日本の歴史的建造物21選!人気のスポットを地域別に紹介

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2023/02/06

「日本にはどのような歴史的建造物があるのだろう」と興味のある方も多いでしょう。日本では、各地に寺院や神社、城などの有名な歴史的建造物があります。また、明治時代以降には西洋様式を取り入れた建造物が作られました。これらの歴史的建造物は大切に保存されて、観光名所として親しまれています。このコラムでは、日本の有名な歴史的建造物を紹介。参考にして、日本の歴史的建造物について理解を深めましょう。

目次

  1. 歴史的建造物とは
  2. 北海道・東北地方にある歴史的建造物
  3. 関東・中部地方にある歴史的建造物
  4. 近畿地方にある歴史的建造物
  5. 中国・四国・九州地方にある歴史的建造物
  6. まとめ

歴史的建造物とは

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歴史的建造物とは、築年数が古く、デザインや技術、機能において特徴がある建物のことです。主に、将来まで保存していく価値のある建物を指します。日本では、飛鳥時代から江戸時代にかけて神社仏閣や橋、城などが建造され、大切に保存されてきました。ユネスコや日本政府、自治体によって文化財に指定されている重要な建造物も多くあります。なお、年を経ただけで価値の低い建物は歴史的建造物に含まれません。

歴史的建造物には、地域の観光名所になっている神社や寺院、現役で使われている駅や橋もあります。そのため、観光や使用による消耗を考慮しながら、後世に伝えていく努力が必要といえるでしょう。

日本にある建造物について、さらに知りたい方は「日本建築の特徴とは?歴史や有名な建物も紹介」のコラムも参考にしてください。

北海道・東北地方にある歴史的建造物

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北海道には、明治時代に建築された歴史的建造物が多くあります。また、東北地方にある中尊寺金色堂は、平安時代に建造された歴史的建造物として有名です。以下では、北海道・東北地方にある代表的な歴史的建造物を紹介します。

北海道庁旧本庁舎

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北海道庁旧本庁舎は、1888年に建造された歴史的建造物です。約250万個のレンガを使用したネオ・バロック様式の建造物で、「赤レンガ庁舎」と呼ばれています。北海道庁が新庁舎に移転するまで、およそ80年間使われました。館内では、明治時代の札幌市を再現したジオラマや開拓をテーマにした絵画が飾られており、北海道の歴史を学べます。北海道庁旧本庁舎は、明治時代の様子や北海道の歴史を学べる建物としておすすめです。

札幌市時計台

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札幌市時計台(さっぽろしとけいだい)は、北海道札幌市にある歴史的建造物です。アメリカ人の農学教育者クラーク博士の提案によって、1878年に旧札幌農学校の屋内体育館として建築されました。時計は1881年に塔が新築されてからできたものです。学校施設として使用されたのち、市立図書館や軍事施設、教育団体の事務所にも活用されました。その後、札幌市時計台の歴史にまつわる資料が飾られ、観光名所として親しまれています。

中尊寺金色堂

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岩手県にある中尊寺金色堂(ちゅうそんじこんじきどう)は、1124年に建築されました。金色堂は、中尊寺にある数多くの建造物の中でも、最も古い歴史的建造物です。死後の楽園である極楽浄土(ごくらくじょうど)を表現するために建造されました。当時の技術を結集した、繊細な細工やふんだんに使われた金箔など豪華な装飾が見られます。華やかな寺院や仏像に興味がある方は、中尊寺金色堂を訪れると良いでしょう。

関東・中部地方にある歴史的建造物

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関東には、近代に建築された歴史的建造物が多くあります。また、中部地方にある名古屋城は国の特別史跡にも指定されている歴史的建造物です。以下では、東京駅・横浜赤レンガ・富岡製糸場・名古屋城・日光東照宮を紹介します。

東京駅

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東京駅は近代建築の巨匠といわれる辰野金吾(たつのきんご)氏の設計により、1914年に建造されました。辰野金吾氏は建築を学ぶため欧州に留学しており、東京駅も西洋建築の様式が取り入れられています。

東京駅は当時の最新技術を駆使し、レンガや石、鉄骨によって建築されました。正面から見て左右対称な造りや赤茶と白の縞模様のように見える外観が特徴です。吹き抜け天井や鉄筋の梁に凝った細工がみられ、細部まで見どころの多い歴史的建築物といえます。

横浜赤レンガ倉庫

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横浜赤レンガ倉庫は、神奈川県横浜市にあるレンガ造りの歴史的建造物です。海外からの輸入品を一時的に保管しておく場所として、2号館が1911年、1号館が1913年に建造されました。しかし、1923年には関東大震災が発生し、1号館が半壊します。1号館は縮小され、2号館は耐震工事が行われました。

1989年には、取扱貨物量が減少したため倉庫の使用が廃止されます。その後、建物の保存のために約9年間に及ぶ改修工事が行われました。近年では、飲食店や雑貨店が入る商業施設として活用され、多くの方に親しまれています。

富岡製糸場

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群馬県富岡市にある富岡製糸場(とみおかせいしじょう)は、明治時代に建築された製糸工場です。日本の近代化を進めるために1872年に建造され、当時の製糸工場としては世界最大規模を誇りました。フランス人技術者が設計し、木骨レンガ造りと呼ばれる西洋の建築技術が取り入れられています。

絹産業の発展に貢献したことや、建物の保存状態が評価され、2014年に世界遺産に登録されました。富岡製糸場には複数の建造物があり、日本の重要文化財に指定されている建物もあります。繭から糸を作る場所だった繰糸所(そうしじょ)や繭を貯蔵していた置繭所(おきまゆじょ)は、国宝に指定された歴史的建造物です。

名古屋城

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愛知県にある名古屋城(なごやじょう)は、徳川家康(とくがわいえやす)によって1615年に建築された歴史的建造物です。1930年には、城郭としては初の国宝に指定されました。

名古屋城で最も有名なのは、天守閣(てんしゅかく)に飾られた「金のしゃちほこ」でしょう。また、将軍が寝起きし政治を行う部屋である本丸御殿(ほんまるごてん)の豪華な装飾も見どころです。

日光東照宮

日光東照宮の画像

栃木県日光市にある日光東照宮(にっこうとうしょうぐう)は、徳川家康を祀っている神社です。1617年に建設され、1999年には「日光の社寺」として世界遺産に登録されました。

日光東照宮で有名なのは、動物をかたどった数々の彫刻類です。「見ざる、言わざる、聞かざる」の格好をしていることで有名な「三猿」や、東回廊の潜門にある「眠り猫」、五重塔に彫られた十二支がよく知られています。また、国宝に指定されている豪華で美しい「陽明門」も、見どころの一つです。日光東照宮を訪れる際は、門や彫刻の細かいところまでじっくり観察してみましょう。

近畿地方にある歴史的建造物

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古くから都が置かれていた近畿地方は、歴史的建造物が数多く残されている場所です。ここで、近畿地方の有名な歴史的建造物について紹介します。

京都御所

京都御所の画像

京都御所(きょうとごしょ)は、1869年まで天皇が住んでいた歴史的建造物です。建築されたのは1331年ですが、幾度も火災による被害を受けています。現存する建物は1855年に再建されました。京都御所には複数の建築物があります。中でも最も格式が高い建物は、伝統的な儀式が行われる紫宸殿(ししんでん)です。紫宸殿では、明治・大正・昭和と時代が変わるごとに天皇即位の儀式が行われました。ほかにも、日本の建築様式で作られた門や回廊(長い廊下)、日本庭園があります。

伏見稲荷大社

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京都市にある伏見稲荷大社(ふしみいなりたいしゃ)は、全国に約3万社あるとされる稲荷神社の総本宮です。「お稲荷さん」の名前で親しまれており、商売繁昌や家内安全、学業成就のご利益があるとされ、年間を通して多くの参拝客で賑わっています。

伏見稲荷大社の見どころは「千本鳥居」です。「稲荷塗」という朱色に塗られた鳥居が、どこまでも続くかのようにずらりと並んでいます。千本鳥居に足を踏み入れれば、まるで異世界に迷い込んだかのような幻想的な気分が味わえるでしょう。なお、千本鳥居の数は稲荷山全体で約1万基、千本鳥居だけで約800基あるとされており、それらはすべて奉納されたものです。鳥居は木製で雨風の影響を受けやすいため、現在も修理・建設が続けられています。

金閣寺

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京都市にある金閣寺(きんかくじ)は、黄金に輝く建物が特徴的な寺院です。内外に貼られた金箔から、金閣寺と呼ばれていますが、正しくは「鹿苑寺(ろくおんじ)」といいます。建てたのは、室町幕府の三代将軍である足利義満(あしかがよしみつ)です。義満が1397年に造営に着手した別荘「北山殿(きたやまどの)」が始まりで、義満の死後に禅寺である鹿苑寺になりました。戦火・放火の被害を受けつつも修理され続け、1994年には「古都京都の文化財」として世界遺産にも登録されています。

金閣寺の見どころは、黄金に輝く「舎利殿(しゃりでん)」です。三層の造りになっており、一層目は寝殿造り、二層目は武家造り、三層目は中国の禅宗風の作りになっています。二層目、三層目は内外に金箔が貼られており、室町時代初期の華やかな北山文化(きたやまぶんか)を代表する歴史的建築物といえるでしょう。

銀閣寺

銀閣寺の画像

京都市にある銀閣寺は、室町幕府の八代将軍である足利義政(あしかがよしまさ)によって建てられた寺院です。正しくは「慈照寺(じしょうじ)」といいます。銀閣寺と呼ばれていますが、木がむき出しの素朴な外観です。茶道や華道といった芸能が発達した東山文化(ひがしやまぶんか)を代表する書院造りの建物が有名で、わびさびを感じられる人気スポットとなっています。1994年には「古都京都の文化財」として世界遺産に登録されました。

平等院

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京都府宇治市にある平等院(びょうどういん)は、10円玉に描かれた「鳳凰堂(ほうおうどう)」が有名な寺院です。池に浮かぶようにして建てられた平等院鳳凰堂は、この世に極楽浄土を再現するために造られたもので、その美しさは世界的に広く知られています。創建は1052年のことで、1951年には鳳凰堂が国宝に登録され、1994年には平等院が「古都京都の文化財」として世界遺産に登録されました。平安時代後期の華やかな藤原(ふじわら)一族の名残を感じられる唯一の遺構で、貴重な歴史的建造物です。

法隆寺

法隆寺の画像

法隆寺は奈良県生駒群斑鳩町(ならけんいこまぐんいかるがちょう)にある歴史的建造物です。607年に推古天皇(すいこてんのう)と政治家である聖徳太子(しょうとくたいし)によって建築されました。境内にある五重塔・中門・金堂・回廊は、世界最古の木造建築です。1993年には日本初のユネスコ世界遺産に登録されました。

法隆寺の建造物の中でも有名なのは五重塔でしょう。高さが31.5mもあり、重なっている屋根が上にいくに連れて小さくなっているのが特徴です。五重塔の柱や木の組み方は地震の揺れを逃す構造になっており、現代の日本でも建築物を建てる際の参考にされています。

東大寺

東大寺の画像

奈良県奈良市にある東大寺は、大仏で有名な歴史的建造物です。748年ごろに、聖武天皇(しょうむてんのう)によって建造されました。高さ15mもの大仏が安置されている大仏殿は、世界最大級の木造建築物です。また、境内には後世に建築された、南大門や二月堂、法華堂などの建造物も多く残っています。建造物以外の見どころは、南大門にある2体の金剛力士像(こんごうりきしぞう)です。日本最大級の木彫像で、高さが8.4メートルもあります。

姫路城

姫路城の画像

兵庫県姫路市にある姫路城(ひめじじょう)は、木造建築の最高傑作ともいわれるほど美しく、巨大な城です。真っ白な城壁が特徴で、シラサギのような優雅な姿から「白鷺城(しらさぎじょう)」とも呼ばれます。また、美的完成度の高さはもちろん、軍事的要素をあわせ持つ独自の構造も評価されており、強く美しい要塞として有名です。ただ、鉄壁ともいえる高い防御力をもつにも関わらず、姫路城は築城以来、大きな戦争に巻き込まれることはありませんでした。幕末の争いや第二次世界大戦のなかでも甚大な被害を被らなかったことから、別名「不戦の城」とも呼ばれます。天守閣や門、土塀が良好な状態で保存されているため、歴史的な価値がとても高い建造物といえるでしょう。1993年には、法隆寺とともに日本初の世界遺産に登録されています。

中国・四国・九州地方にある歴史的建造物

中国・四国・九州地方にある歴史的建造物の画像

ここでは、日本の中国・四国・九州地方にある歴史的建造物を紹介します。代表的な歴史的建造物は、中国地方の錦帯橋と出雲大社、厳島神社、四国の道後温泉本館、九州の眼鏡橋です。

錦帯橋

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山口県岩国市にある錦帯橋(きんたいきょう)は、日本三名橋に数えられる歴史的建造物です。1673年に建造されたのち、洪水や台風の被害を受けましたが、そのたびに修復工事が行われてきました。錦帯橋の特徴は、5連のアーチ構造です。また、木造建築であり、日本の伝統的な建築技術によって主な部分は釘を使用せずに作られています。錦帯橋は、木で建築されたアーチ構造を持つ世界でも珍しい橋です。

出雲大社

出雲大社の画像

出雲大社(いずもたいしゃ)は、島根県の出雲市にある神社です。だいこく様と呼ばれる大国主大神(おおくにぬしのかみ)が祀られています。1744年に建築された本殿は、国宝に指定されている歴史的建造物で、高さが24mもあるのが特徴です。ほかにも、国の重要文化財である2階建ての大きな楼門(ろうもん)や神へのお供え物を置く神饌所(しんせんじょ)があります。また、神社の建築が素晴らしいのはもちろん、出雲大社は縁結びの神様として名高いため、良縁を求める人にも人気です。

厳島神社

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広島県宮島にある厳島神社(いつくしまじんじゃ)は、海に浮かんだ巨大な赤い鳥居が特徴的な神社です。世界遺産にも登録されており、国内外から多くの観光客が訪れる人気の観光スポットとなっています。鳥居が海の上にある理由は、宮島そのものがご神体として信仰の対象になっていたからです。島の木や土にも神が宿っていると考えられていたため、陸地ではなく海上に鳥居や社殿が建てられたといわれています。なお、鳥居が海に浮かぶ幻想的な風景が有名ですが、干潮時には鳥居まで歩くことも可能です。

道後温泉本館

道後温泉本館の画像

道後温泉本館(どうごおんせんほんかん)は、日本最古湯の一つといわれる愛媛県松山市の道後温泉にある愛媛県松山市にある歴史的建造物です。1894年に建築され、何度も改築を重ね現存する姿になりました。日本の偉大な小説家である夏目漱石の『坊ちゃん』に登場することでも有名です。

1994年には、日本の公衆浴場として初めて、国の重要文化財に指定されました。その後も営業を続けており、毎年多くの観光客が訪れています。

眼鏡橋

眼鏡橋の画像

長崎県長崎市にある眼鏡橋(めがねばし)は、日本最古の石で建造されたアーチ式の橋です。川面に映る影と橋の下部が眼鏡のように繋がった2つの円を描いているため、眼鏡橋と呼ばれています。1634年に建築されたのち一部が水害による被害を受けましたが、そのあと、再建されました。1960年には国の重要文化財に指定された歴史的建造物です。また、東京都の日本橋、前述した山口県の錦帯橋と合わせて、日本三名橋に数えられます。

まとめ

まとめの画像

日本の歴史的建造物には、札幌市時計台や東京駅、京都御所、出雲大社などがあります。これらは修復を経て、現代まで大切に保存されてきました。日本の歴史的建造物の多くは観光スポットとして有名です。興味がある方は、来日した際に見学してみてください。

ライター

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生活・仕事・留学に関するお役立ち情報から、日本のディープな魅力を紹介するコラムまで、バラエティ豊かな記事をお届けします。

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