日本に興味がある外国人のなかには、「奈良県に行ってみたい」「奈良県で生活したい」と考えている方もいるでしょう。そこで、このコラムでは奈良県の魅力や外国人に人気がある観光スポットを紹介します。奈良県に訪れる外国人観光客が多い理由や、外国人が生活しやすい地域も解説。奈良県に興味がある外国人に有益な情報をまとめているので、来日予定がある方はチェックしてみましょう。
目次
奈良県を訪れる外国人観光客は増加傾向にある
奈良県庁が発表しているデータによると、奈良県を訪れる外国人観光客は年々増加傾向にあります。2012年に28万5,000人だった外国人観光客は、2019年時点で349万5,000人とおよそ12倍です。日本は外国人観光客の積極的な受け入れを行っているため、奈良県にも訪問客が増えていると予想されます。
奈良県に来る外国人観光客の国籍
2020年に奈良県を訪れた外国人観光客のうち、約半数が中国出身です。ほかにも台湾や香港、タイなど日本に近い国から観光に訪れる外国人が多い傾向にあります。先述した国に比べると割合は低いものの、アメリカやフランス、インドネシアなど世界各国から観光客が訪れており、奈良県の人気の高さがうかがえるでしょう。
鹿とのふれあい体験が外国人に人気
外国人観光客が奈良県に訪れる理由として、日本の天然記念物である鹿の観賞・ふれあいが挙げられます。奈良公園およびその近辺に生息する鹿は野生生物です。神の使いとも呼ばれる鹿は奈良時代からいたことが確認されており、2021年7月時点で1105頭が生息しています。
奈良の鹿は人になれていて愛らしい見た目をしていますが、野生動物のため角で突かれたり突進されたりといった事故も少なくありません。また、人間の食べ物を与える行為やごみのポイ捨ては、鹿に危害を加える可能性があるため禁止されています。鹿と楽しく触れあうためにも、観光客はマナーを守ることが大切です。
参照元 奈良県庁「外国人訪問客数」 奈良公園「奈良公園の鹿」
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外国人におすすめの奈良県の観光スポット
ここでは、外国人でも楽しめる奈良県の観光スポットを紹介します。奈良県への旅行を考えている方は参考にしてみましょう。
奈良公園
奈良公園は明治時代からある自然公園です。660ヘクタールもの広大な土地を有しており、公園の敷地内には春日大社や東大寺、正倉院などがあります。奈良公園には鹿をはじめタヌキやイノシシ、ムササビが生息しておりさまざまな動物を見られるでしょう。また、桜やもみじといった植物が植えられているため、時期が合えば花見や紅葉狩りもできます。
東大寺
東大寺は奈良時代に建立された歴史ある寺院です。有名な「奈良の大仏」は東大寺にあるため、観光目的で訪れる旅行客もいます。流行病や干ばつ、大地震などで混乱している世の中を仏教の力で安定させようと考えた聖武天皇を中心に、9年の月日をかけて作られたのが奈良の大仏です。過去の戦によって奈良の大仏および東大寺が焼失したこともありますが、そのたびに修復・再建が行われてきました。現在の大仏はさまざまな年代で修復された跡が残っているため、観光の際は注意深く観察してみると良いでしょう。
法隆寺
法隆寺は世界遺産にも登録されている有名な寺院です。国宝や重要文化財、仏教美術品なども数多く所蔵されているため、日本の歴史が好きな方におすすめの観光スポットといえます。また、法隆寺は正岡子規という俳人がよんだ「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」という俳句でも有名です。奈良県は柿の名産地としても知られています。俳句の情景をなぞって、柿を食べつつ法隆寺の鐘の音を聞くのも一つの楽しみ方です。
日本の世界遺産についてさらに詳しく知りたい方は「日本の世界遺産を解説!一度は訪れたい人気スポットも紹介」のコラムもぜひご覧ください。
ならまち
ならまちは奈良県にある旧市街地の一角で、古き良き日本の生活風景を残しているのが魅力です。江戸時代から明治時代にかけて建てられた家屋が多く残っているため、街並みを見るだけでも歴史を感じられるでしょう。階段の下が引き出しになっている箱階段や日差しや風の調節を行う格子戸、家の軒先につるされた厄除けのお守りである身代わり申などは、ならまち独特の特徴です。また、ならまちには宿泊施設や飲食店、お土産の購入も可能な雑貨店などさまざまな店が立ち並んでいます。元興寺や庚申堂といった観光スポットもあるため、歩くだけでも楽しく過ごせるでしょう。
面不動鍾乳洞
面不動鍾乳洞では、大自然が育んだ神秘的な光景が見られます。夏場は涼しく冬場は暖かいため、どの季節でも気温を気にすることなく快適に楽しめるでしょう。面不動鍾乳洞は関西最大級の規模で内部は280mほどあり、いたるところでストロー状の鍾乳石を観賞できます。日常生活では見られない美しい景色が見られるので、奈良県を訪れた際はぜひ足を運んでみると良いでしょう。
居住目的で奈良県を訪れる外国人もいる
就労や留学、結婚のために居住目的で奈良県を訪れる外国人もいます。出入国在留管理庁が公表しているデータによると、奈良県で生活している在留外国人は2021年6月末時点で14,075人です。東京や大阪といった主要都市ほどではないものの、自然と歴史を感じられる奈良県で暮らす外国人もいます。
奈良県の外国人人口
奈良県で暮らす在留外国人14,075人の多くは、韓国や中国などのアジア圏出身です。ほかにもアメリカやブラジルといった国籍を持つ外国人が奈良で暮らしています。永住者や特別永住者を除くと「技能実習」の在留資格を持つ外国人が最多です。次いで多い在留資格には、「技術・人文知識・国際業務」と「留学」が挙げられます。さまざまな目的を持って世界各国から奈良県に移り住む外国人もいるため、日本に居ながら同じ出身の人と交流を図ることも可能でしょう。
外国人が奈良に住む理由
外国人が奈良で暮らす理由として、自然豊かな風土や日本の歴史を感じられる街並みの多さが挙げられます。奈良県は都心ほどインフラが発達していないものの、大阪府や京都府といった主要都市へのアクセスが良いのが特徴です。電車1本で移動が可能で1時間以内に到着できるため、ストレスを感じにくいでしょう。また、奈良県は都心に比べて家賃相場が低い傾向にあります。「生活費を節約したい」「遊ぶところと住むところは分けたい」という外国人にとって、奈良県は魅力的な土地のようです。
参照元 出入国在留管理庁「【在留外国人統計(旧登録外国人統計)統計表】」
まとめ
奈良県は古き良き日本の歴史を残す自然にあふれた土地です。寺院や大仏、鹿などの観光資源が多いうえ、近隣地域へのアクセスが良いのも奈良県の魅力といえます。来日予定のある外国人は、ぜひ奈良県にも足を運んでみましょう。