国民民主党は、2017年の衆議院総選挙で旧民進党が分裂してできた政党です。旧民進党と旧希望の党が合流して「国民民主党」ができました。国民民主党の基本理念は、「自由」「共生」「未来への責任」です。多様な価値観が尊重される自由な社会や互いに認め合える共生社会、次世代への責任を果たす社会を目指しています。

国民民主党の主な政策は、義務教育課程の負担をなくす「教育無償化」や最低賃金を引き上げるための「中小企業支援の強化」などです。現金給付や減収補償など、新型コロナウイルスの影響を受けた人に対する経済支援も政策として掲げています。

参照元
国民民主党「国民民主党の政策

5.日本維新の会

日本維新の会は、2012年の衆議院選挙で国政進出を果たしました。もともとは、橋下徹氏を中心に結成された「大阪維新の会」が始まりです。何度か名前を変更し、2016年に「日本維新の会」と名づけられました。

日本維新の会は、国会議員の報酬・人数の削減や公務員の評価制度の見直し、選挙の投票方法の多様化などの政策を掲げています。ほかにも、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた日本経済を立て直すために、消費税を10%から5%へ引き下げることを検討しているのも特徴です。

参照元
日本維新の会「維新八策2021

まとめ

まとめの画像

日本では、内閣総理大臣が中心となり国の法律や方針を決めています。日本の内閣総理大臣は首相指名選挙によって決められ、任期は基本的に4年です。日本では、明治時代に初代内閣総理大臣に就任した伊藤博文をはじめ、多くの人物が内閣総理大臣として日本を統制してきました。歴代の内閣総理大臣が行った政策を調べてみると、より日本の政治について学べるでしょう。

日本と海外では政治家の在り方は異なる?外国人向けに分かりやすく解説!」のコラムでは日本の政治家の役割や、政治の仕組みについて詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。

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