家族滞在ビザを持つ外国人は雇用しても良い?資格外活動許可についても解説

2022年06月24日
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濵川恭一 (監修)
外国人専門の人材ビジネス会社勤務を経て、外国人のビザ専門行政書士事務所を設立。専門分野は、就労ビザ申請、外国人採用コンサルティング。著書に、「これ1冊でまるわかり!必ず成功する外国人雇用」、「実務家のための100の実践事例でわかる入管手続き」等がある。 http://svisa.net

家族滞在ビザを持つ外国人を雇用して良いのか、不安に思う採用担当者の方もいるでしょう。家族滞在ビザを持つ外国人であっても、資格外活動許可を得ていれば定められた範囲内でアルバイトができます。このコラムでは、家族滞在ビザや資格外活動許可の概要を解説。資格外活動許可の有無の確認方法も紹介しているので、内容を参考にして適切に外国人を雇用しましょう。


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目次

  1. 家族滞在ビザとは?
  2. 家族滞在ビザでも資格外活動許可を得れば就労できる
  3. 家族滞在ビザを持つ外国人が資格外活動許可を得る流れ
  4. 家族滞在ビザからほかのビザへ変更できる可能性もある
  5. まとめ

家族滞在ビザとは?

家族滞在ビザとは在留資格「家族滞在」のことです。ここでは、家族滞在ビザの概要や対象になる外国人について解説します。

在留資格「家族滞在」のこと

家族滞在ビザとは、在留資格「家族滞在」の俗称です。本来、ビザとは外国人が日本に入国する際に必要な査証を指します。しかし、日本では在留資格のことをビザと呼ぶ人も多くいるのです。そのため、このコラムでも在留資格「家族滞在」=家族滞在ビザとして説明します。

家族滞在ビザの対象となる外国人

家族滞在ビザの対象になるのは、以下の在留資格を持つ外国人に扶養される配偶者や子どもです。養子も対象となりますが、親や親族は対象とはなりません。

教授/芸術/宗教/報道/高度専門職/経営・管理/法律・会計業務/医療/研究/教育/技術・人文知識・国際業務/企業内転勤/介護/興行/技能/留学

以上の在留資格を持つ外国人の配偶者や子どもが家族滞在ビザを得るには、扶養者に一定の収入があることが求められます。また、配偶者や子どもが扶養者を経済的に頼っている状態でなければ、家族滞在ビザは許可されません。

家族滞在ビザの在留期限は、法務大臣が5年を超えない範囲で個々に決定します。在留期限後も日本で暮らすことを望む場合は「在留期間更新許可申請」を行い、許可されれば引き続き日本での在留が可能です。ただし、家族滞在ビザは配偶者や子どもが扶養者と暮らすために付与されているので、扶養者である外国人が在留資格を失った場合、家族滞在ビザで日本に在留し続けることはできません。

家族滞在ビザについては「「家族滞在」の在留資格で就労は可能?外国人を雇用する企業に向けて解説」のコラムも参考にしてください。

参照元

出入国在留管理庁「家族滞在

出入国在留管理庁「在留資格一覧

家族滞在ビザでも資格外活動許可を得れば就労できる

家族滞在ビザでは本来、仕事に就くことはできません。しかし、資格外活動許可を得れば定められた範囲内での就労が可能です。企業が家族滞在ビザを持つ外国人を雇用する場合は、資格外活動許可を得ているかを確認してからにしましょう。

資格外活動許可とは

資格外活動許可とは、外国人が有している在留資格外の活動をする際に必要な手続きのことです。家族滞在ビザは収入を得る活動が許可されていないため、日本で仕事に就けば不法就労になります。しかし、資格外活動許可を得ていれば、週に28時間以内のアルバイトが可能です。家族滞在ビザを持つ外国人が得る資格外活動許可は「包括的許可」に該当し、働く場所や業務内容に制限はありません。後述する禁止されている仕事以外であれば、アルバイト先を自由に選べます。

家族滞在ビザを持つ外国人をアルバイト雇用する際は、在留カードをよく確認しましょう。家族滞在ビザを持つ外国人の在留カード表面には、「就労不可」と書かれています。しかし、裏面の資格外活動許可欄に「許可:原則週28時間以内・風俗営業等の従事を除く」とあれば、雇用しても問題ありません。もし、資格外活動許可欄が空欄だった場合は資格外活動許可の手続きを促し、完了してから雇用しましょう。

資格外活動許可を得ても禁止されている仕事

資格外活動許可を得ていたとしても、風俗営業に関係するアルバイトは禁止です。具体的に禁止されている活動は以下のとおりです。

以下の営業所にて行う活動

・風俗営業

・店舗型風俗営業

以下の事業に従事して行う活動

・無店舗型性風俗特殊営業

・映像送信型性風俗特殊営業

・店舗型電話異性紹介営業

・無店舗型電話異性紹介事業

パチンコ店やゲームセンターなどは時給が比較的高く人気のアルバイト先です。しかし、風俗営業に該当するので外国人は働いてはいけません。

外国人が資格外活動許可違反をした際の罰則

家族滞在ビザを持つ外国人が資格外活動許可を得ずに就労した場合は、入管法第19条1項に違反したとして罰せられます。罰則の内容は「1年以下の懲役か禁固もしくは200万円以下の罰金、もしくはこれらの併科」です。悪質な場合はさらに重い刑罰となり、「3年以下の懲役か禁固もしくは300万円以下の罰金、もしくはこれらの併科」に処されます。また、行政処分として退去強制になったり家族滞在ビザを更新できなくなったりする可能性もあります。

処分を受けるのは外国人本人だけではありません。資格外活動許可のない家族滞在ビザを持つ外国人を雇用した企業は、「不法就労助長罪」で罰せられます。不法就労助長罪の罰則は「3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、もしくはこれらの併科」です。

資格外活動許可については、「資格外活動許可とは?申請方法や注意点を外国人を雇用する企業に向けて解説」のコラムも参考にしてください。

参照元

出入国在留管理庁「資格外活動許可について

e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)

家族滞在ビザを持つ外国人が資格外活動許可を得る流れ

家族滞在ビザを持つ外国人が資格外活動許可を得るには、最寄りの出入国在留管理局で「資格外活動許可申請」を行います。資格外活動許可申請は、外国人が自ら行うのが一般的です。ただし、外国人から依頼を受けた弁護士・行政書士などの申請取次者が行うこともできます。資格外活動許可申請の流れは以下のとおりです。

  1. 資格外活動許可申請書を出入国在留管理庁のWebサイトからダウンロードし、必要事項を記入する

  2. 資格外活動許可申請書・在留カード・旅券もしくは在留資格証明書を持ち、住居地を管轄する地方出入国在留局で手続きをする

  3. 審査結果が出るのを待つ(2週間~2ヶ月程度)

  4. 連絡が来たら出頭し、在留カードに資格外活動許可のスタンプを押してもらう

外国人が資格外活動許可を初めて受けると、在留カード裏面の資格外活動許可欄に「許可:原則週28時間以内・風俗営業等の従事を除く」といった内容のスタンプが押される仕組みです。在留資格を更新する際に資格外活動許可も更新すると、許可の文言が直接印刷された新しい在留カードが発行されます。

参照元

出入国在留管理庁「資格外活動許可申請

家族滞在ビザからほかのビザへ変更できる可能性もある

家族滞在ビザを持つ外国人が多くの収入を得たい場合は、ほかの就労可能なビザに変更する方法があります。就労が許可されているビザには働く時間に制限はありません。ビザで認められている活動内容であればフルタイムで働けます。ただし、希望すれば誰でも就労ビザに変更できるわけではありません。就労ビザを得るには、行おうとする活動とビザが適合していることをはじめ、相応しい学歴や実務経験、資格なども必要です。

家族滞在ビザからの変更で考えられるのは、「技術・人文知識・国際業務」「技能」「永住」などのビザでしょう。「技術・人文知識・国際業務」ビザの、人文知識カテゴリーを例に挙げると、取得には日本の大学や専門学校を卒業していること、もしくは10年以上の実務経験が必要です。

就労ビザについてさらに詳しく知りたい方は「外国人の就労ビザとは?種類や有効期間、申請方法を解説」のコラムも参考にしてください。

まとめ

家族滞在ビザは、日本で就労している外国人に扶養される配偶者や子どもに付与されます。本来、家族滞在ビザを持つ外国人は就労できません。しかし、資格外活動許可を得ていれば週28時間以内のアルバイトが可能です。家族滞在ビザを持つ外国人を面接する企業は、在留カード裏面の資格外活動許可欄を確認してから、採用の判断をしましょう。