初めての引っ越しは、分からないことも多いでしょう。特に電気やガス、水道の手続きに戸惑う方も多いのではないでしょうか。日本の場合、ライフラインの手続きは入居者本人が行います。引っ越し先での契約はもちろん、今までの住まいでしていた契約を解約する手続きも行わなくてはなりません。
このコラムでは、日本での水道やガス、光熱費の手続き方法を解説します。内容を参考にして、スムーズに引っ越ししましょう。
目次
日本では電気・ガス・水道を自分で契約する
日本では引っ越し時の電気やガス、水道の手続きは、自分で行わなければなりません。ライフラインの契約に関する仕組みは国によって違います。国によっては入居時に自動的に使えるようになっている場合もあるでしょう。しかし、日本では自ら手続きを行わなければ、いつまでも電気やガス、水道が使えない状態です。なお、電気やガスの契約先は、不動産会社があらかじめ決めている場合があります。そうでない場合は、自分で契約先を探さなくてはなりません。電気とガスはセットプランのある企業で契約をまとめると、お得な場合が多いようです。水道に関しては、住所を管轄する水道局に申し込みます。
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引っ越し時の電気・ガス・水道の手続きまとめ
ここでは、電気・ガス・水道の「使用開始」および「解約」手続きを紹介します。引っ越し時には新居での契約だけでなく、今まで住んでいた家でしていた契約を解約しなければならないので、注意しましょう。
電気に関する手続き
電気が通っていないと、新居での生活がままならなくなります。引っ越し当日でも手続きは可能です。しかし、電気が点かない状態では引っ越し作業に影響が出ます。また、当日はバタバタするため、できるだけ早く契約手続きを済ませておくことをおすすめします。
使用開始
契約したい電気会社に使用開始の申し込みをします。電話での申し込みのほか、Webサイトでの申し込みも可能です。なお、大手の電気会社には英文で翻訳されたページが用意されているので、日本語能力に不安のある方はぜひ活用しましょう。
契約時には、使用するアンペア数も決定しなくてはなりません。アンペア数が低ければその分、電気料金は下げられます。しかし、あまりに低すぎると一気に使える電気の量に制限が掛かり不便です。一人暮らしであれば、30アンペア以上あれば安心でしょう。手続きが完了したら使用を開始したい日に部屋に行き、ブレーカーを上げれば電気の使用を開始できます。
解約
今まで住んでいた家の電気を止める際は、引っ越し1週間前に手続きを済ませましょう。退去する直前まで電気は使うため、実際に住まいを離れる当日を使用停止日とするのがスムーズです。
ガスに関する手続き
日本の住宅では、エネルギーのすべてを電気でまかなう「オール電化」の物件を除き、キッチンやお風呂の湯を沸かす際にガスを使用します。ガスの種類は都市ガスとLP(プロパン)ガスの2種類です。それぞれ利用料金や原料、供給方法が異なり、LPガスのほうが料金が高い傾向にあります。
使用開始
まず、使用開始の手続きをする前に、引っ越し先のガスの種類を調べておきましょう。今までの物件と種類が異なる場合、器具をそのまま使えないため、買い替えや部品変更が必要です。なお、賃貸物件だとガスの種類を自分で選ぶことはできません。
ガスの使用開始手続きも、インターネットで行うと便利です。電話番号や住所などのほか、ガスの使用開始(開栓)希望の日程を入力します。ガスの開栓には立会いが必要なため、引っ越し当日に行うのが一般的です。
当日はガス会社の人が直接来て、ガスの開栓作業や使用機器の確認を行ってくれます。ガス会社の人が外国語が分かるケースは稀なので、コミュニケーションが不安であれば日本語が分かる人に同行してもらうのがおすすめです。
解約
以前の住まいで使っていたガスの閉栓作業にも、ガス会社の人の立会いが必要です。ガスは引っ越しギリギリまで使うので、新しい住まいに移る当日に閉栓作業を行うと良いでしょう。
水道に関する手続き
水道はガスや電気とは異なり、地方公共団体が管理しています。そのため、利用開始や停止の連絡をするのは、各地域を管轄する水道局です。
使用開始
水道の使用開始手続きは、引っ越しの1週間前~3日前ぐらいに各水道局のWebサイトもしくはお客様センターへ電話で行います。なお、水道に関しては、手続きをしていなくても蛇口を捻れば水が出るケースがほとんどです。万が一手続きを忘れてしまった場合でも、引っ越し当日に新居から電話で手続きを行えば問題ありません。手続きをしなくても水道が使えることから、使用開始の連絡を忘れてしまう人もいます。しかし、水道を使っている以上契約は必要なので、なるべく時間を置かずに手続きをしましょう。
解約
引っ越しする際の水道の解約手続きは、引っ越しの1週間~3日前までに行いましょう。引っ越し前に解約手続きを行っておかないと、誰が水道を使ったのか水道局では判断ができません。次の入居者との間でトラブルに繋がる可能性があるので、必ず引っ越し前に手続きを済ませましょう。
なお、「外国人は引っ越しの際に在留カードの住所変更が必要?提出する届出書を紹介」のコラムでは、引っ越しの際に必要な在留カードの住所変更について詳しく解説しています。引っ越しの際の手続きで慌てることのないよう、あわせてチェックしておいてみてください。
日本の電気・ガス・水道の料金は?節約のコツ
ここでは、日本で一人暮らしする場合の電気・ガス・水道の料金の目安と節約方法を解説します。なお、光熱費の料金は季節や地域で異なるので、あくまで参考程度に考えてください。
電気料金の目安と節約のコツ
総務省統計局の調査によると、2021年の一人暮らし世帯の電気料金の全国平均は5,482円でした。電気はガス・水道と比べても使用される場面が多く金額がかさみがちです。電気代を上手に節約できれば、家計の大きな助けになるでしょう。
電気代は、クーラーや暖房の使い方で金額が大きく変わります。夏は一日中クーラーを付けたままにするのではなく、朝や夜は窓を開けて外の涼しい風を入れてみましょう。冬は、なかにお湯を入れて暖を取る容器「ゆたんぽ」がおすすめです。布団に湯たんぽを入れると、暖房なしでも暖かく眠れます。
ガス料金の目安と節約のコツ
2021年の一人暮らし世帯のガス料金の全国平均は3,001円でした。ガスを使うのはキッチンとお風呂です。ガスコンロで料理をする際は、火加減に注意しましょう。鍋底をはみ出すぐらい火力を強くしても、あまり意味はありません。強火の場合は、鍋底をはみ出さない程度の火力で十分といわれています。
お風呂に入る際は、15分以上シャワーを流したままにするのであれば、浴槽にお湯を貯めたほうがガス代が掛かりません。浴槽がない場合は、体や頭を洗っているときはシャワーを止め、たくさんお湯を流さないようにしましょう。また、前述したとおりLP(プロパンガス)は都市ガスより料金が高くなりがちです。物件を決める際に都市ガスの物件にポイントを絞るのも、ガス代を節約するコツです。
水道料金の目安と節約のコツ
2021年の一人暮らし世帯の水道料金の全国平均は2,248円でした。水道代が多く掛かるのはお風呂や洗濯、食器洗いなどです。洗濯機の種類によっては、お風呂の残り湯を使える場合があります。お風呂で使ったお湯を再利用することで、大幅に水道代を節約できるでしょう。
食器洗いは洗いおけに水を貯め、そこに洗剤を入れながら洗うと水を出したままにしなくても済みます。また、食事毎に洗うのではなく、ある程度まとめて洗うのも効果的です。
参照元 総務省統計局「家計調査 家計収支編 単身世帯 」
電気・ガス・水道の節約方法をさらに知りたい方は「日本での生活費を節約するには?外国人に向けて紹介」のコラムも参考にしてみてください。
まとめ
日本で引っ越しをする場合、電気やガス、水道の手続きは自分で行わなくてはなりません。Webサイトでの手続きは、多言語対応が可能なケースも多く便利です。引っ越しは何かとバタバタするので、余裕を持って手続きを進めておきましょう。