日本のお正月とは?玄関飾りや料理について解説!新年の過ごし方を知ろう

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2023/12/07

もともとお正月は、年神さまを家に迎える行事として祝われていました。現代では、家族や親戚と新年を祝うのが一般的なお正月の過ごし方です。お正月の飾りや食べ物には健康や豊作、子孫繁栄、良縁などの願いが込められ、縁起の良い物が多く使われています。
このコラムでは、日本のお正月の伝統的な風習や正月飾りの意味、お正月料理について解説。コラムを参考に、お正月の過ごし方や習慣を知り、理解を深めましょう。

目次

  1. お正月の由来
  2. お正月を迎える準備
  3. お正月飾りの種類と意味
  4. お正月飾りを飾る期間
  5. お正月の過ごし方
  6. お正月の料理や食べ物
  7. まとめ

お正月の由来 

お正月の由来の画像

本来「お正月」は1月の別名で、新年を迎える月とされていました。現在では、正月行事を行う期間を「お正月」と呼ぶのが一般的です。年が明けて最初の3日間である1月1日から1月3日は、三が日(さんがにち)といいます。三が日は休業とする企業もあることから、年末年始に帰省して家族で過ごす人も多いでしょう。

松の内(まつのうち)は、お正月飾りを飾る期間とされています。松の内の始まりの日は地域によって違いはあるものの、終わりの日は1月7日です。松の内の最後の日である7日を過ぎた後に、鏡開きを行います。1月15日は小正月(こしょうがつ)といい、お正月行事を締めくくる日です。元旦からのお正月を「大正月」と呼び、盛大に新年を祝うのに対し、「小正月」は家族など内輪向けにこじんまりと祝い、お正月を締めくくる日とされています。

本来お正月は、「年神さまを自宅にお迎えするための行事」とされていました。年神さまは「正月さま」「歳徳神(としとくじん)」とも呼ばれており、新年に家々を訪れ、五穀豊穣や家の繁栄をもたらすといわれています。正月飾りを飾ったり、年末に大掃除をしたりする習わしは、年神さまをお迎えするためです。現在でも正月飾りを飾り、大掃除を行う風習は残っているものの、お正月は「家族で集まって新しい年を祝う行事」として広く認識されています。

お正月のほかにも日本の行事について知りたい方は、「日本の伝統行事には何がある?年末年始の行事や通過儀礼についても紹介」のコラムを参考にしてください。

お正月を迎える準備

お正月を迎える準備の画像

お正月を迎える準備は、12月下旬頃から始める家庭が多い傾向にあります。ここでは、お正月を迎える準備について解説。それぞれの習慣にどのような意味が込められているのか確認し、新年を迎える際の参考にしてください。

大掃除をする

大掃除とは、年末に日頃の掃除では手入れの行き届かないところまで、念入りに掃除を行うことです。「隅々までキレイになった家で新年を迎えられる」という気持ちの面でのメリットがあるほか、大掃除には伝統的な由来も存在します。

年末に行う大掃除の由来とされているのが「煤払い(すすはらい)」という習わしです。煤払いには、屋内を掃除して一年の汚れや厄を払い清め、年神さまを迎える準備をするという意味が込められています。もともとは江戸城で12月13日に行われていた煤払いが民衆に広まり、年末の大掃除に変化しました。これに由来し、現在も大掃除は12月13日~28日の間に行われるのが一般的です。なお、煤払いから正月準備が始まることから、12月13日は「正月迎え」「正月事始め(しょうがつことはじめ)」と呼ばれます。

年賀状を書く 

年賀状を書くの画像

年賀状は、新年を祝う挨拶状です。お世話になっている人に、感謝の気持を込めて新年の挨拶を送ります。日本には昔から、目上の人やお世話になった人に挨拶して回る「年始のあいさつ回り」という習慣があり、これを遠方の人に行うために、年賀状を送るようになりました。もともと年賀状は、1月になってから送られていました。現在では、1月1日に相手に届くように12月中に送るのが一般的です。1月1日の元旦に年賀状を届けたい人は、概ね12月25日くらいまでに書き終え、早めに出しておきましょう。なお、昨今では年賀状の代わりにメールやSNSで挨拶を済ますことも増えています。

また、年内に身内に不幸があった場合は、年賀状ではなく「喪中はがき」を出します。喪中はがきは、喪に服しているため新年の挨拶ができないことを伝えるために出すはがきです。喪中はがきを受け取った場合は、送り主に年賀状を出すのは控えましょう。

お正月料理の準備をする

お正月の三が日は、お店が閉まっていることも多いため、新年の料理は年末に準備をしておくのが一般的です。昔は、お正月に包丁を使うのは縁起が悪いとされ、料理をしなくても済むよう年末に準備しておくという習わしがありました。年越しそばやおせちなど、お正月料理に必要な食材は年末までに準備しておきましょう。

お正月以外の日本独自の習慣について詳しく知りたい方は、「日本独自の習慣やマナーは何がある?各場面ごとに紹介」のコラムを参考にしてください。

お正月飾りの種類と意味 

お正月飾りの種類と意味の画像

お正月飾りには、飾る場所や物にそれぞれ意味があります。ここでは、お正月飾りや玄関飾りの意味について詳しく解説するので、参考にしてください。

門松 

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門松は、年神さまをお迎えする目印として玄関先に左右一対で飾る竹や松でできた正月飾りです。松は古来より神々が宿る木とされており、もともとは松だけを飾っていました。長寿の象徴である竹も一緒に飾られるようになったのは、室町時代以降です。竹の先端は、斜めに切った「そぎ」と水平に切った「寸胴(ずんどう)」の2種類があります。もともとは寸胴しかなく、徳川家康が生涯唯一の負け戦となった「三方ヶ原の戦い」のあと、戦相手だった武田信玄を「竹」に見立てて斜めに削ぎ落としたことで、門松が斜めに切られるようになりました。現在は斜めに切る「そぎ」の門松が主流です。

しめ縄 

しめ縄の画像

しめ縄飾りは、玄関先の軒下や、玄関のドアなど玄関周りの高い位置に飾るのが一般的です。しめ縄は、神聖な領域と現世を隔てる結界の役目を持っています。不浄なものが入らないようにすることで、自分の家が年神さまを迎えるのにふさわしい神聖な場所であることを示す玄関飾りです。また、しめ縄飾りはしめ縄のほかに以下のような縁起物の飾りと合わせて飾られます。

  • 紙垂(しで):神さまの降臨を表す紙の飾り
  • 裏白(うらじろ):裏側が白いシダ植物の葉で、後ろめたいことがないことを表している
  • 橙(だいだい):一本の木に果物がたくさん実る様子から、代々(だいだい)栄えることを願うもの
  • 譲り葉(ゆずりは):新しい葉が開くと古い葉が垂れ下がるユズリハの葉で子孫繁栄を願う

なお、マンションなど住居環境によりドアの外側に飾れない場合は、内側に飾っても問題ありません。

鏡餅 

鏡餅の画像

お正月飾りの代表ともいえる鏡餅(かがみもち)は、年神さまが宿る依代として家の中に飾るものです。年賀状やお正月を表すイラストにも鏡餅の絵がよく使われており、新年には欠かせない飾りとされています。鏡餅は神さまが宿る場所となるため、家族が集まる場所や神棚、仏壇、玄関など大切な場所に飾りましょう。なお、年神さまが宿った鏡餅を家長が「御年魂(おとしだま)」として家族に分け、それを食べて新年の幸せや健康を祈ったのが、現在の「お年玉」の由来とされています。

干支の置物 

干支の置物の画像

干支の置物は、1年間家族を守るための縁起物とされています。年神さまとは関係ないものの、風水やお正月のインテリア、贈り物として購入する人も。飾る場所は、人が集まるリビングや出入りする玄関が良いとされています。

お正月飾りを飾る期間 

お正月飾りを飾る期間の画像

お正月飾りは、正月事始めの12月13日頃から年末にかけて準備し、松の内と呼ばれる1月7日まで飾っておくのが一般的です。お正月飾りを飾る際には、避けるべきとされる日が2日あります。12月29日は、「二重苦(にじゅうく)」とも読むことができ、縁起が悪いとされているため避けましょう。また、大晦日である12月31日も急ごしらえで「一夜飾り」となり、誠意に欠けるとされるため、行わないようにしましょう。

お正月の過ごし方

お正月の過ごし方の画像

日本では家族や親戚と新年を迎え、お正月を過ごすのが一般的です。ここでは、お正月の伝統的な行事や習慣について紹介します。日本のお正月の過ごし方について理解を深めましょう。

初日の出を見に行く

初日の出を見に行くの画像

初日の出(はつひので)は、1月1日の朝(元旦)の日の出のことです。古来より初日の出は年神さまの来訪を象徴する、めでたいものと考えられてきました。そのため、初日の出を拝むことには、新年の幸せや豊作を祈る意味が込められています。現在も初日の出を見に行く際は、新年の祈願や決意表明を行うのが一般的です。なお、初日の出を拝む風習は、天皇陛下が元旦に天地・四方・山陵を拝礼する「四方拝(しほうはい)」が、庶民の間に広まったことが由来とされています。

初日の出に似た言葉に「ご来光(ごらいこう)」があります。ご来光は、高い山や山頂から望む日の出のことで、見るとご利益があるとされているものです。もともとは「御来迎(ごらいこう)」と書き、山頂近くの雲に映った自分の影が、光の輪を背負った仏の像に見えることをいいました。

初詣に行く 

初詣に行くの画像

初詣(はつもうで)は、新年を迎えてはじめて神社やお寺に行き、その年の幸せや健康を祈願することです。初詣の由来は、「年籠り(としごもり)」とされています。年籠りは村や家の長が大晦日の夜から元日の朝まで、氏神さまのいる神社にこもって徹夜で祈る風習です。この年籠りが、大晦日の「除夜詣(じょやもうで)」と元日の「元日詣(がんじつもうで)」に分かれたのち、元日のお参りだけが残ったと考えられています。江戸時代には「恵方詣(えほうまいり)」とも呼ばれ、その年の神さまがいる方角の社寺にお参りしていました。現在は恵方や社寺にこだわらず、家の近くや思い入れのあるところにお参りに行くのが一般的です。

神社では「二礼二拍手一礼」で参拝し、お寺では拍手をせずに静かに手を合わせます。なお、初詣は松の内までに行く家庭が多いものの、明確な決まりはありません。都合の良い日に参拝すると良いでしょう。

また、初詣の際におみくじを引くのも新年の楽しみの一つです。おみくじには神の意志が表れるとされ、昔から人々に親しまれてきました。おみくじには、大吉・吉・中吉・小吉・末吉・凶と運勢が書かれています。一番良い運勢は、大吉です。参拝後は、おみくじを引いて一年の運試しをしてみるのも良いでしょう。

お年玉をあげる・もらう 

お年玉をあげる・もらうの画像

お年玉は、新年を祝って大人が子どもにあげるお金のことです。通常、お金をそのまま渡すことはせず、ポチ袋というお年玉袋にお金を入れ、名前を書いて渡します。お年玉を誰に渡すかの線引きはなく、自分の子どもや親戚の子ども、姪・甥、従兄弟くらいまで渡すのが一般的です。お年玉の金額の相場は、渡す相手によって異なります。お年玉は、もともと家長が鏡餅を分け与えたことが由来です。時代の変化で餅をつくことが少なくなり、鏡餅の代わりにお金を配るようになったとされています。

お正月のほかにも日本にはさまざまな年中行事があります。詳しく知りたい方は、「日本の年中行事や伝統行事を一覧で解説!特別な日の風習や行事食とは?」のコラムを参考にしてください。

お正月の料理や食べ物 

お正月の料理や食べ物の画像

お正月の料理は縁起を担いだ食べ物が多く、祝いの席にふさわしい食材が使われています。ここでは、お正月の伝統的な料理や食べ物について紹介するので、参考にしてください。

おせち

おせちの画像

お正月料理の代表ともいえるのが、おせち料理です。もともと季節の節目となる年間行事を節句(節供)といい、そのとき神様に「御節供(おせちく)」という料理をお供えする風習がありました。のちに、特に重要な年間行事である正月の料理を指すようになり、「おせち料理」として残ったとされています。

おせち料理の特徴は、縁起物を使った料理が多いところです。たとえば、紅白かまぼこは日の出を表し、昆布巻きの昆布には「喜ぶ」という言葉が当てられ、栗きんとんは黄金色に輝く財宝に関連付けられています。おせちは、年神さまにお供えした縁起の良い食べ物を家族で分かち合い、一年の幸せを祈願するための料理です。なお、おせち料理に日持ちする食材が多い理由は、お正月に包丁を使い料理することは縁起が悪いとされることや、かまどの神さまに休んでもらうため、日頃忙しい女性にゆっくり過ごしてもらうためなど諸説あります。

年越しそば 

年越しそばの画像

年越しそばは、大晦日の年越し前に縁起を担いで食べる蕎麦のことです。江戸時代に定着した文化とされており、「細く長いそばで寿命や家運が伸びることを祈る」「切れやすいそばを食べて1年の災厄を断ち切る」といった願いを込めてそばを食べます。一年を平穏に過ごせるようにという思いと、そばの特徴を重ね合わせた縁起担ぎの料理です。なお、年が変わる前に食べ終わらないと縁起が悪いとされているので、除夜の鐘が鳴るころには片付け終わるよう余裕をもって食べ始めましょう。

お屠蘇 

お屠蘇の画像

お屠蘇(とそ)は、お正月に飲む特別なお酒です。もともとお屠蘇は、生薬を浸した薬草酒でした。現在は日本酒をお屠蘇代わりに飲むこともあります。お屠蘇は、年少者から年長者へと順番に飲むのがマナーです。厄年の人は厄を払う力を分けてもらうため、最後に飲みます。なお、子どもや妊婦などお酒を飲めない人は、形式的に飲んだふりをするだけでもかまいません。お屠蘇の由来は、古代中国で厄除けのために生薬を調合してお酒に浸して飲んだのが始まりとされています。現在は、ドラッグストアなどでお屠蘇を作れる材料が売られており、「屠蘇散(とそさん)」や「屠蘇」という名前で見つけることができるでしょう。

お雑煮 

お雑煮の画像

お雑煮は、年神さまにお供えしたお餅をいただくための料理です。年神さまが宿ったお餅を食べることで「新しい年を健康に過ごせるように」という願いが込められています。もともとは、年神さまにお供えしたお餅や野菜を、その年はじめて汲んだ「若水」に入れ、新年最初に起こした火で調理したのが由来です。なお、お雑煮の作り方や具材は、地域や家庭により異なるため、味の違いを楽しむのも良いでしょう。

七草がゆ

七草がゆの画像

七草粥は、1月7日に無病息災を祈って食べる料理です。七草粥は、もともとは1月7日の「人日の節句」に食べる行事食でした。古代中国において、元日から7日まで一日ずつ「トリ・イヌ・イノシシ・ヒツジ・ウシ・ウマ・人」を当てはめて占い、7日目にあたる人の日に若菜を入れた汁物を食べて無病息災を祈願したことが始まりとされています。その後、奈良時代に日本に伝わり、年初に若菜を食べて生命力を高める「若菜摘み」や、7種の穀物で作る「七種粥」といった風習と結びつき、現在の七草粥になりました。
七草粥に使うのは「せり・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろ」という春の七草です。春の七草には、冬に不足しがちな栄養を補ったり、お正月の食べ過ぎ飲み過ぎで弱った胃腸をいたわったりする効果もあるとされています。

お正月料理以外の日本料理について詳しく知りたい方は「日本料理の献立にある名前を一覧で紹介!食文化を知って食事を楽しもう」のコラムを参考にしてください。

まとめ

まとめの画像

日本のお正月の風習には、新年の幸せや健康を祈る人々の願いが込められています。お正月の伝統料理には縁起の良い食材が選ばれ、豊作や子孫繁栄、出世、良縁などが祈願されてきました。昨今では時代の変化に伴い、お正月の過ごし方も変わってきています。新年の挨拶を年賀状ではなくSNSやメールで済ませたり、おせち以外の料理を食べたりするなど、家庭や個人によりさまざまです。日本のお正月に興味のある人は、伝統的なお正月料理を食べたり、初詣に出かけたりして新年を祝う雰囲気を体験してみてください。

ライター

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