日本で病気になったらどうする?外国人向け医療ガイド

WeXpats
2023/02/03

いくら健康に気を付けていても、体調を崩したり怪我をしたりするのは避けられません。医療制度は国によって異なるため、いざ不調を感じても外国の病院にかかるのは不安という方もいるでしょう。
このコラムでは、日本で病気になったらどうすべきなのかを外国人に向けて解説します。内容を参考にして、いざというときに慌てないようにしましょう。

目次

  1. 日本で病気になったらどこへ行く?
  2. 日本で診察を受ける基本的な流れ
  3. 日本の医療保険について
  4. 深夜や休日に病気になったら?
  5. まとめ

日本で病気になったらどこへ行く?

日本で病気になったらどこへ行く?の画像

日本で体調を崩したら、まずはクリニックに行きます。そこで治療が出来なかったり詳しい検査が必要と判断されたりしたら、大きな病院にかかるようにしましょう。

クリニック

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体調不良を感じたら、まずは自宅や職場近くのクリニック(診療所)に行きましょう。クリニックとは外来診療をメインとする医療機関で、日常的な不調や怪我を診察します。各クリニックごとに専門の診療科目があるので、自分の症状に合ったクリニックを受診しましょう。クリニックの主な診療科目は以下のとおりです。

  • 内科:内科疾患全般
  • 整形外科:骨や筋肉などの不調
  • 産婦人科(レディースクリニック):妊娠や婦人科疾患
  • 眼科:目の不調
  • 耳鼻咽喉科:耳や鼻、喉の不調
  • 小児科:乳児や幼児の体調不良
  • 泌尿器科:排尿に関する不調
  • 皮膚科:皮膚のかゆみや湿疹など
  • 精神科:精神面の不調
  • 脳神経内科:頭痛やめまい、物忘れなど

クリニックでは、治療や症状に合った薬の処方をしてもらえます。なお、発熱などの症状がある場合は、新型コロナウイルスの可能性があるので予約をしないと診察ができません。最寄りの発熱外来を探し、連絡をしてからクリニックに行きましょう。

病院

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「クリニックで治療を受けても症状が改善しない」「重篤な疾患の可能性がある」などの場合は、医師に紹介状を書いてもらい、より設備の整った病院を受診しましょう。大きな病院では、精密検査やより高度な治療を受けられます。
なお、かかりつけ医の紹介状なしに大きな病院に直接行くのは極力避けましょう。医療設備が整っている病院に軽い症状の患者が集まると、重い病気や怪我の患者の治療が遅れてしまいます。まずは、クリニックの医師に高度な治療を受けるべきかの判断を仰ぎましょう。
招待状なしで大きな病院を受診すると、特別料金が発生します。ただし、救急や災害による受診の場合は対象外です。

参照元
政府広報オンライン「診療所や病院を適切に使い分けましょう。

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日本で診察を受ける基本的な流れ

日本で診察を受ける基本的な流れの画像

ここでは、日本で診察を受ける流れを紹介します。なお、生命に関わる状況の場合は無理せず、救急外来を受診しましょう。

1.病院を調べる

まずは、診察を受ける医療機関を調べましょう。スマートフォンやパソコンで地名と診療科目を検索すると、最寄りの医療機関を探せます。なお、軽い気持ちで救急車を呼ぶのは避けるべきです。日本では軽い症状で救急車を呼ぶ人の影響で、重体者の救急搬送が遅れることが社会問題になっています。重篤な症状がなければ、できるだけ自分で医療機関に向かうようにしてください。

2.持ち物を用意する

受診する医療機関が決まったら、持ち物を用意しましょう。必要なのは「保険証」「診察券」「お薬手帳」です。保険証があれば、医療費の自己負担は3割で済みます。以前行ったことのある医療機関の場合は、診察券も持っていきましょう。
お薬手帳とは、今まで処方された薬が記録されている手帳です。より確実で安全な薬の処方を受けるために提示が必要とされます。調剤薬局で提示すると薬代が10円~40円安くなるので、忘れないようにしましょう。

また、医療機関によっては、クレジットカードが使用できないこともあります。治療費がどのくらいかかるかは予想しにくいため、多めに現金を持っていきましょう。

3.受付で診察券と保険証を出す

医療機関に着いたら、受付で保険証を出しましょう。初めて受診する場合は受付で「初診」と伝え、2回目以降なら診察券を提出します。そのあとは受付スタッフの指示に従い、問診票を書いたり体温を測ったりして診察を待ちましょう。

4.診察を受ける

名前を呼ばれたら診察室に入り、医師の診察を受けます。症状を正しく伝えなければ、適切な診断は受けられません。もし、言葉で上手く伝えられるか不安であれば、紙に症状をメモして医師に渡すのもおすすめです。

5.診察代を支払う

診察を終えたら、受付で呼ばれるまで待合室で待ちます。名前を呼ばれたら、窓口に行き診察代を支払いましょう。精算時は領収書や提出していた保険証が渡されます。領収書は医療費控除を受ける際に必要なので、無くさないよう保管しておきましょう。
薬を処方された人は、院内処方であれば精算時に薬代もあわせて支払います。院外処方の場合、薬代を支払うのは調剤薬局です。精算時に渡される処方箋を持って調剤薬局に行きましょう。

6.薬を処方された場合は調剤薬局に行く

6.薬を処方された場合は調剤薬局に行くの画像

医師から薬を処方されたら、発行後4日以内に処方箋を持って調剤薬局に行きましょう。調剤薬局には薬剤師がおり、処方箋をもとに薬を調剤しています。調剤が終わったら服用方法について薬剤師から説明があるのでしっかり聞き、代金を支払って薬を受け取りましょう。

日本の医療保険について

日本の医療保険についての画像

日本では、公的医療保険に入っていないと医療費が全額自己負担になります。3ヶ月以上日本に滞在する場合は、必ず公的医療保険に加入しましょう。また、旅行者であっても高額な医療費の負担を防ぐために、旅行者保険に加入することをおすすめします。

日本公的医療保険の種類

フルタイムで雇用されて働く外国人、またはフルタイムで働く外国人に扶養される外国人は「健康保険」に加入します。健康保険料の半分は「労使折半」といい、働く企業が支払ってくれる仕組みです。健康保険の対象にならない自営業者や学生は、都道府県および市町村が運営する「国民健康保険」に加入します。

上記どちらかの医療保険に加入している人は、医療費の自己負担は3割のみです。一方、保険に加入していなければ、全額を自己負担しなければなりません。安心して医療にかかるためにも、忘れずに保険料を納めましょう。

外国人の雇用に関わる日本の保険制度については、「外国人労働者も社会保険に加入する!日本の社会保障を徹底解説」でご紹介しています。より詳しく知りたい方は、ぜひ合わせてご一読ください。

また、民間医療保険や生命保険に加入する場合、複数の保険を比較できるサービスを活用するのがオススメです。月々の保険料をシミュレーションしながら自分のライフプランに合わせた保険を選択できます。※参考:コのほけん!

旅行者は海外旅行保険へ加入しておこう

日本を訪れる旅行者は、もしものときに備えて海外旅行保険に加入するのをおすすめします。旅行者は公的医療保険に加入していません。そのため、日本で医療にかかった場合、費用は全額自己負担になります。発熱や腹痛などの軽い症状ならまだしも、入院や手術が必要となれば、請求が数百万以上になることも珍しくありません。このようなときに海外旅行保険に入っていれば、負担がかなり減らせます。
海外旅行保険への加入は、「日本観光で短期滞在ビザが必要な国とは?旅行の準備方法まとめ」で解説している各種手続きと同じく、旅行に欠かせない備えの一つといえるでしょう。

参照元
日本政府観光局「具合が悪くなったとき

深夜や休日に病気になったら?

深夜や休日に病気になったら?の画像

医療機関が閉まっている深夜や休日に病気になることもあるでしょう。そのようなときは、救急外来で診察を受けることが可能です。なお、時間外診療は診察費が高くなるので、症状が軽い場合は、医療機関が開いてから診察を受けることもおすすめします。
もし、深夜に体調が悪くなり自力での受診が困難な場合は、「119」に電話し救急車を呼びましょう。

救急車を呼んでも良いか判断できないときは、「#7119」に電話すると医療従事者に相談できます(対象外エリアあり)。

参照元
厚生労働省「大人の症状は#7119

まとめ

日本の医療機関にかかるのは不安という外国人も多いでしょう。しかし、早めに医師の診察を受けなければ症状が進行し、さらに健康を害してしまう恐れもあります。自身の体調とよく向き合い、適切なタイミングで受診しましょう。

ライター

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