日本の伝統文化といえば何がある?継承への取り組みについても解説

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2023/02/03

日本の伝統文化は、昔ながらのかたちを大切にしつつ、脈々と受け継がれてきました。特に日本の「衣・食・住」に関する伝統文化は、今日まで人々の生活に深く関わりがあります。着物や和食、日本建築は海外に暮らす人々をも魅了している代表的な伝統文化です。
このコラムでは、日本の伝統文化・伝統芸能について詳しく解説します。来日した際に日本の伝統文化を楽しめるよう、あらかじめ知識を身に付けておきましょう。

目次

  1. 日本の伝統文化といえば?
  2. 日本の衣食住にまつわる伝統文化
  3. 日本の伝統的な芸能文化
  4. 日本の伝統的な芸道文化
  5. 日本といえば!お正月の伝統文化
  6. 日本の冠婚葬祭に関する伝統文化
  7. 日本の伝統文化は衰退しつつある
  8. 日本を訪れる際は伝統文化を体験してみよう
  9. まとめ

日本の伝統文化といえば?

日本の伝統文化といえば?の画像

日本の伝統文化は、「禅」や「わびさび」といった概念の影響を大きく受けています。禅は、中国から日本に伝わった禅宗のことです。精神を統一した人間らしい生き方を目指しており、武道や茶道、書道などのさまざまな伝統文化に影響を与えてきました。
わびさびは、派手さのない落ち着いている美しさを表す言葉です。日本建築や日本庭園など、趣や味わいを感じられるようにあえて質素にしている伝統文化もあります。

わびさびについてさらに知りたい方は、「わびさびの意味を簡単に解説!日本人でも説明しにくい独特な美意識の概念」のコラムもご覧ください。

日本の衣食住にまつわる伝統文化

日本の衣食住にまつわる伝統文化の画像

ここでは、日本の生活と関わりの深い「衣・食・住」にまつわる伝統文化を解説します。興味のある伝統文化があった方は、実際に体験してみましょう。

和食


日本を代表する伝統文化が和食です。和食は山が多く周囲を海に囲まれた日本の風土が生み出した食文化で、豊かな自然がもたらす四季折々の食材が用いられています。日本は古くから自然を敬い、その恵みに感謝する心を大切にしてきました。そのため、食材を無駄なく使う調理方法が浸透しており、食事をする場所や食べ方にまでこだわりがあります。

和食は「うま味」と呼ばれる第5の味を持つ食文化です。うま味はかつお節や昆布、干し椎茸などに含まれている成分がナトリウムやカリウムと結合した際に生まれます。うま味や塩、味噌、醤油などを用いた素材の味を活かす繊細な味付けが特徴です。和食に使われる調味料は発酵食品が多く、動物性油脂の摂取量を抑えられるため、長寿や肥満防止に効果があるといわれています。また、和食は一汁三菜が基本なので、栄養バランスが良く健康的な料理です。

日本の食文化について詳しく知りたい方は「日本食文化の特徴や風習を外国人に向けて詳しく解説!」をご覧ください。

和菓子

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和菓子は、歴史を辿ると縄文時代から日本で食されてきた、伝統的な食べ物です。稲作が伝わったころから餅が生まれ、茶道の確立とともにさまざまな和菓子が作られてきました。味だけでなく美しい見た目も特徴で、季節の植物や可愛らしい動物が人気のモチーフです。食べるのがもったいないようなビジュアルも、伝統文化として確立されています。

日本建築

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伝統的な日本建築も文化の一つです。森林が多いうえ木材が気候に適しているので、古くから木造建築が用いられてきました。日本には現在でも、伝統的な技法で建てられた文化的建築物が数多く残っています。木造建築の工法は時代ごとに変化し、徐々に建築技術が向上していきました。神社や仏閣の建築を手がける大工は「宮大工」と呼ばれ、金属の部品がまだ貴重だった時代には、高度な木組みの技術で釘を一本も使わずに建築物を造り上げました。

地震の多い風土にあわせた技法も日本建築の特徴です。たとえば、世界文化遺産である「法隆寺」の建築では、中心に心柱と呼ばれる柱を取りつけて各階を独立させ、地震時に倒壊しないよう振動を逃がす技法が用いられました。

日本建築の特徴とは?歴史や有名な建物も紹介」のコラムでも、日本建築について解説しています。

日本庭園

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日本庭園は、さまざまな様式を用いて造られた日本の伝統文化の一つです。主に、中心に池を配置して石や土砂を盛って築山と呼ばれる人工的な山を作り、自然風景を再現した庭を指します。枯山水という水を使わず岩や砂だけで水流を表現する日本庭園もあり、その様式はさまざまです。

石川県金沢市の兼六園・岡山県岡山市の後楽園・茨城県水戸市の偕楽園は、日本三名庭園と呼ばれています。来日した際は、ぜひ足を運んでみてください。

温泉

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外国人にも人気の温泉は、古来から伝わる日本の伝統文化です。江戸時代から、温泉に浸かり病や怪我を治す「湯治」が、人々に親しまれてきました。火山の多い日本には、各地にさまざまな効能を持った温泉がたくさんあります。

温泉については「火山と温泉はどのような関係があるの?外国人に向けて解説!」や「日本のお風呂の入浴方法は独特?文化や海外との違いなどを紹介!」のコラムで詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。

襖・障子

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襖(ふすま)や障子(しょうじ)を用いた伝統的な家屋は、日本独自の文化といえます。襖とは、部屋と部屋を仕切る役割を持つ戸のことです。障子は木の枠に薄い障子紙を貼った戸で、ほどよく風や日の光を通すので窓の近くに取り付けられます。日本式の旅館に行くと、襖や障子のある部屋に宿泊できるでしょう。

畳の画像

畳は、い草という植物から作られた床材です。襖や障子と並んで、和室を構成する重要な要素といえます。古くから伝わる、畳を作るための「織り」や「貼り付け」の技術は、未来に語り継がれるべき文化です。
華道や茶道、柔道などはすべて畳の部屋で行われており、さまざまな伝統文化とも密接に関係しています。

着物

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日本の伝統的な衣服といえば、着物を思い浮かべる方が多いでしょう。着物は日本の伝統的な民族衣装です。色とりどりの色彩を使い描かれる模様は芸術品のように美しく、日本の美意識の象徴といえます。着物には礼装や訪問着、普段着などの格付けがあり、場面によって着用する種類が決まっているのが特徴です。また、四季に合わせて着物の素材や模様、色を選ぶのがマナーとされています。そのものが美しいだけでなく、帯や草履、足袋、かんざしなどの小物の組み合わせも楽しめるのも着物の魅力の一つです。

着物は平安時代に原型が生まれ、明治時代に外国文化の影響を受けるまでの間、日本人の衣服として日常的に着られていました。近年は、普段着として着物を着る機会が少なくなりましたが、結婚式や成人式、お宮参りといった祝いの行事で正装として身に着ける習慣があります。

日本の着物に関しては「日本の着物に興味がある外国人に向けて歴史や種類を解説!」で詳しく紹介しているので、気になる方はぜひ読んでみてください。

日本の伝統的な芸能文化

日本の伝統的な芸能文化の画像

ここでは、日本の伝統文化のうち、芸能分野に焦点を当てて解説します。

歌舞伎

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歌舞伎は日本の有名な伝統芸能の一つで、無形文化遺産に登録されています。演劇の一種で、江戸時代に流行し庶民に愛されていた娯楽です。時代ごとの流行を積極的に取り入れており、舞踊・セリフ・音楽の要素を持つ総合芸術として現代でも広く親しまれています。かつては女性や少年も演じていた歌舞伎ですが、あまりの人気と盛り上がりから演者は男性のみに限定されました。そのため、現代でも衣装や化粧、しぐさなどを工夫した「女方」と呼ばれる男性が女性の役を演じています。

歌舞伎は東京都の歌舞伎座をはじめ、日本各地の劇場で鑑賞可能です。また、伝統歌舞伎保存会や松竹座がインターネット上で歌舞伎に関する動画を投稿しているので、興味のある方はぜひ見てみてください。

日本の歌舞伎の特徴や歴史を解説!役者や人気の演目も紹介」のコラムでは、歌舞伎役者や人気のある演目についても紹介しています。

歌の画像

歌は、俳句や短歌をはじめとした言葉の組み合わせで感情や情景を表現する、伝統文化の総称です。

俳句は「5・7・5」の17音で構成される短い詩で、「季語」を入れるのが特徴です。たとえば、日本の有名な俳人である松尾芭蕉の「古池や・蛙飛び込む・水の音」という俳句の季語は「蛙」で、春の情景を表しています。静寂を破る水音を連想させ、わびさびを感じさせる日本らしい俳句といえるでしょう。

短歌は、「5・7・5・7・7」の31音で情景や感情を表現する日本の伝統文化です。俳句よりも文字数が多く、季語を入れる必要がないのが短歌の特徴といえます。作り方の制限が少ないため、日々の暮らしや恋愛について詠う短歌も多いようです。短歌はもともとは貴族のたしなみでしたが、時代の移り変わりとともに庶民にも広く親しまれるようになりました。歌会という批評の場や特定のお題をもとに考える題詠などを通じて、より良い短歌を作ろうと工夫する人もいます。日本語を勉強している方や高度な語学力を身につけたい方は、短歌にチャレンジしてみるのもおすすめです。

俳句についてより詳しく知りたい方は「外国人にも人気のある俳句とは?英語で詠むHAIKUのルールも解説」のコラムを参考にご覧ください。

狂言・能

能と狂言は、室町時代から伝わる伝統的な舞台芸術です。 能では古典文学を題材に、能面というお面を付けて歌に合わせて踊ります。一方、狂言はセリフが中心で、笑いに重点を置いたコメディタッチの喜劇です。能と狂言は同じ舞台で交互に演じられます。

和太鼓

 


和太鼓の歴史は、縄文時代までさかのぼります。古くは戦争時の合図や情報伝達として用いられてきました。先述した歌舞伎や能の舞台にも、和太鼓の演奏は欠かせません。現在では、和太鼓と現代の音楽を組み合わせたアーティストも登場しています。

三味線

三味線の画像

三味線は日本を代表する楽器で、歌舞伎の伴奏でも用いられます。3本の弦を撥(ばち)ではじいて音を奏でるのが特徴です。ほかの和楽器と比べると気軽に始められるので、趣味として習う人も多くいます。

雅楽

雅楽の画像

雅楽は日本の伝統芸能の一種で、無形文化遺産に登録されています。雅楽とは日本に古来からあった舞楽、中国大陸や朝鮮半島などから伝来した外来の舞楽、平安時代に生まれた催馬楽と朗詠の総称です。奈良時代・平安時代からあった伝統芸能で、宮廷や神社、寺院などで演奏されてきました。現代では、天皇陛下や皇族の公務・生活を補助する宮内庁に雅楽が伝承されているほか、民間の演奏団体もあります。琴や太鼓、龍笛などを使った演奏を実際に聞いてみたい方は、神社や寺院のイベント、雅楽の演奏会などに足を運んでみましょう。

日本人にとって、雅楽が最も身近になるのはお正月です。元旦を迎えるとテレビ番組やデパートで、『越天楽』や『春の海』といった雅楽の有名な曲が繰り返し流れます。神聖な雰囲気がおめでたい気持ちを盛り上げるので、いつしかお正月の定番曲になりました。

雅楽については、「日本の音楽を外国人へ向けて詳しく解説!伝統的な歴史も紹介」のコラムでも紹介しています。

落語

落語は幅広い人々に向けて解放されている寄席芸能の一種で、日本の伝統芸能として知られています。落語家と呼ばれる人が一人で何役もの登場人物を演じ、面白くおかしなストーリーを展開する話芸です。落語家は着物を着て座布団に座り、さまざまな話を観客に披露します。話の終わりに「落ち」という明確なしめくくりがあるため、明治時代以降から落語と呼ばれだしました。

落語はときに小道具として扇子や座布団を使い、見る人の想像力を掻き立て、話をより面白く感じさせます。現在の漫才やコントの先駆けといえるでしょう。

日本舞踊

日本舞踊は、歌舞伎舞踊を基本とした日本の伝統芸能の一つです。明治時代から大正時代にかけて日本の楽劇として、女性を中心に広まりました。着物を着て踊る動きやしぐさ、立ち居振る舞いが美しく、現代でも高く評価されています。

日本舞踊では、自然風景を模して踊ったり小道具として扇を持ったりするのが特徴です。また、若い娘や武士、狐などさまざまな役を踊りで表現します。一人の人物が何役も踊り分けることもあるため、日本舞踊を踊るには表現力と技術力も必要です。

日本舞踊は習い事としても人気が高く、研鑽を積めばプロの日本舞踊家として活動もできます。日本各地で日本舞踊の公演が行われているため、興味がある方はぜひ見に行ってみましょう。実際に踊ってみたい方は、お試しレッスンに参加するのもおすすめです。日本舞踊は三味線や太鼓、笛などに合わせて舞うので、日本の伝統的な楽器の演奏が聞けるのも魅力といえるでしょう。

人形浄瑠璃文楽

人形浄瑠璃は、三味線の音や語りに合わせて人形をあやつる演劇です。そのうち、大阪の文楽座発祥の系譜を、「人形浄瑠璃文楽(にんぎょうじょうるりぶんらく)」といいます。まるで生きている人間かのような人形さばきが魅力です。

日本には数多くの伝統芸能が存在します。「日本の伝統芸能の種類を一覧で紹介!海外にも伝わる魅力とは」のコラムで詳しく解説しているので参考にしてください。

参照元
文化庁「日本文化の海外発信

日本の伝統的な芸道文化

日本の伝統的な芸道文化の画像

芸道とは、長い年月を掛けて極める芸や技術のことです。ここでは、日本の伝統的な芸道文化について解説します。

武道

武道の画像

武道とは、日本で独自に発展した自身を守り敵を倒すための武術です。武士道から生まれた伝統文化で、体を鍛えるのはもちろん、人格の育成や礼儀を身につけることも重視しています。

武道の種類はさまざまです。2020年東京オリンピックの競技種目だった柔道や空手は、知っている方も多いでしょう。ほかにも、竹刀を使った剣道や、日本の国技といわれることも多い相撲があります。相撲は土俵といわれる専用の競技場で戦われ、迫力満点です。興行は年に6回行われ、東京の国技館や大阪のエディオンアリーナ大阪、名古屋のドルフィンズアリーナなどを回ります。来日した際には、ぜひ観戦してみてください。

武道の種類まとめ!始め方や道具の値段も解説」のコラムでは、柔道や相撲以外の武道も紹介しています。

華道

華道の画像

華道は草木や花を花器に活け、鑑賞する芸道です。ただ美しく花を活けるのが目的ではなく、精神性を高めることも重要視されています。また、美しい草花だけでなく、時に苔や枯れ枝などが使われるのも特徴です。

華道については「茶道・華道・書道って何?日本の伝統芸能について知ろう」のコラムでも触れています。

茶道

茶道の画像

茶道とは、お茶を点てて客人に振る舞う芸道です。お茶の点て方のほか、客人をもてなすための動作や人々の交流、茶器の鑑賞なども重視されます。近年の抹茶味ブームと相まって、世界から注目されている日本文化です。

茶道は日本の伝統文化!礼儀作法や流派が分かれた歴史を知ろう」は、茶道に焦点を当てたコラムです。

書道

書道の画像

書道は墨汁と毛筆を使って半紙と呼ばれる和紙に文字を書き、その筆運びで自己表現を行います。書道は知性や感性を養えるうえ精神統一にも良いとされており、幅広い世代に人気がある伝統文化です。

香道

香道の画像

香道は香木をたいて、香りを鑑賞する芸道です。香道の会では、主にいくつかのテーマに合わせてたかれた香りをかぎ分ける「組み香」が行われます。ただの香り当てゲームではなく、香りを通して古典文学の世界を感じる崇高な遊びです。

日本の伝統的な遊びの文化

日本の伝統的な遊びの文化の画像

日本に古くから伝わる遊びも、伝統文化の一つといえるでしょう。独楽やお手玉、けんだまなどはシンプルな道具を使う遊びですが、ついハマってしまう面白さがあります。カルタやすごろくは、簡単なルールで誰もが楽しめる遊びです。ほかにも、道具は使わず歌とともに体を動かす花いちもんめやかごめかごめといった遊びもあります。

日本の伝統的な遊びについて興味がある方は、「日本の伝統的な遊びはどのように楽しむ?外国人向けに解説!」のコラムもご覧ください。

日本といえば!お正月の伝統文化

日本といえば!お正月の伝統文化の画像

日本はアジア圏では珍しく1月1日がお正月です。1月1日~3日までの期間は「三が日」と呼ばれ、さまざまな伝統行事が行われます。

初詣

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初詣は、年が明けてから神社やお寺に新年の平安を祈りに行く行事です。日付は特に決まっていませんが、関東では1月7日、関西では1月15日までに行くと良いとされています。多くの人は1月1日~3日の三が日に参拝することが多いでしょう。初詣で有名なのは、東京都の「明治神宮」や千葉県の「成田山新勝寺」、大阪府の「住吉神社」などです。

おせち

おせちの画像

お正月には、縁起物や願いを込めた食べ物ばかりをお重に詰めた、「おせち」を食べる文化があります。豊作を祈るため神様に供えた食べ物を、年が明けてから食べていたのが始まりです。おせちの食材にはそれぞれ意味があり、たとえば黒豆には「真っ黒に日焼けするほど「まめ」に働けるように」という願いが込められています。

書き初め

書き初めの画像

書き初めは、新年にはじめて毛筆で字をしたためる行事です。新年の目標や計画、願いを書くのが一般的です。日本の小学校では、冬休みの宿題に書き初めが出されることもあります。

お年玉

お年玉の画像

お正月には、ポチ袋と呼ばれる小さな封筒にお金を入れて子どもに渡す、「お年玉」という文化があります。お年玉を渡す対象は自分の子どもや孫、年少の親戚などです。日本はお正月に親戚一同で集まる文化があるため、このような風習が生まれました。

日本の冠婚葬祭に関する伝統文化

日本の冠婚葬祭に関する伝統文化の画像

日本の結婚や祝い事、お葬式などにも、伝統的な文化があります。ここでは、海外にはない冠婚葬祭にまつわる伝統文化を紹介するので、日本人の慣習を知る参考にしてください。

七五三

七五三の画像

七五三は、子どもの7歳・5歳・3歳の節目に成長を祝う行事です。地域によって多少異なりますが、男の子は3歳と5歳、女の子は3歳と7歳に祝います。住んでいる土地の守り神を参拝し、写真撮影をしたり親戚で集まって食事をしたりするのが風習です。

人生の節目の行事については「日本の行事を一覧で紹介!季節ごとのイベントを楽しもう!」で詳しく紹介しています。

結納

結納の画像

結納とは、結婚を決めた男女が両家を行き来して結納の品を交わす文化です。縁起をかついだ9品目が結納品とされますが、内訳は地方によって大きく異なります。なお、昨今は両家合同の食事会だけで済ます場合も増えてきました。

通夜

通夜の画像

葬儀の前に、故人と最後の別れをする行事を通夜といいます。仏教式では通夜を行ってから、葬儀・告別式があるのが一般的です。日本では、特に信仰している宗教がない場合、仏教式で儀式を行います。

葬儀にまつわる内容は、「外国人必見!日本の葬式のマナーとは?焼香のあげ方や香典の包み方も解説」のコラムを参考にしてください。

日本の伝統文化は衰退しつつある

日本の伝統文化は衰退しつつあるの画像

日本に存在する伝統文化の多くは次世代の担い手がおらず、文化の保守・継承が困難になりつつあります。昨今の急激なテクノロジーの発達や娯楽の増加により、伝統文化に興味を持つ人が少なくなっているのが要因といえるでしょう。
現在の日本では、伝統文化が消滅するのを防ぐために、さまざまな取り組みが行われています。

日本の伝統文化を守るには

昨今では伝統芸能や伝統工芸の価値や重要性を周知するために、テレビ番組の特集やSNSでの発信が盛んに行われています。また、動画サイトを通じて世界中に配信したり文化の紹介用Webサイトを多言語で作成したりといった活動も盛んです。

日本の伝統文化を存続させるには、まずは存在を知ってもらい、次に体験してもらうのが重要といえます。「歌舞伎や日本舞踊を生で見たい」「体験レッスンを受けてみたい」という方は、積極的にチャレンジしてみましょう。興味を持つ人が増えることは、伝統文化の世界の盛り上がりに直結します。

後世に日本の伝統文化を継承する取り組み

日本では伝統文化を後世に残すため、政府や自治体が主体となってさまざまな取り組みを行っています。たとえば、文化庁が実施している取り組みは「伝統文化親子教室」という事業です。次世代を担う子供たちへ伝統文化を体験・習得できる機会を提供し、後継者となる人材を育てることを目的としています。日本全国で日本舞踊や茶道、華道などの伝統文化に関する活動を体験できるのが特徴です。また、YouTubeのチャンネルも開設し、伝統文化の周知に尽力しています。

一方、地方自治体では町おこしに伝統文化を活用し、周知と地域の発展を両立させる取り組みも盛んです。たとえば、兵庫県出石町や熊本県山鹿市では、日本建築を活かした町おこしを行っています。

日本の伝統文化のなかには伝統工芸品も含まれます、気になる方は「日本の伝統工芸について外国人へ解説!古くから受け継がれる奥深い魅力とは」も参考にしてみましょう。伝統工芸品の定義や種類を分かりやすくまとめています。

参照元
文化庁「伝統文化親子教室事業について

日本を訪れる際は伝統文化を体験してみよう

日本を訪れる際は伝統文化を体験してみようの画像

海外から日本を訪れる際は、ぜひ日本の伝統文化に触れる体験をしてみましょう。昨今では観光客向けにさまざまな体験型アクティビティが設けられており、茶道や書道の体験・和楽器の演奏などが気軽に楽しめます。
また、神社や寺といった日本の伝統的な建造物や日本舞踊、歌舞伎などを鑑賞するのもおすすめです。伝統文化は日本のあらゆる場所で体験できます。来日した際はぜひ、日本らしい体験や見学を行ってみてください。

まとめ

まとめの画像

日本の伝統文化は、国内外問わず魅力的なコンテンツとして注目されています。しかし、テクノロジーやインターネットの発展によって需要が減少し、次の世代への継承が難しくなっているのも事実です。日本の伝統文化を後世に残すには、多くの人が魅力や重要性に気づき、積極的に体験する必要があります。着物や和食、歌舞伎などは日本を代表する伝統文化です。旅行や留学などで日本を訪れる方は、積極的に日本の伝統文化に触れ、その魅力を肌で感じてみましょう。

ライター

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